ロシア国営石油大手 Rosneft、サハリン1の参加者を提訴

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ロソア国営石油大手 Rosneft はこのたび、サハリン1 計画に参加する5社に対し、889億ルーブル(1411百万米ドル)の支払いを求め、提訴した。

各社に対する求償額は次の通りで、サハリン1の出資比率に応じている。
なお、
Sakhalinmorneftegzs-Shelf と RN-Astra はRosneft の子会社である。

出資 億ruble 百万$
Exxon Neftegas 30% 267 423.8
Sakhalin Oil and Gas Development 30% 267 423.8
Indian VIdesh 20% 178 282.5
Sakhalinmorneftegzs-Shelf 11.5% 102 161.9
RN-Astra 8.5% 75 119.0
合計 889 1411.0


サハリン石油ガス開発の株主構成は、日本政府50%、伊藤忠商事14.46%、石油資源開発15.3%、丸紅11.68%、伊藤忠石油開発 1.83%、国際石油開発帝石 6.08%などとなっている。

訴状を受理したサハリン州仲裁裁判所の発表によると、訴訟は2015~2018年の「不当な収入」と「他者の資金の利用による金利」(unjust enrichment as well as interest for using other entity's funds in 2015-2018) に対して申し立てられた。

サハリン1のオペレーターのExxon Neftegaz は、提訴内容については否定し、サハリン1 の権利を守るため戦うと述べた。

予備審問は9月10日に行われる。


訴因については、サハリン1に隣接するロスネフチ管轄の油田との原油生産の分配を巡り、5社とロスネフチの間で意見の相違があったとの情報もある。

これから考えると、サハリン1のChayvo 鉱区 & Arkutun-Dagl 鉱区と、これらに隣接するサハリン3のVeninsky鉱区との境界線での生産ではないかと思われる。

付記

提訴された5社が9月29日までにRosneft と和解した。日本側関係者が明らかにした。5社側は2億3000万ドルを支払う。


Rosneft
は同社の鉱区から隣接するサハリン1に地下を通じて原油が流れ、5社が不当に利益を得たとして、889億ルーブル(1411百万米ドル)の支払いを求めて提訴した。

今回、サハリン1からRosneft の鉱区に原油が流れた場合に同社に賠償請求しないなどの条件で和解が成立した。和解金は5社が権益比率に応じて支払う。サハリン石油ガス開発は30%。

サハリン1は3つの鉱区からなる。

実は、この付近は多くの鉱区が入り組んでいる。

株主 鉱区
サハリン 2 Gazprom 50%+1株
Shell 27.5%-1株
三井物産 12.5%
三菱商事 10%
Piltun-Astokhskoye (サハリン1のArkutun-Dagiの北隣)
Lunskoye(サハリン3のKirinskyの北西隣)
サハリン 3 Gazprom East Odopinsky (サハリン1のOdoptuの東隣)
Ayashsky(サハリン1のArkutun-Daglの東隣)
Kirinsky (サハリン2のLunskoye の東隣)
Rosneft 74.9%
Sinopec 25.1%
Veninsky(サハリン1のChayvo & Arkutun-Dagl の南隣)


2006/6/6 「新・国家エネルギー戦略」発表 のサハリン計画の項を参照

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