ドイツ、メルケル首相の4選に暗雲

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メルケル独首相の与党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が自由民主党(FDP)や緑の党と進めていた連立協議が11月19日、決裂した。
メルケル氏の首相4選に暗雲が漂い始めた。

9月24日の連邦議会(下院)選挙で、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は709議席のうち246議席しか確保できなかった。大量の難民受け入れへの世論の反発があるとされる。

メルケル氏はキリスト教民主同盟 (CDU) の党首。バイエルン州のみを地盤とするキリスト教社会同盟 (CSU) と連携している。

第一次と第三次政権で連立を組んだドイツ社会民主党(SPD)も大敗し(153議席)、連立離脱を宣言している。

このため、メルケル首相は、緑の党(67議席)、第二次政権で連立を組んだ自由民主党(FDP)(80議席)との3党連立を協議してきた。
3党連立で393議席となり、過半数(355)を上回る。

しかし、環境保護を党是とする緑の党はシリア難民の家族の受入、石炭火力発電の廃止を主張、経済界寄りの自由民主党(FDP) はこれに反発し、連立協議からの離脱を表明した。

先に連立離脱を表明しているドイツ社会民主党(SPD)(153議席)は、改めて連立を否定した。

キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と緑の党だけでは、313議席で過半数(355)を下回り、少数与党となる。

しかしメルケル首相は11月20日、少数与党政権について懐疑的だと語り、再選挙を示唆した。しかし、再選挙で更に議席を失う可能性もある。

ドイツ下院選挙の結果は次の通り。

第一次
2005/11
第二次
2009/10
第三次
2013/12
今回選挙
キリスト教民主同盟 (CDU) キリスト教
民主・社会同盟
(CDU/CSU)
連立 連立 連立 246 連立協議 少数与党?
キリスト教社会同盟 (CSU)
ドイツ社会民主党(SPD) 連立 連立 153 離脱表明
緑の党 67 連立協議 少数与党?
自由民主党(FDP) 連立 議席 0 80 連立協議→離脱
ドイツのための選択肢(AID) 議席 0 92
左派党 69
無所属 2
合計 709


ドイツのための選択肢(AID)は、2013年のギリシャ経済危機を契機に反EUを掲げて結党され、ドイツのEU離脱を最大の目標として掲げている。移民問題についても強く反対しており、極右政党ともされる。
議席ゼロから92議席を獲得、注目されている。

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