孫正義氏の自然エネルギー財団とメガソーラー計画

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ソフトバンクの孫正義社長は4月20日、太陽電池など環境エネルギーの普及を促進するため、「自然エネルギー財団」を設置すると発表した。世界中の科学者ら約100人に参加を促し、政府への政策提言などを行う。

福島第1原発の事故を受け、自然エネルギーへの転換を主張。東日本大震災の被災地域を中心に「東日本ソーラーベルト」を作る構想などを提案したほか、普及促進策として自然エネルギーで発電された電力の全量買い取り制度の導入も求めた。

「太陽電池の輸出国として世界最大のソーラーベルトを作ろう。もう一度日は昇る。希望あふれるビジョンを作ろう」と語った。

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ソフトバンクは大規模太陽光発電所(メガソーラー)を全国に10か所建設する計画を検討している。

一般家庭6万世帯分の電力をまかなう計200メガワット規模のメガソーラーを開業させる。
シャープなどが太陽光パネルを供給。総額約800億円を見込む建設費用はソフトバンクが大半を負担するが、自治体に各1億円程度を出資してもらうことも検討するという。

埼玉県の上田清司知事は5月21日、ソフトバンクが79億円、県が1億円を拠出して県内に建設する方針で調整を進めていることを明らかにした。

関東地方知事会には5月25日に説明する。
関西広域連合は、大阪府の橋下徹知事の仲介で、5月26日に大阪市内で開かれる広域連合の会合に孫社長を招き、協議する。

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これとは別に、孫正義氏は個人的に、東日本大震災の被災者支援や復興資金として100億円を寄付する。

このうち40億円は、ソフトバンクや被災自治体が6月上旬に設立する公益法人「東日本大震災復興支援財団(仮)」に寄付し、震災遺児や被災地の非営利組織(NPO)活動の支援などに使ってもらう。

残りの60億円の寄付先は、日本赤十字社と中央共同募金会に10億円ずつ、日本ユニセフ協会など震災遺児への支援を行う公益法人に計6億円、岩手、宮城、福島3県には10億円ずつ、茨城、千葉両県には2億円ずつとなっている。

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孫正義氏は4月22日、ソフトバンク本社で行われた自由報道協会主催の会見で構想を明らかにした。 

   会見の詳細 http://news.livedoor.com/article/detail/5514784/ 
   
説明資料   エネルギー政策の転換に向けて

概要は以下の通り。

  日本はまさに国難の時

震災が起きる前は、原子力発電について、賛成、反対の意見も持っていなかった、考えたこともなかった。恥ずかしい話だが、電気はあって当たり前だと思っていた。

ちょうど1年ほど前、運転開始から40年を迎える福島第一原発1号機について、さらに20年間安全に運用できると東電が判断、国に受理された。--- その時に運転を止めていれば、今回の事故は起こらなかった。

今後は稼動40年で原子炉を廃炉していくとして、原発の新規建設も凍結するとなれば、当然、電力は足りなくなる。その代替エネルギー案を考えなければ、建設的な議論はできない。

国のエネルギー白書には原子力の発電コストがKw当たり5~6円で一番安いと書いてあるが、原発の設置許可申請書に書かれた発電原価は15円前後。これは電力会社が申請した数字だ。矛盾している。

今回の事故を受けて保険コストも跳ね上がる、地域対策費も上がる。原子力発電は割高な発電方法なのだ。

  

  エネルギー政策転換の年

2011年をエネルギー政策転換の年と位置付け、個人としての寄付10億円で自然エネルギー財団を設立する。

これはスタートの原資として、世界100名のトップ科学者との意見交換の場を作る。シンクタンクのようなもの。
自然エネルギー発電にはいろいろある。どれがいいのかはこれから勉強して行く。

   太陽光発電

太陽光発電を否定する意見の多くは、曇りや雨のとき、発電出来ないというもの。しかし、天気の悪いときには、火力発電を使えばいい。バッファとして考えている。

他国では太陽光発電がどんどん伸びている。なぜか。それは電力会社が作った電気を買い取るから。政府の方針で、電力会社に買取の義務を負わせた。作った電気を全て買い取る、全量買取制度の制定が今何より優先されなければいけない。

   風力発電

世界では伸びている。日本ではまったく伸びない。
これも、電力の買い取り価格を低く設定し、採算が合わないようにしている電力会社の思惑のせいだ。

北海道や東北、九州の潜在的発電能力は、日本全国の電力需要を満たすほどの量がある。


   地熱発電

世界の地熱発電設備の75%は日本製。なのに日本で地熱発電が進まないのも、電力会社の買い取り価格が不当に安いため。

地熱資源地の82%は国立・国定公園内にあり、自然公園法で開発を制限している。国がその気になれば、開発はすぐに始められる。

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自然エネルギー財団では、日本の風土に一番合った発電方法を精査し、提言して行く。

「40円/Kwhでの電力の買取を20年間の全量買取。」
この1行の法案で、日本の電力は解決する。

2011年エネルギー政策転換の年、批判に終わらない、建設的な議論をしましょう。

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なお、説明資料のなかに、原発と太陽光発電のコストが逆転との図がある。

出典 John O. Blackburn and Sam Cunningham,
Solar and Nuclear Costs - The Historic Crossover - Solar Energy is Now the Better Buy, NC WARN, (July 2010)

これについては池田信夫氏がブログで批判している。(再生可能エネルギーは原発の代わりにはならない

彼の引用しているNC WARNなる反原発団体のパンフレットの数字には、何の客観性もない。
たとえばアメリカのエネルギー省の予測では、2016年でも太陽光(Solar PV)のコストは原発(Advanced Nuclear)のほぼ2倍だ。

しかもこれはワットアワーの比較である。原子力はコンスタントに電力を供給できるが、太陽光発電の稼働率は12%。今回の計画停電のような 夜間のピークには役に立たない。

したがって孫氏の話の前提が間違っているのだが、かりにそれが正しいとしても、アメリカで起こったことが日本で起こる保証はない。再生可能エネルギーには 広い土地が必要で、日本の面積はアメリカの1/25。しかも平地がその3割しかなく、アメリカのような砂漠はない。

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孫氏は会見ではこの資料には触れておらず、原発と太陽光発電のコストが逆転したとは言っていない。

原子力の発電コストがエネルギー白書にあるKw当たり5~6円ではないのではないか、今回の事故を受けて保険コストも跳ね上がる、地域対策費も上がるため、原子力発電は割高な発電方法なのだとしているだけ。

こんな資料もあるといっているだけではないか。


目次、項目別目次

  http://www.knak.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。

原油、ナフサの価格情報は http://www.knak.jp/


コメント(8)

休眠農耕地と言えど、祖先が子孫のために耕し残した大切な食料生産工場です。
一旦、広範囲に太陽電池パネルを張れば、そこに宿る土壌菌や微生物は死滅して、農業生産の再開は無理になります。
食料の自給時代を迎えて、成功者の資金を当てにしている地方自治体の長も軽い人が多いことには驚きです。(素人同士だからしょうがないかも) また、高い電力を電力会社が買い取るよう主張しているようですが、犠牲になるのも国民で、税金と高い電力料金の負担になることも考えてください。
いまこそ日本は海洋国家ですから、有り余る膨大な海洋エネルギーを利用するべきです。
自治体のみなさん、もっと視野を広げて、海洋、発電、水素、アンモニア、貯蔵、輸送、など技術検索をしてください。これからの日本が歩む選択手段は沢山存在ヒットしますよ!

もう使う気がないならよいと思いますよ。

孫社長のメガソーラー計画、素晴らしと思います、現在住宅当の太陽光の有効りようは少しずつでも普及している状況では有りますが、発電事業は国策と言う観点の中、民間企業レベルに波及させようと、御尽力している姿、感動しております。
私は、現在、北海道札幌市在住ですが、道内に、休眠農地を所有しております。
北の大地を試してみませんか? 少々過酷な地域ですが、今後の開発のテストをするには、打って付けの土地だとおもいます。手始めに2400坪をご用意いたします。
私も、孫社長の計画に深く感銘を覚え賛同する意思でございます。
ご興味が御座いましたらご一報ください。

すごく残念なのは、本当にいろいろ勘違いしている人が多いことです。
多く見かけるのは、孫氏が自分の懐からキャッシュでメガソーラー発電所を設置する、と思い込む勘違いです。
現在、公表されているものでは、ソフトバンクの利益を使って子会社を作り、その子会社で設置運営するとのこと。自然エネルギー財団という財団と、この子会社は別物です。ソフトバンクは債務がかさんでおり、利益は本来、借入金や社債を変換することや、被災地の中継局の修理、再整備や、もともとつながりにくいという携帯電話の回線の品質向上にあてられるべきお金です。

岐阜県は孫さんのプランへの参加を見送るそうです。試算の結果、住民負担が大きいことを懸念しています。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110720/trd11072001100000-n1.htm

自然エネルギーの利用は発展させたいですが、参加検討の自治体は、せめてこの程度の試算をしてから判断すべきだと思います。
特に北海道は苫東や夕張など、過去にずさんな開発プランに乗って大きな失敗をしているのに、真っ先に参加表明していて、またザル勘定?と心配になります。

DOE/IEAの表ですが、30年で投下資本を回収するという前提での電力単価計算ですから、capacity factor 25%で計算したという意味では有りませんか?

福島原発周辺、10kmから20km圏の被爆量の少ないところを選んでソーラー畑にします。国が企業入札をし開発費補助をします。

新たな代替エネルギー、自然エネルギーになる、発電方法は我々が既に開発しており、特許申請中です。

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