BASF、上海でのTHF製造再開

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BASFは操業を中止していた上海のCaojing のTHF(tetrahydrofuran )プラントの操業を2009年の終りか2010年初めに再開する。

THFはPolyTHF(R)の原料で、PolyTHF は弾性スパンデックス繊維の原料となり、繊維用途以外にも熱可塑性ポリウレタン及びポリエーテルエステルエラストマーの原料として使用されている。

BASFは米国ルイジアナ州Geismar と ドイツのLudwigshafen 及び韓国の蔚山にTHFPolyTHF の工場を持っているが、これらの工場では他社と同様に1,4-ブタンジオールを原料としてTHFを製造している。
(四日市事業所でも主に中国繊維市場向けに
THF/PolyTHF を生産していたが、2006年上半期中に生産を終了した。)

2002年5月、BASFは上海のCaojing にある上海化学工業団地に、年産6万トンのPolyTHFおよび年産8万トンのTHFの統合生産設備を新設すると発表した。
ここでは BASFが新たに開発したブタンから直接THFを生産し、その後PolyTHFを生産するという独自の技術を初めて採用することとした。従来必要とされていた1.4-ブタンジオールの中間工程を省略することができる。

同設備は、世界最大のPolyTHF生産設備となり、急速な拡大を遂げている中国のスパンデックス市場に製品の供給を行っていくことを狙った。

2003年7月に起工し、2005年3月に先ずPolyTHF プラントが生産を開始した。隣接の THF プラントはその後立ち上げた。

しかし、THF プラントは2006年の第1四半期に技術的理由で停止し、その後スタートしていない。
2006年11月、同社はこのプラントの塩漬け(mothball )を発表した。
上海の
PolyTHF プラントには同社の海外のプラントからTHF を供給することとした。

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BASF は2007年9月、高弾性スパンデックス繊維や熱可塑性ポリウレタン及びポリエーテルエステルエラストマーなど、PolyTHF の使用が増加している分野を中心に、アジア太平洋地域におけるテクニカルサービス体制のさらなる強化を図るため、2007 年末までに、BASF ポリウレタンスペシャルティ社(中国)の上海浦東拠点に PolyTHF のアプリケーションラボを新設することを発表した。

最新のポリマー分析論を応用したさまざまな試験設備を用意し、個々の顧客ニーズに対応できるようにする。少量サンプル用のラボスケール合成設備も設置する。

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今回の生産再開に当たり、新しい設備を追加し、THFの原料としてブタンのほか1.4-ブタンジオール の使用も出来るようにした。
更に、THFとともに、無水マレイン酸の製造も可能となる。2010年初めからの実施を考えている。

同社ではこれにより、最も有利な原料の選択の柔軟性、PolyTHF の原料供給元の柔軟性、無水マレイン酸生産による新市場開発の3つの柔軟性を確保することになるとしている。

 

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* バックナンバー、総合目次は http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm

コメント(2)

BASFの発表によると、無水マレイン酸のようですが・・・。

間違いでした。修正しました。

有難うございました。

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