中国で工場の環境汚染相次ぐ

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中国で工場の環境汚染問題が多発している。

次の2件は単なる事故ではなく工場側の不当行為によるもので、当局の姿勢にも批判が出ており、今後の当局の対応が注目される。

1)江西省蓮花県

江西省萍郷市蓮花県にあるアロイ等を生産する隆森實業公司で8月16日、鉛やクロムなどの有害物質を排出しているとして操業停止を求めた住民数千人が出入り口をふさいで抗議し、警官隊との衝突で20人以上が負傷した。

工場周辺では、住民が鉛中毒の疑いで死亡するなど、工場で生産される鉛やクロムによるとみられる中毒症状が拡大。付近の川でも大量の魚が死ぬなどしたため、住民らが省政府にたびたび操業停止を求めていた。

住民は、工場側が賄賂を贈り、住民の要求を抑えたと批判している。

香港の人権団体「中国人権民主化運動情報センター」が最初にこれを報道し、ニューヨークに本部を置き、衛星放送で世界中で視聴できる中国語専門のテレビ局 新唐人テレビ(NTDTV )も記者を派遣し、詳しく報道した。
  日本語版 
http://www.ntdtv.jp/ntdtv_jap/environment/2011-08-20/632843263169.html

インターネットでも情報が飛び交っている。

8月14日に大連市で化学工場の移転を求める大規模デモが起き、地元当局が即日、工場移転を約束した。

2011/8/15 中国・大連で化学工場の撤去求め デモ

このまま住民の抗議を無視するわけにはいかないと思われ、今後の江西省当局の対応が注目される。

 

2)雲南省曲靖市

8月12日、雲南省曲靖市陸良県の化学会社 陸良化工実業公司工場が5000トン余りの重金属クロムスラグを違法に投棄し、汚染された水が南盤江に流れ込んだとの情報がネットを駆け巡った。

工場の排水口付近には3千人が暮らしており、2002年ごろからがん患者が増加した。

 

市当局は8月15日、工場がクロムを不当に廃棄したことを認めた。
2人のトラック運転手が輸送費節約のため道端に捨てたとし、2人は既に逮捕した。汚染されたのは現地で使われていなかった溜め池で、その面積もわずかの100立方メートルにすぎないとし、南盤江の水質をモニタリングしたところ、何ら異常は認められないとしている。

新華社は以下の通り問題点を列挙している。

 ・陸良化工はクロムの残渣を過去17年間処理せず、野積みしている。
 ・このような大規模な有害物質の廃棄を規制当局が知らない筈はない。なんらかの不正があったのではないか。
 ・当局が水質に異常は認められないとしたのはおかしい。隠そうとする意図があるのではないか。

中国中央政府・水利部の珠江水利委員会は8月17日、陸良化工の不法投棄で、「人畜の飲用水の安全に、深刻な影響が発生している」との調査結果を明らかにした。

陸良化工は4月から6月までの間、重金属であるクロムを含む汚泥を曲靖市内3カ所で、計5000トンを不法投棄した。現地では干ばつが続いているが、6月に降った少量の雨にクロムが溶け出し、周辺地域の川や地下水を汚染した。

調査チームは曲靖市および隣接する昆明市の河川で水質を検査した。今のところ汚泥が廃棄された周辺以外で六価クロムは検出されていないが、現在は干ばつであるために汚染が広がっていないだけの可能性もあり、今後も厳重な警戒が必要という。

陸良化工の社長は「2003年に当社を買収したが、その時すでに汚泥は屋外に積まれていた。合計で28万8400トンになる計算だ」と述べた。
同社はその後も汚泥を屋外に放置し続けた。操業を開始した1989年から数えると、22年にわたり猛毒の六価クロムを含む汚泥を屋外に積んでいた計算になる。


新唐人テレビ(NTDTV )の上記のホームページ (中国語版)は、南盤江付近の状況のビデオを掲載している。

 




 

 

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