ブリストル・マイヤーズスクイブ、米バイオ製薬大手セルジーンを買収

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米製薬大手Bristol-Myers Squibbと米バイオ製薬大手Celgene Corporation は1月3日、Bristol-Myers Squibbが現金と株式 約740億ドルでCelgene Corporationを買収する契約に調印したと発表した。

Celgeneの株主は、Celgene株式1株につき、
Bristol-Myers Squibbの株式1株と現金50ドルを受け取る。加えて、Celgene株式1株につき、売買可能な成功対価受領権(Contingent Value Right :CVR) 1口を受け取る。将来、契約上のマイルストーンが達成された際に支払いを受ける。


Bristol-Myers Squibb 株の1月2日終値 $52.43 に基づけば、Celgene株式1株当たり $102.43 プラス CVR 1口となる。

取引完了後、従来のBristol-Myers Squibb株主は会社の69%を、Celgene株主は31%を保有することとなる。

買収により、「がんや炎症、免疫と心臓血管の病気に悩む患者のニーズに応えられるバイオ製薬企業が誕生する。」

ソース:https://answers.ten-navi.com/pharmanews/13709/


英調査会社Evaluate によると、2017年のがん治療薬市場の世界シェアでRoche が1位、Celgene が2位、
Bristol-Myers Squibbが3位となっている。

ソース:http://info.evaluategroup.com/rs/607-YGS-364/images/WP2018.pdf Page 30

Celgeneは、癌や炎症・免疫性疾患領域における革新的な治療薬の研究・開発および販売を行ってい る。治験薬は、多発性骨髄腫(MM)、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性リンパ性白血病(CLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、すい臓癌、非小細胞肺がん、黒色腫を含む難治性の血液 癌および固形癌の患者を対象としている。
さらに、乾癬や乾癬性関節炎のような深刻な炎症性疾患の治療薬として、複数の化合物が評価されている。

Bristol-Myers Squibbはノーベル賞の本庶佑名誉教授のがん免疫治療薬オプジーボについて、日本、韓国、台湾以外で開発・商業化の権利を持つ。

「免疫チェックポイント」を阻害して、免疫細胞に癌細胞を攻撃させるのが、免疫チェックポイント阻害薬である。
機能 承認 開発中
抗PD-1抗体 免疫細胞のPD-1に結合し、PD-1と癌細胞のPD-L1の結合を防止 オプジーボ(小野薬品/BMS)
キイトルーダ(米Merck)
 
抗PD-L1抗体 癌細胞のPD-L1に結合し、PD-1とPD-L1の結合を防止   Roche/中外製薬
AstraZeneca
独Merck
/Pfyzer
抗CTLA-4抗体 免疫細胞のCTLA-4に結合し、CTLA-4と樹状細胞のB7の結合を防止 ヤーボイ(BMS/小野薬品)
 
AstraZeneca

オプジーボの製薬を担当した小野薬品には、PD-1分子の働きを邪魔する「抗体」を作る技術がなかった。

米ベンチャー企業 Medarexとの提携で「完全ヒト型抗PD-1 抗体」を入手でき、オプジーボが誕生した。

Bristol-Myers Squibbは2009年7月22日、Medarexを24億ドルで買収すると発表した。これにより、日本、韓国、台湾以外での開発・商業化の権利を引き継いだ。

2016/11/17 オプジーボ 50%値下げ


なお、三菱UFJ銀行がこの買収で、提携先の米 Morgan Stanleyと共同で335億ドル買収資金の供給で合意した。三菱UFJ銀行の融資額は2兆円程度に上る見通し。

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