Biogen、Samsung BioLogics 子会社に追加出資

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韓国の医薬品受託製造大手のSamsung BioLogics は11月6日、同社の創薬子会社Samsung Bioepis に米製薬大手のBiogenが追加出資すると発表した。11月7日に7595億ウォン(約676 百万ドル)を出資し、現在の5.4%からで「50%マイナス1株」とする。Samsung BioLogics は現在の94.6%から「50%プラス1株」となる。

Samsung BioLogicsは2011年12月、バイオシミラー(バイオ医薬品後発薬)の生産のため、米国のBiogen と合弁会社 Samsung Bioepis 設立の契約を締結した。

出資比率はSamsung BioLogicsが85%、Biogen が15%であったが、現在はそれぞれ 94.6%と5.4%となっている。
Samsung BioLogics
はMerck とも開発で提携している。

Biogenは2012年の設立契約でSamsung Bioepis への「50%マイナス1株」までの追加出資の権利を保有しており、その権利を行使した。

資金力のあるサムスングループと結びつきを強めることが得策と判断した模様。

「Samsung Bioepis のこれまでの実績に満足している。オプション行使で、有力なバイオシミラー企業に有利な条件で出資を増やせた。Samsung BioLogicsとの関係強化を期待している」と述べた。

Samsung BioLogicsにはサムスン物産が43%、サムスン電子が31%を出資する。
サムスン電子はバイオ医薬を4つある重点成長領域の1つに掲げ、主力の半導体事業で培ったクリーンルームの運営ノウハウを応用して医薬品受託製造事業の育成に力を注いでいる。

本年10月、仁川市に第3工場を完成させた。投資額は8500億ウォンで、医薬品の生産能力は従来比2倍の36万リットルに増えた。サムスンはスイスのロンザやドイツのベーリンガーインゲルハイムを抜いて「生産能力では世界最大になった」としている。

新工場が欧米の関係当局の基準を満たすことを検証する試験運転を近く開始し、2年後に本格稼働させる。

第1プラント 3万リットル 2015年に米FDAから正式に生産認可
品質安全性など3つの核心基準ですべて「無欠点」通知を受けた。
第2プラント 15万リットル 2016年3月に操業開始
第3プラント 18万リットル 2018年10月 完成
合計 36万リットル  

2015/12/26 Samsung BioLogics、バイオ医薬品受託生産 世界首位へ

Samsung BioLogicsはこれで大型投資が一服し、今後は、成功すればより高い収益を期待できる創薬事業の育成に力を注ぐ方針とみられる。

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Samsung Bioepisはバイオシミラーの開発と承認プロセスを劇的に減らし、グローバル市場に定着した。

節リウマチ治療剤である「エンブレル」のバイオシミラーを豪州・カナダ・韓国・ヨーロッパで、関節リウマチ・強直性脊椎炎などの治療薬である「レミケード」のバイオシミラーを米国・豪州・韓国・ヨーロッパなどで販売している。

Samsung Bioepisは2017年8月、武田薬品工業との間で開発中の複数の新規バイオ医薬品を共同開発する内容の戦略的提携契約を締結した。両社で開発業務を分担することで、失敗のリスク半減を図る「リスクシェアリング・パートナーシップ」の形式を採用している。

武田の癌や消化器疾患といった重点領域への選択と集中の一環であり、まずは武田の重点領域から外れている前臨床段階の急性膵炎治療薬「TAK-671」の共同開発を行う。 動物実験から臨床試験までを共同で実施し、今後は他のバイオ新薬にも協力対象を拡大していく。

Samsung Bioepisは2018年8月、急性膵炎治療薬「TAK-671」の臨床試験(治験)を始めると発表した。米食品医薬品局(FDA)に治験の計画を申請し、認可を得た。新薬候補が人体に安全かを評価する初期段階の治験を実施する。

同社によると、米国や韓国では、急性膵臓炎の患者は人口10万人あたり20人前後の割合でいる。アルコール消費量の増加に伴って男女とも年々増える傾向にある。治療薬の市場規模は5兆ウォン(約5000億円)程度とみられる。

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