帝人、Cargill のNatureWorks に出資

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帝人とCargill 10月1日、世界初で最大規模の100%植物由来のバイオポリマーのメーカーで Cargill 100%子会社の NatureWorks LLCに帝人が折半出資することで合意した。

両社は、この提携により今後、NatureWorks 社のグローバルな売上拡大が加速し、製品がプラスチックおよび繊維の幅広い市場に向けて拡大していくことを期待するとしており、NatureWorks 社の米国のPLAポリマープラントの生産能力拡大を計画している。

帝人は、先般「環境経営宣言」を行い、「環境経営」戦略をグローバルに展開していくためにふさわしい投資先を求めていたが、NatureWorks 社は最適の投資先であり、帝人の繊維、フィルム、プラスチックコンパウンドにおける用途開発技術が、それぞれの分野での新市場開拓に貢献することができるとしており、Cargill もそれを期待している。

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1997年に Cargill Dow 50/50JVとしてCargill Dow LLC 設立された。

Cargill の
独自技術を植物中の糖質の加工プロセスに用いて、とうもろこしのような再生可能資源を原料にポリ乳酸(PLA:polylactide ポリマーを生産する。
Cargill のMinnetonka, Minn.にある年産能力3,000トンのパイロット・プラントを6,000トンに拡張した。、

ポリ乳酸は、トウモロコシなどの植物から取り出したでんぷんを発酵することによって得られる L-乳酸をモノマーとして重合させて合成するポリマーである。
発酵直後の乳酸には,L-体とD-体の二つの光学異性体があるが、L-体の乳酸から得られるポリマーが優れた特性を示すため、L-乳酸が合成原料になる。

2002年4月、Cargill Dow LLC Blair, Nebraska に界最初のグローバルスケールの工場の開設した。
能力は14万トンで、ブランド名を「NatureWorks®」とした。
Blair はコーンベルトのど真ん中に位置し、
Cargill が巨大なトウモロコシ加工処理工場を持つ。
その後、同社はこれを原料とするPLA繊維・
IngeoTM を発売している。.

2005年1月、 CargillCargill Dow LLC Dow の持分を取得することで合意した。
Cargill 100%子会社となった同社をNatureWorks, LLC に改称した。

現在は「NatureWorks®」および「Ingeo®」ブランドで、硬軟両タイプの生鮮食品用パッケージ、耐久消費財、飲料用パッケージ、衣料、ホームテキスタイル、パーソナルケア、衛生用品などの製品分野においてプロダクトイノベーションを実現している。

日本ではNatureWorks® 2004年6月にポリ衛協の「ポリオレフィン等合成樹脂製食品容器包装等に関する自主基準」のポジティブリストに追加され、食品包装用に使用可能となっている。

 

Dowの撤退後、生産設備を最大限生かす運転技術などポリマー知見に弱く、能力は14万トンながら実生産は7万トンで、世界的なグリーン対策への取り組みの活発化により、供給不足が深刻になっていた。

今回の提携を機に帝人も技術協力を行い、能力を14万トンに高める。

PLAポリマー事業にはすでに、ユニチカや東レといった国内の大手繊維・化学メーカーが進出しているが、帝人は、「すでに参入している企業に対しては競争相手というより、PLAポリマーの顧客として対応する」としている。

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* バックナンバー、総合目次は http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm

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