東芝、国内連合が8月8日からTOB

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国内投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)が主導する連合は8月7日、東芝株を8日から公開買い付け(TOB)すると発表した。買い付け期限は9月20日まで。

条件としていた「国外の競争法令等及び投資規制法令等上の手続が全て完了していること」が確実となったことから実行に移す。

東芝は6月8日に日本産業パートナーズなど国内連合による東芝へのTOBについて、株主に対して応募を推奨すると発表していたが、今回、改めてTOBに賛同するとともに、株主に応募を推奨することを取締役会で決議した。

JIP連合は計画通り1株4620円で買い付ける。東芝株は上場廃止になる見込み。買付予定数を取得した場合の買付代金は約2兆円となる。

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日本産業パートナーズは3月23日、東芝を株式公開買い付け(TOB)で非公開化することを目指すと発表した。


発行済株式全て(自社株を除く)の買収を目指す。買付の下限を66.7%に設定した。1株4620円の買付で、総額は約1兆9987億円となる。     

買付予定株数 432,630,045株
下限(66.7%) 288,564,300株

  TOBが成立しても100%でない場合は、完全子会社とするためのスクイーズアウト手続を実施する。

TOB価格4620円は 、3月23日の終値4213円に9.7%のプレミアムを乗せた水準となる。

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今回発表した必要資金の出資者/融資者概要は以下の通り。

形態 出資・融資者

出資/融資額

普通株式 組合(JIP国内ファンド/国内事業会社/国内金融機関) 3900億円
海外ファンド(JIP海外ファンド/海外事業会社/国内金融機関) 1300億円
優先株式 国内事業会社 2000億円
劣後ローン 国内金融機関・事業会社 2355億円
シニアローン 国内金融機関 1兆2000億円
合計 2兆1555億円

約2兆円での買収にはJIPのほか国内20社超が出資し、メガバンクなどが融資する。これまでロームが3000億円、オリックスが2000億円、日本特殊陶業が500億円を拠出することと発表している。

オリックスは5月10日、東芝の買収について2000億円を拠出すると明らかにした。内訳はエクイティ出資を1000億円、劣後ローンなどを1000億円としている。同社は「東芝の企業価値と経営改善計画の実効性を評価」とコメントしている。

ロームは7月18日、日本産業パートナーズが運営する投資ファンドに1000億円を出資すると発表した。同出資とは別に、東芝のTOBを目的として設立する公開買い付け者TBJH合同会社の親会社TBJホールディングスが発行する2000億円の無議決権優先株を引き受けることを予定している。

日本特殊陶業は7月19日、日本産業パートナーズ(JIP)を中心とする企業連合に参画し、計500億円を拠出すると発表した。JIPが運営する投資ファンドに250億円を出資するほか、劣後社債250億円分を引き受ける。

日本産業パートナーズは銀行融資1兆2000億円のほか、新東芝が運転資金を引き出せる2000億円のコミットメントライン(融資枠)も得ているとされる。

東洋経済によると、融資枠を含む1兆4000億円の内訳は次のとおり。東芝の主力行の三井系の2行が過半数を負担することで、折り合いがついた。

三井住友銀行(主力行) 5,150億円  
三井住友信託(準主力) 2,200億円  
(三井系 合計) 7,350億円 52.5%
みずほ銀行 (主力行) 4,600億円 33%
三菱UFJ銀行 1,600億円  
あおぞら銀行 450億円  
合計 14,000億円 100%

2023/2/14 日本産業パートナーズ、東芝買収の最終提案を提出

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