トランプ大統領、独自の北朝鮮制裁の大統領令に署名 

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トランプ米大統領は9月21日、北朝鮮に追加制裁を科す大統領令に署名した。

Presidential Executive Order on Imposing Additional Sanctions with Respect to North Korea


国連安全保障理事会は9月11日、北朝鮮の6回目の核実験を受け、新たな制裁決議案を全会一致で採択した。拒否権を持つ常任理事国の中国とロシアも賛成した。

2017/9/15 北朝鮮制裁決議案 採択

中国商務部は9月22日、公告52号を出した。
・北朝鮮の繊維製品の輸入禁止
・コンデンセート及びLNGの北朝鮮への輸出禁止
・石油精製製品の北朝鮮への輸出については国連加盟国の輸出限度が近づくと通知を出し、それ以降の輸出を禁止

 但し、原油の輸出制限や、北朝鮮労働者の契約更新禁止などは、発表には含まれていない。


今回の大統領令は、これに加えての米国独自の追加制裁である。

大統領令は北朝鮮の建設、エネルギー、金融、漁業、IT などに関わる企業を制裁対象に含めた。財務省が指定すれば、米国内の資産凍結などを科せるようにした。

米国は従来、北朝鮮の大量破壊兵器の開発につながる疑いがある企業や個人を制裁対象としてきた。今回の大統領令では幅広い産業分野で北朝鮮と取引のある企業に制裁の網をかける。

北朝鮮に立ち寄ったことがある船舶や航空機の米国への入国も禁じる。

大統領は、「北朝鮮が殺傷力の最も高い兵器を開発するための資金源を断つ」と狙いを語った。

北朝鮮と取引関係のある外国金融機関は米国の金融システムから排除する。財務長官は記者会見で、外国金融機関は「米国とビジネスをするか、北朝鮮と取引するか選ぶことになる」と語った。

トランプ大統領は、中国人民銀行が、国内の金融機関に対し、北朝鮮との取引を停止するように通達したことを明らかにした。中国の金融機関が制裁対象となることを避けるための措置とみられる。

中国の「4大銀行」(中国工商銀行、中国農業銀行、中国銀行、中国建設銀行大手国有銀行)が、北朝鮮人名義の新規口座開設や送金、入金などの取引を停止したことが分かった。

大統領はTwitterで次のように述べた。

9/21  

Today, I announced a new Executive Order with re: to North Korea. We must all do our part to ensure the complete denuclearization of #NoKo (North Korea).

This Executive Order provides us with powerful new tools, but I want to be clear: the Order targets only one country-North Korea. The regime can no longer count on others to facilitate its trade & banking activities.

9/22

Kim Jong Un of North Korea, who is obviously a madman who doesn't mind starving or killing his people, will be tested like never before!


大統領令の概要は下記の通り。

1) 下記の対象者の米国にある資産は凍結する。

北朝鮮で建設、エネルギー、金融、漁業、IT、製造、医療、鉱業、繊維、輸送業に従事
北朝鮮の港、空港、入国地点を所有、管理、運営
少なくとも1回は大規模に、商品、サービス、技術を北朝鮮に輸出、または北朝鮮から輸入
北朝鮮政府または党のために収入を得る商業活動に従事した北朝鮮国民
これらの資産凍結対象者を支援するもの

2) 北朝鮮に着陸した航空機は北朝鮮を出発後、180日間は米国に着陸できない。
   北朝鮮の港に入港した船、それらの船から荷物を受け取った船は、180日間は米国の港に入港できない。

3) 米国にある北朝鮮の資金の凍結

4) 外国の金融機関への制裁(コルレス口座の禁止・制限、資産の凍結など)

過去からの制裁を含め資産が凍結されている人のために、知りながら、取引をしたもの
北朝鮮との貿易に関し、知りながら、重要な取引をしたもの

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