米議会は例年と同様、2025会計年度(2024/10/1~2025/9/30)開始前に予算を通すことができなかった。
下院のジョンソン議長(共和党)は9月22日、9月末の予算切れによる政府機関の一部閉鎖の回避に向け、期間3カ月のつなぎ予算案を提示した。
トランプ前大統領が要求し、民主党が反対している米国有権者資格保護法案の条項を除外した。
トランプ氏に対する2回の暗殺未遂事件を踏まえ、シークレット・サービスに2億3100万ドルの追加予算を盛り込んだ。追加資金は「2024年大統領選挙活動を含む警護活動の遂行に必要な業務に充てられる」としている。
9月18日につなぎ予算を下院が否決したが、これは米国有権者資格保護法案条項が入っているためで、民主党に加え、共和党からも14人が反対にまわった。今回はこれを除外した。
与野党指導部は9月22日、「つなぎ予算案」で合意した。
その後、上院も78対18で可決した。
バイデン大統領が署名して成立し、11月の大統領選前に政府機関が閉鎖されて混乱する事態は回避された。
2024/9/25 米議会、大統領選挙後までの「つなぎ予算案」で合意
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そのつなぎ予算は12月21日で切れる。
米議会共和・民主両党の指導部は12月17日、2025年3月14日までの連邦政府予算を確保するつなぎ予算案を発表した。
法案は連邦予算を現在の約6兆2000億ドルに維持し、軍や航空管制官、医薬品の安全性から証券市場まで幅広い分野の規制当局のプログラムに資金を提供する内容。災害支援向けに1004億ドル 、農家支援に100億ドル、3月に発生したボルティモア港の事故によって崩落した橋の再建費用を連邦政府が負担などのの新たな緊急予算も含まれる。
トランプ次期大統領は12月18日、つなぎ予算案に反対するよう議員らに促した。政府機関が一部閉鎖される可能性が高まった。
声明では、(1)民主党への「利益供与」のないつなぎ法案とすること、(2)2025年1月2日から再び有効となる債務上限に関し、今すぐに引き上げを議論することの2点を求めている。
(2)に関しては、バイデン政権の間に解決することを要請しており、「2025年に債務上限に直面することを許したことは、議会共和党員によってこれまで行われた最も愚かで無能なこと」「トランプ次期政権で債務上限問題を解決しようとする愚かな共和党議員は予備選挙にかけられるべきだし、そうなるだろう」と激しく非難している。
2023/6に可決された法案の主な内容は下記の通り。
債務上限を2025年まで凍結
2023年1月19日に債務は31兆4000億ドルの上限に到達した。
下院議会は4月26日、連邦債務上限を最大1兆5,000億ドル引き上げ、連邦政府の支出を4兆5,000億ドル削減する法案を賛成217、反対215で可決した。
しかし今回、上限は変更せず、2025年1月1日まで凍結する。
ただ、議会が21日よりも前に行動を起こさなければ、国防総省や米航空宇宙局(NASA)のようなマスク氏の会社と取引のある機関を含め、幅広い政府サービスが中断されることになる。
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