丸善石油化学、品質検査に関する不適切行為判明

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丸善石油化学は2月2日、取り扱う製品の一部について、試験・分析項目の一部につき、需要家との契約に則った試験・分析がなされていなかった事実が判明したと発表した。

現時点で、法令違反行為は確認されていないとしている。需要家には1月24日以降、順次、説明を開始した。

判明後直ちに是正を行い、1月30日時点で全て試験・分析を開始した。

同社では 1月10日付で社長を本部長とする対策本部を設置した。更に、同日付で外部弁護士を加えた社内調査委員会を設置し、詳細な事実確認を行うとともに、本件の過去の経緯、原因の究明などの調査を行ったうえ、再発防止策を策定する予定。

問題点は次の通り。

①実際には試験・分析していないにも関わらず成績表に記述・提出している。
②定められた試験・分析頻度を順守していない。

対象となる製品(千葉工場および四日市工場)(21品目)
・プロピレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、分解系キシレン、改質系キシレン
・高純度ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、メチルエチルケトン
・セカンダリーブチルアルコール、ジイソブチレン、ターシャリーブチルアルコール

・スワソルブETB(エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル)
・マルカゾールFH(シクロペンタン)、酸化エチレン、エチレングリコール、ジエチレングリコール
・トリエチレングリコール、水素化ビスフェノールA、マルカレッツM(M-890A)、液化炭酸ガス

付記 

宇部興産でも製品検査項目の一部を実施していなかったことが判明 (2/23発表)

問題となるのは、宇部興産の千葉石油化学工場が生産し、宇部丸善ポリエチレン(宇部興産、丸善石化の50/50JV)が販売するLDPE。

宇部丸善ポリエチレンは2004年10月に宇部興産のLDPE製造販売事業を継承し、丸善石油化学が参加したもの。生産は宇部興産が受託している。

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丸善石油化学は、2016年3月よりコスモエネルギーHDの連結子会社となっている。

コスモは丸善石油化学に対し、自らが30%、100%子会社のコスモ松山石油が10%で合計40%を出資していたが、チッソ子会社のJNCから8%分を取得した。
出資比率は48%だが、丸善石油化学の自社株が9%あるため、議決権ベースでは52.75%となった。

2016/1/8 コスモ石油、丸善石油化学を連結子会社化

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