中国本土と台湾の「三通」(海運直行便・直行チャーター便・直接郵便)がスタート

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大陸部側の海峡両岸関係協会と台湾側の海峡両岸基金委員会が11月4日に締結した海運直行便・直行チャーター便・直接郵便の「三通」が今月15日から正式にスタートした。

直行チャーター便
従来は週末チャーター便が香港飛行情報区を経由して大きく回り道をしなければならなかった。
しかし15日からは毎日直行便が運航する。北京から台北へのルートだと、1100キロ短縮される。
これにより、「両岸1日生活圏」が現実のものとなる

従来の週末チャーター便は大陸部の5都市で週に18便しか就航されていなかった。
今後は21都市で週54便が運航し、離着陸空港は4倍以上、便数は3倍に増えた。

しかし21都市のうち、直線の「北ルート」を飛行できるのは12都市のみで、廈門など華南地区の9都市は依然として香港を経由しなければならない。

直接郵便
大陸部と台湾の郵便物については、これまで直接郵送ではなく、香港や日本などを経由する必要があった。
台北から北京や上海へは速達で 5~7日、普通郵便だともっと時間がかかった。

今後は空輸や海運により郵便物が互いの郵送処理センターに直接輸送されるようになる。直接郵便の実施によって郵便物の輸送時間だけでなく、コストも節約できるようになる。

従来大陸部と台湾間では書簡しか取り扱っていなかったが、今後は書簡のほかにも小包やEMS、郵便為替の業務も行われる。

海運直行便
大陸部と台湾を往来する船は日本の石垣島など第三の地に寄港する必要があったが、海運直行便が始まれば、大陸部と台湾を往来する船は第三の地を経由する必要がなくなる。

台湾の「大陸委員会」の統計によると、海運直行便は毎年約8億2千万台湾ドルの輸送コストと、約半分の輸送時間を節約できる。
今回開放される港湾は、大陸部では大連、上海などの63カ所、台湾では高雄、基隆の11カ所にのぼる。


但し、市民の期待する双方向の、全面的かつ直接的な「三通」とはまだ隔たりがある。
専門家は、「まず航空チャーター直行便は非商業的な運航で、過渡期の特殊な状態にある。次に双方の通商には大陸部の企業が台湾に投資できないなど、依然として非合理的な数多くの制限がしかれている。こういった点を今後双方が話し合いで解決していく必要がある」と指摘している。

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台湾のFPCは、浙江省寧波市の北崙経済技術特区で石油精製10百万トンとエチレン120万トン、プロピレン60万トンを建設するという悲願を持っているが、政府から、台湾海峡横断のエチレン等の直接輸送を認めるとの約束が得られたことから、この計画を取り止め、原料を麦寮のコンプレックスから送ることにする可能性がある。

2008/4/16  台湾プラスチック、寧波エチレン計画取り止めか

 


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