ASEAN共同体、2015年に実現

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ASEAN首脳会議が10月23日、タイ中部フアヒンで開幕した。

初日のASEAN首脳会議では、域内の人権の擁護・向上に取り組むASEAN政府間人権委員会(AICHR)が正式発足し、気候変動問題や食糧安保問題、自然災害などについて一致して取り組むことで合意した。
2015年の実現を目指す「
<p><p>HTML clipboard</p></p>ASEAN共同体」への取り組みを急ぐことも確認した。

ASEAN議長国タイのアピシット首相は、2015年に実現するASEAN共同体に明確なビジョンが必要だとのべ、「行動、結合、人間」の3点を提唱した。
ASEANの成果として、「憲章に基づく機構」へと進化し、共同体の3本柱ごとの評議会設置など機構面で前進していることを指摘した。

ASEAN共同体は
 政治・安全保障(ASEAN安全保障共同体:ASC)
 経済(ASEAN経済共同体:AEC)
 社会・文化(ASEAN社会・文化共同体:ASCC)
という3つの柱による協力から構成される。

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また、東アジア首脳会議(EAS)に参加する6カ国(日・中・韓・インド・豪州・NZ)とASEANとの自由貿易協定締結が完了し、EAS規模の地域FTAを模索する時期にきたとのべた。

日本:2008年12月1日、包括的経済連携(AJCEP)協定 発効
     2007/11/29 
日本とASEANの包括的経済連携協定の交渉妥結

中国:2005年7月1日、FTA発効
      2007年サービス分野発効
     
2009年8月投資協定に署名、2010年1月1日に発効   

韓国:2007年6月1日、FTA発効
      2009年サービス分野発効、投資分野合意
 

インド:2009年8月13日、FTA締結。2010年1月発効<p>HTML clipboard</p>
     
2009/8/17 ASEANとインドFTA締結     

豪州・ニュージーランド:2009年2月27日、ASEAN・豪州・NZ自由貿易協定(AANZFTA)に調印<p><p><p><p><p>HTML clipboard</p></p></p></p></p>
    2010年1月1日に発効

24日には日中韓3国首脳とのASEANプラス3首脳会議、25日には、インド、オーストラリア、ニュージーランドが加わった16カ国による東アジア首脳会議が開かれた。

鳩山由紀夫首相は24日の首脳会議で、「開かれた地域協力の原則に立ち、東アジアへの協力を着実に進めたい」と東アジア共同体構想への賛同を求めた。

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1996年のジャカルタでの第1回ASEAN非公式首脳会議において2020年までのビジョンASEANビジョン2020 の起草に合意。97年のクアラ・ルンプールでの第2回ASEAN非公式首脳会議において採択された。

2020年までの20余年間における地域の発展及び域内協力を通じた豊かな生活の達成についての展望を示した未来志向の中期計画で、政治・安全保障、経済協力、文化等全ての分野を包括する地域協力の在り方を提示した。

(1)東南アジア諸国間の協調

  • 調和がとれ紛争のない平和と安定の時代を志向。
  • 平和的手段による問題(Differences)の解決を堅持。
  • 核兵器及び大量破壊兵器の排除を希求。
  • 人材育成及び天然資源の開発により繁栄を共に享受することを期待。

(2)ダイナミックな発展のためのパートナーシップ

  • 域内の緊密な経済的統合を志向。
  • 持続的かつ衡平的な成長を重視しつつ、域内各国及び地域の強靱性(Resilience)の向上に貢献。
  • 貧困の撲滅及び生活水準の平均化を図るため、域内各国間の発展レベルの格差を縮小することを期待。
  • 人材及び潜在的な能力(Human Potential)の開発を含む全ての分野で域内の経済協力を推進。

(3)Caring Societyとしてのコミュニティ

  • 歴史的及び文化的遺産の絆を踏えた、共通の地域的なアイデンティティにより結びつけられたコミュニティの構築。
  • 性別、人種、宗教、言語または社会的・文化的出自にかかわず、全ての人が人間として向上・発展するための公平な機会を享受することを期待。
  • 飢餓、栄養失調、略奪、貧困の面での問題がなく、強い家族の絆が支える社会の構築。
  • 社会的弱者(Disadvantaged groups)に対し特別な支援と社会的正義を供するとともに、法の支配が優先する社会の構築。
  • 不法な薬物の撲滅の推進。
  • 人材の資質向上を伴う科学技術の振興。
  • 天然資源の持続的開発を通じた地域環境の保護。

(4)外に目を向けるASEAN

  • 域外に目を向けるとともに、国際場裡において中心的役割を果たす。
  • 相互尊重に基づく、対話国との関係の強化。

2003 年の第二ASEAN 協和宣言Declaration of ASEAN Concord II<p><p><p><p><p><p><p><p><p><p><p><p>HTML clipboard</p></p></p></p></p></p></p></p></p></p></p></p>ASEAN 共同体(ASEAN Community)2020年に創設することを決めた。

ASEAN共同体は「政治・安全保障」、「経済」及び「社会・文化」という3つの柱による協力から構成される。 

ASEAN安全保障共同体(ASC)は、個々の外交政策を追求する加盟国の主権的権利を認め政治・経済・社会的な現実を考慮しつつ、軍事協定、軍事同盟又は共同外交政策より も、ASEANビジョン2020に従った、幅広い政治的、経済的、社会及び文化的側面を有する包括的安全保障の原則に同意する。

ASEAN経済共同体(AEC)は、2020年に財貨、サービス、投資、資本の自由な流れ、平等な経済開発と貧困・社会経済格差の削減が存在する安定し繁栄し競争的なASEAN経済地域を創造する「ASEANビジョン2020」の経済統合という最終目標を実現するものである。

ASEAN社会・文化共同体(ASCC)は、「ASEANビジョン2020」の目標設定と調和し、福祉社会の共同体としてパートナーシップで共に結ばれた東南アジアを構想する。

ASEAN は、2007年1月13日、フィリピンのセブ島で第12回首脳会議を開催した。20を数える多くの宣言と協定、議定書などが調印された。その中でASEAN 共同体を5年前倒しし2015年に創設すると決定、ASEAN 憲章の制定に向けて一歩踏み出した。

 

ASEAN経済共同体とEUの比較
  AEC EU
関税撤廃  ○  ○
共通対外関税  X  ○
非関税障壁撤廃  ○  ○
サービス貿易自由化  △  ○
規格・標準の統一、相互承認  △  ○
人の移動  △  ○
投資自由化  ○  ○
知的所有権保護  ○  ○
競争政策  △  ○
税制(付加価値税)調和  X  △
域内協力  ○  ○
共通通貨  X  △
主権制限(市場統合における)  X  △

参考 ASEAN関連文書


* 総合目次、項目別目次
 http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


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