2022年8月アーカイブ

英政府は8月15日、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」に対応したワクチンを承認したと発表した。米Moderna製で、成人のブースター接種(追加接種)に用いる。

英メディアによると、従来型とオミクロン型の両方に対応する「2価ワクチン」("bivalent" vaccine)が承認されるのは世界初という。

英医薬品・医療製品規制庁(MHRA)は今回の承認について、追加接種によって従来株とオミクロン株「BA.1」の両方に対して「強い免疫反応」が見られたことを示す臨床試験のデータを基に判断したと説明している。

また、現在主流となっているオミクロン株の派生型「BA.4」と「BA.5」に対しても「良好な免疫反応」が見られることが予備的な分析で示されているとしている。

Modernaによると、オーストラリア、カナダ、欧州連合(EU)で同じワクチンの承認を申請しており、数週間程度で複数の承認を得られる見通しという。

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厚生労働省は8月8日、高齢者の重症化を防ぐとともに若い世代も含め社会全体の免疫をあげるため、新型コロナウイルスのオミクロン株に対応したワクチンの接種を、2回目までのワクチン接種を終えたすべての人を対象に、10月中旬以降に開始する方針を決めた。

新しいワクチンは、従来株に由来する成分とオミクロン株のひとつ、「BA.1」の2種類を組み合わせた「2価ワクチン」と呼ばれるもの。

使用を想定しているのはPfizerとModernaが開発中のワクチンで、薬事承認されれば来月にも輸入し、自治体への配送を開始する。


PfizerとBioNTech は 、オミクロン株対応のCOVID-19ワクチンを日本の厚生労働省に承認事項一部変更申請した。


新型コロナウイルス(SARS-CoV 2)の起源株とオミクロン株BA.1系統のスパイクタンパク質をそれぞれコードする2種類のメッセンジャーRNAを含む2価ワクチンであり、生理食塩水での希釈が不要な製剤(RTU製剤)になる。

本剤は、BioNTech が所有するmRNAワクチン技術に基づき、BioNTech とPfizerが共同開発している。

Moderna日本法人は8月10日、追加接種用 2価ワクチンを、18 以上を対象とした追加接種用ワクチンとして厚生労働省に承認事項一部変更申請を行った。

従来のワクチンのmRNA-1273 オミクロン株対応のmRNA でいる。

第一三共は4月9日、テキサス州東部地区連邦地方裁判所の陪審が、同社の抗がん剤 ENHERTU ®(トラスツズマブ デルクステカン) Seagen Inc.の米国特許No.10,808,039'039 を侵害しているとの評決を下したと発表した。

陪審員は'039特許の故意侵害があったと認定、陪審審理に至るまでの期間のSeagen社の損害額が41,820千ドルであると判断した。Seagen社は2024年の'039特許の期間満了までの売上に対するロイヤリティ支払い命令を出すよう、裁判所に求めている。

これについて、テキサス州東部地区連邦地方裁判所は7月20日 、Seagen社の主張を認める判決を下した。

他方、デラウェア州連邦地方裁判所へのSeagenを被告とした確認訴訟で裁判所は仲裁による解決を指示したが、第一三共は8月13日、仲裁廷が Seagenの主張を全面的に否定する判断を下した と発表した。

前者は第一三共がSeagenの'039 許侵害を判断、後者は'039 許侵害はないとの判断である。

本来、仲裁が最終の筈だが、Seagenは法的アクションを継続するとしている。

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本剤は、新規の薬物トポイソメラーゼI 阻害剤を、独自のリンカーを介して、HER2発現がん(乳がん、胃がん、非小細胞肺がん及び大腸がんなど)を対象とする抗HER2抗体に結合させた抗体薬物複合体ADCである。

がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高める。

トポイソメラーゼI 阻害剤は、癌細胞のDNAの2重らせん構造のうち1本を切断し、異常な細胞増殖を抑えることでがん細胞を殺す。

第一三共はこのADCについて、抗HER2抗体とリンカー、ペイロード(トポイソメラーゼI 阻害剤)のすべてを自社技術で構築した。

第一三共は、2008年7月からSeattle Genetics, Inc.(現在のSeagen)抗体薬物複合体(「ADC」)の共同研究を実施したが、新薬開発の成果がでないとして2015年6月に関係を解消していた。

2019年にSeattle Geneticsから第一三共のADC品に関する特定の知的財産権の帰属を主張して異議の通知をうけた。しかし、ADCの共同研究は現在の第一三共のADC品とは全く異なるため、同社の主張は根拠がないと考えており、デラウェア州連邦地方裁判所に同社を被告として確認訴訟を提起した経緯がある。

2022/4/13 第一三共の抗がん剤に米連邦地裁で陪審が「特許侵害」の評決

本件については3つの案件が進行していた。

1)  ENHERTU ® Seagen Inc.'039 許侵害

このENHERTUの米国特許('039 特許)をめぐる侵害訴訟で、テキサス州東部地区連邦地方裁判所は7月20日、Seagen社の主張を認める判決を下した。

裁判所の今回の判決は、今年4月8日の陪審評決を確認したものとなっている。ただ、第一三共の発表によると、陪審が故意侵害であると認定したにもかかわらず、同裁判所は、状況を総合的に判断し、損害賠償額を増額しなかったとしている。

裁判所は、2024年に期間満了を迎える'039特許の存続期間中の本剤の将来売上に対するロイヤルティ支払について、まだ判断してい ない。

第一三共は同日、「今回の判決及びSeagen社への損害賠償等に対し、引き続き当社の権利を守るべく判決後の申立て等のあらゆる法的措置を検討する」とのコメントを発表した。


2)第一三共側の'039 特許の無効の訴え

第一三共は20201223日、'039特許が無効であるとして米国特許商標庁に同特許の有効性を審査する特許付与後レビュー(PGR:Post Grant Reviewの開始を請求した。

米国特許商標庁は202247日に、PGRの開始を決定した。

しかし、米国特許商標庁は 本年7月、Seagenの再審理請求を認め、PGR手続きを進めないことを決定した。
当該決定は、米国特許商標庁が
'039 特許の有効性について判断したものではない。

第一三共は、米国特許商標庁が、PGRを開始した後にSeagen社の再審理請求を認めたことに不服で、米国特許商標庁がPGR手続きを完了するよう、今後あらゆる法的手段等を検討するとしている。


3) 
デラウェア州連邦地方裁判所へのSeagenを被告とした確認訴訟

2019年にSeattle Genetics(現在のSeagen )から第一三共のADC品に関する特定の知的財産権の帰属を主張して異議の通知をうけた。しかし、ADCの共同研究は現在の第一三共のADC品とは全く異なるため、同社の主張は根拠がないと考えており、2019年11月にデラウェア州連邦地方裁判所に同社を被告として確認訴訟を提起した。

裁判所は仲裁による解決を指示、Seagenが同月に当該主張に関して米国仲裁協会 に仲裁を申立てた。

第一三共は8月13日、仲裁廷が Seagenの主張を全面的に否定する判断を下した と発表した。

仲裁判断により、Seagen の主張は退けられ、第一三共は係争対象となった ADC 技術に関する当該知的財産権をこれまでどおり保持し、今後も計画通りにADC 製品の開発および商業化を進めていくことにな るとしている。

これに対しSeagenは、仲裁判断には失望するが、法的アクションは継続すると述べた。

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現在、裁判所は第一三共がSeagen特許を侵害していると見做している。

特許商標庁は、第一三共が '039特許が無効であるとして同特許の有効性を審査する特許付与後レビューを進めないこととした。

仲裁廷 Seagenの主張を全面的に否定する判断を下した 。

裁判所が仲裁による解決を指示、Seagenが申し立てた仲裁で仲裁廷がSeagenの主張を全面的に否定する判断を下した のであれば、第一三共がSeagen特許を侵害していないこととなる。

Seagenが法的アクションは継続するとしているが、裁判所が仲裁による解決を指示した際に、仲裁が最終としていなかったのだろうか?


仲裁判断は、外国仲裁判断の承認及び執行に関する条約(通称、ニューヨーク条約)により、160を超える締約国の裁判所を通じて、その国の裁判所の確定判決と同一の効力を有するものとして取り扱われ、その内容を強制執行することができます。
(JCAA 日本商事仲裁協定)

ペロシ米下院議長の台湾訪問に対抗して8月4日から軍事訓練を実施した中国は8月11日、1993年と2000年に続いて3度目となる台湾白書を発表した。

「台湾問題と新時代の中国統一事業」という白書で、中国は「一国二制度と平和統一」を戦略として前に出した。

白書はまず、「台湾は中国の一部だという歴史的、法的事実に疑いの余地はない」とし、台湾統一の歴史的正当性を強調した。

中国は1971年の第26回国連総会で「中華人民共和国は中国政府を代表する唯一の法的代表者」という2758号決議案を通過させた。

続いて1978年に「外交関係樹立に関する共同コミュニケ」で「米国は中国が唯一の法的政府であることを認め、台湾とは文化、商業、その他の非公式的関係を維持」することにした。

白書は、「事実を歪曲し、一つの中国の原則を否定するすべての行動は失敗に終わるだろう」と警告した。

白書は統一の正当性を前提にした後、「平和統一と一国二制度」を戦略として強調した。核心は、両岸(中国と台湾)の長い間の政治的違いを認めながら統一を推進するというもので、「統一を促進するために両岸の多様な政党と各界要人の民主的協議を推進する用意がある」とした。

一国二制度は「中国特色社会主義の偉大な構想であり、中国共産党が平和統一を達成するために用意した重要な制度的装置」と強調した。

「これは台湾の現実を十分に考慮すると同時に、統一後の台湾の長期的な安定に寄与する」とし「統一以降、台湾が本土と異なる社会制度を施行することが可能で、法に基づき高度な自治権を行使できる。2つの社会制度が長く共存発展するだろう」とした。

なお、1993年と2000年の過去2回の白書は、統一後に「台湾に駐留軍や行政官を派遣しない」とし、台湾が中国の特別行政区となった後も自治を認める方針を示していたが、最新の白書にはそのような文章は消えている。
また2000年の白書は、台湾が一つの中国の概念を受け入れ独立を追求しない限り「何でも交渉できる」としていたが、今回の白書からはそれも消えている。

白書は「それぞれ異なる体制は統一の障害物でも分断の口実でもない」とし「時間が経過するにつれて多くの台湾同胞が『一国ニ制度』を理解することになる」と断言した。

統一を妨害するのは政治制度の差でなく外部勢力の介入のためという認識で、「米国の一部の勢力が中国を統制するために意図的に『台湾カード』を使用し、『台湾独立』勢力を刺激している」とし「これは中国政府の平和統一努力を妨害するだけでなく、中米関係を転覆させ、米国の利益に深刻な被害をもたらすだろう」と指摘した。

台湾の対中国政策を主管する大陸委員会は、白書は「希望的観測の嘘に満ち、事実を無視している」と非難した。

中華民国は主権国家であり、中共政権は1日たりとも台湾・澎湖・金門・馬祖を統治したことがない。その事実を捻じ曲げた「一つの中国原則」は国連憲章を誤って引用することで台湾に対する主権をでたらめに主張し、国際ルールに挑戦している。

中国共産党第20回全国代表大会を控えて国内に向けたものであり、嘘でかためた宣伝工作に過ぎない。

台湾は主権国家であり「台湾の将来を決める権利があるのは2300万人の住民だけで、独裁政権が決めた結果を受け入れることは決してない。

韓国政府は8月12日、朴槿恵元大統領らへの贈賄罪などで有罪判決を受けたサムスングループ経営トップの李在鎔サムスン電子副会長らを8月15日の光復節(日本による植民地支配からの解放記念日)に特別赦免(恩赦)し、減刑や復権の対象にすると発表した。

中小企業家・小商工人など庶民生計型刑事犯、主要な経済界関係者、労使関係者、特別配慮受刑者など1693人が対象となった。

主要な人物としてはサムスン電子の李在鎔副会長、ロッテグループの辛東彬(重光昭夫)会長、東国製鋼の張世宙会長、元STXグループ会長の姜徳壽の経済界関係者4人だけを赦免した。

政府は、経済活性化による経済危機克服のため、最近刑執行を終了した李在鎔副会長を復権し、執行猶予期間中の辛東彬会長を特別赦免(刑宣告失効)および復権したと説明した。
さらに、再び経済発展に参加する機会を与えるため、張世宙会長と姜徳壽元会長も赦免対象に含まれた。

「国を挙げての経済危機の克服が切実に求められる状況を勘案し、積極的な技術投資と雇用創出で国の成長エンジンを主導する主要経済人を厳選し、赦免の対象に含めた」と説明した。

尹大統領は「今回の赦免は何より国民生活と経済回復に重点を置いた」と述べた。

サムスン電子の李在鎔副会長は2年6カ月の実刑が確定し服役したが、昨年8月に仮釈放された。刑期は先月に満了したが、特定経済犯罪加重処罰法上、5年間は就業が制限されていた。恩赦を受けて自由な経済活動ができるようになる。

2021/8/14 サムスン副会長、仮釈放

ロッテの辛東彬(重光昭夫)会長が被告となっている2つの裁判を併合して審理が行われた控訴審で、ソウル高裁は2018年10月5日、懲役2年6月、執行猶予4年(求刑は懲役14年)を宣告した。
実刑を免れた辛被告は同日、保釈された。ロッテの経営に復帰する。

韓国大法院(最高裁)は2019年10月17日、二審判決を支持、有罪が確定した。収監には至らず、引き続きグループの経営を主導する。

2018/10/9 ロッテグループの辛東彬(重光昭夫)会長 保釈、経営に復帰へ

鉄鋼大手の東国製鋼の3代目会長である張世宙会長は、常習賭博と背任、横領で起訴され、1審判決で背任、横領で実刑判決を受けた。


一方、李明博元大統領と金慶洙元知事、南在俊、李丙ギ元国家情報院長、崔ギョン煥元議員、田炳憲・元青瓦台政務首席など政治家は「国民生活と経済回復に重点を置く」との恩赦の原則に基づき、対象から除外された。

李元大統領はサムスンなどから巨額の賄賂を受け、会社の資金の横領した罪などで懲役17年、罰金130億ウォン(約13億円)を言い渡され服役したが、今年6月、健康問題を理由に刑の執行が一時的に停止され、釈放されている。

2020/10/30 韓国の李明博元大統領に懲役17年の実刑確定

なお、朴槿恵元大統領については、収賄などの罪で懲役22年(20年と別件2年)の実刑が確定し服役中であったが、2021年12月31日付で赦免された。健康状態の悪化などを考慮して、文在寅前大統領による新年の特別恩赦の対象者に含まれた。2021年に入り、慢性的な肩の疾患や椎間板ヘルニアなどのため、3回入院を重ねていた。

2021/1/15 朴槿恵・韓国前大統領、懲役20年が確定


この日、政府は建設業、自家用貨物車・旅客運送業、公認仲介業、生計型漁業人漁業免許・許可、運転免許など行政制裁対象者の合計59万3509人に対する特別減免措置も施行した。また、政府は模範囚649人を仮釈放したと発表した。



現場は、チリのアタカマ州にあるカナダの採鉱企業 Lundin Miningの所有地で鉱山に近い。

Lundin Mining は8月1日、同社のOjos del Salado 銅鉱山の近くで穴が発見されたと発表した。

Ojos del SaladoはSantos 銅山とAlcaparrosa銅山から成り立っており、Lundin Mining 主導のCandelaria mining complexの一部である。

Lundin Mining はCandelaria銅鉱山の権益の80%を所有、残りの16%を住友金属鉱山、4%を住友商事が所有している。いずれも2014年にFreeport-McMoRan Incから買収した。

Lundin Mining はすぐに関係官庁に連絡、被害は見つかっていないとし、Minera Ojos del Salado の一部である Alcaparrosa 銅山は連続して監視されているが、表面の穴に関連した動きは見つかっていないとしている。

同社は、「鉱業規制当局が報告した過剰採掘の仮説は、陥没穴の直接原因とは断定されていないことを強調したい。水理地質や鉱山の調査によって答えが明らかになるだろう」とした上で、7月の記録的な異常降雨が引き起こした可能性も調査されていると指摘した。

チリのエルナンド鉱業相は8日、「責任を負うべき者たちには罰金だけでなく、厳しい制裁措置を適用する」と発表した。制裁措置も取る判断が鉱山企業に対する今後の「モデル」になるに違いないと指摘した。

鉱山規制当局の7月の現地調査では「過剰採掘」は検知できなかったとし、調査方法を変える必要を指摘した。当局側は原因調査の詳細を明らかにしていない。

当局は銅山を運営するLundin Miningに対し、すべての作業中止を命令。穴の調査を継続している。

韓国の科学技術情報通信部は8月5日、 韓国初の月軌道衛星「タヌリ」(Danuri) が米フロリダ州のケープ・カナベラル宇宙軍基地でスペースXのファルコン9 ロケット により打ち上げられ、高度703キロメートルの地点でロケットから分離され、月の遷移軌道(トランスファ軌道)進入に成功したことを確認したと発表した。地上局との初交信に成功し 、太陽電池パネルを広げて電力生産を開始した。各装置が正常に作動しているこを確認した。

月の探査までの任務を成功させれば日本や米国、ロシア、中国、インド、欧州連合に続き7番目になる。

タヌリは韓国航空宇宙研究院とハンファ、韓国航空宇宙産業、韓国電子通信研究院など韓国内産·学·研59ヶ所が開発した。

ハンファが推進システムを開発し、韓国航空宇宙産業が構造体試験製作、組立試験などを支援した。搭載体開発には、デッキ航空、グリーン光学、未来技術、センサーピアなど中小企業が参加した。

タヌリは韓国語で月を意味する「タル」と、享受する・楽しむを意味する「ヌリダ」の合成語で、一般公募から選ばれた 。

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韓国は6月21日に、独自開発した国産ロケット「ヌリ」(KSLV-Ⅱ:Korea Space Launch Vehicle-2)を南部の全羅南道・高興の羅老宇宙センターから打ち上げ、人工衛星を高度700kmまで運び、宇宙空間の目標軌道に乗せることに初めて成功した。

2022/6/25 韓国、国産ロケットで実用衛星打ち上げに成功 

今回は月軌道衛星の打ち上げだが、打ち上げそのものは米国のスペースXのロケットに依存している。

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今後、太陽と地球の重力が釣り合うラグランジュL1 地点(地球から約150万キロの距離)を経て最大156万キロ離れた太陽側の遠い宇宙まで飛行した後、太陽と地球の重力を活用して地球側に方向を変える。

太陽側の宇宙に飛行後、最大9回の軌道修正起動をした後、地球の重力に引かれて戻りながら月に近づき、12月16日に月の周囲を回る軌道に入る。

その後は5回の減速機動を経て正確な目標軌道に入った後、12月31日に任務遂行を始める。

来年からの1年間で月面上100キロメートルの円軌道を一日12回まわり、月着陸候補地探索、月資源研究、宇宙インターネット技術検証などさまざまな科学任務を遂行する予定。

タヌリは韓国電子通信研究院が開発した宇宙インターネット機器を活用し、世界で初めて深宇宙探査用宇宙インターネット試験を行う予定。

従来の宇宙インターネットは低軌道で衛星を打ち上げて地球全域にインターネットサービスを供給するものだが、タヌリが試みる宇宙インターネットは「惑星間通信」で、成功すれば、先進国間で開発競争が繰り広げられている惑星間通信技術において韓国がリードすることになる。

英紙 Financial Timesは7月18日、 米国のペロシ下院議長が8月におけるアシア歴訪の一環として「台湾訪問を予定している」と報じた。

バイデン大統領は7月20日、ペロシ氏の訪台について「軍は良い考えであるとは思っていないようだ」と発言し、訪台に対する否定的な態度を示した。

中国の習近平国家主席は7月28日、米国のバイデン大統領と電話会談を行った。
席上、習主席はペロシ下院議長の訪台中止を求め、「もし中国の民意に逆らって火遊びをすれば、大やけどを負うことになるだろう(「玩火自焚」)」と述べた。

しかし、ペロシ議長は8月2日夜、マレーシアから台湾に入った。
中国の妨害を避けるため、大迂回する航路をとった。(Flightradar 24)



習主席からバイデン大統領への直接の訪台中止要請を無視された中国は猛反発した。

中国軍は8月3日、8月4日から7日までの4日間、台湾を取り囲むように6カ所の空海域を設定し、実弾射撃を伴う「重要軍事演習行動」を実施すると発表した。

8月4日、台湾沖に弾道ミサイル「東風」 11発を発射した。日本の防衛省は9発を確認、うち5発 (下図⑤~⑨)が日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したと発表、中国側に抗議した。
下図の
与那国島からわずか80キロの場所に落下した。

防衛省は4発(⑥~⑨)が台湾上空を通過したと推定している。

これに対し、中国外務部の報道官は、「両国は関連海域で境界を画定しておらず、演習区域に日本のEEZが含まれるという見解は存在しない」と主張した。



中国政府は8月5日、米国への対抗措置を発表した。

①中米両軍幹部の電話協議の手配取り消し
②中米国防当局の実務者会合の取り消し
③中米海上軍事安全協議メカニズム会議の取り消し
④不法移民者の送還に関する協力の一時停止
⑤刑事司法協力の一時停止
⑥国際犯罪取り締まりにおける協力の一時停止
⑦麻薬禁止における協力の一時停止
⑧気候変動問題に関する話し合いの一時停止――の8項目。

また、ペロシ下院議長とその直系親族に「制裁措置を取ることを決めた」とも発表した。具体的な制裁内容は明かしていない。

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中国の海関総署は8月1日、台湾の食品輸入に関する規制の対象を広げた。水産品をはじめ、ビスケットなどの菓子類、茶葉、蜂蜜関連商品などを扱う複数企業の商品が、新たに輸入を一時停止された。

「ビスケット、ケーキ、パン」の項目に登録されている台湾企業107社のうち、35社が「輸入一時停止」とされた。

茶葉業者3社や水産品を扱う漁船約700隻も同様の措置となった他、ドライフルーツや蜂蜜関連商品、カカオ豆、野菜などでも影響を受けている企業がある。

中国商務部は8月3日、台湾向けの天然砂(岩石を風化させた製品)の輸出を同日から停止したと発表した。建設業、ガラス工業、金属洗浄に使用されるケイ砂(シリカ)や石英砂 が対象。

中国 国務院の台湾事務弁公室は8月3日、「関連規定と食品安全要求・基準に基づき、台湾地域から大陸に運ばれるグレープフルーツ、レモン、オレンジなどかんきつ類の果物や、チルド品のタチウオ、冷凍マアジについて、本日から輸送を一時停止すると述べた。

グレープフルーツ、レモン、オレンジについては、害虫のコナカイガラムシや、フェンチオンとロイコナゾールの過剰な残留農薬が検出 されたとしている。

チルド品のタチウオ、冷凍マアジについては、包装材から新型コロナの陽性反応が出たための新型コロナ予防を理由としている。

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中国は2021年3月1日には、台湾産パインの輸入を禁止した。2020年以降に何度も害虫が検出された とし、国内の生態系を守るためとしている。

また、2021年9月20日は台湾産の果物の釈迦頭とレンブ(蓮霧) について、何度も害虫が検出された として輸入を禁止した。

本年6月13日には、海水魚ハタ について、禁止薬物の検出や抗生物質の基準超過を理由に、輸入を禁止している。

田辺三菱製薬の連結子会社のカナダのMedicagoが開発しているCOVID-19の植物由来のウイルス様粒子ワクチン(商品名 :COVIFENZ)は2月にカナダで承認を取得したが、米国工場で商用規模への量産に課題が見つかり、事業計画を見直す。

たばこ属の葉に遺伝子を組み込んで抗原を作るが、段階的に生産を引き上げる「スケールアップ」に課題が見つかり、計画通りに量産できない状況という。

最大7600万回分の契約を結ぶカナダ政府への供給ができない状態で、9月までに承認申請する計画だった日本の実用化も遅れる。

原因究明と並行し、21%出資する米たばこ大手Phillips Morrisなどと協議し、事業計画を修正する。

Medicagoのこれまでの計画では、2024年までにカナダと米国で合計年10億回分の生産能力を確保する。カナダ政府と最大7600万回分を供給する契約を結んでおり、2021年末までの実用化をめざすとしてていた。

日本でも需要を見極めたうえで国内生産を検討する。

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Medicagoは植物由来のウイルス様粒子(VLP:Virus Like Particle)技術を用いた新規ワクチンの研究開発に特化したバイオ医薬品会社で、遺伝子操作によって植物の細胞内にVLPを生成させ、効率的に抽出・精製する独自技術を有している。

田辺三菱製薬は2013年7月12日、Philip Morrisと共同で、カナダのMedicago Inc.の全株式を取得することで同社取締役会と合意したと発表した。
両社は買収後のMedicagoを、田辺三菱60%、Philip Morris 40%のJVとして運営する。

2013/7/19 田辺三菱製薬、カナダ医薬品会社Medicagoを子会社化

報道では現在の出資比率は田辺三菱が79%、Philip Morrisが21%となっている。

Medicagoは下記の技術を持つ。

 Proficia™  植物の葉でのワクチン製造 
         
2016/2/26 田辺三菱製薬、タバコの葉からインフルエンザワクチン
 
 VLP    遺伝子情報を持たないウイルス様粒子(
体内でウイルスの増殖がなく安全性に優れる)


 VLPExpress™  新ワクチンを早く見つける手法


田辺三菱製薬は2021年9月30日、連結子会社のカナダのMedicagoが開発しているCOVID-19の植物由来のウイルス様粒子ワクチン(開発番号:MT-2766)について、10月2日より日本において第1/2相臨床試験を開始すると発表した。2022年3月までに日本での承認申請をめざすとした。

国内の承認申請時までに米国、英国、カナダ、ドイツ、フランスのいずれかで承認又は緊急使用許可(EUA)が取れていると「特例承認」が得られる。

田辺三菱製薬は2022年2月24日、カナダで承認を取得した。商品名:COVIFENZ)

なお、MedicagoはWHOに承認申請したが、WHOの関係者は2022年3月16日、Medicagoが開発した植物由来の新型コロナウイルスワクチンは、同社がタバコメーカーのPhilip Morrisからの出資(Philip Morris 21%)を受けていることを理由に、WHOの緊急使用承認を「受けられない可能性が非常に高い」と発表した。

タバコや武器会社との提携に関するWHOの「非常に厳しい」ポリシーに抵触する恐れがあるため、緊急使用承認が一時停止されているという。

Medicago はWHOへの申請を取り下げたと報じられている。

三菱ケミカルホールディングスは5月13日、Medicago が開発する植物由来の新型コロナウイルスワクチンに関して、今年度中の国内への承認申請のスケジュールに変更はないとの見通しを示した。

世界保健機関(WHO)への緊急使用許可手続きが受け入れられていないが、三菱ケミカルは「日本への承認申請への影響はない。この件についてカナダ政府と協議を続けているが、詳しいことは申し上げられない」としている。

2021/10/3 田辺三菱製薬、カナダ子会社のCOVID-19ワクチン候補の日本における臨床試験開始

大阪ガスは8月1日、2023年3月期の第1四半期決算を発表した。(単位:億円)

売上高 営業利益 経常利益 株主帰属
損益
2022/3実績 15,869 949 1,105 1,283
2021/4-6 3,135 367 410 307
2022/4-6 4,671 74 134 112
2023/3当初予想 18,530 1,065 1,150 820
   今回予想 21,710 430 460 315

米国テキサス州のLNG製造施設のFreeport LNGで6月8日、火災事故が発生した。

大阪ガス液化加工契約に基づ年間約232万トンのLNG(同社グループLNG扱量の約19)調達を計画していたが今回の操業停止を受、LNGの代替調達のLNG調達に付随する契約の変更等を進めている。

加え当プロジェクトにおいて設備等の復旧に係る費用を含む損失が発生同社の出資比率に応じた損失を計上する可能性がある。

これらに関連する収益の費用及び損失原油価格為替レート等を一定の前提を置いて見直2023年3月期の連結業績予想を修正した。

2023年3月期予想で、経常損益は690億円の悪化となっている。Freeport火災関連損失は795億円

JERAも大阪ガスと同量を引き取っており、同様の影響を受けると見られる。 第1四半期には全社としてLNGスポット調達影響として320億円の悪化を折り込んでいるが、このうちFreeport LNGの影響がいくらかは不明。また、2022年度の業績見通しは未定としている。

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米国テキサス州のLNG製造施設のFreeport LNGで6月8日、火災事故が発生した。

火災事故による人的被害はなく、LNGによる発火は、常に液化施設のフェンスライン内に収まり、約10秒間継続した。その後、配管の断熱材やケーブルなど、事故が発生した場所とその周辺の資材の燃焼が発生したものの、約40分後に鎮火した。

6月14日の発表では、規制当局の許可が得られ次第、約90日後に部分的な操業再開を目標としており、プラントが完全稼働に戻るのは2022年後半になる。

米国のLNG輸出の20%を担うFLNGでの稼働の遅れは、欧州を中心とするLNGの需給動向に大きな影響を与えそうだ。

Freeport LNGの第1系列は440万トンで、大阪ガスとJERAがそれぞれ220万トンを引き取っている。(現状は各232万トン)

大阪ガスは2008年に出資、JERAは2021年11月に出資を発表している。

2021/11/18 JERA、Freeport LNG に出資

三井物産と三菱商事は、2022年6月末で、権益を持つサハリン2の資産価値を合計2,177億円減額したと発表した。2022年3月末でも合計938億円の減額をしており、累計で両社で3,115億円の減額となる。

両社とも、2021年12月末時点での評価に対し、2022年6月末時点での評価は1/3となっている。  

出資比率 2021/12価値 2022/3

2022/6

合計評価損
評価額 評価損 評価額 評価損
三井物産 12.5%出資 2,709億円 2,268億円 -441億円 902億円 -1,366億円 -1,807億円
三菱商事 10.0%出資 1,930億円 1,433億円 -497億円 622億円 -811億円 -1,308億円
合計 4,639億円 3,701億円 -938億円 1,524億円 -2,177億円 -3,115億円

  
なお、両社ともIFRS
の「その他の包括利益 」のうちFVTOCI(その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産での減額で、当期損益には反映されない。

三井物産は、「大統領令が出たことで将来得られる見込みの配当について不確実性が高まった。資産評価を保守的に見積もった」としている。

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日本はサハリン2から年間約600万トンのLNGを輸入している。日本のLNG輸入量の約10%を占める。

サハリン2プロジェクト

事業主体 Shell 55%→27.5%-1株
・Gazprom 0%→
50%+1株
・三井物産 25%
12.5%
・三菱商事 20%
10%
投 資 額 200億ドル
開発鉱区 ピルトン・アストフスコエ、ルンスコエ
推定可採
埋蔵量
①原油 10億バレル
②天然ガス 4,080億立方メートル

<石油>プリゴロドノエまでパイプラインで運搬後、新設港湾よりタンカーで日本等へ輸出
<ガス>プリゴロドノエまでパイプラインで運搬、液化後、LNGをタンカーで輸出
 



2007/1/9 
サハリン2計画 再スタートとその背景

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Shellは2022年2月28日、主要な液化天然ガスプラントを含むロシアの全事業から撤退すると発表した。

サハリン沖の石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン2」からも手を引き、「ノルドストリーム2」への関与も終了する。

ロシアからの撤退により減損が発生する見込みで、ロシアの事業に関連する非流動性の保有資産は2021年末で約30億ドルという。

Shellは3月8日、ロシア事業を全面的に終了すると発表した。

2022/3/1 Shell、サハリン2から撤退 

岸田首相は3月31日の衆院本会議で、「サハリン2」から撤退しないと明言した。日本のエネルギー安全保障上、「きわめて重要なプロジェクト」だと語った。

プーチン大統領は6月30日、「サハリン2」の運営会社「サハリンエナジー社」の外国企業が保有する資産を、今後新設するロシア企業に無償で引き渡すように命ずる大統領令に署名した。

サハリンエナジー社の株式は、現在、ロシアの国営天然ガス企業ガスプロムが50%、英石油大手シェルが27.5%、日本の三井物産が12.5%、三菱商事が10%を保有している。

ガスプロムの出資は今後も維持されるが、その他の外国株主は、新会社の株式取得に同意するか否かを1か月以内に決定することが求められる。同意しない場合には資産を失い、保有する株式はロシア企業に売却される。同意する場合には、ロシア政府に申請を行って、認められれば出資を維持できるとしている。 現時点でどんな条件なのかわかっていない。)

大統領令では、今回の決定は、ウクライナ侵攻に伴い対ロ制裁を発動した日本などを念頭にした「米国や追随する国の非友好的行動」に対応した措置、と説明されている。

日米の外務、経済閣僚が経済分野の議論を行う経済版「2プラス2」の初会合が7月29日、ワシントンで開かれ、萩生田経済産業大臣は、日本の大手商社が権益を持つロシア極東の天然ガスの開発プロジェクト「サハリン2」について、権益の維持を目指す方針をアメリカ側に伝えたことを明らかにした。

萩生田大臣は、日本の大手商社が権益を持つ「サハリン2」について議論があったことを明らかにし、「撤退を求める声もあるが、撤退すれば第三国に権利を譲ることになって、ロシアはばく大な利益を得ることになる」と述べ、そのうえで、「アメリカ側に現状維持したいと説明し、理解してもらったと思っている」と述べた。

ロシア政府は8月2日付政令で、運営会社を設立することを決定した。事業を引き継ぐ新会社の本社はサハリン州のユジノサハリンスクに設置する。現在の運営主体であるサハリンエナジーの代表が、新会社の経営を引き継ぐ。

ガスプロムが約50%の出資を従来の運営会社と同様に維持する。残りの出資は当面の間、新会社が保有する。

既存株主は設立から1カ月以内に、従来の出資比率に応じた株式取得に同意するかどうかを通知する必要がある。出資に合意した場合は、ロシア政府が株式を外国企業に譲渡するかどうかを判断する。拒否した場合はロシア企業に売却される。

今後はロシア側からどのような条件が示されるかが焦点となる。




ロシアが欧州への天然ガス供給を止めるとの懸念が高まる中、ドイツ政府は今年末までに稼働停止を決めていた国内の原発3基を来年以降も稼働させるかの検討に入った。

一貫して稼働延長に反対してきた連立与党の「緑の党」からも、延長容認とも取れる声が出始めているとされる。

ロシア国営 Gazprom は6月14日、天然ガスパイプラインNordstream 1 の供給量を40%減らすと発表、翌15日、さらに33%削減すると発表した。(合計60%カット)

従来の日量最大1億6700万立方メートルであったが、16日午前1時半をもって供給量は最大6700万立方メートルになる

Gazpromは7月25日、Nordstreamについて、新たに送ガス用タービン1台の修理を始めると発表。27日から供給量を6月中旬までの約2割に減らす。

ドイツはロシアの天然ガスに大きく依存している。侵攻前、ドイツはガスの55%をロシアからの輸入に頼っていた。

来冬の需要に備え、天然ガスの貯蔵が必要だが、現時点ではドイツのガス貯蔵量は最大能力の5~6割程度にとどまっている。

ドイツのハベック経済・気候相は6月19日、ロシアからの天然ガス供給が大幅に減る事態に備え、発電に利用するガスの消費量を減らし、石炭火力発電の稼働を拡大させる法整備を進めると発表した。

2022/6/21 ドイツ、ロシア天然ガス減で、石炭火力を拡大

欧州連合(EU)は7月26日、ブリュッセルでエネルギー相理事会を開き、ロシアが欧州へのガス供給を一段と減らし、欧州のガス在庫が枯渇する懸念が強まっているのを受け、8月から2023年3月までの天然ガスの消費を過去5年の平均に比べて15%減らすことで合意した。

2022/7/29 EU、ガス消費15%削減で合意

この状況下で、公約であった本年末の原発完全停止を改め、来年以降も残る3基を稼働させる検討に入ったもの。

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ドイツでは、電力会社4社が17基の原発を運営していた。

2002年に当時のSchröder政権(ドイツ社会民主党と緑の党の連立政権)が原子力法を改正し、原発の運転年数を32年と定めて順次停止し、2022年までに原発を廃止すること、原発の新規建設は認めないことを決定した。

しかし、2009年にMerkel 政権(キリスト教民主・社会同盟と自由民主党の連立政権)が成立し、方向転換した。

ところが、2011年3月11日の福島第一原発事故で、この決定が覆ることになった。
メルケル政権は、福島原発事故後のドイツ国内の反原発運動の圧力に抗いきれずに、すべての原発を2020年までに廃止するという以前の決定を受け入れることになった。

2011年6月末のドイツ連邦議会で、この決定が513対79で可決された。
この決定で、8基の旧型の原発が2011年に廃止され、9基の原発は2022年までにすべて廃止されることが確定した。

9基のうち、6基については2021年までに停止した。残る3基(Emsland、Neckarwestheim 2、Isar-2)が2022年12月31日に稼働を停止し、脱原発が完了する予定であった。

原子力発電所 業者

停止時期

2011年 2015年 2017年 2019年 2021年 2022年
Kruemmel Vattenfall
Brokdorf E.On
Brunsbuettel Vattenfall
Unterweser E.On
Emsland RWE / E.On
Grohnde E.On
Grafenrheinfeld E.On
Biblis RWE 2基
Philippsburg EnBW
Neckarwestheim EnBW
Gundremmingen RWE/E.On
Isar E.On
合計  17基 8基 1基 1基 1基 3基 3基
停止済み




INEOSは7月28日、中国SINOPECとの間で総額70億ドルに達する3つの石化事業での提携契約に調印したと発表した。

1) Shanghai SECCO Petrochemical Company(上海赛科石油化工)に50%出資

Shanghai SECCO Petrochemical は、BP 50%、SINOPEC 30%、上海石化 20% のJVとして上海市漕涇地区の上海ケミカルパークに設立され、2005年3月に商業生産を開始した。

原料はナフサで製品は以下の通りであった。

その後、能力は下記のようになった。
 エチレン 109万トン、BTX 65万トン、SM 65万トン、PS 30万トン、PE 60万トン、PP 25万トン、ANM 52万トン。

https://www.knak.jp/ichiran/china/secco.htm


BPは2017年4月27日、
上海SECCOの持分(50%) を、上海SECCOのパートナーのSinopecの子会社
上海高橋石化 に16.8億ドルで売却することで合意したと発表した。

2017/5/1 BP、上海SECCO石油化工の持分をSinopecに売却 

今回、INEOSが旧BP持分を引取り、JV当事者として参加する。


なお、BPは上記の上海SECCO持分の売却の3年後の2020年6月29日に、
世界中の石油化学事業をINEOSに売却することで合意したと発表した。売却価額は総額50億ドル。

2021年1月1日、取引を完了した。

中国関連では下記事業を含んでいる。SINOPECとのJV(BP YPC Acetyls)を含む。

Zhuhai, China BP Zhuhai Chemical PX 90万トン BP 91.9%
(当初、BP85% / Zhuhai Port 15%)
MX 10万トン
酢酸 60万トン
Chongqing, China Yangtze River Acetyls 酢酸 BP枠 20万トン BP 51%/Sinopec Sichuan Vinylon Works 44%/Chongqing Energy Investment Group 5%
エステル BP枠 10万トン
Nanjing, China BP YPC Acetyls 酢酸 BP枠 30万トン BP 50%/Sinopec 50%
2020/7/2 BP、石油化学事業をINEOSに売却    

2) ABS JV

両社はINEOSのABS技術に基づき、ABSの50/50JVを設立する。

現在、INEOSが寧波に建設中の60万トン設備を含めるとともに、別途60万トンの設備を建設する。

INEOS Styrolutionは2020年1月、寧波にWorld class のABSプラントを建設すると発表した。能力は60万トンで、2020年に建設を開始、2023年完成を目指す。

なお、INEOSは2014年に、ABS原料のアクリロニトリル技術供与契約違反でシノペックに法的アクションをとったことがある。

2014/3/31 INEOS、アクリロニトリル技術供与契約違反でシノペックに法的アクション 

3) HDPE JV

両社はHDPEの50/50JVを設立する。

天津に新しく50万トンのHDPE設備を建設する。

さらに将来、HDPEのパイプグレード生産のため、INEOSの技術供与で、50万トンのHDPE設備を少なくとも2基 建設する。総能力は150万トンとする。


これにより、INEOSはSINOPECとの関係を強化し、中国における存在感を高める。

2022年7月28日、新疆ウイグル自治区の烏魯木斉(ウルムチ)国際陸港エリアで、布地や綿糸などの貨物204トンを満載したコンテナ専用列車、中国・キルギス・ウズベキスタン Road and Rail 国際貨物便の列車が出発した。

同便は南疆鉄道経由で新疆ウイグル自治区のカシュガル駅に到着すると、鉄道輸送から道路輸送に切り替わり、キルギスとの国境の伊爾克什坦(イルケシタム)通関地から出国し、最終的にウズベキスタンのタシケントに到着する。

 1) 烏魯木斉→Kashghar   南疆鉄道


ソース: http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col86892..html

 
2) Kashghar→Tashkent   道路輸送

(ウズベキスタンのAndizhanとTashkent間は鉄道が通じている。これを利用するのかどうかは不明)

同便は全行程にわたりコンテナが鉄道と道路を移動する国際複合一貫輸送方式を採用している。

国際定期貨物列車「中欧班列」の複合一貫輸送という新ルートをめぐる新たなブレークスルーを実現したもので、1回の貨物の依託、1回の料金支払い、1枚の書類、1件の保険で、道路区間と鉄道区間の輸送引受人がそれぞれに貨物を運んで、輸送の全行程を完了させる。

鉄道輸送と道路輸送の優位性を結びつける上で効果的であり、輸送の時間的効率を大幅に向上させ、中国と中央アジア諸国との商業貿易往来により便利でスピーディなルートを提供することになった。

ーーー

KashgharとAndizhanを鉄道で結び、既存のAndizhanーTashkent間の鉄道と接続する計画は25年以上前からあった。 ロシア案と中国案があり、それぞれに問題があって、永く棚上げになっていた。

Tashkentから西は、トルクメニスタンとの国境近くのBukharaでトルクメニスタンの鉄道と接続し、カスピ海岸のトルクメンバシに至っている。

この鉄道路線計画がようやく動き始めたきっかけは、5月16日にモスクワで開催された集団安全保障条約機構首脳会合で、キルギスのザパロフ大統領がプーチン大統領を説得したからだという。 プーチン大統領は中国案を承認したとされる。

これを受け、中国の王毅外相は6月8日、カザフスタンの首都ヌルスルタンで開催された「中国+中央アジア5カ国」外相の第3回会合に出席し、中国・キルギス・ウズベキスタン鉄道着工を約束した。

同路線が設置されれば、「欧州までの路線距離はロシア経由に比べ900キロ短縮され、輸送時間は7~8日間短くなる」という。

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