武田薬品工業は12月6日、後発薬を扱う武田テバファーマの株式をイスラエルのテバファーマスーティカル・インダストリーズに譲渡すると発表した。今回の譲渡に伴い、現時点で約550億円を受けとる見込み。
テバファーマは同日、取得した株式を含む武田テバの全株式を2025年4月1日までに国内投資ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)が設立した㈱ジェイ・ケイ・アイに売却すると発表した。売却総額は明らかにしていない。武田テバはJWPの傘下に入ることになる。
JWP移管後の2025年9月に武田テバは社名を「T'sファーマ」へと変更する予定で、武田薬品が流通を担当する製品は、引き続き武田が担う。
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武田テバは、武田薬品とテバファーマが共同出資してジェネリック医薬品などを取り扱う会社として2016年に設立された。武田薬品は武田テバの株式49%を保有している。
2016年
テバファーマは「成長戦略に沿った決定だ。売却によって日本での革新的な医薬品事業に注力できるようになる」、武田薬品は「日本における医療用医薬品ビジネスの環境変化を踏まえ決定した」とコメントした。
テバファーマは2024年5月の決算説明会で日本の後発薬事業の売却を検討すると発表していた。
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医薬品卸のメディパルホールディングスは12月6日、ジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)が運営管理するファンドが設立したジェイ・ケイ・アイによる武田テバファーマの全株式取得を受け、ジェイ・ケイ・アイに対して直接又は間接に出資すると発表した。
出資割合は 20%となる予定。
同社は、JWPが管理・運営するファンドと共に、これまで後発医薬品メーカーである日医工(富山市)、および共和薬品(大阪市)への出資を実施しており、出資先において品質システムの継続的な改善を推進。加えて、計画生産等の取り組みを通じて、安定的かつ効率的に後発医薬品を提供するための生産流通モデルを構築してきた。
今回の出資を通じて、これまでの出資先との取り組みをさらに前進させ、必要な患者に品質の確保された後発医薬品を安定的に届けられる体制のさらなる発展を目指す。
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