ソウル中央地裁、ロッテ創業者に実刑判決、収監は見送り

| コメント(0)

韓国 ロッテグループの企業内の不正事件で、横領や背任などの罪に問われた同グループ会長の辛東彬(重光昭夫)被告(62)ら創業者一族に対する判決公判が22日、ソウル中央地裁であった。

検察側の求刑と判決は次の通り。

求刑 判決
辛東彬(重光昭夫)会長 (62) 懲役10年と罰金1000億ウォン 懲役1年8カ月、執行猶予2年
辛格浩(重光武雄)創業者(95) 懲役10年、罰金3000億ウォン 懲役4年と罰金35億ウォン 収監は見送り
辛東主(重光宏之)(63) 懲役5年、罰金125億ウォン 無罪


判事は、2015年ごろまで経営の実権を握った創業者が、会社の資金を横領し、内縁の妻やその娘らに実態に見合わない多額の報酬を払ったほか、系列映画館の売店運営権を親族の会社に渡し、グループに損失を与えたとし、横領と背任の主犯と認定した。高齢と認知症などの症状があるため、判決後も身柄は拘束されない。

辛東彬・現会長については、経済的利益を受けていないとする一方、犯行を黙認した責任を指摘した。「たとえ父の言うことを拒否できないと言っても、犯行の実現過程での役割は無視できない」と指摘した。

多額報酬に絡み横領の罪に問われた長男の辛東主被告は無罪だった。

辛東彬会長は事件を受け、2016年10月に経営刷新案を発表し、続投を表明した。今回、実刑を免れたことにより「最悪の事態は避けられ『ニューロッテ』への転換が加速する」との見方が出ている。

付記 検察側と被告側はそれぞれ控訴した。

ーーー

ソウル中央地検は2016年9月26日、背任・横領の容疑で、辛東彬(重光昭夫)韓国ロッテグループ会長の逮捕状を請求した。

検察側は、辛東彬会長がロッテグループのオーナー一族を系列企業の形式的な役員に就かせ、給与として総額500億ウォンを支払ったのは明らかに横領だと主張、また会長一族が個人的に保有する会社に集中して発注を行ったり、系列会社間の株式取引を指示したりして、総額1250億ウォンの損失を出した疑いもあるとした。

これに対し、会長側は「給与500億ウォンは辛東彬会長が受け取ったものではなく、集中発注は辛格浩総括会長が指示したものであり、辛東彬会長とは無関係だ」と反論。系列会社間の株式取引も経営上の判断によるもので、損失が出たか否かを現時点では判断できないと主張した。

しかし、ソウル中央地裁は9月29日、逮捕状請求を棄却した。「捜査の進行内容と経過、主要犯罪容疑に対する争いの余地などを考慮すると、拘束の必要性、相当性を認め難い」と判断した。

ソウル中央地検は2016年10月19日、創業者の重光武雄(辛格浩)、長男の重光宏之(辛東主)、次男の昭夫(辛東彬)の各氏を脱税や背任などの罪で一括して在宅起訴 した。

2016/10/3 ロッテ会長の逮捕状請求棄却と高高度防衛ミサイル(THAAD)配置

今回、地裁は一部の罪についてのみ有罪とした。

コメントする

月別 アーカイブ