ジャパンディスプレイ(JDI)とパナソニック液晶ディスプレイは、中国深圳の天馬微電子Tianma Microelectronics )に対し、2020 8 31日に米国において特許侵害訴訟を提起し、相互間で紛争が生じていたが、相互の真摯な協議により、2022 1 21 日に、3社は全ての訴訟を取り下げ、相互の特許権を尊重することで合意した。

訴訟では、JDIとパナソニックは、両社が共同で保有する9件の特許とJDIが保有する6件の特許(いずれも液晶画質技術に関するもの)が天馬微電子によって侵害されたと主張する。
両社が保有するこれらの特許は、米モトローラのスマートフォンや台湾の華碩電脳(ASUS)のタブレット端末の一部に使用されている。

3 社は特許クロスライセンス契約を締結し、JDI及びパナソニック液晶ディスプレイ Tianma 社からライセンス料を受領することとなった。

JDIは約20億円としている。パナソニック液晶ディスプレイは公表していない。

JDIは減資により赤字を一掃する。減資前の2022年3月期決算では、営業損益、当期損益でいずれも20億円未満の赤字を予想しているが、これにより減資前でも若干の黒字となる。

2022/1/14 JDI、減資で累損一掃

ーーー

ジャパンディスプレイ:



 

パナソニック液晶ディスプレイ(旧称 IPSアルファテクノロジー)

2005 2008 2010

備考

IPS アルファ
テクノロジー
パナソニック
液晶ディスプレイズ
日立ディスプレイズ 50% 50% - JDIに参加
日立製作所 - - 3%
松下電器 30% 45% 92% 東芝とのJVから離脱
日立とのJVから離脱
東芝 15% - - JDIに参加
その他 5% 5% 5%

米国の連邦議会上院は1月19日、下院で可決済みの投票権法案の採決を行ったが、与党民主党議員が2名反対票を投じ、否決された。

1.75兆ドルの Build Back Better Actも通っておらず、バイデン大統領にとって大きな痛手である。

ーーー

米国では大統領選挙投票日は平日(11月の第1月曜日のあとの火曜日)である。また、広大な土地のため投票にはかなり遠くまで行く必要がある。

前回の大統領選挙では、郵便投票等により、これまで棄権していた多くの有権者(主に民主党支持者)が投票を行なった結果、バイデン氏が僅差で勝利した。

2020/12/10 米最高裁、ペンシルベニア州の大統領選挙郵便投票無効を認めず 

これを受け、共和党が知事である多くの州で投票の規定を厳密化する法律を設定した。バイデン大統領は1月11日、2021年だけで19州が投票権を侵害する法律を34本制定したと指摘した。

これに対し、民主党は連邦法で投票権の保護法案を提出した。

今回、下院で議決した投票権法案を上院に付議した。これは、「投票の自由法案」と「ジョン・ルイス投票権促進法案」を一本化した もの。

前者は、選挙日を連邦の祝日にするほか、全有権者が郵便投票用紙を請求できるよう定める。
後者は、各州が投票方法に関する変更を行う場合、司法省からの事前承認を求めるもので、共和党が知事・州議会を押さえている州で、投票方法を制限する法律が成立している動きに対抗する。

ーーー

問題は上院は与野党が50:50であり、かつ上院独特のFilibuster Ruleにより、野党のFilibuster を止めて議決するには(現在の規定では)60票が必要である。

なお、下記の例外がある。

1)「財政調整措置(リコンシリエーション)」手続き  Congressional Budget Act of 1974 により過半数で議決

予算決議案

予算決議案の審議時間が50時間に限られているためフィリバスターを回避できる。

予算決議案が成立すれば、財政調整法を審議する。

審議時間が
20時間に限られているため、上院でのフィリバスター財政調整法には適用されない。


2021年のの
5500億ドル規模のインフラ包括法案は通常の方法で69票の賛成で可決したが、
3兆5000億ドル規模の予算については、予算決議で50対49の賛成多数で可決
(その後、予算規模を半減した。本来、50対50で上院議長である副大統領の票で通るところが Joe Manchin議員の反乱で通っていない。)

2021/8/26 米下院、3.5兆ドルの予算決議案を可決
2022/1/4 米国民主党の混乱 

2) 「核オプション」

上院のルールでは、各議案の審議でフィリバスターが可能で、これを打ち切るためには60票が必要である。
(実際には、フィリバスターは行なわず、60票以上の賛成で法案を議決しており、Silent filibuster と呼ばれる)

但し、ルールそのものの変更議案については過半数で決めることが可能となっている。フィリバスターの権利を否定するもので、「核オプション」と呼ばれる。

2003年(George W.Bush大統領時代)に共和党が上院で51議席で上院の多数を占めていたが、民主党がフィルバスターで人事を次々に否決した。このため、共和党内で「核オプション」が議論された。

2013年(Barack Obama大統領時代)に、民主党が多数を占めたが、逆に共和党がフィルバスターを使った。

このため、民主党が「核オプション」採用に踏み切り、最高裁判事を除き、連邦判事や各省の長官の承認は多数決とした。

2017年4月にトランプ大統領指名のNeil Gorsuch 連邦控訴裁判事を最高裁判事に承認するに際し、米上院は共和党提案の審議打ち切りの動議を賛成多数で可決した。最高裁判事の承認に関してのみ単純過半数の賛成で打ち切りを可能にする規則変更で、民主党員も3名が賛成した。

2017/4/8 米上院、異例の手続きで最高裁判事を承認 

今回、上院民主党は「核オプション」そのものではなく、これより弱い(穏健な) Talking Filibuster による決議を考案した。問答無用の過半数議決ではない。

上述のとおり、現在はSilent filibusterであり、実際にはfilibuster (長時間の発言継続による議事妨害)は行なわない。
今回の案は、実際にfilibusterを行なわせ、その発言が終了した時点で過半数で議決するというものである。
(会期が終わるまで発言を続けない限り、最終的に過半数で議決できる。)

しかし、この民主党の案も失敗に終わった。

1月19日、まず投票権法案の議決のため、討論終結の議決を行った。これは60票が必要なため、当然否決された。

賛成 49、反対 51 (共和党50に加え、民主党院内総務のChuck Schumerが反対票を投じた。)

Chuck Schumerの反対は手続き的なもの。どちらにせよ60票にはならない。
一旦否決された法案に賛成しておれば、同一法案を別手続き(Talking Filibuster )で審議する法案を出せない。

次いで、Chuck Schumerが同法案をTalking Filibuster により審議する法案を提出した。

決議のルールを変更する法案であり、過半数で議決できる。与野党50:50のため、上院議長である副大統領の票で議決できる予定であった。

しかし、想定外のことが起こった。民主党のJoe Manchin議員と Kyrsten Sinema議員は反対票を投じ、48対52で否決された。(実際は通常ルールによるという法案が賛成多数で通った。)

両議員は当初の投票権法案には賛成しており、「ルール変更ではなく超党派の合意をめざすべきだ」として反対した。

Joe Manchin議員は、1.75兆ドルの Build Back Better Actと今回の投票権法案のバイデン大統領の目玉法案を2つも潰したことになる。

厚生労働省は1月21日、2022年度の公的年金支給額を前年度から0.4%引き下げると発表した。現役世代の賃金が下落したためで、2年連続のマイナスとなる。

年金支給額は、直近1年間の物価変動率と、過去3年間の賃金変動率に基づいて毎年度改定されている。

基本は物価変動率だが、賃金変動率が物価変動率より低い場合は賃金変動率を採用する。


更に制度の長期的・安定的運営のため、給付と負担を均衡させるためのマクロ経済スライドを加える。但し、物価変動率/賃金変動率がマイナスの場合は、調整せず、その分を翌年に繰り越す。

「マクロ経済スライド」とは、公的年金被保険者の変動と平均余命の伸びに基づいて、スライド調整率を設定し、その分を改定率から控除するもの


毎年の支給額の増減の計算は下記の通り。

2020年度 2021年度 2022年度
直近1年の物価変動率 +0.5% +0.0% -0.2%
過去3年の名目手取り賃金変動率 +0.3% -0.1% -0.4%
(採用) +0.3% -0.1% -0.4%
マクロ経済スライド -0.1% -0.1% -0.1% & -0.2%
(繰り越し)(当期)
改定率 +0.2% -0.1% -0.4%
マクロ経済スライド繰り越し -0.1% -0.3%



参考 米国の場合は
勤労者消費者物価指数の上昇により、5.9%の大幅増となっている。

  2022/1/6 米国の2022年の年金給付、生計費調整で5.9%の大幅アップ

内閣府は1月14日、経済・財政に関する中長期試算をまとめ、経済財政諮問会議で報告した。内閣府は年に2回、中長期試算を公表している。

政府は、国と地方合計の「基礎的財政収支」(プライマリーバランス=PB)を2025年度に黒字化する財政健全化目標を掲げている。

プライマリーバランスは社会保障や公共事業などの政策に必要な経費を、借金に頼らず税収などの収入でどの程度賄えるかを示す指標。

今回、国と地方合計のプライマリーバランスについて、経済の高成長が続いた場合の黒字化時期を2026年度とし、前回の試算(21年7月時点)より1年前倒しした。

GDPの実質成長率が2021年度2.6%、22~24年度2.1~3.2%、25年度以降2%程度(下図参照)で推移する「成長実現ケース」の場合、国・地方合計の プライマリーバランスは、2022年度時点で35.0兆円程度の赤字になるものの、2026年度には0.2兆円程度の黒字に転じるとした。

更に、「骨太方針に基づく取組を継続した場合、黒字化は2025年度と1年程度の前倒しが視野に入る」としている。

内閣府が黒字化時期を前倒しする根拠として挙げたのは、歳入の柱である税収の増加期待で2022年度 の国・地方合計の税収は109.9兆円と過去最大になると見込んでいる。
高成長が続けば、税収の増加傾向が維持されるとする。

但し、実質1%、名目1%台前半程度での推移を前提とする「ベースラインケース」では赤字がずっと継続する。





高成長ケースで、
2025年度は -1.7兆円 (-0.3%)
2026年度は +0.2兆円 (+0.0%)
2031年度では +1.2%

ベースラインケースでは
2025年度以降、-0.8%前後で推移
2031年度でも -0.7%

前提条件のGDP成長率は下図のとおり見ている。

これに対し、高成長の継続は容易ではなく、現実離れした成長率や物価見通しを基にした「数字ありき」「目標ありき」の試算との批判が出ている。

歳出面の見通しの甘さを問題視される。中長期試算では今後の歳出見通しは当初予算分だけを取り上げており、年度途中に編成される補正予算は含まれていない。

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資源開発大手INPEXは1月17日、島根・山口県沖合で石油及び天然ガス賦存の可能性を探るため試掘調査を実施すると発表した。

2010 年代初頭より油・ガス田の成立が期待される島根県から福岡県の沖合海域において地質物探評価作業を実施してきたが、2016 年には資源エネルギー庁より受託した基礎試錐を実施した。

それらの結果石油・天然ガスの賦存が期待されることから、本事業を実施することとした。

資源エネルギー庁によると、このガス田は1年間で、国内の天然ガスの年間消費量の1.2%分(93万トン)を産出できる可能性があるという。

国内では、新潟県や千葉県などにある陸上のガス田や新潟県の沖合にある海洋のガス田で天然ガスの生産を行っているが、これらで年間消費量の2.2%分をまかなっている。

試掘場所: 山口県北沖合約 150 キロメートル、島根県北西沖合約 130 キロメートル、水深約 240 メートル
試掘時期:
20223月~7 7月(予定)


商業ベースにのるかどうかを調べる試掘は、およそ20年ぶりとなる。.

事業費は、およそ330億円と見込まれていて、JOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)が半額を負担する。

JOGMECは2021年12月27日に本事業を採択した。出資見込み額は約165億円としている。

採択理由として以下を挙げている。

本事業については、(1)技術的事項、(2)経済的事項、(3)政策的事項、(4)事業実施関連事項等の観点から構成されるJOGMECの採択審査基準を満たすと判断される。

また、本事業は、一定規模の埋蔵量が期待されるオペレーター案件であることに加え、国内の事業であり、開発産業育成の観点から戦略的意義を有することから、一部の費用について75%出資対象として採択することとした。 (全体としては対象事業費の50%)

中国国家統計局は1月17日、2021年の出生数が5年連続減少し、1062万人だったと発表した。人口1000人当たりの出生数を示す出生率は7.52人と1949年の建国以来最低を記録。出生数も過去最少を更新した可能性がある。
(出生数は、2016年に1883万人で小さなピークを迎えた後、毎年減少、2019年は1465万人、2020年は1200万人)


中国は30年以上続けた「一人っ子政策」を2016年に完全撤廃して全ての夫婦に2人目まで容認し、2021年には3人目まで認めた。しかし、子育てコストの上昇などから出産に慎重な夫婦が増え、少子化に歯止めがかかっていない。

国家統計局人口雇用統計局の王平平局長が以下の通り説明している。

2021年の総人口は増えたが、伸び率は鈍化し続け、高齢化の度合いはさらに深まり、都市化のレベルは増加した。

2021年末の国民人口は14億1,260万人(2020年末比で48万人増加)、年間出生数は1,062万人(前年比 140万人減少)、死亡人口は1014万人(前年比16万人増)

1000人当たり出生数は7.52人で前年比で1.00人減少した。
1000人当たり死亡数は7.18人で、0.11人増加した。

この結果、自然人口増加率は1000人当たり0.34人で、前年比で1.11人減少した。

2021年 前年比
2021年末 人口 14億1,260万人 +48万人
    出生数  1,062万人 -140万人
    死亡数 1,014万人 +160万人
1000人当たり出生率 7.52人 -1.00
       死亡率 7.18人 +0.11人
 差引 自然増長率 +0.34人 -1.11


2012年には自然人口増加率は1000人当たり7.43
人で、数年アップダウンがあったが、2017年からは急降下している。

予測によれば、合計特殊出生率を1.3とすると、中国の総人口規模は第14次五カ年計画期間にゼロ成長、さらにはマイナス成長になる可能性もあるという。

人口増加の継続的な減速は、出生数の継続的な減少によるものであり、これは主に2つの要因の影響を受ける。

第一に、出産可能年齢の女性の数は減少し続けた。

2021年には、15歳から49歳までの出産可能年齢の女性が前年比で約500万人少なくなり、21歳から35歳までの出産可能年齢の女性が約300万人少なくなった。

第二に、出生率は低下し続けている。出産の概念の変化と初婚・出産年齢の遅れ(10年で約2年)の影響を受けて、出産可能年齢の女性の合計特殊出生率は2019年の1.70から2020年は1.30と急降下し、世界各国の水準を大きく下回ったが、2021年も低下し続ける。
(2020年の急減は異常だが、下のグラフのとおり、それまでの横這いが不自然で、過去分の修正を一気に行ったのではと思われる。)


また、
高齢化が進んでいる。


2021年末 2020年比
0〜15歳 2億6,302万人(18.6%) -528万人
16〜59歳(生産年齢) 8億8,222万人(62.5%) +247万人
60歳以上 2億6,736万人(18.9%) +329万人
 (うち65歳以上) (2億56万人) (14.2%)


ーーー

フランスのEmmauel Todd は「老人支配国家 日本の危機」のなかで、中国について以下の通り述べている。

中国の急速な少子化

米中の対立が今後も長く続き、世界の二極化が進むだろう、という点で、多くの識者と私も同じ見解です。その上で、まず人口学者として断言できるのは、中国が米国を凌ぐ大国となり、世界の覇権を握るようなことはあり得ない、ということです。

10年に一度の中国の国勢調査が今年(2021年)5月に公表されました。1カ月ほど公表が遅れ、データを改竄するためではないか、と疑われましたが、発表された2020年の合計特殊出生率は1.3人という衝撃的な数値でした。いつからこんなに低い出生率だったのか、しっかり検証する必要があります。

女性1人あたりの出生率は2.0人に近い水準でなければ、その社会は現状の人口規模を維持できず、数十年後に多大な影響を被ります。1.3人ということは、少子高齢化が急速に進むことを意味し、中国の人口規模からして人口減少を他国からの移民で補うことも原理的に不可能です。

さらに懸念されるのは、出生児の男女比です。106人(男子)対100人(女子)が通常値であるのに、今日の中国では、118人(男子)対100人(女子)という異常値を示しています。出生前の性別判断が技術的に可能になり、女子の選択的堕胎が行なわれているからで、必ず将来の人口構成に大きな歪みをもたらします。

こうした点から、中国の将来を楽観視する人口学者など一人もいないのです。

2019年の世界銀行統計で、合計特殊出生率は米国は1.71、英国は1.65、ドイツは1.54、世界平均は2.40となっている。

そのなかで韓国は0.92と極めて低く、最下位(202位)となっている。(日本は2019年は1.36で186位、中国は1.70で150位だった。)


参考 日本の合計特殊出生率




日立製作所は1月14日、保有する日立建機の普通株式の一部を 日本産業パートナーズと伊藤忠商事特別目的会社、HCJI ホールディングス合同会社に譲渡する契約を締結したと発表した。


日立
建機は、ショベル、ホイルローダ、ダンプトラックなど主要建設機械主軸を置き、新車事業に加えてリューチェーン事業(部品サービス、レンタル、中古等の事業)展開を通じて、顧客や社会課題解決貢献していくことを成長戦略の基本方針として推進してい

今後、日本産業パートナーズおよび伊藤忠商事の支援によりグローバルに事業拡大を加速することで、日立ブランドの価値向上および Lumada 事業の拡大に寄与する。

日本産業パートナーズ は、日本国内において豊富な投資・支援実績を有しており、伊藤商事は、グループ内に建設機械および周辺機器等に関する事業のノウハウを有している。

日立製作所は、引き続きIoT などの研究開発やデジタル技術を活用した部品サービス事業などにおける日立建機との連携により、Lumada 事業のさらなる拡大をめざす。

Lumadaは、"Illuminate(照らす・解明する・輝かせる)"と"Data"を組み合わせた造語で、顧客のデータに光をあて、輝かせることで、新たな知見を引き出し、顧客の経営課題の解決や事業の成長に貢献していく、という思いを込めている。

具体的には、遠隔監視で建設機械を常に見守り、データレポートを配信する日立建機のサービスソリューションデータ「ConSite」などで日立が掲げるLUMADAに貢献していく。

日立建機は、2000年より油圧ショベルにオプションで通信端末を搭載、2006年より標準搭載を始め、IoTを活用して、建設機械の稼働・位置情報などのビッグデータをGlobal e-Service®に蓄積してきた。さらに2013年より、Global e-Service®のデータに基づいて、遠隔監視で故障リスクを把握し、建設機械の状態に応じて、データレポートを配信するサービスソリューション「ConSite®」を提供し、顧客の課題であるライフサイクルコスト低減に貢献してきた。

日立製作所は、「ConSite®」の機能・ノウハウを活用した価値創出型の産業機械アフターサービス強化支援ソリューションを2020年10月から提供開始した。

そのほか、ACモータや制御ユニット、トロリーシステムやネット・ゼロ・エミッション化の推進といったことで協業を行っていく。

本株式譲渡の実行後、日立建機に対する日立の議決権所有割合は現在の51.5%から 25.4%となり、同社は日立の持分法適用会社となる。

日立製作所は2023 3 月期の個別決算で関係会社株式売却益 約 1,500 円を、連結決算では事業再編等利益 約 770 億円を計上する。
株式譲渡で得られる 1,824 億円資金を財務基盤の強化や株主還元成長投資の原資として活用、企業価値のさらなる向上に努める。

ーーー

日立製作所は「選択と集中」を旗印に、成長分野と位置づけるエネルギーなどのインフラやIoT(モノのインターネット)事業に経営資源を集中させる方針である。

非中核分野を次々に売却していった。

子会社 時期 持株比率
日立物流 2016/5/19 59.01%→30.01% 株式の29%をSGホールディングスへ譲渡
日立キャピタル 2016/10 60.61%→33.40% 株式の23.01%を三菱UFJフィナンシャル、4.20%を三菱UFJリースに譲渡
日立国際電気 2017/1   4割超→ゼロ グループで保有する4割超をKKRに売却(配当金を合わせ752億円で)
KKRはTOBを実施、傘下のHKホールディングスの完全子会社とし、2018年に工機ホールディングスと改称。

KKRは日立国際電気の半導体製造装置事業を分離、2018/6にKokusai Electricを設立したが、
2019/7 これをApplied Materialsに22億ドルで売却した。→中国の承認得られず、解約

日立工機
(電動工具)
2017 
  
40.25%→ゼロ
KKRに売却(KKRがTOB)
日立アーバンインベストメントも 10.90%→ゼロ
クラリオン 2018/10 6割超→ゼロ 仏自動車部品大手フォルシアに譲渡、売却価額は899億円 
日立オートモティブ
システムズ
2019/10 66.6% ホンダのケーヒン、ショーワ、日信工業と統合
ホンダが33.4%

2009年に上場子会社は22社あった。

2009年に日立情報システムズ、日立ソフトウェアエンジニアリング、日立システムアンドサービス、日立プラントテクノロジー、日立マクセルを完全子会社とすべく、TOBを実施。いずれも上場廃止。

2014年に日立メディコと、2016年に日立モバイルと、株式交換を行ない、上場廃止。

2018年にクラリオンを売却した結果、2019年には日立化成、日立金属、日立建機、日立ハイテクノロジーズ (2020/2 日立ハイテクに改称)の4社に減った。

2020年には上場4子会社のうちの日立化成株式を51.29%全てを 昭和電工に譲渡した。

2019/12/2 日立製作所、子会社日立化成を昭和電工に売却へ
2019/12/25 昭和電工、日立化成にTOB 

日立製作所は約53%の株式を保有する上場子会社の日立金属を売却すると報道されていたが、米投資ファンドのBain Capital と日本産業パートナーズ、ジャパンインダストリアルソリューションズのコンソーシアムが独占交渉権を得たことが分かった。日立は持株全てを売却する。この場合、 日立化成の場合と同様、上限なしのTOBとなる。

日立製作所は2021年11月30日、保有する日立金属の株式を売却する時期について、当初予定していた2022年3月期から2023年3月期に後ずれすると発表した。日立は日立金属株に対する公開買い付け(TOB)を2021年11月下旬に開始する予定だったが、一部の国で競争法に基づく手続きなどが完了していないという。

日立金属の売却が実施されると、以前の御三家が全て売却されることとなる。

これにより日立製作所は以前の重工業企業から変身する。

2021/4/15 日立製作所、米GlobalLogicを買収、日立金属を売却 & 付記

日立製作所は2021年4月7日、上場子会社である日立ハイテクの完全子会社化に向けてのTOB(@8000円、総額5311億円)が成立したと発表した。買い付け予定株数の下限以上となったため、応募株式の全部を買い付ける。日立ハイテク株の保有比率は51.73%から90.55%に高まる。TOB成立により、日立ハイテク株は2020年5月18日に上場廃止となった。

今回、最後に残った上場会社の日立建機の持株の一部を売却し、子会社から持分法適用会社とする。

これで、2009年に22社あった日立の上場子会社はすべて無くなる。

英国の食品・日用品大手のUnileverは英製薬大手のGraxoSmithKline(GSK)の大衆薬事業の買収を提案した。

GSKによると、3度目の最新提案(12月20日付)では買収額は500億英ポンド(約7兆8千億円)という。(現金417億ポンド+Uniliver株式 83億ポンド相当)

GSKはこの提案を事業価値を反映していない("fundamentally failed" to reflect the value of the division)として拒否した。

UnilverはGSKのこの事業の出資者であるPfizerにもアプローチしている。

ーーー

GSKの大衆薬事業は、GSKとPfizerの大衆薬事業を統合したもので、GSKが68%、Pfizerが32%出資する。

2018年12月19日に統合を発表した。

GSKの大衆薬は、歯磨きのSensodyne(シュミテクト)や抗炎症剤Voltaren、非ピリン抗炎症剤・鎮痛解熱剤Panadol(カロナール) など。2017年12月期の部門売上高は71億ポンド(約1兆円)。       

Pfizerの大衆薬は、痛み止めAdvil(アドビル)、サプリメント製品のCentrum やCaltrate など。2017年12月期の部門売上高は34億ドル(約3800億円)。

統合会社は売上高は98億ポンド(約1兆4000億円)で、Johnson & Johnsonを上回り世界最大の大衆薬メーカーになる。市場シェアは7.3%に達し(2位のJ&J は4.1%)、米国と中国を含む主要地域の全てで1位か2位の市場シェアを持つこととなる。

2018/12/21 GlaxoSmithKlineとPfizer、大衆薬事業を統合 

GSKは統合完了から3年以内に新会社の株式を英国で上場させ、医療用医薬品・ワクチン 事業に専念するとしていた。

このため、本年央にも分社化すべく準備を進めており、売却そのものには反対でない。売却金額が不満というものである。

この事業は中期的に年率6%で成長すると見られ、Unilever はこの点を考慮していないとしている。

なお、GSKは株主から、COVID-19ワクチンの開発遅れで批判を受けている。高額の売却で株主から評価されることを期待している。

SanofiとGSKは2020年4月14日、両社の技術を活かし、COVID-19に対するアジュバント添加ワクチンを開発すると発表した。

Sanofiでワクチンを担当するSanofi Pasteurは、遺伝子組換えDNA技術をベースとするS-タンパク質COVID-19抗原を提供する。
GSKは、実証済みのパンデミックアジュバント技術を提供する。

Sanofiの遺伝子組換え技術をベースとするCOVID-19ワクチン候補の開発は、米国保健福祉省(HSS)の一部門である米国生物医学先端研究開発局(BARDA)との協力の下で、同局の資金提供を受けて実施された。

SanofiとGSKのワクチンは、米政府の爆速ワクチン計画(Operation Warp Speed)の対象に選ばれている。2020年7月31日に米政府が21億ドルを支払い、5000万人分を確保した。

しかし、SanofiとGSKは2020年12月11日、試験計画を遅らせると発表した。

第1/2相臨床試験で、18~49歳の被検者においてはCOVID-19から回復した人に匹敵する免疫応答が示されたが、高齢者において十分な免疫応答が得られなかったことから、すべての年齢層において十分な免疫応答を得るために抗原の濃度を改善する必要性が示された。

2021年2月に改善された抗原を用いて第2b相臨床試験を実施する。開発計画が成功すれば、2021年第4四半期に実用化の見込みとしている。

2011/10/1 Sanofi の新型コロナワクチン開発 

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英国のSir William Hesketh Lever の石鹸会社 Lever Brothers とオランダのマーガリン会社 Margarine Unie が1930年に統合し、Unilever となった。

その後、両国に本社を持つ英蘭会社としてやってきたが、2020年6月に英国への一本化を発表し、同11月に完了した。(2018年3月に本社をオランダに統合すると発表したが、英国の機関投資家が強く反対し撤回している。)

同様に英蘭資本の石油メジャー、Royal Dutch Shell plc は2021年11月15日、英国とオランダの二重構造となっていた株式や本社機能を英国に一本化する計画を明らかにした。組織構造を簡素化し、社名もShell plc.に変更する。

2021/11/19 Royal Dutch Shell、英本社に一本化し、社名をShell に変更

同社の主要製品は、Dove(パーソ ナルケア)、Lipton、PG Tips(紅茶)、Dirt is Good(洗剤)、Rexona(制汗剤)、Hellmann's(調味料)、Knorr(食品・調味料)、Marmite(酵母ペースト)など多数。


Unileverは製品群の再編成を続けている。


同社は近年、パーソナルケア分野での成長を重視し、利益率の低い食品などの事業を切り離す戦略を総合的に展開している。

2016年7月にカミソリのサブスクリプション(定額制・定期購入)サービスを月額最低3ドルで提供しているDollar Shave Clubを10億ドルで買収した。

同社は2021年9月に紅茶事業を分社しEkaterraとしたが、2021年11月18日、同社を45億ポンド(cash-free, debt-free basis)で CVC Capital Partners Fund VIII に売却すると発表した。紅茶の需要が伸び悩んでおり、今後も収益の大幅な拡大は見込めないと判断した。

今回、GSKの大衆薬事業を買収対象に選んだ。



ジャパンディスプレイ(JDI) は1月12日、資本金を2152億円から1億円に減資すると発表した。

減資の2151億円と資本準備金の247億円、その他資本剰余金の一部で累積赤字の2882億円を一掃する。

資本金を1億円とすることで、税務上は「中小企業」(資本金1億円以下)と位置づけられ、軽減税率適用、年800万円以下の交際費枠等々、いろいろのメリットを得る。

資本勘定の異動は次の通り(百万円)。

処分前 処分 処分後
資本金 215,223 -215,123 100
資本準備金 24,660 -24,660 0
利益剰余金 -288,193 288,193 0
その他資本剰余金 73,310 -48,410 24,900
合計 25,000 0 25,000

JDIは2015年3月期から連続で最終赤字に陥っている。2019年4-6月期の決算で連結純損益は833億円の赤字となり、債務超過となった。

経営再建中の同社は2020年1月31日、独立系投資顧問のいちごアセットマネジメントから最大1008億円の出資を受け入れる方向で最終契約を結んだと発表した。

JDIは2020年3月13日、いちごアセットマネジメントとの間で100億円の追加の資金調達で基本合意したと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大で事業環境が悪化しており、追加的な運転資金を確保する。
最大 1108億円となる。

2020/2/3 JDI、いちごアセットマネジメントと最終契約

JDIは2020年8月28日、白山工場の土地、建物及び付帯設備等をシャープへ譲渡する最終契約を締結した。同社は3月31日に、生産装置の一部の売却について同社顧客(Apple)と最終契約を締結したと発表したが、追加の生産装置の譲渡最終契約を締結した。

2020/9/1 JDI、白山工場の土地・建物等をシャープに売却 


経営再建に取り組んでいるが、2022年3月期も最終損益は184億円の赤字と見ている。営業損益ベースでも赤字である。

2018/3 固定資産減損 -1,038、
海外子会社整理 -155、
棚卸資産評価 -116、その他 -128
合計 -1,437
2019/3 持分変動利益 127 (JOLED増資)

白山工場減損 -747、その他 -5
合計 -752

2020/3 白山工場減損追加(一時停止関連)-514
合計 -713
2021/3 減損 -240
合計 -348

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