中国、「両高一資」プロジェクトを制限

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「両高一資」とは、エネルギー消費・汚染・源消費型産業のことで、中国政府は少し前から、これを抑える方向で政策を進めてきた。

2007年7月1日から一部商品の輸出増値税還付政策を調整したが、調整の狙いの一つとして
「エネルギー消費量、汚染度が高い商品、資源性商品(材料となるもの)の輸出を抑制する」ということを上げた。
そして、エネルギー消費量、汚染度が高い商品、資源性商品(材料となるもの)553品目の輸出増値税還付を取り消した。

2007/6/28 中国、輸出抑制のため輸出増値税還付率を引き下げ

本年3月、中国政府は中国環境保護局を中国環境保護部への昇格を決定した。

過去30年間で、中国の経済発展モデルは、もともと破壊されやすい自然環境をさらに破壊しただけでなく、中国経済自身を侵食してきた。「局」が「部」に昇格することで、以前より影響力の強い発言権と、予算の増加によって従来よりも環境活動への取り組みは拡大される。

環境保護部はエネルギー消費量や汚染物質排出量が多く、資源消費型の「両高一資」建設プロジェクトを厳格に取り締まり、経済発展のバランスを高める方針を決めている。

環境保護部は各地域と企業から提出された環境評価報告を集中的に整理・審査を行なっており、この過程でエネルギー消費量と汚染物質排出量の大きいプロジェクトが厳格に排除され、産業構造の調整と遅れた生産設備の淘汰が推進された。

同部は最近、化学工業と火力発電所の計6件総額394億元のプロジェクトの審査を一時停止した。

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中国大手銀行の一つ、招商銀行の社長は本年1月、「人民日報」に寄せた文章の中で、中国の銀行が注意を払うべき4大リスクを指摘した。
グローバル化における金融リスク、マクロ調整によるリスク、突発事件や操作上のリスク、「両高一資」業界のリスクで、「両高一資」業界については、国内の環境保護基準および産業参入基準がいっそう厳しくなるにつれて、これらの業界の売り上げは落ち込むとし、これらの業界に対する貸付にも、かなり大きな不確定要素が出てくると指摘、銀行は「両高一資」業界に対する融資をさらに抑え、「グリーン融資」を前向きに押し進め、エコ社会の建設に貢献すべきだとしている。
 


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