2022年6月アーカイブ

INEOS、LNG事業に進出

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英国の石油化学大手 INEOSは6月22日、米国でCameron LNG とPort Arthur LNGを運営するSempra Infrastructureとの間で向こう20年にわたり年間140万トンのLNGの供給を受ける契約を締結した。

INEOSはこれにより、初めて国際LNG市場に進出する。INEOS Energy Trading が国際市場で販売するか、欧州でのグループの需要に当てる。

LNGはCameron LNG Phase 2 project か、Port Arthur LNG Phase 1 project から供給を受ける。

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Cameron LNG :

株主構成 Sempra Energy 50.2%、Japan LNG Investment (三菱商事/日本郵船=70:30)16.6%、三井物産 16.6%、
     TotalEnergies 16.6%
所在地  ルイジアナ州
能力   年間400万トン x 3 (Japan LNG Investmen、三井物産、TotalEnergiesが各400万トン)


Sempra Infrastructureは2022年4月、株主3社とheads of agreementを結んだ。

既存の3系列(各400万トン)のデボトルネッキングによる能力増に加え、第4系列
Cameron LNG Phase 2 (675万トン)を建設する。

第4系列の製品の50.2%と、既存系列のデボトルネッキングによる増産分の25%をSempraに割り当てる。増加分の残りは既存3社が配分する。

INEOSには第4系列のSempra枠から供給する。

2022/5/26 三菱商事と三井物産等、米国キャメロンLNGプラント近接地でCCS事業化検討、LNG増設も 

Port Arthur LNG:

Sempra LNG はテキサス州Jefferson CountyでPort Arthur LNG export project の開発中である。第1期、第2期とも年間1350万トン。(下記発表時点では1100万トンであった。)

Saudi Aramco とSempra Energyは2020年1月6日、Aramco Services Company が Sempra LNG のPort Arthur LNG export projectに参加する Interim Project Participation Agreement に調印したと発表した。

AramcoがPort Arthur LNG の第1期分のうち500万トンのLNGを20年間引き取るとともに、第1期計画に25%出資する。今後、最終確定し、正式契約を結ぶ。

2020/1/14 Saudi Aramco、米国でPort Arthur LNG計画に参加

現在のところ、Cameron LNGの第4系列と、Port Arthur LNGは計画段階であり、今回の契約も非拘束のものである。

大阪ガスは6月17日、豪州最大手の総合エネルギー事業者であるAGL Energy Limitedと、豪州南オーストラリア州およびニューサウスウェールズ州におけるグリーン水素ハブ構想の実現可能性調査に参画するための基本合意書を締結したと発表した。

4月に発表したDesert Bloom (Green) Hydrogen 構想(後記)に続くものである。

AGL Energyは、豪州で電気とガスの製造や小売事業を展開している総合エネルギー事業者で、太陽光や風力、水力などの再生可能エネルギーの発電設備も多く保有しており、火力も含めた発電設備の保有電源量は1,100万kWになる。

本事業は、AGL Energyが南オーストラリア州のTorrens IslandとNew South Wales州のHunter Valleyに保有している既存発電設備の敷地内で、再生可能エネルギーを用いて水を電気分解することでグリーン水素を製造 するもの。

それぞれ同州内の事業者に供給するとともに、海外への輸出も目指している。また、グリーン水素を活用して、メタネーションにより製造される合成メタンおよびグリーンアンモニア製造についても検討を行う予定 。

Torrens Island計画には他に、INPEX(旧称 国際石油開発帝石)、Adbri(豪セメント等のメーカー)、Brickworks(豪建材メーカー)、Flinders Ports(豪州の7つの港を管理)、SK ecoplant(SK建設)、Spark Renewables(Spark Infrastructure Group)が参画する。

Hunter Valley計画では、AGL Energyが再生可能エネルギー、Fortescue Future Industries(Fortescue Metalsの子会社)が水素製造を中心に、共同でグリーン水素ハブ構想の検討を進めている。

製造設備や供給設備などの建設に向けた検討、需要調査および経済性評価などをパートナーと共同で進め、2022年末の完了を目指 す。

大阪ガスは4月12日、オーストラリアの水素関連企業であるAQUA AEREM Pty Ltd と、オーストラリア北部準州におけるDesert Bloom (Green) Hydrogenプロジェクトに関する共同開発契約を締結した。

本プロジェクトは、大気中から回収した水太陽光由来の電気を原料として、グリーン水素を製造し、オーストラリア国内の発電所への供給や国外への輸出を目指 すもの。

オーストラリア北部準州は日射量が非常に多く太陽光の活用に適している一方で、乾燥地帯であり水資源に乏しい地域だが、豊富な太陽光資源を活用しつつ、AQUA AEREMの独自技術により大気中から水を回収することで、グリーン水素の製造が可能とな る。

送電網と接続されていない電気を用いて水素を製造する取り組みは非常に先進的で、オーストラリアで最も期待されている水素開発プロジェクトの一つ。長期的には、複数の水素製造プラントを建設し、合計で年間約40万トンの水素を製造することを目指 す。

現在、AQUA AEREMは同社の筆頭株主であるSanguine ImpactInvestmentとともに大気中から水を回収する「水生産ユニット」の実証試験を進めて いる。
今後は大阪ガスと共同で、まずは2023年中の年間約400トンの水素を製造するプラントの建設を目指して、プラントの設計や製造した水素の供給先に関する検討などを進める。

大阪ガスは、ガス製造事業や水素関連事業で培ったノウハウを活かして、プラントの基本設計(FEED)、建設に関する技術支援を行 う。

米連邦議会上院の超党派の議員グループは6月21日、銃規制を強化する法案を議会に提出した。

新法案は、21歳未満の銃購入希望者に対する身元確認を強化するほか、精神医療や学校警備の強化策に連邦予算150億ドルをあてる。
裁判官が危険とみなした人から銃を押収する緊急措置を導入している州を支援する資金提供なども盛り込まれている。
加えて、ドメスティックバイオレンス(DV)加害者による銃購入も規制を強める。「ボーイフレンド抜け穴」と呼ばれる法の抜け穴をふさぐ。

米国で銃規制法案が成立するのは28年ぶり。全米で相次ぐ銃乱射事件を受け、規制に慎重だった野党・共和党からも賛成が出た。共和党からも賛同者が出た背景には、5月にニューヨーク州バッファローのスーパーや、テキサス州ユヴァルディの小学校で相次いだ乱射事件がある。特に小学校の乱射事件では、多くの児童が犠牲になった。

まず上院が6月23日に賛成多数で可決した。共和党からミッチ・マコネル院内総務ら 15議員が賛成にまわり、賛成が議決に必要な60票を超えた。

共和党 民主党 民主系 合計
無所属
賛成 15  48  2 65
反対   33 33
棄権 2 2
合計 50 48 2 100



下院は翌24日、234対193で可決した。共和党から14議員が賛成に回った。

共和党 民主党 合計 欠員
賛成 14 220 234
反対 193 193
棄権 3 3
合計 210 220 430 5


バイデン大統領が6月25日に署名し、成立した。


他方、米連邦最高裁は6月23日、外から見えない形で拳銃を携帯するのに「適切な理由」を示して州当局から許可を受けることを義務づけた東部ニューヨーク州の州法が違憲だとの判断を示した。

銃規制強化を求める世論が強まっているが、公権力による規制よりも個人の権利を重んじる保守派判事6人の多数意見で、100年以上前に制定された州法が違憲だと判断された。 間もなく退任するBreyer判事を含めた3人のリベラル派判事は反対した。

銃規制の基準は州によって異なるが、ハワイや東部マサチューセッツなど5州と首都ワシントンはニューヨーク州と同様の規制をしている。
最高裁判決は、学校や裁判所、行政庁舎などへの銃持ち込みは制限可能だとした上で、ニューヨーク州法の規制が過剰だとの見解を示した。

その上で「銃を携帯する権利は、憲法修正第2条で保障されている。政府当局者に『適切な理由』を示せなければ、憲法上の権利を行使できないなどという例は(銃所持以外)他にない。法律を順守している市民が自衛のために銃を携帯することを妨げており、(州が適正な手続きなしに自由や財産を奪うことを禁じた)憲法修正第14条にも違反している」と指摘、州法は「合憲だ」とした控訴審判決を破棄し、下級審に審理を差し戻した。

欧州連合(EU)は6月23日開いた首脳会議で、ウクライナとモルドバに加盟候補国の地位を付与することを承認した。全27加盟国が同意し、認定に必要な全会一致で決まった。

EU加盟に向けて具体的な交渉に入ることになる。 


2月24日のロシアの侵攻を受けたウクライナおよび、同国周辺のジョージアとモルドバが3月3日、相次いでEUへの加盟を申請する文書に署名した。

欧州委員会は6月17日、ウクライナのEU加盟に関する意見書を発表し、ウクライナに対する加盟候補国の認定をEU理事会(閣僚理事会)に勧告した。

欧州委はまた、ウクライナと同様に、3月にEU加盟申請を行ったモルドバとジョージアに関する意見書を発表した。
モルドバに対しては、加盟候補国の地位付与を勧告、
ジョージアに対しては、加盟の方向性を認めるものの、今後取り組むべき優先事項が実施されるまでは、加盟候補国の認定を保留すべきとした。

今回、ウクライナとモルドバが正式に加盟候補国となった。ジョージアについては、欧州委が提示した条件を満たせば候補国にする方針を示した。

ウクライナとモルドバ両国は加盟実現に向けた長い手続きの「第一歩」を踏み出したことになる。司法・行政・経済など分野ごとの加盟交渉に向けて動き出すが、国内法の改正などが必要で、実際に加盟するまでには通常10年程度かかる。

ウクライナの場合、腐敗が問題で、オリガルヒ(政商)が政財界の癒着を広げ、賄賂の横行や政治家による司法への圧力が問題。
国営企業の民営化、独占企業の解体などの市場改革も必要。
ウクライナの一人当たりGDPはEU平均の1/10以下で、今回の戦争の影響も大きい。加入の場合、EU予算の圧迫も懸念される。


2022年3月現在、アルバニア、北マケドニア、モンテネグロ、セルビア、トルコの5カ国が加盟候補国で、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボの2カ国が潜在的加盟候補国となっている。

ブルガリアやルーマニア(2007年1月)、クロアチア(2013年7月)といった直近の加盟国は、一連の手続きに10~12年を費やした。

アルバニアと北マケドニア、モンテネグロ、セルビアは正式な加盟候補国となって数年がたっているが、手続きは滞っている。トルコも1999年に加盟候補国となったものの、人権侵害への懸念があることから、加盟交渉は中断したままである。

NATO & EU 加盟国一覧

韓国が独自開発した国産ロケット「ヌリ」(KSLV-Ⅱ:Korea Space Launch Vehicle-2)が6月21日、南部の全羅南道・高興の羅老宇宙センターから打ち上げられ、人工衛星を高度700kmまで運び、宇宙空間の目標軌道に乗せることに初めて成功した。

「ヌリ」は韓国の古い言葉で「世の中」や「世界」を意味する。全長約47m、重量200tの3段式液体燃料ロケットで、午後4時に打ち上げられ、性能検証衛星(162.5kg)とダミー衛星(1.3トン)の分離に成功した。

重量1トン以上の実用衛星を自力で打ち上げた世界7番目の国となった。(日本、米国、ロシア、フランス、中国、インドに次ぐ。)

ヌリは韓国航空宇宙研究院が韓国独自の技術で設計・開発した。衛星を打ち上げた75トン級と7トン級の液体燃料エンジンから 、衛星を保護するフェアリングまで国内で開発した。とりわけ、大型・小型のロケット開発に活用できる75トン級エンジンの性能を立証し、今後の宇宙開発の土台をつくった。


韓国は1990年代から科学ロケット開発に本格的に取り組んできた。
2003年に初の液体推進科学ロケット「KSR3」を打ち上げた。

韓国航空宇宙研究院がロシアのクルニチェフ国家研究生産宇宙センターと共同で100キロ級の小型衛星を搭載するロケット「羅老(ナロ)」を開発し、2009年から2013年まで計3回打ち上げた。1回目と2回目の打ち上げには失敗したが、3回目で成功した。


2009年の1回目に続き、2012年11月にも打ち上げを試みたが、電気信号の異常が見つかったため直前になって中止した。

2013年1月30日にSTSAT-2C(羅老科学衛星)を搭載した羅老3号機を打ち上げ、衛星の軌道投入に成功した。

「ヌリ」は当初、ロシアから羅老の第1段ロケットエンジンの技術移転を受ける予定であったが、破談となり、国産化を目指した。

苦心の末、2021年10月21日に国産ロケット「ヌリ」が打ち上げられた。1段目とフェアリング、2段目の分離が正常に行われたが、3段目のエンジンの燃焼が予定より早く終わり、ダミー衛星を目標軌道に投入する目標は達成できなかった。

今回、衛星の軌道投入に成功した。

韓国政府は2027年までにあと4回打ち上げを実施し、ヌリ号の技術的信頼度と安全性を高めていく。3回目の打ち上げは来年上半期に予定されている。

JSRはライフサイエンス事業を石化事業、ファイン事業に次ぐ第三の柱と位置付け、医薬品開発プロセスの革新に貢献することで価値を提供し、同事業を拡大していくことを目指している。

石化事業は柱であったエラストマーを売却し、ABS等の合成樹脂だけが残る。

2021/5/13 JSR、合成ゴム事業をENEOSに売却、韓国の合成ゴムJVも相手先に売却

JSR の ライフサイエンス事業のグループ企業である医学生物学研究所と Crown Bioscience は5 月12 日、日本国内で前臨床向けサービスを更に拡大するため、ジョイントベンチャーCrown Bioscience & MBL を設立した と発表した。医学生物学研究所は現在、Crown Bioscience の代理店としてサービスの販売を行っている。

Crown Bioscience オンコロジー、がん免疫、免疫媒介炎症性疾患(IMID) 分野における前臨床とトランスレーショナル研究の世界的な CRO 企業である。2006 年に創業され、Cayman Islandsに登記上の本社を持ち、米国、欧州、アジアにおいて 10 カ所の事業所を有している。JSRが2021年5月に買収した。

トランスレーショナル研究は、アカデミアで研究者らが基礎研究を重ねて見つけ出した新しい医療の種(シーズ)を、実際の医療機関等で使える新しい医療技術・医薬品として実用化することを目的に行う非臨床から臨床開発までの幅広い研究を指す。

世界でがん、炎症性疾患、心血管疾患及び代謝性疾患領域に対して、医薬品の基礎研究成果を臨床研究や実用化にまで高める創薬探索開発受託サービスを提供する。 腫瘍オルガノイド(tumor Organoid )を用いたサービスや、世界最大の商業向け PDX コレクション(患者腫瘍移植モデルPatient-derived xenografts)を有している。 (詳細後記)

医学生物学研究所臨床検査薬、創薬支援、研究用試薬を扱う。JSRは2013年よりJSRの抗体・抗原・遺伝子関連技術および試薬開発技術と医学生物学研究所の保有する技術を統合し、医療分野での協業を進めてきたが、2021年3月 に全発行済株式の取得を完了した。

両社は㈱Crown Bioscience & MBL を設立し、初期段階において、製薬企業に対し前臨床およびトランスレーショナル研究(橋渡し研究)関連サービスを提供する。

医学生物学研究所の国内製薬市場における深い知識と経験と、Crown Bioscience が提供する世界的規模の前臨床とトランスレーショナル研究サービスを掛け合わせることにより、シナジー効果を生み出す。
JVは
2022 年9 月のサービス開始を目指す。

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Crown Bioscience は、世界でがん、炎症性疾患、心血管疾患及び代謝性疾患領域に対して、医薬品の基礎研究成果を臨床研究や実用化にまで高める創薬探索開発受託サービスを提供する。

腫瘍オルガノイド(tumor Organoid )を用いたサービスや、世界最大の商業向け PDX コレクション(患者腫瘍移植モデルPatient-derived xenografts)を有している。

腫瘍オルガノイド(tumor Organoid )はがん組織由来 の培養細胞500以上の腫瘍サンプルを有する優位性を発揮してがん薬効試験などの需要を取り込む。

ソース:福島医薬品関連産業支援拠点化事業

PDX コレクション(患者腫瘍移植モデル )は、免疫不全マウスに患者の腫瘍組織をそのまま移植する手法。

従来より抗がん薬の有効性を評価する手段として、患者の腫瘍組織を細分化しシャーレで培養する細胞株が用いられてきた。細胞株をマウスへ移植して腫瘍を作成するのが細胞株移植モデル(CDXモデル)だが、これで有効でも実際にがん患者で有効性を示す抗がん薬の割合は低い。

PDXモデルでは、作成された腫瘍の組織構造が患者の腫瘍の組織構造と近似しており、腫瘍の不均一性が保たれ、さらに遺伝子異常が維持されるという特性があり、より患者での有効性を予測できるモデルとして注目されている。

Crown Bioscience は2020年4月、ワシントン大学のCoMotionとダナ・ファーバー癌研究所との合意により、必要性が高いが作成が困難な前立腺癌モデルとリンパ腫モデルの提供が可能となったと発表した。

ワシントン大学のCoMotionとのライセンス契約により、入手可能な前立腺癌PDXモデル数が大幅に拡大し、CrownBioの確立された前立腺癌PDXコレクションを補強する。

ダナ・ファーバー癌研究所との協業により、T/NK、マントル細胞、濾胞性リンパ腫、難治性または再発患者のDLBCL等の様々なリンパ腫がCrownBioのポートフォリオに加わる。

CrownBioでこれらの新しいモデルのバイオバンク化とデータ集積をまず確立した後、薬効評価、マウス臨床試験、CAR-T細胞療法評価、ヒト化、及びオルガノイド開発を含む腫瘍学及び免疫腫瘍学研究に利用可能となる。

BHPグループは6月16日、オーストラリア東部に保有する発電用石炭(一般炭)のMt Arthur炭鉱を運営するNew South Wales Energy Coal の売却を中止すると発表した。

脱炭素の機運を背景に、発電時にCO2を多く排出する一般炭からの撤退に向けて売却交渉を進めてきたが「利益の出る提案が無かった」ため、操業継続を決めた。

操業認可は2026年までだが、当局と交渉し2030年までの延長を目指す。


BHPグループは2021年8月17日、石油・ガス事業から撤退、事業を豪 Woodside Petroleumに売却すると発表した。
世界的な「脱炭素化」の流れをにらみ、本業である鉱業に経営資源を集中させる。 化石燃料から脱却し、「未来に目を向けた」商品へのシフトを目指す。

2021/8/19 BHPが石油・ガス事業から脱却

石炭については、2020年8月に低グレードの冶金・発電用石炭からの撤退方針を決め、2022年1月には Cerrejónを、5月にはBHP Mitsui Coal 持分の売却を行った。

BHPは世界最大の露天掘り炭鉱のCerrejón$US294 millionに売却する。

同時にAnglo Americanも33.3%の持分をGlencoreに売却、GlencoreはCerrejón炭鉱の100%株主となる。

売却は2022年1月11日に完了した。


BHPは2021年11月、
三井物産との原料炭JVのBMC(BHP Billiton Mitsui Coal)の権益80%を 豪Stanmore Resourcesに12億ドル (今後の石炭価格動向により最大1.5億ドルの追加の可能性)で売却することで合意した。Stanmore ResourcesはシンガポールのGolden Energy and Resources が過半数権益を保有する。2022年5月に売却が完了した。

BMCはクイーンズランド州に操業中の2鉱山(Poitrel and South Walker Creek)を所有し、年間約1000万トンの石炭を生産している。主力炭鉱の1つであるPoitrel 炭鉱では、石炭処理・鉄道施設に関して豪の石炭生産企業 Peabody Pacificと提携している。

三井物産はBMCの20%の権益を維持する。

2011/11/10 BHP、豪州の石炭プロジェクトの一つを売却


BHPは三菱商事との50/50JVのBMA(
BHP Billiton Mitsubishi Alliance) を持つが、世界の鉄鋼メーカーが求め高品位炭のため今後も保有する。

欧州委員会は2022年2月2日、持続可能な経済活動を分類するEUタクソノミーにおいて、天然ガスと原子力による発電を一定の条件下で「カーボンニュートラルへの移行期に必要な経済活動」に含めると発表した。一部加盟国や環境団体などが異論を唱える中、脱炭素社会実現へ「使える手段は全て活用する必要がある」との判断で押し切った。(詳細下記)

欧州議会欧州理事会は7月11日までに欧州委員会の提案に拒否権を発動するかどうかを決定する。

EUでは、法案提出権は特別の場合を除いて、欧州委員会が独占している。

欧州議会もEU理事会も、欧州委員会に法案提出を要請することはできるが、提出するか否かは欧州委員会の裁量。

欧州委員会の提案後、欧州議会の諮問を経て、EU理事会が法案を採択する。

異議申し立てには、欧州議会では単純多数決、欧州理事会では特定多数決(加盟国の72%以上=20か国以上、人口の65%以上)が必要である。

ドイツ政府は5月16日、原子力発電を持続可能な投資対象に含めたEUの「タクソノミー」に関する規則に反対する考えを示した。天然ガスを含めることは支持している。
フランスや東欧諸国は原子力に賛成する。

欧州議会の経済金融委員会と環境・公衆衛生・食品安全委員会の合同会議は6月14日、EU気候変動タクソノミーに原子力発電とガスエネルギーを加えるEUタクソノミー委託法令に対し、異議を唱える決議案を採択した。票数は異議76、異議なし62、棄権4だった。

決議案は天然ガスと原子力について、EUの法律に基づくと持続可能なエネルギーとはみなせず、「グリーン」に区分することは投資家を混乱させるとしている。

同決議案は7月上旬に本会議で採決にかけられる。議員の過半数が支持すれば、EUの提案は否決される。 修正か、撤退となる。

本会議で決議案が否決された場合(欧州委員会案が承認された場合)、欧州理事会での採択となる。

成立する場合は、2023年1月から実施に移される。ただ、グリーンウォッシュ(見せ掛けの環境保護)として原発の盛り込みに反対しているオーストリア とルクセンブルグは既に、その場合に欧州司法裁判所に欧州委を提訴するとしている。

付記

EUの欧州議会は7月6日、原子力発電と天然ガスを「環境に配慮した投資先」のリストに加える提案について審議した。

提案に反対する決議案が議題となったが、採決の結果、否決した。639票のうち328票が提案に賛成した。(単純多数決)

提案は欧州議会に事実上承認され、当初の予定通り2023年に発効する公算が大きくなった。

ただ、放射性廃棄物を出す原発や、石炭よりは少ないが温室効果ガスを排出する天然ガスを「環境保護に貢献する」と認めることに対しては、EU内外で反発が根強い。ロイター通信によると、反対派のオーストリアは6日、発効後に欧州司法裁判所に提訴する方針を示した。

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欧州委員会は2022年1月1日、原子力発電と天然ガスを地球温暖化対策に役立つエネルギー源と位置づける方針を発表した。

原子力発電と天然ガスについて、「再生可能エネルギーを基盤とする将来に向け、移行を促す手段」と位置付けた。

EUは、発電、交通、建築など様々な経済活動ごとに、持続可能で環境に配慮しているかどうかを仕分けするルール「EU Taxonomy(分類)」を設けている。

欧州委員会は、「電力、ガス、上記、空調の供給」に原発や天然ガスの項目を新たに追加し、持続可能かなどについての評価基準を示す。

加盟国の専門家との協議を開始した。

原案は以下の通り。

 原子力は生物多様性や水資源など環境に重大な害を及ぼさないのを条件に、2045年までに建設許可が出された発電所を持続可能と分類する。

 天然ガスは①1キロワット時あたりのCO2排出量が270グラム未満、②CO2排出の多い石炭の代替とする、③30年までに建設許可を得る――などを条件とする。

ただ、2022年末の脱原発をめざすドイツのほか、オーストリア、ポルトガルなど計5カ国は2021年11月、環境担当などの閣僚が連名で、「タクソノミーの信頼を損なう」として原発の組み入れに反対する共同声明を発表した。
一方で、原発が発電量の約7割を占めるフランスのほか、今は原発がないポーランドなど計10カ国はタクソノミーに原発を加えるよう求める姿勢を鮮明にした。 

2022/1/3 欧州委、原子力発電と天然ガスを地球温暖化対策に貢献するエネルギーと位置づけ 

ロシア国営 Gazprom は6月14日、天然ガスパイプラインNordstream 1 の供給量を40%減らすと発表、翌15日、さらに33%削減すると発表した。(合計60%カット)

従来の日量最大1億6700万立方メートル であったが、16日午前1時半をもって供給量は最大6700万立方メートルになる

「エンジンの技術的な状態」のためガスタービンの運転を停止すると説明するが、ドイツのウクライナ支援への報復とか、価格を更に引き上げるためとかの理由が噂されている。

2022/6/17 Gazprom、ドイツ向けの天然ガス供給を削減

ドイツはロシアの天然ガスに大きく依存している。侵攻前、ドイツはガスの55%をロシアからの輸入に頼っていた。

来冬の需要に備え、天然ガスの貯蔵が必要だが、現時点ではドイツのガス貯蔵量は最大能力の5~6割程度にとどまっている。

ドイツのハベック経済・気候相は6月19日、ロシアからの天然ガス供給が大幅に減る事態に備え、 発電に利用するガスの消費量を減らし、石炭火力発電の稼働を拡大させる法整備を進めると発表した。

ガス節約を促すため、消費量を減らした企業ほど有利になる新たな仕組み「ガスオークション」の導入も計画する。

「(冬までに)できるだけ多くのガスを蓄えることが必要だ」とし、2030年までに火力発電の全廃を目指す取り組みと逆行することについて、「つらいことだが、ガス消費量を減らすためには必要なことだ」と理解を求めた。

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ドイツの発電のエネルギーソース内訳は下図の通りで、再生可能エネルギーが40.9%を占め、石炭・褐炭が27.9%、原子力が11.8%、天然ガスが15.3%を占める。

 ソース:https://www.de-info.net/kiso/atomdata01.html

 

ドイツは2021年に、温室効果ガスを2030年までに1990年比で65%削減することを決めている。

2030年に国内総電力の80%を再生エネルギーにし、石炭火力については2030年までに段階的廃止する。原発については2022年中に全廃する。

 ドイツ新政権の連立協定

自然エネルギー
・ 2030年に、年間総電力需要680〜750TWhのうち80%を自然エネルギーで供給する。
・ 国土の2%を陸上風力発電に利用する。
・ 洋上風力発電の容量を大幅に拡大し、少なくとも2030年に30GW、2035年に40GW、2045年に70GWを目指す。
・ 2030年までに、太陽光発電容量をおよそ200GWまで拡大させる。
・ 新築事業用建築物への太陽光発電設備の設置義務化、新築住宅への設置も原則とする。
・ 2025年1月1日までに新しく設置される全ての暖房システムは、自然エネルギーによる運用比率65%を目指す。
・ 社会的公平性のため、2023年1月には電気料金を介した再エネ賦課金を廃止する。

石炭
・ 理想的には2030年に脱石炭完了を前倒す。
・ 脱石炭にむけた過渡期には、自然エネルギーの大規模な拡大と最新型ガス火力発電所の建設が必要である(H2-ready)。
・ 脱石炭の影響を被る地域に対する石炭地域構造強化法の施策を前倒し・加速し、調整手当などの労働政策上の措置も調整
・ 石炭火力発電の解体と土地の復旧のための財団・組織の設立を検討する。

原発
・ ドイツの脱原発を固持する。

気候変動対策
・ ドイツを「1.5度」の軌道へと導くことを主要課題とする。
・ 遅くとも2045年までに気候中立を達成する。
・ 2022年に連邦気候保護法を再度改正し、同年末までに必要な法整備をして新たな気候保護緊急プログラムを導入する。
・ 連邦経済・気候保護省を新設し、緑の党から連邦経済・気候保護大臣を設ける。
・ 気候チェック(Klimacheck)を行い、各省庁が起草する法案について気候への影響や国の気候保護目標との整合性を検証

その他
・ 2030年に、少なくとも1,500万台の電気乗用車(EV)を普及させる。
・ 水素経済・インフラの整備を加速化し、2030年に10GW程度の電解容量を実現する。

残るのは天然ガスであるが、今回、これが60%削減されることになり、やむを得ず、石炭火力を増やす。

なお、ロシアへのガス依存を減らすために原発稼働延長案が出たが、政府は3月8日、これを却下した。年内に残る3原発が廃止される。

2020/7議会 2021年 2021/12/31 2022年中
温室効果ガス 2030年までに1990年比 65%削減
2045年までにネットゼロ
(2021/6 連邦気候保護法 改正)
国内総電力 2030年に80%を再生可能エネルギー
(2021/11 連立政権)
石炭火力 2038年までに全廃「脱石炭法」 前倒し 、2030年までに段階的廃止
(2021/11 連立政権)
原子力発電 脱原発 維持
(2021/11 連立政権)
3基停止
 Brokdorf
 Grohnde
 Gundremmingen
残り3基停止(ゼロに)
 Emsland
 Isar
 Neckarwestheim

Bayerは2021年8月16日、同社の子会社Monsantoのグリホサート系除草剤「ラウンドアップ」が原因でがんになったと訴えた顧客への損害賠償を支持した米控訴裁判決(Edwin Hardeman訴訟)を不服として、米最高裁に上訴した。

米最高裁は6月13日、上訴案件のうち審議する対象案件を発表したが、本件は含まれていなかった。却下された。


これまでに多くの訴訟があり、かなりの部分が和解しているが、裁判で同社が敗訴になったのは下記の3件である。

原告   陪審員 裁判官判断
1 校庭の管理人   カリフォルニア 2018/8/10 Superior Court 2018/10/23
損害賠償 39百万ドル 39百万ドル
懲罰的損害賠償 250百万ドル 39百万ドル
2 Edwin Hardeman   カリフォルニア 2019/3/27 地裁 2019/7/16
損害賠償 527万ドル 527万ドル
懲罰的損害賠償 75百万ドル 20百万ドル
被害に対して15倍もというのは違憲
3 Pilliod 夫妻   カリフォルニア 2019/5/13 Superior Court 2019/7/25
損害賠償 55百万ドル 17 百万ドル
懲罰的賠償 20億ドル 69百万ドル 
陪審の懲罰的賠償は過大で憲法違反


2019/7/27 モンサントの除草剤 Roundup による発癌被害裁判、裁判官が陪審の懲罰的賠償を大幅減額 


Bayerが上訴したのは、このうちの
Edwin Hardemanの件である。
除草剤ラウンドアップの発癌性について、連邦法(FIFRA=Federal Insecticide, Fungicide, and Rodenticide Act )とカリフォルニア州法で意見が異なることから生じたもので、最高裁の判断を求めた。

(連邦法)米国で農薬承認を行うEPAは発癌性はないとしている。このため、ラベル(使用法等を記載)には「発癌性の危険」の表示はなく、仮に表示すれば違法となる。

(州法)カリフォルニア州はラウンドアップを発癌性製品のリストに含めており、その場合、「発癌性の危険」が表示されていないのは違法となる。

原告側弁護士は、連邦法ではなく、州法を基に訴訟を起こした。陪審員は、除草剤Roundupのラベルには発癌の危険が示されていないため違法であるとして有罪とし、一審の裁判官も、控訴裁の裁判官もこれを認めた。

米EPAと司法省は2019年12月20日、Friend of the court brief (=amicus curiae:個別事件の法律問題で第三者が裁判所に提出する情報または意見)を提出した。

このなかでEPAは、EPAはRoundupのラベルを調べ承認したこと、Roundupには発癌性はなく、このため、発癌性の危険を表示する必要性はないとした。判決は覆すべきであるとしている。

EPAは発癌性を認めず、製品ラベルには当然、発癌性の危険は表示されていない。しかし、カリフォルニア州は発癌性製品のリストに含めており、発癌性の危険が表示されていないのは違法となる。

EPAと司法省は、ラベルは法律で認めたもので、それと異なるやり方での使用は法律違反であるとし、州は農薬の販売や使用を制限することは出来るが、国が承認したラベルと異なるもの、追加したものを求めることは出来ないとしている。

2019/12/26 米EPAと司法省、除草剤Roundupの発癌被害裁判でBayer側支持の意見書 

最高裁は2021年12月13日、政権に対し、最高裁が本件を取り上げるべきかどうかについての意見を求めた。

2021/8/21 Bayer、除草剤ラウンドアップ訴訟で最高裁に上告

これに対し政権は2022年5月10日、Bayerによる上告を拒否するよう求めた。

訟務長官は、「FIFRAでのEPAラベル承認」が州法が求める「警告がなかった」ということに優先するというBayerの主張を拒否するよう求めた。「EPAが特定の疾病リスクを警告しないラベルを承認したこと自体は、州法がそのような警告をすることを求めることに優先するものではない」とした。

これまでのEPA、司法省の主張(トランプ大統領時代のもの)と真逆である。

EPAが発癌性を認めていないことは発癌性がないことを示している訳ではなく、「発癌性のおそれ」をラベルに書くことが違法であるというのは、無理があり、この回答は妥当である。

2022/5/13 バイデン政権、Bayerによる除草剤ラウンドアップ訴訟での最高裁上告に反対

今回最高裁は訟務長官の説明をそのまま受け入れたと思われる。

なお、Bayerはその後の4つの裁判で全て勝訴している。

1.2021/10 ロスアンジェルス地裁

原告 Destiny Clarkは住居の雑草処理にRoundupをスプレイしたが、息子がバーキットリンパ腫にかかったとしてMonsantoを訴えた。

陪審員は病気は除草剤が主な原因ではないとして訴えを退けた。

2.2021/12 カリフォルニア州San Bernardino County 地裁

原告Donnetta Stephens は、庭でRoundup を30年以上使用してきたが、2017年に非ホジキンリンパ腫に罹った。ラベルには発癌性の警告は書かれていない。癌は寛解期にあるが、複数回の化学療法の結果、記憶喪失に苦しんでいる。

裁判はコロナのため、ZOOMを使って行われたが、陪審員はRoundupが病気の原因でないと判断した。

3.  2022/6 ミズーリ州 Kansas City地裁

Allan Shelton が癌になったとして訴えた裁判で、Bayerが勝利

4. 2022/6/17 オレゴン州Jackson Countyの巡回裁判所

Bayerが4回連続で勝訴

ーーー

Bayerは2021年5月にグリホサート系除草剤「ラウンドアップ」の訴訟問題に関し、5つの進め方を明らかにし ている。

1) 連邦最高裁のルーリングを求める。

 8月16日に連邦最高裁に上訴した。

2) 将来の訴訟対策

 最高裁の判断が不利なものである場合のため、追加で45億ドルを引当てる。

3) 和解

 138千件のうち既に107千件を解決したが、残り31千件については最高裁が審理を決めた場合、その結果を待つ。

4) 家庭用・農園用(Lawn & Garden)農薬の新処方

 「ラウンドアップ」以外の有効成分の新処方の発売

 訴訟の大半はこの用途でのもので、処方変更で訴訟を減らす。

5) 「ラウンドアップ」の安全性を説明するWeb EPA's Review of Glyphosate Safety を新設


今回の最高裁の決定を受け、和解を進めると思われる。

経済産業省は6月10日、2021年12月末時点の石油化学製品の能力調査の結果を発表した。

1.エチレン 

  合計 増減 主な内訳
2013年末 8,000    
2014年末 7,658 -342 三菱化学鹿島①停止 -390
2015年末 7,317 -341 住友化学千葉停止 -415
2016年末 6,824 -493 旭化成水島停止 -504
2021年末 6,841


2.ポリエチレン 

日本ポリエチレンが2021年5月に鹿島のLD 62千トンを停止

プライムポリマー(出光・千葉)が2013年3月にHDPE 130千トン停止
日本ポリエチレン(東燃・川崎)が2014年に52千トン停止

 

3.PP  

プライムポリマー(三井化学・市原) 2013年6月に工場のPP製造設備1系列98千トンを停止。
日本ポリプロ(川崎)  2014年4月に89千トンプラントを停止
日本ポリプロ(チッソ千葉) 2017/3 11.6万トン停止、2019/10 15万トン増設
日本ポリプロ(鹿島) 2020/4 106千トン停止
日本ポリプロ(チッソ千葉) 2021/1 7万トン停止

4.EO  

5.SM

住友化学は千葉のエチレン停止に合わせ、2015年に日本オキシランのハルコン法のPO/SM併産設備(SM:412千トン、PO:181千トン、PG:100千トン)を停止した。

旭化成は水島のエチレン停止に合わせ、2016年3月にSMの1系列 306千トンを停止。

6.PS    

7.VCM 

2011/3 ヴイテック  停止 391千トン
2011/11 東ソー第2系列爆発事故 550千トン
2014   東ソー、第3系列(400千トン)を増強 +200千トン

8.PVC    

2015年秋に新第一塩ビ(千葉) 80千トンを停止
2020年6月 大洋塩ビ(大阪) 158千トン停止(2022/3/31 三井化学離脱、東ソー84%/デンカ 16%に)

 

9.アセトアルデヒド

昭和電工  2009年に徳山石油化学 140千トンを停止
      
2017年 大分工場 160→48千トン


10.アクリロニトリル

旭化成、2014年8月、川崎工場(150千トン)を停止、水島の269千トンのうち78千トンを他製品用に転用

11.合成ゴム

注 JSRは合成ゴムをENEOSに売却、2022年4月1日よりENEOSマテリアル

 2021/5/13 JSR、合成ゴム事業をENEOSに売却

12.MMAモノマー

13 BTX  

  2020 2021 増減

 増減内訳

ベンゼン 5,425 5,022 -403  全てENEOS
トルエン 2,371 2,085 -286
キシレン 8,543 8,289 -254

ENEOSは2021年10月に知多製造所のBTX、パラキシレンを停止、
2022年10月を目途に出光興産に設備を譲渡する。

2020/10/29 ENEOS、愛知・知多製造所停止へ

14.パラキシレン

ENEOS 2021/10 知多の400千トン停止(上記参照)

英政府は6月13日、2019年に欧州連合(EU)と交わしたEU離脱後の通商協定の「北アイルランド議定書」を破棄する計画を発表した。

国益を守るために「ほかに道がない」としている。今回の「北アイルランド議定書法案」は今後、英議会で審議・採決される。

これに対しEUは、協定の一方的な破棄は国際法に違反するとして、英の動きに反対している。

ーーー

英は2021年1月にEUを離脱、北アイルランドとアイルランド間の貿易に関しては、2019年に英とEU間で交わされた「北アイルランド議定書」が発効した。この議定書では、北アイルランドとEU間の通商に支障が出ないよう、税関など国境管理措置を設けないと定められているが、これにより、北アイルランドと残りの英との間にEU法にのっとった税関が必要になっていた。

現在、議定書にのっとって検査や規制が行われており、北アイルランドへ物品を輸入している企業は、追加コストや手続きの煩雑さといった問題に直面している。特に規制の厳しい食品や園芸といった分野で苦労が多いという。

一方で北アイルランドからアイルランドへの輸出では、EU市場への摩擦のないアクセスが維持されているため、食品を含む輸出業者は恩恵を受けている。

英政府は2021年7月21日、北アイルランドで起きている物流などの混乱をおさめるため、英領北アイルランドでの通商ルールについてEUに再交渉を求めると発表したが、EUは再交渉に応じなかった。

2021/7/24 英、EU離脱ルール再交渉を要求、EUは拒否


今回の英国案では、英本土から北アイルランドに入る貨物の扱いについて、次のように改定する。

北アイルランドにそのまま留まる貨物はグルーンレーンを使い、チェック無し、書類も簡単。

北アイルランドを通ってアイルランドや他のEU諸国に運ばれるものはレッドレーンを使い、北アイルランド港湾でチェックを受ける。

物品検査に関する「不必要な」事務処理をなくし、北アイルランドの企業が英の他の地域の企業と同様の税制優遇措置を受けられるようにする。

また、あらゆる貿易紛争を欧州司法裁判所(ECJ)ではなく、「独立した仲裁」によって解決する。

  • green and red channels to remove unnecessary costs and paperwork for businesses trading within the UK, while ensuring full checks are done for goods entering the EU
  • businesses to have the choice of placing goods on the market in Northern Ireland according to either UK or EU goods rules, to ensure that Northern Ireland consumers are not prevented from buying UK standard goods, including as UK and EU regulations diverge over time
  • ensure Northern Ireland can benefit from the same tax breaks and spending policies as the rest of the UK, including VAT cuts on energy-saving materials and Covid recovery loans
  • normalise governance arrangements so that disputes are resolved by independent arbitration and not by the European Court of Justice

英政府は、国際法における「必要性」という言葉は、「国家が本質的な利益を守るために、他の国際的な義務を不履行にする(あるいは破る)しかない」という状況を正当化するために使われる、とし、現状はその状況に当たるとしている。また、今回の計画は他国の利益を「深刻に損なう」ものではないとしている。

また、北アイルランド議定書の16条で、議定書の適用によって経済的・社会的・環境的に深刻な問題が生じ、その結果として貿易が制限される場合、いずれかの側が保護措置を講じることができると定めているとする。

北アイルランドの平和維持のために結ばれた「ベルファスト合意」を保護し、北アイルランドと残りの英の経済的・社会的つながりを保全することが、英の「本質的な利益」であるが、議定書の問題が、先に総選挙のあった北アイルランドでの政権樹立の「障壁になっている」としている。

5月5日投票の英領北アイルランド議会選、隣国のアイルランドとの統一を訴えるシン・フェイン党が全90議席中27議席を獲得し、史上初めて第1党となった。改選前の第1党で親英派の民主統一党(DUP)は25議席にとどまった。

議会第一党の座を失ったDUPは、議定書が修正されるまでは、シンフェイン党が率いる合同政府に参加しない意向を表明しており、政権発足の目途が立たない状況にある。

九州電力は6月15日、千葉県袖ケ浦市におけるLNG火力発電所共同開発検討からの撤退を発表した。


千葉袖ケ浦パワー
総出力200万キロワット(70万キロワット級×3基)

同社は東京ガスと2019年9月に「千葉袖ケ浦パワー」を設立し、千葉県袖ケ浦市の出光興産所有地でのLNG火力発電所の共同開発に向けた検討を進めてきたが、エネルギー情勢について世界規模の混乱が続いている中で、燃料市場、電力市場を含め当該プロジェクトを取り巻く諸情勢を総合的に判断した結果、共同開発検討から撤退することとした。


九州電力にとっては、営業エリア外に設ける初の火力発電だったが、燃料価格の高騰が続く現状では先行きが見通せず、大規模な投資は難しいと判断した。

これを受け、合弁相手の東京ガスは、LNG火力発電所の開発検討を引き続き進めていくと発表した。再生可能エネルギーの導入に欠かせない調整力として期待される LNG 火力発電所への投資を通じ、電力の安定供給に貢献し責任あるトランジションを実現するとしている。

当初、両社と出光興産が同地で石炭火力発電を計画したが、取りやめとなり、2社がLNG火力の計画を進めていた。

ーーー

九州電力、出光興産、東京ガスの3社は2015年3月27日、千葉県に大型の石炭火力発電所を建設することで合意したと正式発表した。

3社が均等出資し、出光が千葉県袖ケ浦市に持つ貯炭場に隣接する約30ヘクタールの遊休地に最大で100万kWの石炭火力2基を建設する。
投資額は4千億円規模の模様で、2020年代中ごろの稼働を目指す。

九電が管外に発電所を造るのは初めて。電力小売り全面自由化後の需要をにらみ、発電でも首都圏への参入が本格化する。

2015年5月、3社の共同出資により、「千葉袖ケ浦エナジー」が設立された。

2015/4/22 首都圏向け、火力発電計画 相次ぐ


しかし、3社は2018年1月31日、
石炭火力発電所について、十分な事業性が見込めないとの判断に至り、共同開発を断念すると発表した。

その後、2019年9月2日付けで九州電力及び東京ガスが同地点で燃料種別をLNGとした火力発電所の開発検討を進めるため、 「千葉袖ケ浦パワー」を設立した。出光は、参画していない。

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バイデン大統領は6月14日、大手石油会社が生産量を増やさず高収益をあげていると非難する書簡を送り、ガソリンの増産を迫った。

送付先はMarathon Petroleum, Valero Energy, ExxonMobil, Phillips 66, Chevron, BP, Shell の各CEO。

石油製品のマージンが急増していると、グラフを添付した。

3月に原油が120ドル/バレルの際にガソリン価格はガロン当たり4.25ドルであったが、現在では(原油は若干下がっているが)ガソリン価格は75%上がっているとしている。

書簡は次の通り。

June 14, 2022

I am writing to you about the high prices our fellow Americans are paying at the pump, and how we can all play a part in addressing them. Since the beginning of this year, gasoline prices have increased by more than $1.70 per gallon.

Vladimir Putin's war of aggression, and the bipartisan and global effort to counter it, has disrupted the global supply of oil and driven up the global price. But the sharp rise in gasoline prices is not driven only by rising oil prices, but by an unprecedented disconnect between the price of oil and the price of gas. The last time the price of crude oil was about $120 per barrel, in March, the price of gas at the pump was $4.25 per gallon. Today, gas prices are 75 cents higher and diesel prices are 90 cents higher.

That difference -- of more than 15% at the pump -- is the result of the historically high profit margins for refining oil into gasoline, diesel and other refined products. Since the beginning of the year, refiner's margins for refining gasoline and diesel have tripled, and are currently at their highest levels ever recorded.

To be sure, the shortage of refining capacity is a global challenge and a global concern. Around 3 million barrels a day of global refining capacity have gone offline since the onset of the pandemic, inhibiting our ability to ramp up supply of gasoline, diesel and jet fuel. I am working with allies and partners and countries around the world to encourage global refinery capacity to come back online. But, in the United States alone, oil refiners significantly reduced their capacity during the pandemic. In the year before I took office, refineries in the United States reduced their capacity by more than 800,000 barrels a day, leaving American refinery companies today at their lowest level of capacity in more than a half decade.

I understand that many factors contributed to the business decisions to reduce refinery capacity, which occurred before I took office. But at a time of war, refinery profit margins well above normal being passed directly onto American families are not acceptable.

There is no question that Vladimir Putin is principally responsible for the intense financial pain the American people and their families are bearing. But amid a war that has raised gasoline prices more than $1.70 per gallon, historically high refinery profit margins are worsening that pain.

Your companies and others have an opportunity to take immediate actions to increase the supply of gasoline, diesel, and other refined product you are producing and supplying to the United States market. With prices for your product where they are today, you have ample market incentive to take these actions, and I recognize that some of you have already begun to do so. I also encourage you to continue maintaining and expanding fuel supply sefely.

In addition, my Administration is prepared to use all reasonable and appropriate Federal Government tools and emergency authorities to increase refinery capacity and output in the near term, and to ensure that every region of this country is appropriately supplied. Already, I have invoked emergency powers to execute the larger Strategic Petroleum Reserve release in history, expand access to E15 (gasoline with 15% ethanol ), and authorize the use of the Defense Production Act to provide reliable inputs into energy production. I am prepared to use all tools at my disposal, as appropriate, to address barriers to providing Americans affordable, secure energy supply.

The crunch that families are facing deserves immediate action. Your companies need to work with my Administration to bring forward concrete, near-term solutions that address the crises and respect the critical equities of energy workers and fence-line communities. I have directed the Secretary of Energy to convene an emergency meeting on this topic and engage the National Petroleum Council in the coming days. In advance of that, I request that you provide the Secretary with an explanation of any reduction in your refinery capacity since 2020 and any concrete ideas that would address the immediate inventory, price, and refining capacity issues in the coming month-- including transportation measures to get refined product to market.

The lack of refining capacity-- and resulting unprecedented refinery profit margins-- are blunting the impact of the historic actions my Administration has taken to address Vladimir Putin's Price Hike and are driving up costs for consumers. I appreciate your immediate attention to this issue and your efforts to mitigate the economic challenges that Vladimir Putin's actions have created for American families.

米FDAの諮問委員会は6月15日、PfizerとModerna の新型コロナワクチンの5歳未満の子どもへの接種について緊急使用許可を出すよう勧告した。近くFDAが正式に緊急使用許可を出す。

付記 FDAは6月16日に許可した。

現状は、Pfizerワクチンは5歳以上、Modernaワクチンは18歳以上となっているが、今回の諮問委の勧告が実現すれば、いずれも生後半年以上が対象となる。

Pffizer Moderna
現状 2020/12/17 16歳以上 2020/12/1 18歳以上
2021/5/10 12歳以上 18歳未満は判断先送り
(まれな炎症性心疾患のリスクを高める可能性評価)
2022/5/17 5~11歳
今回 2022/6/14諮問委 6~17歳に緊急使用許可の勧告
2022/6/15諮問委 生後半年~4歳 2022/6/15諮問委 生後半年~5歳


今回の小児用については、Pfizerワクチンは大人の使用量の1/10を3回接種、Modernaワクチンは大人の使用量の1/4を2回接種となっている。

日本の場合は下記の通り。

Pffizer Moderna
2021/2/14  16歳以上 2021/5/21  18歳以上
2021/5/31 12歳以上
2022/1/21 特例承認 5~11歳

ロシア国営 Gazprom は6月14日、天然ガスパイプラインNordstream 1 の供給量を40%減らすと発表した。従来の日量最大1億6700万立方メートルから1億立方メートルになる。

Gazpromは翌15日、さらに33%削減すると発表した。モスクワ時間の16日午前1時半をもって供給量は最大6700万立方メートルになるとし、「エンジンの技術的な状態」のためガスタービンの運転を停止すると説明した。

ドイツ重電大手Siemens Energyなどによると、パイプライン内のガス圧力を高めるために使われるガスタービン(aeroderivative gas turbine) 1基をカナダで修理したが、カナダ政府の制裁措置によってGazpromに提供できなくなったという。Siemens Energyではドイツとカナダ政府に事態を連絡し、解決策を協議していると発表した。

しかし、15日の発表を受け、ドイツの副首相兼経済・気候保護相は、「政治的な決定であり、技術的に正当な解決策ではない」と非難、修理の必要性は認識しているとしながらも、関連作業は秋まで行われない予定だと指摘し、この削減規模は正当化できないと述べた。

仮にNordstream 1の問題であれば、他のパイプラインでの増量が可能だが、それは行なっていない。

ドイツのウクライナ支援への報復とか、価格を更に引き上げるためとかの理由が噂されている。

現在は暖房が必要でなく、今夏を乗り越えることが出来るが、冬に備えて備蓄を開始する時期であり、ドイツへの打撃は大きい。


イタリア国営エネルギー会社ENIは6月15日、Gazpromがイタリアへのガス輸出を前日から約15%削減したと明らかにした。削減理由について説明はないという。


ドイツは3月5日、国内初の液化天然ガス(LNG)輸入ターミナル建設を発表した。
ドイツ復興金融公庫(KfW)と大手エネルギー会社RWE、オランダ政府100%出資のガス大手Gasunieが、ドイツ北部のBrunsbüttel市でLNG輸入ターミナルの建設に関する覚書(MoU)を締結した。
出資比率はKfWが50%、Gasunieが40%、RWEが10%でターミナルの運営はGasunieが担当する。

同ターミナルの年間再ガス化能力は80億立方メートルで、ドイツの年間ガス需要約950億立方メートルの8.4%に相当する。


ドイツ政府は5月5日、LNGの輸入拠点となるターミナル建設を北部Wilhelmshavenで始めた。

既存の桟橋を改良し、LNGが貯蔵できる設備を備えた船4隻をリースして洋上に停泊させる。浮体式LNG貯蔵再ガス化設備と呼ばれる大型設備で、海外から到着するタンカーからLNGを船の設備に受け入れ、船上で液体からガスに戻し、陸上のパイプラインを通じて消費地に送る。80億立方メートル程度を供給できるという。

10年契約で、秋までに完成し、RWEが運営する。陸上受け入れ基地機能の代替となる、ドイツ政府は29億4千万ユーロの予算を付ける。

付記

Venture Global LNG とドイツの電力会社EnBWは6月21日、年150万トンのLNGを2026年から20年間にわたって売買する長期契約で合意したと発表した。

Plaquemines LNGから年75万トン、CP2 LNGから75万トンを購入する。

ドイツが米国産LNGの長期購入契約を結ぶのは初めて

2022/2/21 米国で新しいLNGプラントが稼働

ーーー

Gazpromはパイプライン経由の天然ガスについてルーブル払いへの切り替えを要求しているが、多くの問題が出ている。

1)ロシアは下図の仕組みを提案した。

ロシア案の仕組みであれば、買い手は契約通りのユーロで支払ったと言え、売り手のGazpromはルーブルで支払いを受けたと言うことができる。

2)ポーランドの国営ガス会社PGNiGは4月26日、ロシア国営Gazpromから天然ガス供給を4月27日から停止するとの通知を受けたと発表した。ブルガリアも同様に4月27日からのガス供給停止を通知された。

3)ウクライナが同国のロシア占領地域経由のパイプラインを停止、ロシア非占領地帯経由パイプラインへの切り替えを要求

2022/5/12 ウクライナ、ロシア産天然ガスの欧州向けパイプラインを一部停止

4)Gazpromは5月12日、ポーランドなどを経由するパイプラインYamal Europeを通じた天然ガスの供給を止めると明らかにした。
  ロシア政府が5月11日に発表した制裁対象に、パイプラインの一部を所有するポーランド企業EuRoPol GAZが含まれていたため。

2022/4/28 ロシア、ポーランドとブルガリアに天然ガス供給停止 

5)Gazpromは、ルーブル払いを拒否したとの理由で、5月31日でオランダのガス会社Gas Terra、デンマークのØrsted、Shell Energy経由のドイツ向けの供給停止を発表した。

 

ーーー

ドイツ政府は6月14日、Gazpromの子会社だったGAZPROM Germaniaを長期的に管理下に置き、政府系金融機関が最大100億ユーロを融資する救済策を発表した。
ドイツ政府は「供給の安全性を維持するために今回の措置が必要」としている。

GAZPROM Germaniaはガスの取引、貯蔵、輸送を手掛けており、ロシアのウクライナ侵攻後の4月にGazpromが手放したことを受け、期間限定でドイツ政府の管理下に置かれていた。

Gazpromは4月1日、ドイツ子会社のGAZPROM Germaniaを手放し、独事業などから撤退することを決めた。

Gazprom傘下とみられる企業がGAZPROM Germaniaを買収した上で清算する動きがあったため、独連邦ネットワーク庁が9月30日までの期限付きで同社の議決権を取得した。
資産の処分などは同庁の許可が必要となる。

なお、ロシア政府は5月11日、ドイツ政府の管理下に置かれているGAZPROM Germaniaに対して経済制裁を科したと発表した。同社と、同社の子会社との取引を、ほかの企業などに禁じた。
同社へのガス供給をロシアが停止する可能性もある。

将来的にはEU域内でロシア産のガスを貯蔵することも禁止される可能性があるという。GAZPROM Germaniaは北西部ニーダーザクセン州にある国内最大のガス貯蔵施設を運営している。

今回、エネルギー安全保障法に基づく信託管理へと変更、政府が長期間、管理下に置けるようになる。長期管理に切り替えるのに合わせて企業名を「Securing Energy for Europe」に変更する。

ドイツ政府は4月25日、ロシアによるウクライナ侵攻の影響でエネルギー市況がさらに悪化する場合に備え、エネルギー安全保障法改正案を閣議決定した。

エネルギー供給が危機に瀕したり妨げられたりした際の危機管理の包括的な対策を定めている。具体的には、重要なエネルギーインフラを運営する企業が業務を十分に遂行できなくなり、エネルギーの安定供給が損なわれる恐れがある場合、同企業を一定期間、信託管理下に置くことが可能になる。
また、エネルギー安全保障が他の手段で確保できない場合には、最終手段として、具体的かつ厳密な条件の下で同企業の収用も可能にする。

政府系金融機関の復興金融公庫(KfW)が90億─100億ユーロを融資し、事業継続を支援する。

ドイツ政府は融資について「事業運営とガス供給の維持のみに使い、ロシアには流れない状態になっている」と説明している。

米国、大幅利上げ

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米連邦準備理事会(FRB)は6月14-15日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を75ベーシスポイント引き上げ、1.50~1.75%とした。
今回の決定は10対1で、一人が50bpの利上げを主張した。

2018/3  1.50%~1.75%
2018/6  1.75%~2.00%
2018/9  2.00%~2.25%
2018/12  2.25%~2.50%
2019/7 2.00%~2.25%
2019/9  1.75%~2.00%
2019/10

1.50%~1.75%

2020/3

1.00%~1.25%

2020/3

 0.00%~0.25%

2022/3 0.25%~0.50%
2022/5 0.75%~1.00%
2022/6 1.50%~1.75%

今回の利上げは5月の50bpの利上げに続くもので、一度に75bpの大幅利上げを決定するのは1994年以来27年ぶり。

FRBは「インフレ率はパンデミックに関連する需給の不均衡、エネルギー価格の上昇、より広範な価格圧力を反映し、引き続き高止まりしている」と指摘し、ロシアによるウクライナ侵攻や、新型コロナウイルスの封じ込め策として中国が講じているロックダウンの影響に言及した上で、「インフレのリスクを非常に注視している」とした。

今後の見通しとして、2022年末には3.4%まで上昇すると見込んでいる。

6月の米国のCPIは8.6%、コアCPIは6.0%で、PPIは10.8%と、依然高水準にある。

パウエル議長は、次回7月のFOMCでも75bpもしくは50bpの利上げが決定される公算が大きいとの見方を示した。ただ、75bpが「一般的な」利上げ幅になるとは予想していないと述べた。

FRBは大幅利上げに踏み切りながらも、景気見通しを下方修正し、今年の経済成長率は1.7%に減速するとしたほか、失業率は年末までに3.7%に、2024年にかけて4.1%%に上昇すると予想を示した。

出光興産は6月14日、西部石油を完全子会社化し、2024年3月を目途に西部石油の山口製油所の精製機能を停止すると発表した。

国内の石油製品需要は、高齢化や人口減少といった構造的な要因に加え、新型コロナウイルスの影響や、世界的な脱炭素への潮流によって更なる減少が見込まれるため、西部石油を子会社化したのち、製品引取契約を終了し、同社の山口製油所の精製機能を停止することが最善であると判断した。

両社は下記の点で合意した。

製油所跡地での油槽所機能および国家備蓄へのタンク貸事業等を当面継続すること、西部石油が新規事業を検討することにつき出光興産グループの最重要事項の一つとして取り組むこと
西部石油グループの従業員の雇用維持および雇用条件の確保に協力して取り組んでいくこと
西部石油の事業運営や精製機能停止に関する資金調達のために必要かつ合理的な措置(債務の保証等)に出光興産が協力すること


西部石油は1962年設立で、山口製油所の能力は120,000バレル/日。

同社の株主は次のとおりであったが、出光は同日、一部株主から株式の買い取りを行ない、55.90%とした。今後、残り株主からも買い取る。

従来 今回
出光興産 38.00 55.90
UBE(旧称 宇部興産) 11.00 0
中国電力 10.79 0
商船三井 5.00 0
みずほ銀行 5.00 5.00
セントラル硝子 4.94 4.94
KHネオケム 3.87 3.87
その他 21.40 19.29


なお、ENEOSは1月25日、全国に10ある製油所の1つ、和歌山製油所の精製(127.5千レル/日)・製造、物流機能を2023年10月をメドに止めると発表した。

同社はまた、根岸製油所の第1トッパー(120千レル/日)と、その系列の二次装置である減圧蒸留装置接触分解装置など原油処理装置の一部および潤滑油製造装置2022年10月目途に止する。

合計で247.5千バレル/日の削減となる。


各社の原油処理能力は下記の通り。


単位:バレル/日 2011/1 2020/3 2021/3
ENEOS 鹿島石油 鹿島 252,500 197,100 203,100
旧 JXTG 室蘭 180,000
仙台 145000 145,000 145,000
根岸  半減 270,000 270,000 270,000
水島 380,200 320,200 350,200
麻里布 127,000 120,000 120,000
大分 136,000 136,000 136,000
大阪(国際石油) 115,000 115,000
千葉→国際石油 129,000 129,000
(極東石油) 千葉 175,000

    ↑  

旧 東燃ゼネラル 川崎 335,000 235,000 247,000
156,000 135,000 141,000
和歌山  停止 170,000 127,500 127,500
合計 2,441,700 1,928,800 1,868,800
出光興産 出光興産 北海道 140,000 150,000 150,000
千葉 220,000 190,000 190,000
愛知 160,000 160,000 160,000
徳山 120,000
昭和四日市石油 四日市 210,000 255,000 255,000
西部石油 山口  停止 120,000 120,000 120,000
東亜石油 京浜 185,000 70,000 70,000
合計 1,155,000 945,000 945,000
コスモ石油 千葉 220,000 177,000 177,000
四日市 125,000 86,000 86,000
100,000 100,000 100,000
坂出 110,000
合計 555,000 363,000 363,000
太陽石油 四国 120,000 138,000 138,000
富士石油 袖ヶ浦 140,000 143,000 143,000
南西石油 沖縄 100,000
帝国石油 頚城 4,724
合計 4,516,424 3,518,800 3,457,800


ENEOSは2020年9月25日、中国石油国際事業傘下の中国石油国際事業日本とのJVの大阪国際石油精製が運営する製油所を、12月に現在の大阪製油所から千葉製油所に変更し、合弁事業を継続することについて最終合意に至ったと発表した。

大阪国際石油精製(ENEOS 51% 中国石油国際事業日本 49%)は、2010年10月に設立。

下記の通りとなる。

大阪精油所:(原油処理能力115千BD)

ENEOSが大阪国際石油精製から取得、2020年10月に精製機能を停止、アスファルト発電設備へ

千葉製油所:(原油処理能力129千BD)

大阪国際石油精製がENEOSから取得

米財務省は6月10日、貿易相手国の通貨政策を分析した半期為替報告書を公表した。(前回は2021年12月3日発表)


2020年12月にトランプ前政権が「為替操作国」に指定したスイスとベトナムに加え、新しく台湾が「為替操作国」の認定基準を満たしたが、バイデン政権は2021年4月、該当する国について為替操作国の認定を見送っている。

1988年の法律に照らし、それら3カ国・地域に「効率的な収支調整を妨害する、もしくは国際貿易において競争上の不当な優位性を得る」意図があったと結論付ける「十分な証拠はなかった」と説明した。

今後、公式協議を含むenhanced engagementsを行い、為替相場の過小評価と対外不均衡の過小評価の基調的な原因に対応するために特化した行動計画を策定するよう呼び掛ける。

2021/4/23 米、貿易相手国の通貨政策を分析した半期為替報告書を公表  

2021年12月は台湾とベトナムの2国、今回はスイス1国が該当するが、いずれも認定は見送った。

「監視リスト」には、日本、中国、韓国、台湾、ドイツ、マレーシア、シンガポールとインド、ベトナム、イタリア、タイ、メキシコの12国が指定された。インド以下の5国は1項目だけだが、前年が監視リストのため、対象とされた。

前回、アイルランドは1項目だけだが、その前に監視リストのため、リストに入った。同国は今回、2年続けて1項目のため、監視リストから外れた。

なお、中国は(1項目だけでも)常時、監視リストに入る。


米財務省は為替操作国に指定する条件として(1)対米貿易黒字の規模(2)経常黒字の規模(3)継続的な通貨売り介入――を掲げている。

  従来の基準 2019/5より改正
①重大な対米貿易黒字 対米貿易黒字が200億ドル(米国GDPの約0.1%) 以上 同左
②実質的な経常黒字 経常黒字がその国のGDPの3.0%以上 GDPの2.0%以上
③外為市場に対する介入 GDPの2%以上(ネットで)の額の外貨を繰り返し購入
(12カ月のうち、8カ月
同左
(12カ月のうち、6カ月

3基準全てに該当すれば「為替操作国」となる。

次の場合、「監視リスト」に入る。
  2基準に該当 & 1基準だが、前年「監視リスト」の場合
  なお、中国は常時、「監視リスト」

③の外為市場介入(12カ月のうち6カ月)は、今回はスイス、シンガポールの2カ国。
日本は介入ゼロ、中国は若干の介入はあるが、12カ月のうち6カ月未満で対象外となっている。

 

操作国
3基準  
監視国
2基準  
監視国
1つだが前年に監視対象  丸数字は問題となった項目
  日本 中国 韓国 台湾 ドイツ スイス インド アイルランド ベトナム イタリア マレーシア シンガポール タイ メキシコ
2016/4
2016/10
2017/4
2017/10
2018/4
2018/10
2019/5
 

①②



①②

 

 

①②

①②

①②

①②

②③
2019/8   操作国  
2020/1
①②


①②

①②

①②

 



①②

①②

②③
2020/12
①②


①②

①②

①②
操作国
①③
操作国
①②

①②

②③

①②
2021/4
①②


①②
操作国非認定
①②
操作国非認定
①③

①②
操作国非認定
①②

①②

②③

①②

①②
2021/12
①②

①②

①②
操作国非認定
①②

①③

①③

操作国非認定
①②

①②

②③

①②

①②
2022/6
①②


①②

①②

①②
操作国非認定



①②

②③


UAEのアブダビ首長国国営石油会社(ADNOC) とENEOS、三井物産3社は6月7日、共同事業化検討契約書を締結し、UAEと日本間のクリー水素サプライチェーン構築に向けた協業検討を開始すると発表した。

第一段階ではアブダビのRuwais工業地域内所在すADNOC製油所・石油化学工場由来の副生水素 を、 第二段階では天然ガスから生産されるブルー水素、効率的な水素の輸送形態であるメチルシクロヘキサン(MCHに変換日本輸出することを目的としている。

化石燃料由来の水素を「グレー水素」、再生可能エネルギー由来の水素を「グリーン水素 」と呼ぶが、化石燃料由来の水素だがCO2を回収するものを「ブルー水素」と呼ぶ。  

水素を海外から運ぶためにはセ氏零下253度まで冷やして液化し、専用の運搬船を使う必要がある。今回は水素をトルエンに反応させてメチルシクロヘキサンとし、常温で日本に輸送し、日本でこれから水素を取り出す 。

これまでメチルシクロヘキサンから水素を取り出すのは不可能とされていたが、千代田化工が開発した触媒がこれを可能にした。


2017/8/5 千代田化工ほかの国際間水素サプライチェーン実証事業



ADNOC、ENEOS、
三井物産3年間5万トン規模の水素生産設備の技術実証と、商用段階を想定した年間20万トン規模への拡張可能性に関するフィージビリティスタディ実施する。

ADNOC脱炭素ビジネスへの取り組みを加速させており、油田を活用したCO2回収・貯留に加え、製油所・石油化学工場などの既存設備を活用した競争力の高いブルー水素供給事業の確立を目指している。

2016年11月に中東で初となる商業規模のCO2回収プラントが、UAEのEmirates Steel Industriesの製鋼所において操業を開始した。ADNOCとMasdar(Abu Dhabi Future Energy Company)のJVが、Al Reyadah CCUS((Carbon capture, utilisation and storage) プロジェクトとして開発したもので、現在、年間80万トンのCO2回収能力を有している。

CO2は陸上油田での原油回収促進(CO2 EOR)に利用する。

ADNOCは、2030年までに年間500万トン- CO2を達成することを目指している。

ENEOSは水素とトルエンを反応させてMCHに変換し、石油と同じように常温で運ぶ研究を進めている。

LNG開発のノウハウを持つ三井物産がプロジェクトの管理を担当する。

ーーー

なお、JXTGエネルギー現 ENEOS)、千代田化工、 東京大学、 クイーンズランド工科大学は2019年3月15日、オーストラリアにおいて有機ハイドライドを低コストで製造し、日本で水素を取り出す世界初の技術検証に成功したと発表した。

2021年11月2日、世界で初めて実際に使用できるレベルまで規模を拡大し、燃料電池自動車充填することに成功したと発表した。
実際に使用できるレベル(約6kg)にまで規模を拡大し、日本においてMCHから水素を取り出し、実際に燃料電池車に充填、走行させることに成功した。

水とトルエンから一段階の反応でメチルシクロヘキサン(MCH) を製造する、ENEOSが開発した「有機ハイドライド電解合成法(Direct MCH)」を採用している。

これは、太陽光発電などからのグリーン水素を輸送するためのものであり、今回は使用しない。

2019/3/18 CO2フリー水素を低コストで製造する世界初の技術検証

ーーー

別途、INPEX、JERA、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は2021年7月、ADNOCとの間で、アブダビ首長国におけるクリーン・アンモニア生産事業の事業化可能性に関する共同調査契約を締結した。

アブダビにおいて、天然ガスを改質して製造した水素を基にアンモニアを合成し、同時に排出される二酸化炭素(CO2)をINPEXが参画するアブダビ陸上油田でCO2を用いた原油回収促進(CO2 EOR)に利用することで、CO2排出量を大幅に抑制したクリーン・アンモニアを日本に輸送する事業の事業化可能性を調査する。


INPEX
は2021年8月、ADNOCとの間でクリーンアンモニアの売買契約を締結した。ADNOCが既存のアンモニアプラントで天然ガスから生産されるもので、アンモニア生産時に排出されるCO2を回収し、INPEXが参画するアブダビ陸上油田においてCO2圧入することで、CO2排出量を抑制したクリーンアンモニアとなる。

クリーンアンモニア液体輸送用のコンテナアブダビから日本に輸送、発電燃料として実証を含めエネルギー分野で使用

参考 2018/10/25 日揮、再生可能エネルギー由来の水素を用いたアンモニア合成と発電に世界で初めて成功

世界貿易機関(WTO)の閣僚会議が6月12日、スイス・ジュネーブの本部で開幕した。ロシアのウクライナ侵攻で脅かされる食料安全保障や、漁業補助金の問題などを議論する。

世界貿易機関(WTO)の有志の加盟国・地域は6月12日、ウクライナへの連帯を示す共同声明を発表した。

声明要旨

ウクライナに対する侵略によって引き起こされた壊滅的な人的損失と深刻な​​苦しみに深い悲しみを表明する。2022年3月2日および2022年3月24日の国連総会決議への支持を改めて表明する。

戦争は、ウクライナの経済や貿易能力などに壊滅的な影響を及ぼしている。道路、橋、港、鉄道など、ウクライナの交通インフラの大部分が破壊されたことで、ウクライナの生産、輸出、輸入の能力が大幅に低下している。

特に農産物や食品、肥料、ひまわり油、重要な鉱物など、ウクライナが生産する多くの主要商品の国際市場への供給に関して深刻な懸念を抱いている。また、ウクライナから穀物が略奪されたという多くの報告にも深い懸念を抱いている。これらの行動は、WTOの原則と価値観と対立している。

ウクライナは、小麦、トウモロコシ、大麦、ひまわり油などの主要な農産物の世界最大の輸出国の1つで、世界食糧計画への主要な供給者である。ウクライナの黒海へのアクセスの遮断を含む戦争の影響は、開発途上国で世界の最も脆弱な地域のいくつかへの食糧供給を深刻に危うくしている。何百万人もの人々を食糧不安に追いやるリスクがあり、COVID-19によって引き起こされたすでに深刻な状況に追加される。

我々はウクライナを支援し、その輸出を促進することを目指す。

WTOには164カ国・地域が加盟するが、ロシア批判は抑えたものとなっているにもかかわらず、署名したのは欧州諸国、日米韓や台湾、中南米の一部など56カ国・地域にとどまった。アフリカの多くの国はウクライナの小麦等に依存しているが、署名したのはシェラレオネ1カ国のみである。

欧州では、EU加盟の27か国全てと、非加盟の11カ国の合計38か国が署名したが、NATO加盟国のアイスランドとトルコの2カ国は署名していない。
トルコは現在、ウクライナからの食糧輸出についてロシアと協議している。

米大陸では、米国、カナダと中南米の8か国の合計10カ国が署名。

アジアでは日本、韓国、台湾、シンガポールの4か国にとどまった。

その他では、豪州、ニュージーランドとイスラエル、シェラレオネの4国で、合計56か国である。他にEUが署名した。

ロシアと親しく、対ロ制裁に反対する中国や、厳しい批判を避けるインドやサウジアラビア、ブラジル、南アフリカなどは加わらなかった。
東南アジアではシンガポールだけが署名した。

署名  赤字は旧ソ連

非署名
NATO加盟 NATO非加盟 NATO加盟
欧州 EU イタリア、オランダ、フランス、ベルギー、ルクセンブルグ、デンマーク、ポルトガル、ギリシャ、ドイツ、スペイン,チェコ、ポーランド、ハンガリー、エストニア、ラトビア、リトアニア、スロバキア、スロベニア、ブルガリア、ルーマニア、クロアチア、 (21) アイルランド、オーストリア、フィンランド、スウェーデン、キプロス、マルタ(6)
non-EU 英国
ノルウェー、アルバニア、モンテネグロ、北マケドニア、(5)
ジョージア、リヒテンシュタイン、モルドバ、スイス、ウクライナ、アイスランド(6) アイスランド
トルコ

中東 イスラエル
北米 米国、カナダ
中南米 メキシコ、チリ、コロンビア、コスタリカ、エクアドル、パラグアイ、ペルー、ウルグアイ(8)
アジア 日本、韓国、台湾、シンガポール
ANZ 豪州、NZ
アフリカ シエラレオネ
合計 28 カ国 28 カ国

56カ国

欧州中央銀行(ECB)は6月9日、5月のインフレ率が8.1%と高い水準を維持しているため、量的緩和政策を終了し、政策金利を引き上げることを発表した。

ユーロシステムによる債券・国債の購入プログラム(APP:asset purchase programme)を、7月1日に終了する。

APPの下で購入し保有する債券・国債の再投資については、主要政策金利の引き上げ開始以降も必要な限り続ける方針をあらためて示した。

欧州中央銀行(ECB)は2021年12月16日の理事会で、コロナ危機で導入した緊急買い取り制度(PEPP:Pandemic Emergency Purchase Programme)による新規資産購入を2022年3月末で打ち切ると決めた。

2021/12/20 欧州中央銀行、2022年3月に緊急買い取り制度を終了

これを通じて購入し保有する債券・国債の償還後の再投資期間については、少なくとも2024年末までとする方針。


現在の政策金利は、主要リファイナンス・オペ金利が 0.00%、限界貸付ファシリティー金利(オーバーナイト貸し出し、翌日返済)が0.25%、中銀預入金利がマイナス0.50%である。

中銀預入金利は金融機関が余剰資金をECBに預ける際に適用する金利。

これについて、7月21日に開催予定の次回理事会で11年ぶりに金利をそれぞれ0.25ポイント引き上げる。さらに、9月の理事会で発表されるユーロ圏に関するマクロ経済予測に基づき、さらなる引き上げを決定する。「中期的インフレ見通しが変わらないか悪化すれば、9月理事会でより大幅な引き上げが適切になる」としており、9月以降も、徐々に持続的なさらなる引き上げが適切だと予想している。


ーーー

英国のイングランド銀行(中央銀行)は2021年12月16日、政策金利を0.15ポイント引き上げ、年0.25%とすると発表した。

新型コロナウイルス感染拡大以降、利上げによる金融政策の正常化に踏み切ったのは、日米欧の主要中銀では初めてとなる。

米国FRBは2022年5月3~4日に開いた会合で、22年ぶりとなる0.5%の大幅利上げと「量的引き締め」に乗り出すことを決めた。記録的なインフレの抑え込みを急ぐ。

政策金利をこれまでの「0.25~0.50%」から通常の2倍にあたる0.5%引き上げ、「0.75~1.00%」にする。0.5%の大幅な利上げは2000年5月以来22年ぶり。

2022/5/6 米FRB、大幅利上げ決定

日本だけが取り残される形となる。

NTTアノードエナジー、九州電力及び三菱商事は6月10日、再生可能エネルギーの更なる活用及び導入促進に向けて、系統用蓄電池を活用して太陽光発電の出力制御量低減に貢献する共同事業の検討を開始したと発表した。


NTTアノードエナジーは、NTTグループのスマートエネルギー事業推進の中核会社として、下記の再エネを中心としたスマートエネルギー事業を展開している。
①再生可能エネルギー電源を開発する「グリーン発電事業」、②顧客の脱炭素化をサポートする「グリーンエネルギーソリューション事業」、③エネルギーの安定化・効率化を実現する「蓄電所事業」

日照に恵まれる九州は太陽光発電所が多い。2021年5月末時点で九州の太陽光発電設備の導入量は1035万キロワットで、全てがフル稼働すると仮定した場合、九州全体の電力消費量を超えることもあり得る規模である。原発4基も稼働している。このため、天候が良く電気の使用量が少ない春と秋を中心に電力が大幅に余剰となる。

余剰能力は中国九州間連系線を経由し関西に送るが、能力は280万kW しかない。

九州電力は2016年3月に世界最大級の大容量蓄電システムを備えた豊前蓄電池変電所の運営を開始した。(出力:5万kW、容量:30万kWhのNAS電池)

このため、電力の発電量と使用量のバランスを保つため、発電量の超過が想定される場合、発電所の出力を一時的に抑制する「出力制御」を実施している。

2022年4月には、四国、東北、中国、北海道でも実施した。

政府は2050年カーボンニュートラル及び温室効果ガス排出量2030年度46%削減(対2013年度比)の目標を掲げ、再エネの主力電源化を推進している。

そのなかで、他の地方で電力が不足しながら、九州で出力制御するという事態が発生する。

2022年3月には、主に東京エリアで電力需要量が供給量を上回る厳しい見込みとなったため、全国で初めて「電力需給ひっ迫警報」が発令された。

政府は今年の夏、7年ぶりに家庭や企業に対して節電要請を行う。「東北・東京・中部の3つのエリアで、予備率が3.1%とギリギリの状況」としている。

問題解決には2つの方法がある。一つは蓄電能力の増強で、もう一つは送電網の拡大である。

今回、3社は各社が持つ経営資源やノウハウ等を活用し、系統用蓄電池を用いて太陽光発電の出力制御量を低減させるとともに各種電力市場での取引等でマルチユースする事業モデルの構築を目指す。

その第一歩として、NTTアノードエナジーが九州内に設置する系統用蓄電池を活用して、事業立上げに向けた具体的検討に取り組む。

NTTアノードエナジーの系統用蓄電池

  設置時期 2023年2月(予定)
  設置場所 福岡県田川郡(予定)
  導入設備 リチウムイオン電池(4.2MWh)、電力変換装置(1.4MW)、蓄電池制御システム 一式

ーーー

別途、政府は再生可能エネルギーの普及のため次世代送電網を増強する。


2022/1/6 再生エネルギー普及へ送電網増強

アメリカやカナダ、中南米の米州機構(Organization of American States)首脳が集まる米州首脳会議が6月8日、ロサンゼルスで始まった。10日まで開かれる首脳会議では、移民問題や気候変動などについて議論が交わされる見通し。

バイデン大統領は各国の首脳らを前に「われわれはすべてにおいて常に同意するわけではないが、民主主義では対話と敬意を持って相違を乗り越えていける」と呼びかけた。

新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込んだ中南米経済の回復に向け、経済連携を深める方針を表明した。米州開発銀行(IDB)など域内の経済機関を生かし、中南米への投資を促進する。サプライチェーンの多様化とリスク軽減でも連携したい考えである。

今回の首脳会議にはホスト国アメリカが「独裁者は招待されるべきではない」としてキューバとベネズエラ、それにニカラグアの3か国を招待しなかった。バイデン政権は「政敵を投獄し、不正選挙を行った権威主義国」を招待しないとしている。

ニカラグアは2021年11月19日、脱退手続きを開始したことを 発表した。11月7日の大統領選で、反米左派のオルテガ大統領が連続4選を果たしたことに関して、米州機構が「民主的な正当性がない」とする決議を採択したことに対する措置としている。

キュ-バは1962年の対キューバ制裁決議により、カストロ政権の参加を排除され、同年キューバ側もOAS脱退を発表した。その後,2009年に同決議を廃止する旨の決議が採択された。
2015年パナマでの第7回サミットでキューバは初参加。当時のアメリカのオバマ大統領と首脳同士の握手も実現した。

これに反発して、メキシコのロペスオブラドール大統領が「全ての国を招待しないなら欠席する」として欠席、エブラルド外相を代理で出席させた。
グアテマラ、ボリビア、ホンジュラスなどの首脳も出席せず、 首脳出席は23か国にとどまった。米メディアはアメリカの求心力が低下していると指摘している。

米国による不法移民対策で最も協力が欠かせないメキシコが、外相による代理出席にとどまったのバイデン政権に痛手となった。

ーーー

米州機構(Organization of American States)は、1948年4月に調印されたボゴタ憲章(米州機構憲章)に基づいて、1951年12月に発足した国際機関で、35か国が参加する。

北米(2カ国) アメリカ合衆国、カナダ
中米(8か国) メキシコ、エルサルバドル、グアテマラ、コスタリカ、パナマ、ベリーズ 、ホンジュラス、
ニカラグア
カリブ海
(13カ国)
アンティグア・バーブーダ、キューバ、グレナダ 、ジャマイカ、セントクリストファー・ネイビス、セントビンセント・グレナディーン、セントルシア、ドミニカ、ドミニカ共和国、トリニダード・トバゴ、ハイチ、バハマ、バルバドス
南米
(12カ国)
アルゼンチン、ウルグアイ、エクアドル、ガイアナ、コロンビア、スリナム 、チリ、パラグアイ、ブラジル、ベネズエラ、ペルー、ボリビア


グリーンランド、プエルトリコ、アルバ、キュラソー、シント・マールテン、フランス領ギアナなどはいずれも独立国では無いため、参加資格を有しない。

日本を含む69カ国とEUが常任オブザーバーの資格を持つ。

第1回米州サミットは1994年12月にマイアミで開催され、(a)民主主義の維持・強化、(b)経済統合と自由貿易を通じた繁栄の促進、(c)貧困と差別の撲滅、(d)持続的開発のテーマ、について議論し、マイアミ宣言、並びに23項目の「行動計画」を採択した。

3年程度に一度開かれており、今回は9回目となる。


中南米諸国には、「中南米の問題は中南米で解決する」として、2011年12月にアメリカとカナダを除く33か国でつくるラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)が発足している。将来的な中南米統合を長期的な目標に掲げている。

EUの欧州委員会と欧州議会は6月7日、域内の上場企業に一定比率の女性を取締役に登用するよう事実上義務づける法案で大筋合意した。2926年までに社外取締役で40%以上か、すべての取締役で33%以上を女性にする必要がある。女性の活躍を後押しして、経済や社会の活性化を狙う。

発表文によると、過去10年で進展はあったが、2021年10月時点で女性取締役全体の割合は30.6%、取締役会長では8.5%であった。(2011年にはそれぞれ、10.3%、3.0%であった。)

合意を受けて、フォンデアライエン欧州委員長は「多様性は公平性の問題だけでなく、成長と技術革新を促進するものだ」と歓迎する声明を発表した。

基準を達成していない企業は、 能力が同等の候補者が2人以上いれば、少数派の性別の候補者を優先しなければならない。取締役になれなかった候補者が求めれば、企業はその選定基準を開示する必要がある。報告が十分でない場合は罰則の対象となる。罰則は加盟国が個別に設ける。

2012年11月、欧州委員会は「上場会社の非業務執行役員におけるジェンダー・バランスと関連措置の促進に関する指令案」を提案し、いわゆる性役員クオータ制導入の議論が始まった。根拠となるEU法の条文は、EU運営条約157条(雇用および労働分野における男女間の機会均等と処遇平等の原則)である。

2015年、EU理事会から修正案が示され、数値目標は「非業務執行役員の40%、または役員全体の33%」とされた。

ーーー

米国の国際非営利団体「国際女性経営幹部協会」(CWDI)が2009年に発表したリポートによると、日本企業の主要100社の全取締役に占める女性採用率はわずか1.4%であった。

ノルウェーでは2003年にまず国営企業や複数州で活動する企業を対象に「取締役は男女ともに4割以上」とするクオータ制を義務付けた。2005年には上場企業も対象となり、遵守できない場合は企業名の公示や企業の解散などの制裁が科される。

出光興産・INPEX・三井石油開発が出資する小安地熱は6月6日、秋田県湯沢市における地熱発電所(かたつむり山発電所、出力:14,990kW)計画について建設段階への移行を決定したと発表した。

小安地熱の出資比率は、出光興産とINPEXが各42.5%、三井石油開発が15%。

発電所は、蝸牛山中腹に建設する。ダブルフラッシュ方式を採用する。

(1)地下から高温高圧の地熱流体を取り出す、(2)気水分離器により一次蒸気と熱水に分離する、
(3)熱水を減圧気化器により二次蒸気と熱水に分離する、(4)一次・二次蒸気を用いて発電する。

注)上記の(3)がないのがシングルフラッシュ方式

運転開始は2027年3月を計画しており、発電した電気は再生可能エネルギーの固定価格買取制度の認定を受ける。(1kWh当たり:40円+税、適用期間:15年間)

ーーー

湯沢市が位置する西栗駒一帯には小安峡温泉、秋の宮温泉郷、泥湯温泉などが点在し、日本有数の地熱賦存地帯といわれている。

上の岱地熱発電所と山葵沢地熱発電所が稼働しており、他に木地山地熱発電所が計画されている。

上の岱(うえのたい)地熱発電所 山葵沢地熱発電所 木地山きじやま 地熱発電所
能力 28,800kW 46,199kW 14,900KW
運営 東北自然エネルギー
湯沢地熱
(電源開発、三菱マテリアル、三菱ガス化学)
東北自然エネルギー
運転開始 1994/6 2019 2029年予定
方式 シングルフラッシュ ダブルフラッシュ


東北自然エネルギーは東北電力の再生可能エネルギー発電事業の中核
会社として、水力、地熱、風力および太陽光の4事業会社を統合し、2015年7月に設立された。

中国は65日、有人宇宙船「神舟14号」の打ち上げに成功, 宇宙ステーション「天宮」のコアモジュール「天和」とドッキングし、男性2人、女性1人の宇宙飛行士が天和へ入室した。

「天宮」はメインキャビンの「天和」と実験施設「問天」「夢天」から成り、前後に有人宇宙船と無人貨物宇宙船をドッキングさせて、宇宙飛行士と貨物の補充・回収を行なう。

2021年4月に先ずコアモデュール「天和」を打ち上げ、5月に無人貨物宇宙船「天舟2号」を天和の後部にドッキングさせた。6月には有人宇宙船「神舟12号」を天和の前部にドッキングさせた。
「天舟」「神舟」は回収、再打ち上げを2回行った。

今後、7月に実験施設「問天」、10月に 同「夢天」をそれぞれ打ち上げ、神舟14号の宇宙飛行士3人が「天和」の左右に連結させ、各種設備の据え付けや試運転を行ない、年末までに宇宙ステーション「天宮」を完成させる。

付記

中国は7月24日、宇宙実験施設「問天」を搭載したロケットの打ち上げに成功した。

11月には宇宙飛行士3人を乗せた神舟15号が打ち上げられ、宇宙ステーション内で14号と15号の6人の宇宙飛行士が5-10日間、共同作業を行う。

2024年には宇宙望遠鏡「巡天」を打ち上げ、連結させる。


打ち上げ
Module  天和 2021/4
貨物宇宙船 天舟2号 2021/5 →天舟3号(2021/9)→天舟4号(2022/5)→天舟5号(2022/10)
有人宇宙船 神舟12号 2021/6 →神舟13号(2021/10)→神舟14号(2022/6)→神舟15号(2022/11)
Module 問天 2022/7
Module 夢天 2022/10
「天宮」完成 2022年内
宇宙望遠鏡 巡天 2024


中国は米国に対抗できる「宇宙強国」をめざしている。2013年に月面探査機が軟着陸し、2021年5月に火星探査機の地表探査に成功した。宇宙ステーションの建設には2021年4月に着手した。

ーーー

現在は国際宇宙ステーション(ISS)のみが運営されている。

米国のNASA、ロシアのロスコスモス、日本のJAXA、カナダのCSA、欧州11カ国のESAの15カ国・5宇宙機関が参加する多国籍共同プロジェクトである。 中国は参加していない。

米議会は2011年、国家安全保障上の懸念があるとして、米国の宇宙計画に中国を参加させないことを決定した。
これにより、NASAなどは中国との協力や、2国間で合意などを結んではいけないことになった。当然ながら中国は国際宇宙ステーション(ISS)にも乗ることは許されない。

このため中国は独自の宇宙ステーション建設を進めている。

国際宇宙ステーションは建設当初は2016年に運用を終える予定であったが、2024年までの運用延長が決まっていた。

米国政府は2021年12月31日、ISSを2030年まで運用する計画を発表、NASAは2022年2月3日、運用を2030年に終了し、2031年初頭に太平洋に落下させる予定だと発表した。

なお、ウクライナ問題の発生を受けても、ISSでのロシアの参加は変わらない。ロシアはISSの姿勢制御を担当しており、NASAは「ロシアによる姿勢制御と、米国による電力生産がともになければ、ISSは運用できない」としている。ISSと地球との間の宇宙飛行士の行き来も、ロシアの宇宙船ソユーズが一部担っている。

国際宇宙ステーションがなくなると、中国の宇宙ステーションが唯一となる可能性がある。

DuPontの再編

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DuPontは2022年6月1日、Biomaterials business のHuafon Group華峰集團への約240百万ドルの売却が完了したと発表した。6月1日付でHuafonの子会社Covation Biomaterialsがスタートした。2021年の売上高は約2億ドルであった。


2020年に売却を発表していたが、売却先は明らかにしていなかった。

売却した事業には、下記のSoronaと、Susterra(100% 植物ベースの高機能グリコール)、Zemea(植物ベースで生分解性プロパンジオール)などの製品が含まれる。

Sorona(Tate & Lyle とのSorona propanediol JV):

DuPontと英国のTate & Lyle の折半出資による合弁会社、DuPont Tate & Lyle Bio Products, LLC, は2007年6月8日、テネシー州のLoudon 工場でBio-PDOの商業生産を祝う式典を行った。

同工場は世界で初めて再生可能原料(トウモロコシの糖分:corn sugar) から1,3-propanediol (商品名Bio-PDO)をつくる工場で、年産能力45千トン、建設費は1億ドル。

2007/6/13 DuPont、Bio-PDOの商業生産開始

Huafon Group華峰集團)は浙江省瑞安市を本拠とする企業で、下記の製品を扱っている。


ーーー

DowDuPont Inc.は2019年6月1日、農業部門をCorteva, Inc.として分離し、社名をDuPont de Nemours, Inc. に改称した。Specialty Productsの会社となる。

DowDuPont Inc.は4月1日にMaterial Science事業をDowとして分離している。

これにより、2017年9月1日にDowとDuPontが合併してできたDowDupontの再編成が完成した。


2019/6/12 DowDupont 分離完了 


新生DuPontは引き継いだ事業を整理し、下記3つの事業を中心とすることとし、他の事業は売却することとした。

 ① electronics and industrial
 ② mobility and materials
 ③ water and protection

まず、Nutrition & Bioscienceを売却した。

香料メーカーのInternational Flavors & Fragrances(IFF)は2019年12月、DuPont傘下で食品添加物・原料の製造を手掛けるNutrition & Bioscienceを262億ドルで買収する合意に達した。買収合戦でアイルランドのKerry Group plcに勝利した。

買収に伴い、IFFとNutrition & Bioscienceを統合した新会社International Flavors & Fragrances(IFF)が設立された。DuPont株主が55%、IFF株主が45%となる。

DuPontは完了時に73億ドルの現金を受け取った。

下記については売却先を見つけた。

 ①DuPont Clean Technologies(alkylation, sulfuric acid regeneration and other emission control technologies)

2021年2月3日、BroadPeak Global, Asia Green Fund, The Saudi Arabian Industrial Investments Company (Dussur) のコンソーシアムに510百万ドルで売却することで合意した。

 ②Hemlock Semiconductor (40%持分)

当初 Dow Corning Corporation68.25%)、信越半導体(19.50%)、三菱マテルアル12.25%) のJVで、その後、三菱マテリアルが撤退した。

2016年にDowとCorningがDow Corning JVを解消、Hemlockの株主はDuPont とCorningと信越半導体になった。

今回、DuPontが株式を他株主に725百万ドルで売却した。現在はCorning Inc. 80.5%, 信越半導体19.5%。

 ③Biomaterials unit(Tate & Lyle との Sorona propanediol JVを含む)を不開示の相手に240 百万ドルで売却した。
   今回、これがHuafon Group華峰集團)への売却と判明 した。

なお、 当初売却を予定した次の事業は保持することとした。いずれもMobility and Materials divisionに属する。

 ①Tedlar PVF film

 ②microcircuit materials

 ③DuPont Teijin Films持分    但し、下記のとおり、2022年に売却を決定

帝人とDuPontは2000年よりポリエステルフィルム事業を統合し、世界7カ国で合弁会社を設立してグルーバルに事業を運営してきた。

日本とインドネシアの合弁については2016年8月に帝人100%とすることを決めた。
2017年10月10日、残る米国、英国、ルクセンブルグ、中国のJVをIndorama Netherlands B.V.に売却することを決定したと発表した。

しかし、発表はなかったが、この売却計画は頓挫した。

2020/2/1 デュポンと帝人、フィルム合弁を再び売却へ 


上記の通り、
DuPontは3つの部門、①electronics and industrial, ②mobility and materials, ③ water and protectionで構成されることとなったが、DuPontは2021年11月2日に「戦略的レビュープロセス」を発表した。

1)Rogers Corporation 買収

DuPontはエンジニアリング素材メーカーの米Rogers Corporation を約52億ドルで買収することで合意した。

Rogersは電気自動車(EV)や高速通信規格「5G」関連機器向けの高周波用プリント基板材料など、高機能・高付加価値の先端電子部材に特化し、北米、欧州、アジアに計14カ所の生産拠点を持つ。2021年通期の売上高見通しは約9億5000万ドル。

DuPontはEV向け部材など高付加価値製品を成長分野と見なし、事業シフトを進めている。

2) Mobility & Materials segmentの大半の事業の売却

売却の対象となる事業は、主にエンジニアリングポリマーおよびパフォーマンスレジンの事業分野の事業と、デュポン帝人フィルムの合弁事業の持分。
対象製品ラインには、Zytel®、Delrin®、Hytrel®、Crastin®、Vamac®、TEDLAR®などブランドが含まれるが、これらに限定されない。
対象事業の
2021年通年見積もりの売上高は約42億ドル、営業EBITDAは約10億ドルになる。

3) これらにより、electronics, water, protection, industrial technologies and next generation automotiveに焦点を当てた高成長、高収益市場での位置を高め、収益向上を図る。


DuPontは2022年2月18日、
Celanese Corporationとの間でMobility & Materials segment の大半を売却する契約を締結したと発表した。

売却対象は、Engineering Polymers 事業と、Performance Resins and Advanced Solutions business lines のなかの特定の製品ラインで、売却額は現金で110億ドルとしている。取引は2022年末頃に完了する予定。

これらの事業の2021年の売上高は約35億ドルで、EBITDA(税引前利益+支払利息、減価償却費)は8億ドルであった。

Mobility & Materials segmentのなかの Auto Adhesives, Multibase and Tedlar® product lines は対象に含まれていない。

DuPont は別途、某社とアセタールホモポリマーのDelrin® businesss の売却を進めている。

Mobility & Materials segment の製品で売却対象と対象外は下図のとおり。

今回の発表文にはないが、DuPont Teijin Films JV も売却対象に挙がっている。

2022/2/22 DuPont、Mobility & Materials Segment の大半をCelaneseに売却 


これらが完了すると、
DuPontの事業は、①electronics and industrial, ② water and protectionと、次世代自動車関連等となる。


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LG Chemは5月31日、バッテリー素材分野の競争力を強化するため、中国の浙江華友コバルト(浙江華友鈷業正極子会社Tianjin B&M Science and Technology (天津巴莫科技 : B&M) との合弁法人を韓国国内に設立すると明らかにした。

華友コバルトはグローバルトップクラスの原材料メーカーで、コバルト精錬市場では世界1位。ニッケルやマンガン市場などでも上位圏を占めている。

LG Chemは2018年に華友コバルトとの合弁で中国で前駆体(コバルトやニッケル、マンガンなどの結合体)と(リチウムと前駆体を結合したバッテリー素材)の生産工場を設立している。

LG Chem は2018年4月、リチウムイオン電池用のコバルトの供給を確保するため、浙江華友コバルトと2つのJVを設立することで合意したと発表した。

LGは225百万ドルを投じて2020年までに中国にプレカーサーと正極(カソード)のJVを設立し、年間4万トンを生産する。

両社の合弁会社 楽友新能源材料(無錫)は2020年9月10日、江蘇省無錫市で新エネルギー車向けバッテリーの正極材工場の竣工式典を行った。

年間4万トンを生産、製造したプレカーサーと正極は、中国とポーランドのリチウムイオン電池工場で使用する。

2018/4/17 LG Chem、中国の浙江華友コバルトとリチウムイオン電池材料のJVを設立 


今回の合弁会社は、昨年末に政府の共生型地域雇用で発足したLG Chemの子会社 亀尾(クミ)陽極材法人に、華友コバルトの子会社であるB&Mが投資する方法で設立される。LG ChemとB&Mの持分は、それぞれ51%と49%。

2025年までに約5000億ウォン(約480億円)を投資し、次世代電気自動車バッテリー用NCMA(ニッケル・コバルト・マンガン・アルミニウム)正極材専用生産ラインを構築、2024年下半期から、電気自動車(EV)50万台分に相当する年間約6万トン以上の規模で量産を開始する予定。

共生型地域雇用とは、地方の雇用を創出するための事業で、企業が従来より低い賃金を支払い、政府と地方自治体は福利厚生費を支給することで賃金を補うもの。

LG Chemは韓国内に2カ所、中国に1カ所の正極材の工場を稼働させており、新工場は4カ所目となる。現在の生産能力は8万トン。新工場の建設と既存工場の追加投資で、2025年には生産能力を17万トンに引き上げる。

LG化学は電池部材のうち、正極材と分離膜、接着剤を自前で手掛け、電池子会社のLGエネルギーソリューションに供給している。 バッテリーセパレータフィルムは東レと組むことで、調達量の確保を急いでいる。

東レは2021年10月、LG Chemとの間で、東レ100%子会社のハンガリーのリチウムイオン二次電池(LIB)用バッテリーセパレータフィルム製造・販売会社「Toray Industries Hungary Kft.」に対してLG Chemが新たに375百万ドルを出資し、持分比率50:50の合弁会社「LG Toray Hungary Battery Separator Kft.」を設立することに合意したと発表した。

合弁会社はToray Industries Hungaryの現有設備で車載用LIB向けバッテリーセパレータフィルムを製造し、LGグループの欧米拠点向けに販売することを目的としている。 

また、今後の需要拡大に備え、敷地内においてフィルム基材の製膜設備の増強と、コーティング加工設備の新規導入を進めていくことに加え、合弁会社設立から2年半経過後に東レ持分の20%をLG Chemに有償譲渡し、以降はLG Chemが経営・事業の主体を担うことにも合意した。

車載向けLIB用バッテリーセパレータフィルムにおいて、LG Chemはコーティング技術、東レはフィルム基材の製膜技術に強みを持つ。合弁会社では、LG Chem、東レからそれぞれが保有する技術をライセンス供与し、両社の強みを生かしてシナジーを発揮する。


ロシア制裁の盲点

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バイデン米大統領は3月8日、ロシア産の原油、天然ガス、石炭と関連製品の輸入を全面的に禁止すると発表した。同日に大統領令に署名し、即日発効した。

大統領は「米国はロシア経済の大動脈を標的にしている。ロシアの石油、ガス、エネルギーの輸入を全面的に禁止する」と述べ、「世界中の同盟国、特に欧州と緊密に協議して決めた。欧州の同盟国・有志国の多くが我々(の輸入禁止)に加われない参加しないと理解したうえで禁輸する」と強調した。また、「欧州と協力してロシアへのエネルギー依存を減らす長期的な戦略もつくっている」と述べた。

2022/3/9 ロシア産原油禁輸、米が追加制裁 即日発効 英は年内停止

EUの欧州委員会のフォンデアライエン委員長は5月4日、欧州議会で、ウクライナ侵攻を受けた対ロシア制裁第6弾として、ロシア産原油の段階的輸入禁止、主要銀行や放送局への制裁措置を提案した。

EUは5月30日夜、ロシア産石油のEUへの輸入を禁止することを柱とする追加制裁で合意した。
発動後ただちに3分の2の輸入が止まり、年内に90%以上になるという。

但し、天然ガスの輸入禁止は当面は無理である。

2022/5/7 EUが対ロ追加制裁案、原油の段階的禁輸やSberbankのSWIFT除外

ロシアの政府系電力会社 PJSC "Inter RAO"の北欧子会社RAO Nordic Oyは5月13日、電力代金の支払い問題でフィンランドへの送電を14日から停止すると発表した

Fingridでは、ロシアからの電力は国内需要の1割を占めるが、「スウェーデンからの輸入増や国内の供給増で不足分を賄える」としている。

フィンランドの電力自給体制はどんどん改善しており、特に風力発電が増加している。本年だけでも追加の2000メガワットの風力発電が稼働する。

フィンランドのTeollisuuden Voima Oy(TVO)は2021年12月21日、2005年から建設中だったOlkiluoto原子力発電所3号機(出力172万kWの欧州加圧水型炉:OL3)が臨界条件を達成したと発表した。本年6月からは営業運転を行う。(Olkiluoto島には、原発から出る放射性廃棄物の地下最終処分場 Onkaloが併設されている。)

2023年に電力自給が完成する予定。

2022/5/16 ロシア政府系電力会社、フィンランドへの送電を停止


ロシア産の原油、天然ガス、石炭の輸入をやめた場合、代替のエネルギーの一つが原子力発電である。ここで問題になるのは濃縮ウランである。

米国政府は3月にロシア産の天然ガス・原油・石炭の輸入を禁止したが、ウランを制裁対象にすることはなかった。

2020年時点で米国が輸入する天然ウランの17%がロシアからのものであり、原子力発電の燃料の濃縮ウランの23%がロシアから供給されている。

燃料としては、核分裂しづらいウラン238を分離し、ウラン235の割合を3~5%に濃縮する必要がある。

天然ウランのロシア依存からの脱却は比較的容易だが、ウラン濃縮ではロシア依存からの脱却が困難である。

米国政府は一時、Rosatomへの制裁を検討したが、国内の原子力事業者に深刻な影響を与えることを危惧して、その実施を見送った。

ウラン、ウラン濃縮の世界シェアは下記の通りで、ウランそのもののロシアのシェアは低い。


      https://world-nuclear.org/



ウラン濃縮会社の世界市場シェア(2020年) operational and planned (thousand SWU/yr)

能力

TVEL Fuel 28,663 43% Rosatom傘下のAtomenergopromの子会社
URENCO

欧 14,900
米 4,700

29% 英政府、蘭政府、独電力連合(E. ON及びRWE)、
各1/3出資
Cogema 7,500 11% 仏Oreno(旧Areva)傘下
中国核工業 10,700+ 16%
日本原燃 75 六ケ所村
その他 170
合計 66,708

  source:https://world-nuclear.org/

TVEL Fuel:ロシア、中国、インド、イラン、アルメニア、ブルガリア、ウクライナ、フィンランド、
      スロバキア、ハンガリー、チェコ等にある原発への燃料の供給

ウラン濃縮は、Angarsk電解化学コンビナート、Ural 電気化学コンビナート、生産合同電気化学コンビナート、シベリア化学コンビナートのロシア国内4か所

カザフスタンとロシアなどのウラン鉱石が加工される。

URENCO:1971年に設立。濃縮工場は、英 Capenhurst、蘭 Almelo、独 Gronau、米ニューメキシコ州Euniceにある。

Cogema:ウラン濃縮は仏 Georges Besse II工場

中国核工業集団公司(CNNC):2013年に蘭州市のウラン濃縮工場で100%の国産化、実用化を実現

米国のウラン濃縮能力は近年一貫して低下している。 冷戦終結以降、核兵器に充填されていた高濃縮ウラン(濃度は90%以上)から転換された安価なロシア産低濃縮ウラン(濃度は3~5%)が大量に輸入されたことで、米国のウラン濃縮企業が壊滅的な打撃を被ったことが関係している。  

フィンランドは2023年に電力自給が完成する予定としているが、いまも18基のソ連製原発が稼働し、さらに、核燃料の供給も受けている。だが、ロシアのウクライナ侵攻で、核燃料を運ぶ鉄道網が寸断された。核燃料がなくなると、電力自給は不可能となる。

電力供給に占める原発の割合が5割前後と高いスロバキアとハンガリーは鉄道輸送途絶でパニックに陥った。

編み出した解決策はロシアからの空輸で、EUはロシア機の上空通過を禁じる措置を導入したが、特例でこれを認め、3月にスロバキア、4月にハンガリーに核燃料が運ばれた。

ハンガリーの原発は、ブダペスト南方にあるPaks原発のみ。旧ソ連時代の技術で1980年代に建設され、国内電力の半分近くを供給している。ロシアの核燃料は、以前はウクライナ経由で鉄道で輸送されていたが、これが利用できなくなったため、核燃料を積んだロシア機が、ベラルーシ経由でEU加盟国のポーランド、スロバキアの空域を通り、4月6日にハンガリーに到着した。

ハンガリーの Orban首相は4月6日にPutin大統領と電話会談し、ロシアから輸入する天然ガスの対価をルーブルで支払う用意があると表明した。

Lanxess と米国のプライベート・エクイティ会社で、化学業界における経験が最も豊富な世界でも有数の金融投資会社のAdvent Internationalは5月31日、高機能エンジニアリング樹脂のJVの設立を発表した。

両社はRoyal DSMからDSM Engineering Materials businessを買収する契約を締結した。JVの事業を構成することになる。

DSMのEngineering Materials businessはポリアミド(PA6, PA66) や特殊品(PA46, PA410, PPSなど) を扱っている。欧州、米国のほか、アジアでも強い。

買収価額は37億ユーロで、AdventのJV出資金と外部借入金で賄う。
年間売上高は15億ユーロ。

更に、Lanxessは自社のHigh Performance Materials 事業(ポリアミド、PBT、繊維強化プラスチック構造材Tepexなど)をJVに拠出する。この年間売上高は 15億ユーロ。

新JVはAdventが現金出資、Lanxessが事業を拠出するが、Adventは最低60%の出資となる。Lanxessは事業拠出で最低11億ユーロの現金とJVの株式40%弱を受け取る。

Lanxessはこの11億ユーロを借入金返済と自社株買い入れに使う。

なお、Lanxessは早くて3年後にJV持分全てをAdventに売却する可能性がある。


ーーー

LANXESSは2004年7月にBayerから分離独立した。

2006/9/6 Bayer と Lanxess

現在の事業は次のとおり。

1) Advanced Intermediates:中間体、無機顔料
2) Specialty Additives:添加剤子会社Rhein Chemie、樹脂添加剤、潤滑油添加剤
3)  Consumer Protection:香料、物質保護剤、液体処理、受託製造子会社Saltigo
4) Engineering Materials:High Performance Materials(今回拠出)、Urethane Systems


同社の以前の中核事業の一つであった合成ゴム事業は
Saudi Aramcoとの50/50JVのARLANXEOとしたが、その後、Aramco 100%とした。

2019/1/1 Saudi Aramcoと LANXESS のJV のARLANXEO、Aramco 100%に

ーーー

DSM2007年に新しい戦略 Vision 2010 Building on Strengths strategy を発表した。下図の緑色の部門を売却し、Life Sciences Materials Sciences へのシフトを進めるとした。

DSMは2021年9月に「Health, Nutrition & Bioscience companyになる」と宣言、エンジニアリングプラスチック等のMaterials 部門については売却を含めて、どうするか検討すると述べた。

2020年にResins & Functional Materials事業Covestroに売却している。

Materials部門で残るのは、ポリアミドと超高分子ポリエチレン繊維「ダイニーマ」などで、これらの売却を決めた。

ポリアミドについては売却先候補に宇部興産が挙がっていた。

2022/2/3 DSMの変身

今回、ポリアミド等についてLanxess /Advent International への売却をきめたが、残る「ダイニーマ」についても売却した。

特殊材料大手メーカーAvient Corporationは4月10日、Royal DSMとの間でDSM Protective Materialsを買収することで合意、契約を締結したと発表した。超高分子量ポリエチレンDyneema事業が含まれる。
買収金額は約14.85億ドル。

Avient Corporationは、オハイオ州に本社を置く特殊ポリマー材料のグローバルメーカーで、熱可塑性コンパウンド、プラスチック着色剤・添加剤、熱可塑性樹脂およびビニル樹脂が含まれる。

南太平洋の島しょ国など8カ国を歴訪している中国の王毅国務委員兼外相は5月30日、フィジーで島しょ国9カ国との外相会議をオンラインで開催した。


ソロモン諸島、キリバス、サモア、フィジー、トンガ、バヌアツ、パプアニューギニアの7か国と東ティモールの計8カ国を歴訪
ミクロネシア連邦、ニウエともオンライン形式で会談した。(当初はクック諸島も入った10カ国としていたが、参加していない)
台湾と国交を結んでいるツバル、マーシャル諸島、パラオ、ナウル4か国は除外している。

中国は、数百万ドル規模の援助、自由貿易協定の展望、中国市場への参入機会提供を提案。見返りとして、各国の警察の訓練、サイバー安全保障への関与、政治的関係の拡大、海洋地図の作成、天然資源の利用拡大を求めたという。  

経済面の連携強化などについては一致したが、中国側が求めていた安全保障での協力は合意できなかった。

中国は4月に艦船や軍隊の派遣を認める内容の安全保障協定をソロモン諸島と結んだ。ほかの島しょ国とも安全保障面での協力強化を模索しているが、今回の外相会議ではミクロネシア連邦が反対したとみられる。

ミクロネシア連邦大統領は他の当事国首脳に宛てた書簡で、中国側の提案は一見すると魅力的だが、中国に対し「われわれの地域への参入と支配」を許すものだと警告。提案は「不誠実」であり、中国による政治介入、主要産業の支配、通話や電子メールの大量監視が可能になると指摘した。  

ミクロネシア連邦(とマーシャル諸島、パラオ)は 元米国の信託統治領で、独立後、米国と自由連合盟約を締結しており、南太平洋諸国の中でも米国と特に緊密な関係にある。

中国外務省報道官は記者会見で「各国はより多くの共通認識に達することを目指して努力することに同意した」と述べ、協議を継続する意向を示した。

王毅国務委員兼外相は5月27日にキリバスでマーマウ大統領と会談し、「国交樹立以来、両国関係は発展し、国民に実質的な利益をもたらした」と強調した。キリバスは2019年9月に台湾と断交して中国と国交を樹立、中国はキリバスとも安全保障協定締結に向け交渉を進めている。

またサモア政府の声明によると、5月28日のフィアメ首相と王氏との会談では、経済や技術分野での協定を締結したほか、安全保障についても議論した。

一方、オーストラリアや米国は、中国の影響力拡大を警戒して巻き返しを図っている。バイデン米政権は5月26日、米国主導の経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」にフィジーが加わると発表した。

各国・地域名台湾国交Pacific Islands Forum中国
外相会議
自由連合
盟約
訪問会議
メラネシア パプアニューギニア
フィジー
ソロモン 2019/9断絶
バヌアツ
ポリネシア サモア
トンガ
クック諸島
ツバル
ニウエ
ミクロネシア ミクロネシア
キリバス 2019/9断絶
マーシャル
パラオ
ナウル
東チモール
豪州
NZ
米国

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