スペイン首相の不信任案可決

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スペインでは6月1日、下院がラホイ首相の不信任決議案を可決した。賛成180票、反対169票、棄権1票だった。
現行憲法が制定された1978年以降、不信任案が可決されたのは初めて。

最大野党の中道左派・社会労働党のサンチェス書記長が首相に就き、7年ぶりの政権交代となった。

国民党は下院で134議席の少数与党で、法案ごとに中道右派の新興政党シウダダノスなどの閣外協力を得て政権を運営してきた。

今回与党となる社会労働党は、たった84議席で、1978年以降で最小数の与党となる。下院任期の2020年央までこの政権が続くのか、注目される。

次回の総選挙でも下院で単独過半数を得る政党が誕生する可能性は低く、混乱が長引く可能性もある。

スペイン下院の構成は次の通り。(2016年6月の総選挙の結果)

国民党 134 ラホイ元首相
社会労働党 84 サンチェス新首相
ポデモス(急進左派) 67
シウダダノス 32
共和党左派 9
バスク国民党 5
地域政党会派 19
合計 350

5月24日、スペインの裁判所は、国民党を巡る汚職事件で同党の元幹部ら29人に収賄や横領罪などで有罪判決を下した。
国民党も利益を得たと断定し、約24万ユーロ以上を国に納めるよう命じた。

不動産価格が高騰していた1999~2005年に、出納責任者を含む当時の国民党幹部らが賄賂を受け取り、特定の事業者に公共事業の入札で便宜をはかったとされてい る。

2011年に首相に就任したラホイ氏は関与を否定している。

最大野党の社会労働党は不信任案を提出した。サンチェス氏は5月25日、「政治を正常に戻し、国民の要請に応える」と説明した。

不信任案について第3党のポデモス(急進左派、67議席)とカタルーニャ独立派の一部から支持を得ていたが、過半数に届かない。5月31日にバスク国民党が不信任支持に回り、過半数を確保した。

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