武田薬品、Entrepreneurship Venture Programで2社目を設立

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武田薬品は10月2日、Entrepreneurship Venture Programにより2社目のバイオテク企業、㈱ ChromaJean を湘南研究所に設立したと発表した。

Entrepreneurship Venture Program は、武田薬品の研究アセット、技術を用い、武田薬品で働く研究者自らが起業することをサポートするプログラム。

武田薬品内におけるアントレプレナーシップを奨励し、ベンチャー企業の独立運営を支援するだけでなく、アントレプレナーシップの育成に貢献することで、日本の創薬エコシステム醸成にも寄与することを期待する。

ChromaJeanの設立に際しては、同社で培われた資産や技術が初期運転資金と共に提供され、さらに新会社は湘南研究所における実験機器やオフィススペースなど、必要な研究サービスを利用することができる。

このProgramでの第1号は㈱ SEEDSUPPLY で2017年5月15日に設立された。(発表は8月1日)

両社の概要は次の通り。

1) SEEDSUPPLY

事業:医農薬品の研究・開発ならびにそれらの受託およびコンサルティング業務

既存のハイスループットスクリーニング技術では対応できない創薬ターゲットを対象にした化合物探索や標的分子が不明な化合物の結合蛋白質探索に威力を発揮する。低分子化合物の新しい可能性を追求していきたいとしている。

サービス:

結合化合物探索:

武田薬品が保有する化合物ライブラリを用いて結合を指標にしたハイスループットスクリーニングを行う。
精製蛋白質だけでなく、膜画分、ミクロソーム画分等も用いることができるので、あらゆるターゲットに対応できる。

--- 結合蛋白質探索:標的が未知な化合物に結合する蛋白質を当社が有する蛋白質ライブラリからスクリーニングを行う。


Drug discovery

既存のハイスループットスクリーニング技術では対応できない創薬ターゲットに特化し、独創的な新薬候補化合物の創製に挑戦。

2) ChromaJean

最適な分離・精製条件をすばやく見出す独自のアルゴリズムと、効率化を可能にするクロマトグラフィー技術を組み合わせ、以下の事業展開を通して前臨床および早期開発ステージにある医薬品の研究開発に貢献する。

1. 受託試験サービス
キラル化合物を含む種々の化合物に対して、迅速かつ非常に高い成功確率で分離・分析を達成できるようにChromaJeanが開発し、標準化した独自のクロマトグラフィー技術を提供

2. 新規クロマトグラフィー技術の開発
アカデミアや研究機器メーカーと協業し、ChromaJeanの技術を基にした新規技術の開発

3. 国内外の創薬関連企業におけるクロマトグラフィー・プラットフォームの構築支援サービス
今後構築するフランチャイズネットワークを通じた、ChromaJeanの技術を様々な研究活動において活用するためのクロマトグラフィー・プラットフォームの構築支援サービスの提供
クロマトグラフィー技術は、研究プロセスにおいて必要不可欠な技術であり、様々な研究部門で使用されているにも関わらず、作業者の経験と勘に依存しているために個人差が大きい。


ChromaJeanは、武田薬品において培った専門性を活かし、分離条件探索から精製完了にいたるまでの各ステップの標準化・自動化に成功した。
さらに武田薬品が長年蓄積してきた独自のノウハウを組み合わせることにより、高速化、省コスト化および個人差の排除を実現するとともに、非常に成功確率の高い技術となっている。

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