オバマケア見直し 採決見送り

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オバマケアの見直しをめぐって、与党・共和党は新たな法案の採決を目指していたが、党内で再び反対意見が出て可決が見込めないことから、9月26日に採決を見送ることを決めた。

トランプ大統領は、「数人の共和党の議員には失望した」と述べ、不快感をあらわにした。

付記

トランプ米大統領は、議会共和党指導部が医療保険制度改革法(Obama Care)の廃止・代替の法制化に失敗したことを受け、自力でObama Care を骨抜きにする取り組みを開始した。

10月12日に、連邦省庁に対し、オバマケアの中核理念の多くを損なうような幾つかの措置を検討するよう指示する大統領令を出した。

Presidential Executive Order Promoting Healthcare Choice and Competition Across the United States

規制当局に対し、複数の中小企業が共同で州境を超えて保険を購入したり、Obama Careで縮小された短期保険プランを保険会社が販売できるようにしたりする規則などの策定を求めた。

大統領令に署名する際、「われわれはObama Careの大弊害を長い間、耳にしてきた。そして撤廃と代替についても長々と聞き続けている」と語った。


トランプ大統領は、オバマ前政権が導入した医療保険制度 Obama Careの見直しを重要な公約の1つに掲げた。

下院は5月4日の本会議で、共和党が提出した医療保険制度「オバマケア」の廃止と、これに替わる制度の創設を盛り込んだ法案(American Health Care Act)を賛成217、反対213の僅差で可決した。

2017/5/9 オバマケア代替法案 米下院が可決

しかし、上院共和党では穏健派が無保険者の増加につながると懸念する一方、保守派はオバマケア廃止には不十分と主張し、見解が割れた。

7月25日には代替法案の審議開始を承認したが、その後提出した3つの法案は、いずれも与党共和党員の一部の反対で否決された。
この結果、早期の法案可決を諦め、休会入りした。

2017/8/7 混迷の米議会、オバマケア代替法案を決められず、夏季休会入り


今回、Bill Cassidy及びLindsey Graham 上院議員が新たな法案をまとめ、今週中の採決を目指していた。

この案のポイントは、①Medicaidの連邦予算の大幅削減、②オバマケア保険を提供する医療保険会社への補助金の停止。

これにより、数百万人が保険を失うと試算され、民主党のほか、保険会社や医療関係者も反対を表明している。

上院(定数100)は今年度中の9月末までなら、60票ではなく過半数の賛成で法案を通過させることができる。しかし、共和党は52議席のため、3人が反対すれば可決できない。

米上院は4月7日、「核オプション」(nuclear option)と呼ばれる禁じ手(フィリバスター制度の変更)を使って、保守派のNeil Gorsuch を最高裁判事に指名した人事を 54 対 45 の賛成多数で承認した。

2017/4/8 米上院、異例の手続きで最高裁判事を承認

過半数の賛成での法案通過はこの関連と思われるが、不明。


先ず、政府の関与を最小限にすべきだと主張する保守強硬派のRand Paul 議員がいち早く反対を表明した。

一方で、低所得者向け公的医療保険の大幅縮小に反発したSusan Collins議員も反対に回った。

更に、米共和党の重鎮であるJohn McCain上院議員が反対票を投じることを明らかにした。

コストがどの程度になるのか、保険カバーにどのような影響が及ぶのかを知らないまま投票することはできないとし、共和、民主両党が法案策定にともに取り組むことが望ましいとの見解も示した。

3人の反対で、過半数を獲得できないこととなった。


10月からの新たな会計年度では、過半数で法案を可決できる特別なルールが当面、適用できなくなり、上院定数100のうち60票が必要となる。

民主党は公的医療保険の拡大を目指しており、協力は簡単ではない。

共和党幹部は当面は税制改革に集中する考えを示しており、医療保険制度の見直し議論はしばらく後回しになる。

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