北米のクロルアルカリの状況

| コメント(0)

アメリカのクロルアルカリメーカーのOlin Corporation 21日、同業のPioneer の買収を発表した。取得価額はネットで411百万ドル。
これにより、
Olin は北米クロルアルカリの4位から3位にアップするとともに、カナダ東部やアメリカ西部などにも地域を拡大する。

また、Pioneer は北米最大の工業用漂白剤メーカーでもある。

両社の電解工場と能力は以下の通り。(地図にはPioneer の漂白剤工場所在地も表示)
Nevada Henderson工場は元 Stauffer Chemical の工場)

  塩素能力
Short Tons
Niagara Falls, NY      281
Charleston, TN      270
Augusta, GA      120
McIntosh, AL      401
McIntosh, AL
(50% Sunbelt*)
     146
Olin 計)    (1,218)
Dalhousie, NB      36
Becancour, Quebec      340
St. Gabriel, LA      246
Henderson, NV      152
Pioneer 計)     (774)
Total     1,992

* Sunbelt Chloralkali PolyOne(旧 Geon) とOlin の50:50 JV

Olin社はクロルアルカリのほかに、銅合金とWinchester印のスポーツ用銃弾の事業を行っている。
クロルアルカリについては塩素、苛性ソーダとも外販している。

Olinは以前はTDIの米国でのトップメーカーであったが、MDIを持たず、ポリオールのためのPOも持たないため、1997年にTDI と ADI イソシアネート事業をARCOに565百万ドルで売却した。
Olin はこの売却収入で自社株購入、借入金返済を行ったほか、DuPont との50/50JV(Niachlor)であったNiagara Falls 工場を買取った。このほか、アラバマ工場内に、PVC分野での主需要家のGeonとの50/50JV(Sunbelt)を設立している。

なお、同社は日本では旭硝子とのJVの旭オーリンを設立して旭硝子 鹿島工場内でPPGを生産していたが、Olin の事業売却に伴い、旭硝子100%の旭硝子ウレタンとした。

1999年にはスペシャリティケミカル事業をスピンオフし、Arch Chemicals として独立させた。  

ーー

同社の発表によると、北米のクロルアルカリメーカーの状況は以下の通り。

1位はダウ。
なお、2位のOccidental3位のPPGや、Olin 等、未だに水銀法電解が残っている。

- 

ーーーーーーーーーーー

* バックナンバー、総合目次は http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm

コメントする

月別 アーカイブ