中国が建設したアディスアベバ − ジブチ鉄道が商業運営開始

| コメント(0)

中国中鉄と中土集団が建設・運営するアディスアベバ − ジブチ鉄道の商業運営スタートセレモニーが2018年1月1日、エチオピアの首都アディスアベバの駅で行われた。

エチオピアの首都Addis AbabaとジブチのDjibouti港を結ぶ全長756kmの鉄道で、エチオピアのDeweleとジブチのAli Saniehの間で国境を通過する。

フランスとエチオピアの合弁会社が1917年に狭軌で完成させ、1977年のジブチ独立後にフランスから経営権の譲渡を受けたが、その後、ほとんどの区間で鉄道が運行されておらず、アジスアベバ-ジブチ間の貨物輸送の100%が道路輸送とされていた。

2013年、中国企業の手によりアフリカ初の電気鉄道を目指して広軌、全線電化への大規模修繕工事が開始された。

約35億ドルの総工費は中国輸出入銀行が7割を出資し、工事は中国鉄建傘下の中国中鉄と中国土木工程集団が担当した。中国は「一帯一路」構想の一環と位置付けている 。

2016年10月に完成し、その後、試運転を続けてきた。

建設期間中も、同鉄道を通して10万トン以上の人道支援用の救援食糧が輸送され、干害だったエチオピアで大きな役割を果たした。

中国鉄建が2017年10月に試運転の完了を認定した。

エチオピアとジブチの陸路による輸送は、現在、1日1,500台を超すトラックが往来する飽和した街道で2~3日必要なのと比べて、10時間に短縮される。

ーーー

同鉄道は「一帯一路」 計画に含まれており、また、中国・アフリカ協力フォーラム・ヨハネスブルグサミットの「10大協力計画」の一環で、中国とアフリカの「『三網一化』(高速鉄道網、高速道路網、地域航空網の3大ネットワークとインフラ工業化)、生産能力協力の象徴となるプロジェクトである。

2015年12月、南アフリカのヨハネスブルクで「中国・アフリカ協力フォーラム」の第6回会合が開催され、それに合わせて、中国とアフリカの首脳会議が開催された。

中国は今後、アフリカ支援として600億ドルの資金を拠出すると表明した。習近平国家主席は演説で、アフリカに対する「10大協力計画」を公表した。今後2016~2018年の3年間でアフリカの工業化、農業の近代化、インフラ整備、貧困や環境対策などを含む10の分野への協力を行うと約束した。

拠出額600億ドルのうち、400億ドルを優遇借款や中小企業支援に、50億ドルを無償援助や無利子融資に、もう50億ドルを中国・アフリカ開発ファンドへ充てる予定。また、今回、新しく設立された中国・アフリカ生産力向上基金に100億ドルを拠出し、20万人の技術者の訓練や工業団地の建設も約束した。

中国にとって、この列車は1つのショーウィンドーで、目標は、東のジブチからアフリカ西岸のギニア湾までのアフリカ横断路線の創設 であるとされる。

この経路は現在不安定な南スーダンと中央アフリカの2国を通過することになる ため、実現は遥か先になる。

コメントする

月別 アーカイブ