ダウ、Bayerからセルロース事業を買収

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ダウとBayer1218日、ダウがBayerから主にセルロース事業を行っているWolff Walsrode business group を買収することで合意したと発表した。2007年上半期の取引完了を目指す。

Bayer は本年3月に、Schering 買収費用に充てるため、子会社の H.C. Starck Wolff Walsrode AG を売却すると発表した。
H.C. Starck タングステン、モリブデン等の希少金属の粉末及びコンパウンド、セラミック粉末、エレクトロニクス用スペシャリティケミカル等のメーカー)については先般、投資会社の Advent International Carlyle Group に売却することに決めた。
2006/12/2 Bayer、子会社 H.C. Starck を売却

Wolff Walsrode はダウのWater Soluble Polymers 事業に統合される。ダウの同事業売上高は650百万ドル、Wolff2005年の売上高は435百万ドルで、統合により同事業は10億ドル事業となる。

ダウによれば両社のセルロース事業は、製品もプロセスも用途も異なり、互いに補完し合う。
Wolff HEMC (Hydroxyethyl Methyl Cellulose) CMC (Carboxymethyl Cellulose) が主製品で、ダウは HPMC (Hydroxypropyl Methyl Cellulose)が主製品である。この統合により、建材、パーソナルケア、医薬、食品、多数のスペシャルティ分野の広範囲の需要家に供給が可能となるとしている。

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メチルセルロース分野では本年10月に信越化学のヨーロッパでの生産拠点、SEタイローズ社の増設が完了し、直江津工場と合わせて能力63千トンとなって、これまでの首位のダウ(約45千トン)を抜き世界第1位の座を確固たるものとした。
2006/10/10  信越化学、ヨーロッパのメチルセルロース能力増強完了

同事業で首位の座を奪われたダウも増設で巻き返しを図っているが、それに加えて今回の買収となった。

セルロース需要が堅調なことから両社ともさらに増産に踏み切る可能性があり、首位争いが激化しそうだ。

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