米司法省、 T-Mobile と Sprintの合併を条件付きで承認

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米司法省は7月26日、ソフトバンクグループ傘下の米携帯通信4位 Sprintと、同3位T-Mobileの合併を条件付きで承認すると発表した。
新規参入をめざす衛星テレビ大手にプリペイド式携帯事業や周波数帯を売却することを条件に合併を認めた。

Nebraska、Kansas、Ohio、Oklahoma、South Dakota の5州がこれを承認したことも発表した。

司法省は反トラスト法(日本の独占禁止法に相当)の観点から審査していた。

平行して審査している米連邦通信委員会(FCC)は5月に
地方での通信網の整備やプリペイド事業の分離を条件に合併を認める意向を表明しており、近く正式に合併を認める。

FCCとは合併から3年間は値上げを凍結し、投資効率が低い農村部でも通信網を早期に整備する約束を交わした。

但し、一部の自治体が引き続き合併に反対している。両社はニューヨーク州などが提訴した差し止め訴訟が続く間は合併手続きを保留する方針だが、「2019年中にあらゆる問題を解決したい」と年内の決着を期待している。

米ニューヨーク州など10の自治体が6月11日、携帯大手の合併は消費者の不利につながるとして、T-Mobile と Sprintの合併を差し止めるよう米裁判所に提訴した。

訴訟はNew York、California両州が中心となり、Colorado、Connecticut、Maryland、Michigan、Mississippi、Virginia、Wisconsin、Washington DCが名を連ねた。

付記 その後、次の5州が加わり、合計15州(DC含む)となった。Texas、Hawaii、Massachusetts、Minnesota、Nevada

司法省は承認条件として、Sprint のプリペイド式ワイヤレス事業(Boost Mobile、Virgin Mobile、Sprint prepaid)をコロラド州の衛星テレビのDish Network Corp.へ譲渡することを求めた。Dish Networkが自身の5G networkを準備するまでの7年間、T-Mobile network に接続することも求めた。

両社はプリペイド事業と一部の周波数帯を総額50億ドルでDish Network に売却する。周波数帯の一部を明け渡すことで、合併会社の投資計画やサービス導入に影響が出る可能性がある。

Dish Network の衛星テレビはインターネット動画配信の台頭により利用者離れが続いており、新たな成長分野として携帯事業への参入をめざしてきたが、単独での通信網の構築に苦戦していた。

司法省は、Dish Network を新たな携帯電話事業者として参入させることで、競争環境を維持する。

ソフトバンクGは米事業の経営権を手放し、リスクを切り離す。4兆円超の負債を抱え、経営に行き詰まりをみせていたSprintへの出資比率を27%に引き下げ、持ち分法適用会社にする。

投資先の1つにとどめ、投資会社化を加速する。 別稿 「ソフトバンク・ビジョン・ファンド2」設立 参照

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ソフトバンクグループ傘下で米携帯4位のSprintと同3位のT-Mobile US、Inc. は2018年4月29日、経営統合することで合意したと発表した。

ソフトバンクとT-Mobileの親会社ドイツテレコムが互いに主導権を主張し交渉は難航したが、統合会社をドイツテレコムの連結対象にすることで決着した。

統合は株式交換によって行い、Sprint 1株に対して、T-Mobile US株 0.10256株を割り当てる。
統合会社の社名は「T-Mobile」とし、T-MobileのCEO が統合会社のCEOとなる。

統合会社の持株比率はドイツテレコムが41.7%、ソフトバンクが27.4%となる。

取締役は14人で、ドイツテレコムが9人、ソフトバンクグループが4人を指名する(残り1名は中立系)。ソフトバンクグループの孫正義社長とSprintのCEOも取締役に加わる。

次世代通信規「5G」の競争に備え、規模拡大によってVerizon CommunicationsとAT&Tの上位2社に対抗する。

2019年半ばまでの取引完了を目指したが、承認取得が難航していた。




2018/5/2 ソフトバンクとドイツテレコム、子会社 Sprint とT-Mobile USの統合で合意 

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