東芝再編、4陣営に絞り込み?

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東芝は2022年4月21日の取締役会で、パートナー候補となりうる潜在的な投資家やスポンサーから、企業価値向上に向けた戦略的選択肢(非公開化を含む)に関する提案を募集することを決議した。

同日から、フィナンシャル・アドバイザーの野村證券を通じて、提案の提出を前向きに検討する意向を示すパートナー候補との協議を実施し5月30日を期限として、法的拘束力のない提案の提出を要請してきた。

6月2日現在、非公開化に関する初期的な提案を8件、上場維持を前提とした戦略的資本業務提携に関する初期的な提案を2件、受領している。これらの提案は、いずれも法的拘束力を有するものではなく、ビジネス・法務・財務・税務その他の詳細なデューディリジェンスは、実施されていない。

東芝は7月19日の取締役会で、上記の10件のなかから第2次入札プロセスに招聘する複数の本パートナー候補を選定した。非公開化関する提案と、上場維持を前提とした戦略的資本業務提携に関する提案が含まれている。

今後、選定された本パートナー候補がデューディリジェンスを実施する。ただ、入札から離脱したファンドの再合流や、新たに事業会社が参画する可能性もあり、再編の枠組みはまだ見通せない。

東芝は原子力や防衛関連事業など経済安全保障上の重要技術を持っており、外国資本の経営参加を規制する改正外為法で審査対象となっている。経済産業省などは「国内勢の参加が不可欠」と判断している模様。

関係者によると、「国内外のファンド4社程度に絞られた」という。

報道では、下記の各社が選ばれたとされる。

1.産業革新投資機構(JIC) / 日本産業パートナーズ(JIP)
    なお、東京電力ホールディングスがこれに参加する検討をしているとされる。

2. 米大手投資ファンド Bain Capital

東芝の筆頭株主で旧村上ファンド出身者がシンガポールで設立した Effissimo Capital Managementは、Bain Capitalが東芝株を公開買い付けした場合、保有株をすべて応募する方針であることが、Effissimoが3月31日に関東財務局へ提出した変更報告書で明らかになった。

2022/4/5 Bain Capital が東芝の買収を検討

3. 欧州拠点のCVC Capital Partners

4. カナダのBrookfield

各社が東芝に提示した買収価格は一株5000円台後半から6000円前半とみられるが、一株7000円の高額な買収価格を提示していたアジア系ファンドは、資金的に実現性が乏しいことなどを理由に二次選考には進めなかった。

買収候補として有力視されていた米投資ファンドのKKRが再編案の提出を見送った。

KKR関係者は、「東芝の株価が高すぎる。外為法への対応など不確実性もあり、コストに見合わない」などと話している。

東芝の7月19日の株価は5301円。
2021年4月にCVC Capital Partnersが買収提案をした前日の株価は3830円で、
約30%のプレミアムを加え、1株5000円での買い取り価格を提案した。

2021/4/14 英投資ファンド、東芝に買収提案 

4陣営は2カ月程度のデューデリジェンス(資産査定)を経て、正式な提案を出すかどうかを判断する。東芝が提案を受け入れるかどうかの判断は今秋になる見込み

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