中国人の日本での温水洗浄便座購入

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2015年3月5日、中国の李克強首相は第12期全国委員会3回会議に出席する経済界や農業界の連合組織チームの委員と顔を合わせ、討論に参加した。

国家観光局前局長が、「観光産業の発展の潜在力をより一層発揮させ、さらに多くの産業の発展につなげることが必要だ」と述べたのに対し、李首相は、「中国の国民の消費水準は確かに上昇している」とした上で、中国人が海外に行ってトイレの温水洗浄便座を購入しているとのニュースを特に取り上げ た。

李首相は、 「開放的な態度で望むべきであり、貿易障壁には反対だ。消費者にはより多くの選択肢を享受する権利がある」とする一方、「中国企業はレベルアップが必要だ。もし国内にも同じような品質の商品があれば、競争力がより高まることになるだろう」と中国企業に奮起を促した。

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2015年11月12日付けの人民網日本語版は「大型飛行機が作れる中国はなぜ良い便座が作れないのか 」という題でこれを取り上げた。

中国が作った高速列車、有人潜水艇「蛟竜号」、月探査機「玉兎」、中国の職人は技能コンテスト世界大会においても金賞や銀賞を受賞している。
なのになぜ使いやすいボールペンを作るのが困難なのか?  国民が海外で買い漁っている便座がつくれないのか?

これに対する回答は下記の通り。

人的資源・社会保障部の副部長:

国家の立場からすると、その国が生産する製品の品質は実質的に熟練技術者のレベルによって決まる。

国のトップクラスの製品はハイクラスの人材が生産にあたっている。ボールペンが使いづらい背景にはやはり熟練技術職人の育成問題がある。我々は人材育成面において大きな差がある 。

中国はすでに生産実績において経験豊富な名人級の職人がいるが、これらの立派な職人の持つすばらしい技術をどのようにすれば後継者へと引き継ぐことができるのか。これは今の中国の製造業が真剣に向き合わなければならない問題だ。

中国社会科学院人口・労働経済研究所人的資源研究室の室長:

これはメイド・イン・チャイナの『重点分野はリードしているが、システム性が遅れている』という現状そのものを映している。

世界のテクノロジーの更新速度が速いが、企業はテクノロジーへの追随や研究開発、人材育成においてはタイムラグが存在する。中国にとっては専門技術者の人材不足が特に著しい。

現在、職業教育を含む技術職人の育成が直面する問題は、多くの若者やその両親は社会的評価が低いとみなし、この職業を選択することを良しとしない。
キャリアアップの道をスムーズにし、収入のレベルアップ、仕事環境の改善の3つの面から着手すべきだ。

中国航空工業集団公司の総経理補佐:

デザインから製品に転化させ、市場競争力のある製品にするには、全体的なプロセスとして、技術転化とスムーズな移転メカニズム、優良な製造保証、成熟した人材マーケット、信頼できる市場環境などが必要だが、現在中国の製造業の短所だ 。

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