ダウのダイオキシン問題

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ダウのダイオキシン対策が問題となっている。

ダウはミシガン州Midland の本社工場で、何十年にも亘って、Tittabawassee 川に工場廃水を流していたが、それにダイオキシンとフラン類が含まれていることはダウも認めている。

この結果、川水及び川の氾濫に伴う周辺地域の汚染が問題となっている。ダウのMidland 工場の上流から始まり、下流のSaginaw 川、その氾濫地域、Lake Huron Saginaw 湾にいたる地域である。

EPAは昨年6月に本件をミシガン州環境局(Michigan Department of Environmental Quality)から肩代わりした。

EPAは昨年10月に Superfund 法に基づいて、ダウに対してクリーンアップ計画の提案を60日以内にするよう期限を切った。12月10日にダウは計画を提出し、EPAは残る問題を決着し最終合意を得るべく、期間を30日間延長した。
ダウは1月4日に修正案を出す予定であった。

EPAは1月4日、汚染のクリーンアップに関して、これまでダウとの間で続けてきた話し合いを取り止めると発表した。
クリーンアップをやめるのではなく、効果のない話し合いをやめるだけだとしている。詳細は秘密保持契約があるため、明らかにされていない。
EPAとしては、いろいろなオプションがあり、今後どうするか考えるとしている。

ダウ側はEPAの行動に対し驚きと失望を表明した。ダウとしてはEPAのガイドラインに沿ってクリーンアップを始めるべく、膨大な人的・金銭的資源の投入を用意していたとしている。

州の環境局は引き続きダウと話し合いを続ける。

昨年12月にはEPAの秘密メモが間違って流出した。
メモでは、ダウがクリーンアップをさせようとする州の努力を邪魔し、データや資料を隠し、公開すべき資料を秘密扱いとし、交渉を州の環境局とではなく州知事とするよう主張したり、ダイオキシンの危険性について住民をミスリードしてきたとし、政治家がダウのために介入し基準を弱めようとしたとしている。

これに対してダウでは、メモにあるのは昔の話しであり、最近では川の特にダイオキシンの濃度の高い部分(hot spot をクリーンアップしたり、洪水のあった場所で高いレベルのダイオキシンが見つかった300戸の土地をクリーンアップするなど、努力をしていると述べた。

確かに Hot spot は緊急措置としてクリーンアップされたが、1980年代の初めに議論が起こって以来、Saginaw Bay に至る50マイルの川及び洪水地のクリーンアップは未だに着手されておらず、住民の不安と、ダウ及び州当局に対する不満は高まっている。


* 総合目次、項目別目次は
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
  

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