韓国、中米5カ国とFTA締結

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韓国の産業通商資源部の金鉉宗通商交渉本部長は2月21日、 コスタリカ・エルサルバドル・ホンジュラス・ニカラグア・パナマの中米5カ国の通商長官と会い、韓-中米FTA協定文に正式署名した。

2015年6月にグアテマラを含む中米6カ国との交渉 を開始、2016年11月16日に実質的に妥結したと報じられた。
その後、各国で手続きを進めていた。

グアテマラについては、ソフトドリンク、セメント、プラスチック、紙と段ボール、履物、金属など15関税品目について韓国側の要求がペンディングとなっている。
両国は引き続き交渉を行い、まとまれば韓-中米FTAに加盟する。

今回のFTAは商品やサービス、投資、知識財産権などを含む高い水準の包括的協定で、韓国と中米5カ国は全体品目の95%以上について即時あるいは段階的に関税を撤廃していく。
自動車や鉄鋼、合成樹脂など主力輸出品目だけでなく、化粧品・医薬品・繊維などの輸出も増加する見通し。

米や唐辛子、ニンニクなど農産物は譲歩対象から除外した。牛肉は2019年、豚肉は10~16年の期間を置いて関税をなくしていく。

サービス市場は世界貿易機関(WTO)より開放水準が高い。体系的なISDS(投資家対国家の紛争解決)を導入し、投資企業の自由な送金を保障するなど投資家保護を強化した。

WTO政府調達協定に加入していない中米国の政府調達市場に進出する道も開かれた。エネルギー・インフラ・建設分野が恩恵を受けるものとみられる。特に、コスタリカとパナマは大規模な民間資本事業に韓国建設会社が参加することも許容する。

通関・認証・知識財産権などの分野では、国家間の非関税障壁を解消するなどビジネス環境を改善することで合意した。

協定は早ければ上半期中に発効するものとみられる。

金本部長は「今回のFTAは韓国と中米がより包括的で戦略的なパートナーシップを形成する契機になる」と述べた。

韓国のこれら5カ国との貿易状況は下記の通り。

アジアで中米5カ国とFTAを締結したのは韓国が初めて。
中国はコスタリカとFTAを結んでいるが、残りの国家とはまだ。

日本はこれらのどの国ともFTAは結んでいない。

韓国 日本


チリ(TPP 参加) 2004/4/1 発効 2007/9 発効
ペルー(TPP 参加) 2011/8/1 発効 2012/3 発効
コロンビア 2016/7/15 発効 交渉中



6


ニカラグア
エルサルバドル
ホンジュラス
コスタリカ
パナマ
2018/2/21調印
グアテマラ 2016/11/16実質的妥結
なお交渉中


日本と韓国のFTAの全体の状況は下記を参照。
  https://www.knak.jp/blog/FTA.htm

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