積水化成品工業は7月31日、神戸大学大学院工学研究科の南秀人教授らの研究チームと共同で、ポリイミドをシェルにした中空微粒子の量産が可能な製法を世界で初めて見いだし、「テクポリマー ポリイミド中空微粒子」の商業化技術を開発したと発表した。
今後、5G(第5世代移動通信システム)において、高速伝送回路の伝送損失抑制が見込める高耐熱な低誘電素材として期待される。
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積水化成品の「テクポリマー」は、独自の重合技術を用いたポリマー微粒子で、液晶ディスプレイの光拡散材や化粧品の添加剤、塗料の艶消し材など、さまざまな用途で使用されている。
同社はアクリル系中空微粒子として「テクポリマー NH」を市場投入している。
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ポリイミドは、高耐熱性に加えて機械強度・化学安定性・絶縁性に優れ、電気・電子材料や宇宙航空など幅広い分野で応用されている。
粒子内部に空気層を持つポリイミド中空微粒子は、絶縁性に優れ、軽量なため「高速大容量」「低遅延」「多数接続」などを特徴とする5G分野でも高い需要の伸びが期待されている。
しかし、ポリイミドは高耐熱であるがゆえに加工性に乏しく、特に中空粒子の作成報告例はこれまでほとんどなかった。
今回、研究チームはポリイミドをシェルにした中空微粒子の量産化技術を世界で初めて見いだし、絶縁性・耐熱性に優れた球状のポリイミド中空微粒子を開発した。
ポリイミド中空微粒子は絶縁性や軽量性、低密度、低屈折率などの特徴を有し、第5世代移動通信システムにおいて、低誘電素材として有望視されている。また化学的、機械的に安定であり、高耐熱性である特徴から、これまで中空粒子が使用不可能であった分野においても応用可能であると期待され、今後、実用化に向けてさらに開発を急ぐ。
"化学イミド化法によるポリイミド中空粒子の作製"
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