SABIC、米国でメタノール生産へ

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SABICは12月31日、ルイジアナ州 St. James Parishでワールドクラスのメタノール工場の建設を計画しているSouth Louisiana Methanol (SLM) との間で、本計画に参画する基本契約を調印した。
計画の実施には認可を得られることと資金の目途がつくことが条件となる。

South Louisiana MethanolはNew Zealandの独立系の石油・ガス事業者のTodd Corporation と、テキサス州のエネルギー会社の ZEEP Incorporated のパートナーシップで、2012年2月にシェールガスを利用して米国南部にワールドクラスのメタノール工場を建設する計画を発表した。

2013年2月末にルイジアナ州 St. James Parishにメタノール工場を建設することを発表した。

現在の状況は次の通り。

能力は米国で最大の年産200万トンで、建設費用は20億ドル(当初予算では13億ドルであった)。既存のメタノール技術とCO2回収技術を使用する。

基本設計は既に終えており、大気汚染防止法の認可を受領済。

立地の5マイル範囲に7本の天然ガスパイプラインがあり、原料入手に問題はない。

当初の計画から建設費が上昇したことも理由か、着工できないでいたが、SABICを入れることで前進させる。

South Louisiana Methanolは、「SABICはメタノール工場の操業で長年の経験を持ち、グローバルな販売網を持っており、今回の契約締結の発表ができて嬉しい」としている。


SABICはサウジに
IBN SINA(National Methanol)とAR-RAZI(Saudi Methanol)の2つのメタノールJVを持つ。

IBN SINA(National Methanol)はSABICが50%、Celaneseが25%、Pan Energyが25%出資していた。

現在はSABICとCTE Petrochemicalsの50/50JV。CTE Petrochemical はCelanese Corporationと Duke Energyの50/50のパートナーシップ。
(1997年にDukeとPanEnergyが合併してDuke Energyとなった。)

IBN SINAでは中東及びアフリカ地区で最初のポリアセタール(POM) の年産5万トンプラントの生産開始を祝う式典が2018年4月5日に開かれた。

POM ホモポリマーは、メタノールを空気酸化してホルムアルデヒドをつくり、これを重合して生産する。

AR-RAZI(Saudi Methanol)はSABICと日本・サウジアラビアメタノール(JSMC)との50/50JVであったが、2018年11月29日の合弁契約期限切れに伴い、JSMCのAR-RAZI持株の半分(全体の25%)を150百万ドルでSABICに売却した。日本側は2019年3月末までに下記の条件での合弁契約の20年間継続の可否を決定する。継続しない場合、残り25%も150百万ドルで売却し、SABIC 100% とする。

2018/12/7 三菱瓦斯化学、Saudi Methanol でSABICと合意、最終的には2019年3月末に決定

SABICはSADAF(Shell とのJVであったが、現在はSABIC 100%)などでメタノールとTBAを反応させ、MTBEにしている。また上記の通り、IBN SINAでメタノールを原料にポリアセタール(POM) を生産している。

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