ExxonMobil、中国で新しい石化コンプレックス、LNG受入基地も

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ExxonMobilは9月5日、広東省政府との間で、恵州大亜湾石油化学工業団地に石油化学コンプレックスを建設する協議を進める基本協力契約に調印したと発表した。中国での化学品に対する需要の伸びに対応する。

恵州大亜湾石油化学工業団地には中海シェル石油化学(CNOOC and Shell Petrochemicals Company Limited)の石化コンビナートがある。

2006/4/7 中国のエチレン合弁会社ー2

計画では、年産120万トンのエチレン(原料は多様化)、2基の機能性ポリエチレン系列、2基の機能性ポリプロピレン系列を含む。2023年の操業開始を目指す。

基本契約では、ExxonMobilがLNGの供給を含めて参加する意向の恵州LNG受入基地の建設に省政府が協力することも確認している。(本件については詳細を明らかにしていない。)

エチレンと誘導品で最先端の製造技術を使用し、中国の石油化学政策(自給自足の多様化した原料ソース、燃料と価格品のバランス是正、最先端の競争力ある技術)の達成に向け支援するものとなるとしている。

ExxonMobilは既に、福建省泉州に福建煉油(SINOPECと福建省政府の50/50JV)とSaudi Aramco との2つのJVを持つ。

①Fujian Refining & Petrochemical Company Limited 

福建煉油の製油所(4百万トン/年)を12百万トン/年に拡張し、石油化学コンプレックスを新設

出資:ExxonMobil China Petroleum and Petrochemical Company Limited 25%
  
Saudi Aramco Sino Company Limited  25% 
  
福建煉油Fujian Petrochemical Company)50%

製品: エチレン 80万トン→ 110万トン
PE 80万トン→96万トン
PP 40万トン→55万トン
芳香族 100万トン
パラキシレン 70万トン

②Sinopec SenMei (Fujian) Petroleum Company Limited.  ガソリン販売

 出資:Sinopec  55%
     ExxonMobil China Petroleum and Petrochemical Company Limited 22.5%
     Saudi Aramco Sino Company Limited 22.5%

2006/4/7 中国のエチレン合弁会社ー2


 

ExxonMobilでは、アジアでの需要の伸びに対応するため、他の石化計画も検討している。

同社では、アジア太平洋地区と北米での石油化学能力が40%程度伸びるとみている。13の新しい設備が加わるとみており、そのなかには同社のメキシコ湾岸拡張計画の一部である2系列のエタンクラッカーが含まれる。今回の計画はこの一環である。

同社は最近、テキサス州のBaytownで年産150万トンのエタンクラッカーの操業を開始した。

2014/6/20 ExxonMobil もエチレンとポリエチレン工場の建設開始 

同社とSABICは新しいJVを設立し、テキサス州で年産180万トンのエタンクラッカーを建設する。エチレングリコール、2基のPEプラントも建設する。

2016/7/28 SABIC とExxon Mobil、米国 Gulf Coast で石油化学JV構想 付記

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