Bayer、Monsanto買収の独禁法対策で、BASFに一部事業を売却

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Bayerは10月13日、Monsanto買収を考慮し、特定の Crop Science事業をBASFに59億ユーロで売却すると発表した。
売却事業の2016年の売上高は約13億ユーロ。Monsantoの買収の完了を条件とする。


付記 Bayerは2018年2月、EUの野菜種子事業の売却を考えていることを明らかにした。

EUは 買収承認時期を3月12日に延ばしたが、更に4月5日に延ばした。

付記 ブラジルは2018年2月7日、買収を承認した。(2017年10月の処理を条件に)

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Bayerは2016年9月14日、債務込みで約660億ドル(債務除きでは570億ドル)でのMonsantoの買収で合意したと発表した。

買収は2017年末までに完了する見通しであった。

しかし、EUは2017年8月22日、本件についてのin-depth investigation を開始した。
買収によって農薬や種子などの分野で、競争が損なわれ、販売価格の上昇や品質の低下、選択肢の減少、技術革新の停滞などにつながる懸念があるとの暫定的な判断を示した。

除草剤については、グルホシネートを問題とした。欧州ではこの分野で新しい製品や処方を開発できるのはBayer とMonsanto の2社であるとしている。

種子についても、両社が植物種子を育てるのに活発で、多くの種子で両社を合わせるとシェアが高く、特定の種子では両社が競合しているとした。

EUは2018年1月8日までに買収を承認するかどうか判断する。

2016/9/19 Bayer、Monsantoを買収 

Bayerは、EUの反応から、このままでは承認が難しいと判断、今回の事業切り離しで承認を一気に前進させる。

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売却する事業は次の通り。

1) 非選択性のアミノ酸系除草剤グルホシネートアンモニウム塩(製品名:Liberty®、Basta® 、Finale® ) 対象地域は全世界。

2) 下記の種子事業

北米でのハイブリッド キャノーラ油 InVigor®(LibertyLink® 技術使用:除草剤Liberty に耐性を持つ)
欧州での菜種(oilseed rape)
欧州、米大陸での棉(インドと南アは対象外)
米大陸での大豆
関連知財、設備、育種技術
LibertyLink® 形質 及び trademark
従業員1,800 人超 (主として、米国、ドイツ、ブラジル、カナダ、ベルギー。BASFは最低3年の雇用継続を約束)

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