千代田化工建設は、米国テキサス州にて Golden Pass LNG プロジェクトを共同遂行している米国 Zachry Industrial が5月21 日に「Chapter11」を申し立て、法的再建手続きに入ることになったと発表した。

Zachry Industrial の chief restructuring officerは、裁判所に提出された宣誓供述書で、「財政困難の結果」が、2019年にGolden Pass LNG Terminal から受注したLNGプロジェクトによるものであると述べた。

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千代田化工建設は2019年2月6日、米国のZachry Group 及びCB&I (Chicago Bridge & Iron Company) と共同で、Golden Pass Products LLCから米国テキサス州 Sabine Passで計画されているLNG輸出基地の設計、調達、建設(EPC)業務を受注したと発表した。

当初の発表では、共同受注はMcDermott International となっている。

McDermott International は2018年に米建設会社CB&I (Chicago Bridge & Iron Company) を35億ドルで買収したが、その際に発生した債務が経営を苦しくし、2020年にChapter 11を申請した。
McDermott
International とCB&I は同年5月に統合した。



Golden Pass Products LLCはQatar Petroleumが70%、ExxonMobilが30%を出資する。

計画は、既存のGolden Pass LNG 輸入基地に天然ガス液化設備等を建設し、同基地を市場の状況に応じてLNGの輸入と輸出を行えるようにするものである。

既存のGolden Pass LNG 輸入基地は、Qatar Petroleum (70%)、ExxonMobil (17.6%) に加え ConocoPhillips (12.4%) が加わるJVである。
年間1560万トンの輸入LNG(天然ガス換算 日量20億立方フィート)を2つのバースで輸入し、ガス化する。2010年に完成した。

今回の計画は、年産520万トンの液化設備3基(合計能力 1,560万トン)を建設する。用役設備の増設や既存の輸入設備との連結、安全設備の拡充なども含める。パイプラインも拡充する。
ConocoPhillipsはこの事業には参加しない。

投資額は100億ドルで、2024年に運転を開始する予定。

Golden Pass はエネルギー省から、FTA締結国向けには2012年に、非締結国向けには2017年に、20年間の輸出承認を受けている。

2019/2/9 千代田化工、米国 Golden Pass LNG輸出基地設計、調達、建設業務を受注 

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本プロジェクトは、2019 年に Zachry、CB&I (Chicago Bridge & Iron Company) 及び Chiyoda International が組成するジョイントベンチャーが Golden Pass LNG Terminal LLCから受注し、遂行してきた。

Golden Pass LNG、CB&I および Chiyoda International は、これまで本プロジェクトの遂行体制に関して協議を続けており、3社は協調して引き続き本プロジェクトの完工に向けて工事を遂行していくことを確認している。

Chiyoda International の主たる業務範囲である設計・調達業務は概ね完了しており、建設工事が進捗中で、プロジェクト全体の進捗率は、約75%まで達成している。

千代田化工は、米国Cameron LNGプロジェクトで大幅赤字を計上した。

2019/5/9 代田化工建設、大幅赤字に、三菱商事が支援へ

このため、今回の契約では、ZachryCB&I が労働者の生産性など現地建設関連のリスクの責任を負うスキームとし千代田の負うスコープは基本的に設計と調達に限定した

LINEヤフーで昨年に情報漏洩があった件で、総務省が、通信の秘密の保護及びサイバーセキュリティの確保の徹底を図るとともに、再発防止策等の必要な措置を講じ、その実施状況を報告するよう、文書による行政指導を行った。

そのなかで、情報漏えい元がLINEヤフーの親会社の1社の韓国NAVERの関係先であったことから、総務省は「行政指導」で「今の資本関係も含めて経営体制の見直しを検討」することを求めた。

これが韓国側で大きな問題となっている。韓国の野党やメディアは「韓国企業が日本で投資をして育て上げたLINEを日本政府が奪おうとしている」と批判のトーンを強めている。韓国紙は「日本の総務省は法律ではない行政指導を通じて企業の経営権と関連した資本構造改善を要求するなど市場経済の原則を傷つける姿を見せた。日本政府がデータ主権確保に向け「ネイバー追い出し」に出たものとの疑いを自ら招いたと報じた。

日本国内でも、「外国企業の投資審査は、本来、その企業が新たに日本に進出を希望した際に行うべきもの。すでに投資をした外国企業に、あとから『株式を手放せ』『技術は残して日本から退場せよ』などと迫るのは中国がよくやるような話だ」との批判が出ている。

これが前例として認められると、世界各地で日本企業が犠牲になる可能性もありうる。

野党は尹錫悦政権批判を展開している。

韓国政府は5月10日、株式売却の圧迫に対して遺憾を表明し、「韓国企業に対する差別的で不当な措置に対しては断固として強力に対応していく」と明らかにした。 また、今回の行政指導は日韓両国が2003年に発効させた「日韓投資協定」に抵触するのではないかという主張も韓国側から提起されている。この協定は、日韓両政府とも、自国に投資をした相手国企業は自国企業と平等に扱うという「内国民待遇」を定めている。

林芳正官房長官が述べているように、「セキュリティーガバナンスの見直しにはさまざまな方策がありえる」「いずれにしても委託先管理が適切に機能する形となることが重要」だが、法律に基づかず、行政指導でJVの出資比率の変更まで求めたのは、明らかに行き過ぎである。

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LINEヤフーは2023年11月27日、委託先企業への第三者による不正アクセスにより、ユーザー情報、取引先情報、従業員などに関する情報漏えいが判明したと発表した。該当情報は合計で最大約44万件に上る。

漏えいのうち最大30万2569件が「ユーザーに関する利用情報」。
そのうちLINE IDとは別に、内部でユーザーを識別する文字列にひも付く、サービス利用履歴などが4万9751件。
メッセージなど特定の人とのやり取りに関するような通信の秘密に該当する情報が2万2239件。

日本に限ると漏えいしたユーザー利用情報は最大12万9894件で、ユーザー識別子にひも付くサービス利用履歴が1万5454件、通信の秘密に該当する情報が8981件。

なお、口座情報やクレジットカード情報、LINEアプリにおけるトーク内容は含まれないとしている。

取引先に関する個人情報は最大8万6105件が該当。そのうち、取引先などの従業員の氏名、所属(会社・部署)、メールアドレスなどのセットは34件含まれており、他はメールアドレスのみだった。

LINEヤフーのグループや委託先などの従業員に関する個人情報(氏名、社員番号、メールアドレスなど)は最大5万1353件が該当。ドキュメント管理システム内の個人情報が6件、認証基盤システム内の従業員に関する個人情報が、LINEヤフーグループで3万409件、韓国NAVERグループで2万938件。

不正アクセスの経緯としては、LINEヤフーと韓国NAVER Cloudの両社から委託を受けている企業の従業員が所持するPCがマルウェアに感染。NAVER CloudとLINEヤフーの従業員情報を扱う共通の認証基盤で管理されている、旧LINEの社内システムネットワークへの接続を許可していたことから、NAVER Cloudのシステムを介して10月9日に不正アクセスが行われたという。

発覚は10月17日で、LINEヤフーのセキュリティ部門がシステムへの不審なアクセスを検知し調査を開始。27日に外部からの不正アクセスである可能性が高まったという。
同日中に不正アクセスに使用された可能性のある従業員のパスワードをリセットし、関係会社のシステムからLINEヤフーのサーバーに対するアクセスを順次遮断した。翌28日には従業員の社内システムへの再ログインを強制実施している。

今後LINEヤフーは、旧LINE環境の社内システムで共通化している認証基盤環境をNAVER Cloudと分離するとともに、ネットワークアクセス管理を一層強化。委託先の安全管理措置の是正に取り組むという。再発防止策として、計画の妥当性・有効性・客観性の担保を目的に、外部企業を交えた計画を策定するという。

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ソフトバンクと子会社のZホールディングス(2019/10/1 ヤフー㈱から改称)、及び韓国のNaverと日本の子会社LINEの4社は、ZホールディングスとLINEの対等の精神に基づく経営統合で合意し、2019年11月19日に法的拘束力のない基本合意書を締結したと発表した。

公取委は2020年8月4日、「当事会社グループが申し出た措置を講じることを前提とすれば,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなるとはいえないと認められたので,当事会社グループに対し,排除措置命令を行わない旨の通知を行い,本件審査を終了した」と発表した。

ソフトバンク傘下のZホールディングス(ZHD)は2020年3月1日、LINEと経営統合し、新体制がスタートした。

LINEの商号は2月28日にAホールディングス(AHD)に変更された。ソフトバンクと韓国のネイバーはAHDを戦略的持ち株会社として位置付け、株式を50%ずつ保有する。

ZHDとLINEの統合は、親会社同士のソフトバンクとネイバーが出資するAHDが持ち株会社であるZHDの65%の株式を保有し、ZHD傘下の事業会社としてヤフーやLINEがぶら下がる形を取る。


2019/11/20 ヤフーとLINEの統合

1997年11月4日に店頭市場に登録、2003年10月28日、東京証券取引所市場第一部に上場、2022年4月4日、プライム市場に移行した。

2023年10月1日にZホールディングスは新社名を「LINEヤフー」に決めた。 現在、ソフトバンクとNaverの50/50JVであるAホールディングスが64.5%を出資している。

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総務省において、LINEヤフーに対して、電気通信事業法の規定に基づく報告徴収を実施したところ、同社の安全管理措置・サイバーセキュリティ対策や業務委託先管理等に不備があったことが判明した。

総務省は2024年3月5日、LINEヤフーに対し、同社における上記の不正アクセスによる通信の秘密の漏えい事案に関し、通信の秘密の保護及びサイバーセキュリティの確保の徹底を図るとともに、再発防止策等の必要な措置を講じ、その実施状況を報告するよう、文書による行政指導を行った。

(1)本事案を踏まえた安全管理措置及び委託先管理の抜本的な見直し及び対策の強化
(2)親会社等を含むグループ全体でのセキュリティガバナンスの本質的な見直し及び強化
(3)利用者対応の徹底

そのうえで会社に対し、今の資本関係も含めて経営体制の見直しを検討し、ネイバーとともに50%出資する通信大手のソフトバンクに対しても、必要な働きかけをするよう求めた。総務省が行政指導で経営体制にまで踏み込む、異例の内容となっている(NHK報道)。

同年4月1日、同社から再発防止等に向けた取組に関する報告書の提出を受けたが、一定の応急的な対策については実施済みとのことであるものの、現時点で、安全管理措置及び委託先管理が十分なものとなったとは言い難く、また、親会社等を含むグループ全体でのセキュリティガバナンス体制の構築についても十分な見直しが行われる展望が必ずしも明らかとはいえない状況にあると考えられ、対策・検討を加速化する必要があるものと判断し、4月16日に以下の措置を講じるよう求めるとともに、措置の実施状況や実施計画について具体的かつ明確に報告するよう、行政指導を行った。

(1)本事案を踏まえた安全管理措置及び委託先管理の抜本的な見直し及び対策強化の加速化
(2)親会社等を含むグループ全体でのセキュリティガバナンスの本質的な見直しの検討の加速化
(3)取組内容に係る進捗状況の定期的な公表等を通じた利用者対応の徹底

総務省は資本関係の見直しを含めた対応策について、7月1日までの報告を求めている。

韓国のNaverは5月10日、LINEヤフーに出資する中間持ち株会社の株式を売却する可能性について初めて言及した。合弁相手であるソフトバンクと協議を進める考えを示した。

その後、5月8日に取締役の交代が発表され、退任予定取締役として、「LINEの父」と呼ばれる慎ジュンホChief Product Officerと、 桶谷拓Chief Strategy Officerが発表された。両名とも取締役退任後も、それぞれ CPO または CSO としての役割に専念する予定。

理由としては、「取締役会を独立社外取締役が過半数を占める構成へ変更するとともに、経営と執行の分離を進め、より一層ガバナンス強化を図るため」としているが、これで取締役全員が日本人となった。  

また、同日、LINEヤフーが、サービス・事業面も含めてネイバーとのほぼ全ての委託関係を終了すると発表した。

さらにソフトバンクがネイバーに対してLINEヤフー持分買収のための交渉を始めたことが伝えられると、韓国メディアは「日本政府による韓国民間企業の強奪」と大きく報じるようになった。

LINEヤフーが運営しているメッセンジャーアプリの「LINE」はネイバーの日本法人であるネイバージャパンが2011年に開発したもので、日本における月間利用者数は9600万人、タイでは5500万人、台湾では2200万人、インドネシアでは600万人の利用者が使っている。  

このようなLINEの経営からネイバーが手を引かざるを得ない状況に追い込まれかねない事態に、いま韓国社会全体が激怒していると報じられている。

中央日報は、日本の総務省は法律ではない行政指導を通じて企業の経営権と関連した資本構造改善を要求するなど市場経済の原則を傷つける姿を見せた。日本政府がデータ主権確保に向け「ネイバー追い出し」に出たものとの疑いを自ら招いたと報じた。

野党は尹錫悦政権批判を展開している。革新系最大野党「共に民主党」の鄭清来最高委員は5月13日の最高委員会議で、「尹政権の対日屈従外交はすでに知っていたが、日本政府の韓国企業侵奪についても政府が抗議するどころか環境を整えさせている」と非難した。

松本剛明総務相が初代韓国統監・伊藤博文(祖父母の祖父)の子孫だということも、韓国のナショナリズムを刺激する。

韓国政府は5月10日、株式売却の圧迫に対して遺憾を表明し、「韓国企業に対する差別的で不当な措置に対しては断固として強力に対応していく」と明らかにした。 また、今回の行政指導は日韓両国が2003年に発効させた「日韓投資協定」に抵触するのではないかという主張も韓国側から提起されている。この協定は、日韓両政府とも、自国に投資をした相手国企業は自国企業と平等に扱うという「内国民待遇」を定めている。

韓国大統領府高官は5月14日、LINEヤフーが7月1日までに同省へ行う報告には「(ネイバーの)保有株式の売却は盛り込まれない可能性がある」と明らかにした。 高官は「ネイバーと意思疎通を続けている」と語り、冷静な対応を求めた。

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松本総務大臣は5月10日の閣議後記者会見で、LINEヤフーがネイバーとの委託関係を終了する方針を決定したことに関し、行政指導の意図として「通信の秘密を含む情報の漏洩というセキュリティ上の重大な事案が発生したことを踏まえて、総務省において、再発防止策の徹底、利用者の利益の確実な保護を求めるもの」と説明した。  「安全管理措置等の強化、そして、資本的な支配を相当程度受ける関係の見直しや、親会社等を含むグループ全体でのセキュリティガバナンスの本質的な見直しの検討の加速化などの措置」を求めたとする。  

一方で、日本がNAVERからLINEヤフーの経営権を奪おうとしているなどの批判が韓国から出ていることに対し、「資本的な支配を受ける関係の見直しや、親会社等を含むグループ全体でのセキュリティガバナンスの本質的な見直し」をより加速させるように求めたもので、「経営権といった視点から資本の見直しを求めたものでなはい」として、韓国側の懸念について改めて否定した。

林芳正官房長官は5月15日の記者会見で、LINEヤフー資本関係見直し行政指導で、日本の経済安全保障が考慮されたものなのか、これが必要な理由が何かについての質問に「行政指導の内容は安全管理措置等の強化やセキュリティガバナンスの見直しなどの措置を講じるよう求めたもの」と答えた。「セキュリティーガバナンスの見直しにはさまざまな方策がありえる」とし「いずれにしても委託先管理が適切に機能する形となることが重要」と答えた。

林長官は「韓国政府には(日本政府の)考え方はすでに伝達している」とし「今後も韓国政府に対して丁寧に説明していく考え」と言及した。韓国社会の否定的な世論に対しては「コメントを差し控える」とした。


今回の情報流出の再発防止に出資比率の変更が役に立つとは考えられず、総務省の主張には無理がある。日本政府が
どう収めるのか、注目される。

公取委は3月7日、日産自動車に対し、下請代金支払遅延等防止法第4条第1項第3号(下請代金の減額の禁止)の規定に違反する行為が認められたとし、同社に勧告を行った。

それによると、同社はコスト削減目標を達成するため、2021年1月から2023年4月までの約2年間、部品メーカーなど下請け事業者36社に対し、一度決まった支払い代金から数%を「割戻金」として減額していた。

総額30億2368万円を減額しており、1社当たりの最高額は約11億円だった。

なお、日産は減額分をすでに下請け業者へ支払い、割戻金の運用も廃止したとしている。

2024/3/8 公取委、日産自動車に下請法に基づき勧告


日産自動車
は5月9日、2023年度通期決算を発表した。 営業利益は前年比51%増の5687億円を記録した。

2022年度通期 2023年度通期 増減(対前年)
売上高 10兆5,967 億円 12兆6,857億円 +2兆890億円
営業利益 3,771億円 5,687億円 +1,916億円
売上高営業利益率 % 3.6% 4.5% +0.9ポイント
経常利益 5,154億円 7,022億円 +1,867億円
当期純利益 2,219億円 4,266億円 +2,047億円


テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」は翌10日の特集「The 追跡」で日産〝不当な減額要請〟継続かを報道した。日産の経営を揺るがすだけでなく、大企業と下請けの関係に一石を投ずる内容だった。

日産は中小の取引先企業36社に対し、違法な減額強要で公正取引委員会から再発防止の勧告を3月に受けていた。同番組がこの36社以外を独自取材すると、「減額の強要が変わらず続いている」実態が浮かび上がった。

公取委の3月の勧告は下記の通りで、36社だけでなく、すべての取引が下請法に違反しないことを求めている。

⑴ 日産自動車は、次の事項を取締役会の決議により確認すること。
 ア 前記2⑵の行為が下請法第4条第1項第3号の規定に違反するものであること
 イ 今後、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、下請代金の額を減じないこと
⑵ 日産自動車は、今後、下請法に違反することがないよう、次の行為を行うなど経営責任者を中心とする社内遵法管理体制の整備のために必要な措置を講ずること。
 ア 法務担当者による下請法の遵守状況についての定期的な監査
 イ 役員及び発注担当者に対する下請法遵守のための定期的な研修
⑶ 日産自動車は、次の事項を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。
 ア 減額した金額を下請事業者に支払ったこと
 イ 前記⑴及び⑵に基づいて採った措置
⑷ 日産自動車は、次の事項を取引先下請事業者に通知すること。
 ア 減額した金額を下請事業者に支払ったこと
 イ 前記⑴から⑶までに基づいて採った措置
⑸ 日産自動車は、前記⑴から⑷までに基づいて採った措置を速やかに公正取引委員会に報告すること。

番組は、日産の内田誠社長から違反行為は勧告後にやめたと言質をとっていた。

放送内容は下記の通り。いずれも公取委の勧告後の取材である。

1) 日産と約20年取引のある資本金3億円以下の中小企業A社社長のインタビュー

勧告後も「減額の強要が続いている」

減額要求はもう、毎回ある。半額というケースもあるし2割3割(引き)は当たり前に起きている。それに対してあらがえば切られてしまう。

勧告後の2024年4月の見積書に「原低率」が記載されている。
原価低減を何%するという意味合いで、「何%引きます」と自ら言うことは基本的にないので強要である。

しかも、「個別原低とは弊社より依頼したもの」と最初から書いてある。

われわれの意思で書いたという体で、「受け入れざるを得ない。いじめに遭っている人が手を挙げられないのと同じ。」

望まない原低率は数%から数十%に及ぶ。

2) 30年取引のあるB社営業担当のインタビュー

日産のメールに「この仕事が欲しいならこの金額以下でもう一回見積もりを出し直しなさい」とある。

「長い付き合いだからといっていつまでも仕事もらえると甘く見るなよ」と言われた。

どんどん価格を下げられていって見積もりを2回も3回も出して向こうが納得する金額まで強要されるというのが続いた。

つい先日の日産からのメール 「当社の目標は xxx円以下」

どれくらい低減させられる?の質問に、 
  ほぼ30%とか ひどいときは50%とかもある
  全然 適正でない。0か100なので、断ったら仕事が来なくなる。


番組は報道予定の番組内容を公取委の官房審議官にみてもらい、意見を聞いた。

1) A社のケース

こういうフォーマットで一方的に一律で「単価を引き下げなさい」という要請は、「買いたたき」に抵触する可能性がある。

買いたたきは下請法で禁止されている。

2) B社のケース

一般論だと、自分が思う価格の指し値なら交渉ができているのか、疑義が生じるのであまりよろしくない。


テレビ東京によると、日産に見解を尋ねると、「現在、報道された内容について、事実関係を確認しております」と述べるにとどまり、調査をいつどのように報告するのかについては言及を避けた。

「下請けに血の涙を流させてあげた利益」など放送直後からSNSに怒りの声が殺到した「(広告主ゆえ)勇気がいったと思う」「他の局は追随できるのか」

当日の放送では、特集中にホンダのCMが流れた。日産のCMも放送最後で流れた。

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これについて、斎藤経産相は5月17日の閣議後記者会見で日産を厳しく批判した。「今回の報道内容につきましては、至急事実関係を調査し、報告するように求めています」、「法令順守の観点のみならず、経済界を挙げて進めている価格転嫁に水を差すもの」としたうえで、「極めて遺憾」と厳しく批判した。

斎藤大臣は、日産からの報告内容をふまえて、今後の対応を検討するとしている。

経産省の幹部はテレビ東京の取材に対し、「ここで変わらなかったらいつ変わるのか、大きな山場だ」と述べ、経済界の賃上げ心理に水を差さないよう、日産に厳しい姿勢で臨むことを示唆した。


経済同友会の新浪剛史代表幹事は5月14日の会見で以下のように述べた。


目下、(多くの)企業、とりわけ大企業が多重(下請け)構造において、いわゆる価格転嫁をしっかりと進めようと取り組んでいる中で、このような問題が起こっていること自体が大変な問題であり、経営陣として「知らなかった」では済まされない。

多くの企業が一緒になり、デフレ脱却(に向けて)、下請け(企業)による適正な価格転嫁を認めようと取り組んでいる中、こういう問題が起きていることは大変遺憾であり、企業の責任をどう示していくのか。

同じ経済界(にいる者)として、いかに(責任を果た)されるのかを注目している。その点では、企業はそれぞれ個々で(経営を行っている)が、(各社の経営が)社会にどのような意味を持つかという観点から(経営)責任を明確にしていただきたい。

社会的にこれまでは当たり前のように行ってきたとしても、時代の転換点を迎えて、(現在は)そうではない(社会に変化している)ことを分かっていない企業が存在することが大変遺憾である。

(適正な価格転嫁も受け入れられない)下請け(企業)の方々が意欲を持って部品を作ることは難しいだろうし、(その結果として)製品の質も悪くなると、消費者は買わなくなってくる。そのため、このようなことを行っている限り、株価などに表れる通り会社の価値は高まらないというのが結論である。

経営責任をどう取るのか、または、このような状況からどう脱却するのかを早期に明確(に示す必要がある)。トヨタ自動車のように(下請け)各社に対して(納入価格の)値上げを行いながら(製品を)供給している(例もある)ため、社会的責任を果たせない企業がどうあるべきかという点については、自ら処すべきであり、大変厳しく見るべきだと思っている。


これは経済同友会の事後の発表で、いろいろ補足しているが、新聞報道では次のようになっている。

経済同友会の新浪剛史代表幹事は5月14日の会見で、「大企業が下請け企業の価格転嫁を認めようと努力している時であり、大変遺憾だ。経営陣は知らなかったでは済まされない」と強い口調で述べ、経営責任の明確化を求めた。

新浪氏は「(こういう会社の)下請けが意欲を持っていい製品をつくろうと思いますか? そういうクルマを買おうと思いますか? だから会社の価値は上がらないし、株価を見ても上がっていない。それが結論です」と痛烈に批判した。

付記

日産自動車は6月23日、公取委から勧告を受けたあとも代金の引き下げを行っていた可能性があり、調査を進めていると発表。調査結果については1週間後をめどに公表

世界最大級の鉱業会社BHPグループが、107年の歴史を持つ同業のAnglo Americanに買収の可能性を打診した。

Anglo Americanは4月24日遅く、BHPから一方的で拘束力のない株式交換による事業統合の申し出を受け取ったと明らかにした。310億ポンド(388億ドル)の買収提案とされる。Anglo Americanによると、BHPの申し出は、Anglo Americanが南アフリカの白金および鉄鉱石部門をまず分離することが条件になる。

非公開情報を理由に複数の関係者が匿名で語ったところでは、BHPはロンドン市場に上場するAnglo American買収の可能性について最近評価を行ってきた。検討は初期段階であり、BHPが買収を進めると決めるか確実ではないとしている。

Anglo Americanは南米の大規模な銅事業を傘下に置き、業界の多くが同事業の拡大を目指す中で、鉱業大手の中でも特に買収の標的と長らく考えられてきた。しかし、複雑な構造と商品ミックス、特に南アへのエクスポージャーの大きさが潜在的買い手を遠ざけていた。Anglo Americanは世界のダイヤモンド市場で支配的な地位を築いてきたDe Beers も傘下に置く。

同社は、歴史の古い銅山から産出する低純度鉱石の問題などに直面する。生産する一部主要商品の価格下落を受け、Anglo Americanは 2023年の利益が急減し、配当引き下げを余儀なくされた。

Anglo Americanの株価は過去1年で12%下落し、時価総額は270億ポンド(約5兆2200億円)となった。ロンドンおよびシドニー市場に上場するBHPの時価総額は約1490億ドル(約23兆円)。


両社の歴史、概要は下記の通り。

BHP Group Anglo American
歴史 2001年に豪州のBroken Hill Proprietary (BHP)と、南アで大規模に活動する英国のBilitonが合併し、BHP Billitonとして英、豪での二元上場会社となった。

2007年にRio Tinto買収を計画するが、2008年に断念
   
2008/11/27 BHP Billiton、Rio Tinto 買収を断念 

BHP Billitonは2015年にアルミ、石炭、マンガン、ニッケル、銀などの事業を分離し、South 32とした。      
   2014/12/10 BHP Billiton、分離会社の社名は "South32"

2018年11月にBHP Groupに改称(二元上場のまま)

BHPグループは2021年8月、石油・ガス事業を豪 Woodside Petroleumに売却すると発表した。
   
2021/8/19 BHPが石油・ガス事業から脱却

2022年1月 豪州上場のBHPが英国上場のBHP株を買収し、豪州上場に1本化 

主な鉱山資産には、ピルバラの鉄鉱石、エスコンディーダの銅が含まれる。

より多くのバッテリーグレードのニッケルを供給するためにニッケル事業を拡大中で、カナダのジャンセン鉱山の開発を通じてカリ市場にも参入している。

2023年度には銅鉱山会社Oz Mineralsも買収した。

1917年 南アフリカの金塊を採掘・販売するため、Anglo American Corporation of South Africaとして創業

1926年 ダイヤモンドの供給最大手のデビアス(De Beers)の株式を過半数取得。

1928年 現ザンビアのCopperbelt 地域で銅の採掘を開始、1971年終了

1942年 カナダのHudson Bay Mining and Smelting Co.を買収。

1995年 子会社Johannesburg Consolidated Investment Company をAmplats社(白金とダイヤモンド)、新JCI社(その他の鉱業)、Johnic社(工業部門)の3社に分割し、新JCI社とJohnic社の権益を黒人投資家へ譲渡

 白金とダイヤモンドの事業は、後に資本関係を結んでいるDe Beersへ移管

1998年 様々なグループの改編を機にロンドン証券取引所へ上場、社名をAngro American PLCとする。

両社の売上高と構成 

BHP Group
(2023/6)
Anglo American
(2023/12)
売上高 538億ドル 307億ドル
鉄鉱石 248億ドル 80億ドル
160億ドル 74億ドル
石炭 109億ドル
貴金属 67億ドル

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Anglo Americanの取締役会は4月26日、BHPからの310億ポンド(388億ドル)の買収提案を拒否した。
「提案はAnglo Americanとその将来の見通しを著しく低く評価しているとの結論に至った。また、提案には、提案に固有の不確実性と複雑さ、および実行に伴う重大なリスクを考慮すれば、取締役会が高く魅力的でないと考えている構造が含まれている」としている。

Anglo American は「銅がポートフォリオの最大30%を占めており、銅や他の構造的に魅力的な製品のうまく進展し価値を増加させる成長オプションを有することで、Anglo Americanの株主がこれらのトレンドの全体的な影響が具体化されるにつれて著しい価値の向上に恩恵を受けると信じている」としている。

金属市場においては、ロンドン金属取引所での銅の3か月の終値は4月29日に1メトリックトン当たり10,135.50ドルの歴史的な高値を記録した。2月9日に見られた8,169ドルの安値からほぼ25%増加した。

Anglo Americanの拒否を受け、BHPは買収価額を340億ポンド(426.7億ドル)に引き上げたが、Anglo Americanは5月13日、これを再度拒否した。

Anglo American は5月14日、エネルギー転換の下で需要が高まっている銅事業に集中するため、収益性の低い石炭やニッケル、ダイヤモンド、プラチナなどの事業を売却するか切り離す大胆な合理化計画を発表した。鉄鉱石と銅、つまりエネルギー転換の鍵となる金属に特化したよりシンプルな企業構造を目指す。これらの再編を通じて17億ドルの経費節減が期待できるという。

BHPによる買収提案を拒否し、単独経営を維持するための方針とみられている。

三井物産と英Shell、仏のTotalEnergy が、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ国営石油(ADNOC)が新たに進めるLNG輸出事業について、権益取得に向け協議していると 本年4月に報じられた。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

関係者によれば、3社は増設設備の権益に加え、LNGをそこから購入する契約の獲得を目指している。 ただし、ADNOCはプロジェクトを進めるに当たり、これら企業からの投資を必要としておらず、権益を売却しない決定もあり得るという。


これについて三井物産は、これは同社が発表したものではなく、また、現時点で同社として具体的に決定した事実はないとしている。

既存の液化プラントを運営するADNOC LNGは1973年に設立された。ADNOCが70%、三井物産が15%、BPが10%、Totalが5%出資している。

液化プラントはAl Ruways沖合のDas Island にある。既存能力は年産600万トンで、1977年に出荷を開始した。



Das Island 現状

LNGの増設計画では、当初 Fujairahが候補地となったが、その後、キャンセルされた。

2023年5月に新立地としてAl Ruways Industrial Cityが選ばれた。

480万トンが2系列で合計960万トンとなり、第一期と合わせると年産 1560万トンとなる。

2027年スタートの予定。

2024年3月にプラント建設の準備作業となる限定的着工指示(LNTP)を発行し、進展が見られた本年中に同事業に関する最終投資決定(FID)が行われる予定である。



ADNOCは最近、新しいLNG供給契約を次々に締結している。日本の石油資源開発とも(三井物産ではなく)ADNOCが直接契約している。

2024年3月に中国のENN Natural Gasの子会社であるENN LNG (シンガポール) とLNG供給契約を締結した。15年間の合意覚書に基づき、年間最低100万トンのLNGを供給する。

2023年8月17日、石油資源開発(Japex)にLNGを供給する5年間の契約を締結したと述べた。取引額は4億5,000万ドルから5億5,000万ドルと述べたが、LNGの量や出荷開始時期については明らかにしなかった。

2024年3月18日にドイツ国営会社「Securing Energy for Europe(SEFE)」の子会社と、15年間の液化天然ガス(LNG)長期契約を締結した。年間100万トンのLNGが2028年よりドイツに供給される。

2024年5月8日には、ドイツのエネルギー大手EnBWと、年間60万トン、15年間の液化天然ガス(LNG)供給契約を結んだと発表した。


各紙の今回の報道は、第一期の出資比率を前提に、第二期も3社が出資すると想定したものと思われるが、資金面や営業面からみても、今回、3社の出資を必要とする理由はADNOC側にはないと見られる。

米国は5月14日、中国製EV関税などを大幅に引き上げると発表した。

同日発表したFact Sheetで次のように述べている。

バイデン大統領の経済計画は、アメリカの経済的将来と国家安全保障に不可欠な主要セクターで投資を支援し、良好な雇用を創出している。

一方、中国の技術移転、知的財産、革新に関する不公正な貿易慣行は、アメリカの企業と労働者を脅かしている。中国はまた、人工的に低価格の輸出品を世界市場に供給している。

中国の不公正な貿易慣行に対応し、それによって生じる損害を補償するために、バイデン大統領は本日、通商代表に対して、1974年の通商法のセクション301に基づいて中国からの180億ドル相当の輸入品に対する関税を引き上げるよう指示した。

「アメリカの労働者と企業は、公正な競争があれば誰にでも勝てる。しかし長い間、中国政府は公正でない、市場経済ではない手法を使ってきた。中国の強制技術移転と知的財産の窃盗は、技術、インフラ、エネルギー、医療に必要な重要な要素のグローバル生産の70、80、さらには90パーセントを支配しているアメリカの供給チェーンと経済安全保障にとって受け入れがたいリスクを生んでいる。さらに、これらの非市場政策と手法は、中国の過剰生産能力と輸出増加を招き、アメリカの労働者、企業、コミュニティに重大な害を与える恐れがある。

大統領はアメリカの労働者と企業を中国の不公正な貿易慣行から保護するための行動を取る。中国に技術移転、知的財産、革新に関する不公正な貿易慣行を廃止するよう促すため、大統領は鋼鉄、アルミニウム、半導体、電気自動車、バッテリー、重要鉱物、太陽電池、岸壁クレーン、医療製品などの戦略的セクター全般で関税を引き上げるよう指示した。」

これに対し、中国外務省の汪文斌報道官は14日の記者会見で「中国はWTOの協定に違反する一方的な関税の引き上げに一貫して反対しており、あらゆる必要な措置をとりみずからの正当な権益を守っていく」と述べ、対抗措置をとることを示唆した。

New Section 301による中国製品の輸入関税は下記の通り (主にChatGPTによる翻訳)

中国は現在、特に重要鉱物の採掘、加工、精製などの上流ノードにおいて、EVバッテリー供給チェーンの一部セグメントの80%以上を支配している。
重要鉱物の採掘および精製能力の中国集中は、供給チェーンを脆弱にし、国家安全保障とクリーンエネルギー目標を危険にさらす。

米国およびグローバルな耐久性を改善するために、大統領は、十分な国内産業基盤を築くために米国全体に投資してきた。バイパーソンインフラ法、国防生産法、インフレ削減法を通じて、政権は、先進バッテリーおよびバッテリー材料の国内生産能力を拡大するために、約200億ドルを助成金と融資に投資してきた。インフレ削減法には、米国でのバッテリーおよびバッテリー材料の生産への投資を促進するための製造税額控除も含まれている。大統領はまた、American Battery Materials Initiativeを設立した。これにより、バッテリーとその原料の信頼性の高い強固な供給チェーンを確保するために、政府全体のアプローチが動員される。

注)
米財務省は5月3日、消費者が電気自動車(EV)を購入する際の税優遇の要件を従来案から緩和すると発表した。中国産の鉱物を使ったEVは2025年から優遇の対象外とするとしてきたが、黒鉛など一部鉱物については2027年からとし、メーカーに2年間の猶予期間を設けた。中国産の黒鉛などを使わずEV電池をつくるのは現時点で難しいからで、黒鉛はリチウムイオン電池の負極の中核材料で、供給の7割を中国に依存している。加工や精製の中国依存度も高い。
それにもかかわらず、今回、2026年から黒鉛の関税を引き上げる。

  ブログ 米国、EV税優遇の「中国産で対象外」のルール緩和 

現行 改正 時期 問題点と米国の対応策
Semiconductors 25% 50% 2025 中国の政策は、市場主導の企業による投資排除のリスクを伴う市場シェアの拡大と急速な生産能力拡大につながっている。今後3〜5年で、中国は特定のレガシー半導体ウエハの製造のためにオンラインになるほぼすべての新しい生産能力の約半分を占めると予想される。パンデミック中、供給チェーンの混乱、レガシーチップを含む製品の幅広い価格上昇が、自動車、家電製品、医療機器を含む様々な製品で過度な依存のリスクを強調した。
CHIPS and Science法を通じて、バイデン大統領は、アメリカの半導体製造能力、研究、イノベーション、労働力に約530億ドルを投資している。これにより、アメリカの半導体製造能力が国内での製造能力を低下させた数十年にわたる非投資と海外移転に対抗するのに役立つ。
CHIPS and Science法には、半導体製造ファブリケーション施設の建設、近代化、拡張に直接的なインセンティブとして390億ドル、半導体企業に対する25%の投資税額控除が含まれている。
半導体に対する関税率引き上げは、これらの投資の持続可能性を促進するための重要な初期段階。
電気自動車 25% 100% 2024
中国の広範な補助金と市場原則に反する慣行が、過剰生産の重大なリスクをもたらしている。その結果、2022年から2023年にかけて、中国のEV輸出は70%増加し、他の地域での生産的な投資が危険にさらされている。EVに対する100%の関税率は、中国の不公正な貿易慣行からアメリカの製造業者を保護する。
政府は、電池製造や重要な鉱物の生産に対する事業税額控除、EVの採用に対する消費者税額控除、スマートスタンダード、連邦政府によるEV充電インフラの投資、EVおよび電池製造への供給を支援する助成金を通じて、強力なEV市場の開発を促進している。
電気自動車への関税率の引き上げは、これらの投資と雇用を、不当に価格設定された中国からの輸入から保護する。
バッテリー、バッテリー部品、および重要鉱物
中国は現在、特に重要鉱物の採掘、加工、精製などの上流ノードにおいて、EVバッテリー供給チェーンの一部セグメントの80%以上を支配している。
重要鉱物の採掘および精製能力の中国集中は、供給チェーンを脆弱にし、国家安全保障とクリーンエネルギー目標を危険にさらす。

米国およびグローバルな耐久性を改善するために、大統領は、十分な国内産業基盤を築くために米国全体に投資してきた。バイパーソンインフラ法、国防生産法、インフレ削減法を通じて、政権は、先進バッテリーおよびバッテリー材料の国内生産能力を拡大するために、約200億ドルを助成金と融資に投資してきた。インフレ削減法には、米国でのバッテリーおよびバッテリー材料の生産への投資を促進するための製造税額控除も含まれている。大統領はまた、American Battery Materials Initiativeを設立した。これにより、バッテリーとその原料の信頼性の高い強固な供給チェーンを確保するために、政府全体のアプローチが動員される。

注)
米財務省は5月3日、消費者が電気自動車(EV)を購入する際の税優遇の要件を従来案から緩和すると発表した。中国産の鉱物を使ったEVは2025年から優遇の対象外とするとしてきたが、黒鉛など一部鉱物については2027年からとし、メーカーに2年間の猶予期間を設けた。中国産の黒鉛などを使わずEV電池をつくるのは現時点で難しいからで、黒鉛はリチウムイオン電池の負極の中核材料で、供給の7割を中国に依存している。加工や精製の中国依存度も高い。
それにもかかわらず、今回、2026年から黒鉛の関税を引き上げる。
  ブログ 米国、EV税優遇の「中国産で対象外」のルール緩和 

リチウムイオンEVバッテリー 7.5% 25% 2024
同 非EVバッテリー 7.5% 25% 2026
バッテリー部品 7.5% 25% 2024
天然黒鉛と永久磁石 0% 25% 2026
太陽電池
(モジュールに組み立てられているかどうかにかかわらず)
25% 50% 2024
この関税増加は、中国の政策に基づく過剰生産能力に対抗し、価格を抑制し、中国以外のソーラー容量の開発を阻害していることを防ぐもの。中国は不公正な手法を使い、グローバルソーラー供給チェーンの一部分で80〜90%以上を支配しようとしており、その現状維持を図っている。中国の政策と市場原則に反する慣行は、人工的に安価なソーラーモジュールとパネルを世界市場に氾濫させ、中国以外のソーラー製造への投資を阻害している。

政権は、米国のソーラー供給チェーンに歴史的な投資を行っており、これはソーラーセル技術の開発を支援した初期の米国政府による研究開発に基づいている。インフレ削減法は、ポリシリコン、ウエハ、セル、モジュール、裏シート材料を含むソーラー部品に対する供給側税制のインセンティブを提供し、ユーティリティ規模および住宅用ソーラーエネルギープロジェクトの展開を支援する税額控除、補助金、融資プログラムを提供している。大統領の「アメリカへの投資」政策の結果、ソーラー製造業者は既に、2030年までに年間数百万の家庭用パネルを供給するための米国製造能力を8倍に増やすことを計画しており、その投資額はすでに約170億ドルに上ることが発表されている。

岸壁クレーン(船から岸壁) 0% 25% 2024
米国政府は、信頼できるパートナーと共に岸壁クレーンを生産するための米国の産業能力を再構築することで、米国市民に対して引き続き成果を提供している。岸壁クレーンにかかる25%の関税率は、中国の不公正な貿易慣行によって市場が過度に集中している状況から米国製造業者を保護するのに役立つ。岸壁クレーンは、米国内外の重要な商品の連続した移動と流れを可能にする基盤となる重要なインフラで、政府は、米国の供給チェーンに影響を与える可能性のあるリスクを緩和するための措置を講じている。この措置は、大統領の「アメリカへの投資」政策を通じて米国の港湾インフラへの投資を進める取り組みに基づいている。この港湾安全イニシアチブには、米国に岸壁クレーン製造能力を戻すことが含まれており、米国の供給チェーンの安全を支えることに加えて、米国および世界中の港湾がクレーンやその他の重機を調達する際に信頼できるベンダーを利用することを奨励している。
医療製品
これらの関税率の引き上げは、COVID-19パンデミック対応に不可欠であり、国内のすべての病院で毎日使用されている医療用品の強力な国内産業基盤を支え、維持するのに役立つ。連邦政府と民間セクターは、これらおよび他の医療製品の国内製造を構築するために大規模な投資を行っており、アメリカの医療従事者と患者が必要なときに重要な医療製品にアクセスできるようにしている。アメリカ企業は、市場に投入された安価な中国製品と競争するのに苦労しており、その品質が非常に低い場合もあり、医療従事者や患者の安全に懸念を引き起こす可能性がある。

今日の発表は、バイデン大統領が常にアメリカの労働者を支援するという決意を反映している。海外からの反競争的で不公正な慣行に直面した際には、大統領はアメリカの労働者と産業を保護するために必要なすべての手段を展開する。

注射器と針 0% 50% 2024
呼吸器およびフェイスマスクなど 0~7.5% 25% 2024
ラバー製医療用および手術用手袋 7.5% 25% 2026

韓国ハンファグループ傘下のHanwha Q Cellsは、2024年4月初めにジョージア州 Cartersville工場での太陽電池モジュールの生産を開始した。

すべて米国製のingots、wafers、cells、modulesを生産する"Solar Hub" で、2024年末にフル稼働すると、1日当たりのパネル生産量は4万6,700枚以上、年間8.4GWの生産能力を持つことになる。同社によると、これは130万世帯分の電力を賄う量のパネル生産能力に相当する。

原料であるシリコン(ケイ素)を加工したものが「Ingot」、これを薄く切ったものが「wafer」、太陽電池としての機能を持つ最小の単位を「Cell」と呼び、セルを複数組み合わせて屋外で利用できるように支持板(ガラス板など)、裏面材(バックシートなど)、アルミ枠などで保護・強化したものが「Module」 である。

Dalton工場は最終段階のModule組み立てだけであるが、Cartersvilleでは元のIngotから最終のModule組み立てまで、すべて米国製である。

Hanwha Global 部門は2022年3月、米国のポリシリコン生産会社 REC Silicon の12%を買収することを決めたと発表した。同日、Hanwha SolutionもREC Siliconの持分4.67%を追加購入したと明らかにした。これまでグループで16.67%を保有していたが、今回の取引で、筆頭株主となった。

RECシリコンはノルウェー・オスロ取引所に上場されるポリシリコン生産会社で、米国にだけ工場2つを保有している。ワシントン州のモーゼスレイク工場(年産 1万6000トン) は水力発電基盤のエコエネルギーを活用し、カーボン・フットプリントがほとんど残らない「クリーンポリシリコン」を生産する。モンタナ州ビュート工場では半導体向けポリシリコンを年間 2000t 生産する。

数年間休眠状態だったモーゼスレイク工場は、2022年4月に復活した。

RECシリコンが製造したポリシリコンは、ジョージア州カーターズビルのハンファQセルズ新工場で利用される。

ーーー

Hanwha Q Cellsは2023年1月、米国の太陽光発電史上最大といわれる25億ドル以上を投じるジョージア州Daltonの太陽電池モジュール製造施設拡大を発表した。

当初の能力1.7GWに対し、1.4GWと2GWの増設を行い、合計能力を5.1GWとした。1日当たり3万枚以上のパネルを生産している。

計画の一環として、アトランタ北西郊外のCartersvilleに新たな製造施設の建設を発表し、バイデン政権が進める気候変動対策に合致した投資として賞賛されていた。

同社の能力推移は下図の通り。

Hanwha Q Cellsは、米政府のインフレ抑制法(IRA)によって税額控除の恩恵も受ける。Cartersville工場だけで年内に1億4000万ドル (約1860億ウォン)の税額控除を受けることになる。来年、計画通り全ての製品を作り始めれば、税額控除規模は1兆ウォンに増える。

Q Cellsは2024年1月8日、マイクロソフトと戦略的提携を結び、8年間で12GWの太陽電池モジュールと設計・調達・建設(EPC)サービスを供給すると発表していた。マイクロソフト向け太陽電池モジュールは、今回生産が開始されたCartersville工場から供給する予定 。


Hanwha Q Cells はマイクロソフトとの8年間の戦略的アライアンスを発表した。この提携により、マイクロソフト社は世界最大級の再生可能エネルギーの購入企業となる。

Q Cells は、これまでで最大規模のモジュールおよび設計・調達・建設(EPC)サービスに関する協定を結び、8年間で12GWの太陽電池モジュールとEPCサービスをマイクロソフト社に供給する。この協定には、2023年1月に発表された2.5GWの太陽電池モジュールとEPCサービスに関する取り決めも含まれている。

両社は世界的なクリーンエネルギー経済の推進を目指している。マイクロソフトは、2025年までに電力消費量の100%を再生可能エネルギーで賄うことを宣言しており、ハンファQセルズは、完全な米国製の太陽光発電サプライチェーンとエネルギーのワンストップソリューションを提供することで、マイクロソフトの目標達成をサポートする。

また、Q Cellsは本年2月、太陽電池のリサイクル会社のSolar Cycleと提携、Q Cellsが米国で廃棄、所有、設置した太陽電池パネルをリサイクルすると発表している。

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ドイツの太陽電池メーカー大手のQ.Cellsは2012年4月2日、法的整理の手続きを申請すると発表した。

太陽電池ブームを追い風に2008年に世界シェア首位に立ったが、中国メーカーなどとの価格競争が激化し、赤字体質に陥っていた。

2012/4/6 太陽電池大手 Q-Cells 破綻

Q.Cellsは2012年8月26日、韓国のHanwha Groupから買収提案を受けたと発表した。

Q.Cells は8月29日、債権者集会で韓国のHanwha Groupへの事業売却が、参加者の過半数によって承認されたことを発表した。
従業員約1,550人のうち、1,250人を
Hanwha Groupが引き受け、また、Q-Cells の事業の大部分についてもHanwha Groupに移管される。

買収価格は、営業債務の引き受け部分(1〜5億ユーロ相当)と、キャッシュによって支払われる部分(数千万ユーロ)から成り、キャッシュ部分の金額は今後、Hanwha Groupが引き受ける追加債務の金額によって変動する。

新聞情報では、買収額は4千万ユーロで、2億74百万ユーロの負債も引き継ぐ。

2012年10月24日、買収が完了し、Hanwha Q.Cells GmbHが設立された。

2012/11/27 倒産したドイツの太陽光発電メーカーQ. Cells、韓国ハンファグループのHanwha Q.CELLSとして再生 

アルミ産業が集積する富山県高岡市で、太陽光発電の廃棄パネルで水素発電する事業が始まる。パネルからアルミを抽出する企業グループと、アルミを化学反応させて水素を取り出し火力発電する事業者が連携する。

高岡市は官民連携で地域内アルミリサイクル事業を進めており、2023年に環境省の「脱炭素先行地域」に指定された。

同事業の目玉は①リサイクル業のハリタ金属(高岡市)と三協立山による太陽光の廃棄パネルからアルミを抽出して再生する取り組みと、②アルハイテック(高岡市)が手掛けるアルミ水素発電の2つ。
先進的で効果の高い取り組みを実現することで上限50億円の交付金が得られ、双方の取り組みの相乗効果を訴求する。

2030年代に廃棄パネルの大量発生が見込まれるなか、再生可能エネルギーの利用比率を高めたい電力事業者に売り込む。


廃棄パネルの処理ではハリタ金属が保有する大型ラインが中核的な役割を担う。自動車スクラップ1台分をまるごと粉砕でき、1時間に1000枚(20トン)以上処理する能力がある。

アルハイテックは、アルミを有効活用した水素社会づくりを目指す「北陸アルミ水素将来ビジョン」を掲げ、工場や家庭からのアルミ廃材全般からアルミ水素発電を行う取り組みを進めており、今回、廃棄パネルの処理を行うハリタ金属/三協立山と提携する。



アルミ系廃棄物を処理して水素発電をするまでには大きく4つのステップがある。

①パルパー型分離機でアルミ系廃棄物をパルプとプラスチック付きアルミに分離する。

アルミ付き廃棄物から、水を用いて紙を分離する装置。
基本的には排水を必要としない構造で、水を循環させ且つ少ない電気エネルギーでの運転が可能
パルパー底面の特殊スクリーンを通過したパルプ繊維を回収するので、繊維を切ることがほとんどない良質な繊維が再利用できる。

②次に、乾留炉でプラスチック付きアルミを乾留してプラスチックを分解し、アルミを取り出す。

アルハイテックが開発した乾留炉はパルパー型分離機で回収された樹脂部分を熱処理により分解除去し、不純物の少ないアルミを回収する。
同社の特許技術により600℃前後の温度で付着するプラスチックを自燃させることよる運転で分離を可能にした。これにより、純度が高いアルミを回収することができる。

③続いて、水素製造装置で、繰り返し使える特殊なアルカリ系溶液とアルミを反応させて高純度の水素を発生させる。

アルハイテックが開発した水素製造装置は水素ではなく、アルミを輸送・貯蔵し、必要な時に水素を製造する。
また、アルハイテックの水素製造装置は小型化が容易なため、施設の規模感に合わせて柔軟に対応可能。
独自開発した特殊なアルカリ性反応液を用いて水素と水酸化アルミ(難燃剤として高価で売れる)を製造する。従来品よりも高効率・高反応速度で水素を得ることができる。
この反応液は約100回繰り返し使用することができる。

④最後に、その水素を燃料電池に送って発電に利用する。


水素製造装置は、アルミと反応液を混ぜることで常温、常圧で水素を生成し、同時に資源として使える水酸化アルミニウムを取り出すことができ
る。

通常、反応液に使われる水酸化ナトリウム水溶液は、使うたびに消耗して化学反応の速度・効率が落ちが、アルハイテックではバルセロナ自治大学の基礎研究を元に、アルカリ水溶液に触媒を加えた独自の反応液を開発し、常温で100回以上繰り返し使用できる画期的なものに改良し

また、この反応液は触媒の効果により、劇物である水酸化ナトリウムの含有量を最小限に抑えながらも効率的に水素を発生させることができる。そのため、劇物の対象外となり、取り扱いやすいという利点もある。

反応槽は二重部屋構造を採用して、水素発生中にアルミを連続的に投入できるようにし、供給を自動で制御することも可能で動作確認では、9kgのアルミから1kgの水素と26kgの水酸化アルミニウムを生成できた。

アルミ付き廃棄物を用いた水素発生における反応液の開発


2023年にアルハイテックが環境省の助成を受けて実施した事業化調査の結果では、320キロワット規模(一般家庭250軒分)では年間600トンのアルミ原料が必要になる。調達価格が1キロ100円未満で採算が取れる。
高岡市には年間100トン以上のアルミスクラップを排出する工場も多い。高純度のアルミの市況は同200円以上だが、切りくずなどでは100円以下もある。切りくずは溶融用の溶液になじみやすく発電効率も高まる。

一方で売電価格の動向が事業展開のカギを握る。同社では、アルミ水素発電の売電価格8〜30円(1キロワット時)程度で事業化を想定する。


アルハイテックは工場や家庭などから排出されるアルミを回収し、水素を作り出すことでエネルギーや資源に変える「アルミ水素エネルギー社会システム」の実現を目指している。

2018年8月には、システムを地域から北陸全体へと広げることを目指す「北陸アルミ水素将来ビジョン検討会議」が発足その後、参加を表明した北陸地域の約80機関による検討会議が行われ、3回目に座長の川口教授から、「アルミ水素エネルギー社会システム」の将来像や2040年頃までのロードマップをわかりやすく示した「北陸アルミ水素将来ビジョン」が発表され

参考資料 NEDO Web Magazine クリーンなエネルギーを地産地消する水素発電システムを開発

Shellは5月8日、シンガポールのEnergy and Chemicals Park をインドネシアのChandra Asri とスイスのGlencoreのJVのCAPGC Pte. Ltd.に売却する契約に合意に達したと発表した。

Chandra Asri はインドネシアの化学・インフラソリューション企業
Glencoreはスイス・バールに本社を置く 世界最大のグローバル多角的天然資源企業の1つ

Chandra AsriがJVのマジョリティを持つ。

これは、SHELLのChemicals and Products businessを高機能化し、排出を減らしつつ、より多くの価値を生み出すという同社のコミットメントを示すものとしている。

買収したChandra Asri とGlencoreのJVのCAPGC Pte. Ltd.によると、入札で買収したという。買収金額は発表されていない。2024年末迄に取引を完了させる予定。


発表内容は下記の通り。

1.売却対象のShell Energy and Chemicals Park Singapore はJurong島とBukom島の石油精製・石油化学資産である。

Jurong島は、元の7つの島(Ayer Chawan、Ayer Merbau、Merlimau、Pesek、Pesek Kecil、Sakra、Seraya)とWestern Islands を一つにしたもの

メルバウ島にはShellが出資するが、今回の売却対象外のPCS、TPCがある。
セラヤ島とサクラ島には売却対象のPO/SM設備が、またメルバウ島には同じく売却対象のEO、EGプラント(JV)がある。

Bukom島はJurong島の南東にある島で、Shell のSM/PO設備があるSeraya島から5kmのパイプラインで繋がっている。

Bukom島には、Shell が所有・運営する日量237千バレルの製油所と、年産110万トンのエチレンクラッカーがある。


2003年1月、住友化学 とShell はシンガポールでの新たなエチレンプラントの建設についてFSを開始する旨の契約を締結した。

シェルの日量50万バレル(当時)のリファイナリーがあるブコム島にエチレンプラントを建設、パイプラインで ジュロン島に送り、住友化学が誘導品を増設する計画であった。

2004年5月、住友化学はサウジ・ラービグ計画に参加する覚書を締結、これにより、ブコム島でのエチレン計画から撤退することとなった。

シェルは住友化学の離脱後もシンガポールの経済開発局とともに本計画を進めることとし、2010年3月に下記能力でスタートした。その後、増設。

エチレン 800 千トン
プロピレン 450
べンゼン 230
ブタジエン 155

2013/6/7 ExxonMobil のシンガポール石化2期計画完成 に記載


2.Jurong島にはShell 出資の下記のプラントがある。このうち、PSCとTPCは今回の売却対象外である。これらにはShell単独ではなく、Qatarとの50/50JVとして出資している。

社名 Petrochemical Corp. of Singapore (PCS)   今回売却の対象外
場所 Merbau島
株主 日本シンガポール石油化学(JSPC)   50%
QPI and Shell Petrochemicals (Singapore) 50% (Shell 50%/Qatar 50%)  
  
カタール石油、シンガポールのPCS、TPCに出資
能力 エチレン 1,080千トン(①400+②400+増強)

社名 The Polyolefin Company (Singapore) (TPC)  今回売却の対象外
場所 Merbau島
日本シンガポールポリオレフィン(NSPC) 70%
QPI and Shell Petrochemicals (Singapore) 30% (Shell 50%/Qatar 50%)
能力 LDPE  250千トン(145+②64+増強)
LLDPE 150千トン
②114+増強)
PP  
450千トン(①175+②114+増強)

LLDPE設備をPPに転換 (PP +200千トン→650千トン)
 原料
プロピレンはPCSで新設のメタセシス法プラントから供給

 以下は今回の売却対象。ただし、EO、EGは日本勢とのJVであり、その同意が必要と思われる。

社名 Seraya Chemicals Singapore     Ellba Eastern
場所 Seraya島 Sakra島
能力 SM 370千トン
PO 160千トン
Polyols 78千トン
PG 40千トン
SM 550千トン
PO 250千トン

SM/PO併産設備

社名 Ethylene Glycols (Singapore)  
場所 Merbau島
株主 日本シンガポールEG 30%  (*住友化学、三菱化学、日本触媒ほか)
シェルグループ  
 
70%
能力 EO    45千トン
EG   122千トン
誘導品 30千トン

社名 Ethoxylates Manufacturing Pte Ltd  
場所 Merbau島
株主 Ecogreen Oleochemicals (Singapore) 
原料のEO/EGを売却するため、Shellが買い取って、原料とともに売却すると思われる。 
能力 Ethoxylates 18千トン


3. 売却プラントの従業員の雇用は維持する。

4. ShellとCAPGCは合わせて原料供給契約、製品引取契約等を締結する。

EU加盟国は5月8日、凍結したロシア資産の利子をウクライナ支援に使うことで大筋合意した。武器の調達などを支援するため7月にも支払いを始める。

西側諸国は2022年2月のウクライナ侵略の開始直後にロシア中央銀行の資産を凍結していた。総額3000億ドル(約46兆円)の3分の2はEU域内にある。資産を保管するベルギーの 国際決済機関Euroclear が得る年30億ユーロ(約5000億円)の利子収入を活用する。

米欧カナダの6カ国とEUは2022年2月26日、ロシアに追加制裁する方針を表明した。ロシアの中央銀行に初めて制裁を科し、ロシアの外貨準備を使えなくして通貨ルーブルの防衛を困難にする狙い。岸田文雄首相は2月27日、米欧の制裁への参加を表明した。

米英独仏イタリア、カナダの6カ国と欧州委員会は同日、ロシアの大手銀行などを国際的な資金決済網 SWIFTから排除する追加の金融制裁を科すことで合意した。数日中に実行する。

ロシアはドルやユーロなどの外貨準備をおよそ6300億ドル、日本円でおよそ73兆円保有していて、ウクライナへの軍事侵攻や欧米の経済制裁を受けて急落する通貨ルーブルを外貨を使って買い支える姿勢を示してきた。

今回の追加制裁はこれを阻止する狙いで、日本やヨーロッパ各国などとも連携してロシア経済に打撃を与える。

ただ今回、エネルギー関連の取り引きは例外的に許可する制度を設けるとしていて、ロシアに対して実効性を伴う形で強い
圧力をかけられるかが焦点になる。

2022/2/28 ロシア追加制裁、国際決済網から排除 

ユーロクリアから半年ごとにEUの基金に入れ、9割をウクライナのための武器購入、1割を復興に回す想定。

ロシア中銀資産の活用は22年から主要7カ国(G7)やEUで議論してきた。EUの合意は具体的な活用の第一歩といえるが、活用するのは利子部分にとどめ、資産全体の没収などには踏み込まなかった。

ロシア国内には欧州企業の資産が多く残る。国際法への抵触に加え、ロシアによる報復を懸念したためとみられる。

国際法上、国家資産は原則没収できない。

今回、ロシア資産を例外とする論拠にしたのは国連の国際法委員会が2001年にまとめた文書で、国際法の権威が集まる同委は2001年に草案を採択し、違法行為によって特別に影響を受ける国は加害国の責任を追及できると記した。
米国はこれに基づき、予算の面などで影響を受けるG7も対抗措置が可能だと主張した。

英国は国際法に抵触する懸念から資産没収に慎重な立場だったが、2023年11月にキャメロン外相が就任してから推進派に転じた。

ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアの凍結資産そのものの活用を求めている。資産没収には各国の国内手続きも必要になる。

独仏は没収できるとの米国の解釈に真っ向から反論、交戦状態にない第三国の資産を没収すれば国際法違反の悪しき前例になると訴える。

国営ロシア通信は2024年1月21日、西側諸国がロシアの資産を没収してウクライナ復興に充当し、ロシアが報復に動いた場合、西側が失う資産と投資の規模は少なくとも2880億ドルに上るとの試算結果を伝えた。EU加盟国の資産はこの8割の2233億ドルを占める。ロシアは、西側が強硬措置を進めれば、ロシア側にも没収できる米国と欧州諸国の資産のリストがあると警告している。


国営ロシア通信によると、西側諸国がロシア国内に保有する資産は次の通り。

EU  2233億ドル(キプロス 983、オランダ 501、ドイツ 173、フランス 166、イタリア 129、その他EU 281)
英国  189億ドル
米国  96億ドル
日本......46億ドル
その他 322億ドル

EUに没収を提起してきた米国では、サミットまでに合意できる折衷案として資産の将来の利子を担保にした債券発行や融資の構想が浮上している。

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