米、6カ月ぶり利上げ 

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米連邦準備理事会(FRB)は12月13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0.25%ポイント引き上げ、1.25%-1.50%のレンジにすることを決定した。


物価はかつての予測を下回って停滞が続いており、会合参加者には警戒感が残っている。今回の利上げは投票メンバー9人のうち7人が賛成したが、シカゴ連銀のエバンズ総裁とミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は金融引き締めに反対票を投じた。

今後の利上げシナリオは、2018年が年3回、2019年は年2~3回との見通しを公表した。

イエレン議長は2018年2月で退任する。


声明文では、米経済について「底堅いペースで拡大が続いている」と自信をのぞかせた。

雇用情勢も堅調で、声明文では「緩やかな政策調整によって、労働市場は力強さを維持するだろう」と指摘した。会合参加者は失業率が2018年10~12月期には3.9%まで下がると予測。完全雇用とみる水準(4.6%)を大きく割り込んで、労働市場の逼迫感が強まるとの見通しを示した。

物価上昇率は目標の2%に達していないが、中期的には目標とする2%に近づくと見ている。

なお、FRBは商務省発表のPCE(個人消費支出)を判断の基準としている。(CPIは労働省発表)

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米国は、金融危機に対応するため、2008年11月~2010年6月に量的緩和策 QE1(Quantiative Easing Program-1 )を実施し、1兆7250億ドルが供給された。

米国の景気回復ペースの鈍化を受けて、2010年11月~2011年6月に実施されたQE2では6000億ドルが供給された。

更に、労働市場を刺激して景気を回復させるため、2012年9月にQE3 を開始し、以降、毎月850億ドルの債券買い入れを行ってきた。

2014年1月には、債券買い入れ規模を減らし、量的緩和(QE3)の縮小を継続する方針を決めた。

2014/2/4 米国の量的緩和縮小とその影響 

その後、毎月の債券買い入れを月850億ドルから順次減少させ、2014年11月には買い入れをゼロとした。
(但し、満期を迎えても償還分を再投資して資産規模を維持している。 この方針を変更すると影響は大きい。)

2015年12月16日に、米経済は2007-09年の金融危機による打撃を概ね克服したとの認識に立ち、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を 0%~0.25% から0.25%~0.50% に引き上げた。

2015/12 0%→ 0.25%
2016/12 0.25%→ 0.50%
2017/3 0.50%→ 0.75%
2017/6 0.75%→ 1.00%
2017/12 1.00%1.25%


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