エジプトCarbon Holdings社と三菱商事/千代田化工の石油化学計画

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エジプトのスエズ湾に面したAin Sokhnaで大規模な石油化学計画が進められている。

エジプトの私企業のCarbon Holdings社がエチレン・PE計画と、メタノール・アンモニア・硫安計画を並行して進めている。
メタノール・アンモニア計画は三菱商事と千代田化工のJVが担当する。


(エチレン・PE計画)

Carbon Holdingsは2010年10月、Foster Wheeler USA Corp. との間でポリエチレン設備建設のコンサルタント契約を締結した。

Unipol法PE技術を導入し、45万トン3系列(1系列はHDPE、2系列はLLDPE/HDPEのスイング)の合計135万トンのプラントを建設、2015年のスタートを目指している。

原料エチレンについては、2009年にUS Trade and Development Agencyが、Carbon Holdingsの子会社のEgypt Hydrocarbon Corporationのナフサ分解コンプレックス建設のFSに264千ドルの補助金を出した。

ナフサ分解で、エチレン90万トンとプロピレン40万トンを生産、エチレンはPEの生産に使用、プロピレンはOriental Petrochemicals CompanyのPP用に供給する計画であった。

Oriental Petrochemicals はエジプト唯一のPPメーカーで、2001年にSuezで第一期としてUNIPOL法で16万トンの生産を開始している。

この計画は取り止めになった模様で、Carbon Holdingsは本年9月20日、韓国のSK Engineering & Construction と米国のShaw Group Inc.の合弁会社との間で、年産135万トンのエチレンコンプレックスをAin Sokhnaに建設する契約を締結した。

建設費は約32億ドルで、2012年に建設開始、2016年に完成の予定。

これにより、Carbon Holdingsはエチレン 135万トン、PE 135万トン(45万トンx 3系列)を建設することとなる。
(言及はないがナフサ分解と思われ、プロピレンについては外販するものと考えられる。)


(メタノール・アンモニア・硫安計画)

日本での発表はないが、三菱商事と千代田化工が合弁でEgypt Japan Petrochemical Corporation (EJPC)を設立している。

三菱商事は2010年3月に千代田化工建設の608億円の第三者割当増資を引き受け、同社への出資比率を10.3%から33.4%と引き上げて、持ち分法適用会社と した。

EJPCがAin Sohknaでメタノールとアンモニアを生産し、Carbon Holdingsの子会社のEgypt Hydrocarbon Corporationが硫酸と硫安を生産する計画を進めている。

メタノール能力は2系列合計日量6000トン(年産2040千トンで世界最大)で、副産物として日量2000トンのアンモニアを生産する。
2012年に建設を開始し、2015年央に建設完了の予定。
総投資額は25億ドルとされる。

EJPCは2011年3月、Johnson Mattheyの100%子会社のDavy Process Technology との間でMethanol Operating Licence Agreementを締結した。
Davy Process が天然ガスの熱改質によるメタノール製造の技術供与と基礎設計を行い、詳細設計と購買は千代田化工が行う。
水素リッチのパージガスからアンモニアを製造するが、これについてはUhdeが技術供与する。

メタノールは三菱商事が日本を含む世界市場で販売、アンモニアは硫安プラントに供給する。

Egypt Hydrocarbonの硫酸能力は日量925トン、硫安は日量1060トンで、2011年に建設を開始、2013年スタートの予定。

Egypt Hydrocarbon は2010年12月に、本計画のために298百万ドルの借入契約を締結した。
Uhde との間でライセンス契約と設計・購買・建設契約を締結した。

EJPCのプラント完成までの間はTransammonia 社から原料アンモニアの供給を受ける。

ーーー

これとは別に、世界最大のメタノールメーカーのMethanexはDamietta(上の地図のディムヤート)で年産130万トンのメタノールプラントを建設している。

Methanex のメタノール能力は以下の通り。(千トン)

工場 能力  備考
Canada Kitimat     0 2005/11停止
Trinidad Point Lisas   850  
Atlas Methanol  1,700 BP 36.9%/Methanex 63.1%
Chile Cabo Negro  3,800 4 plants
New Zealand Motunui and Waitara Valley  2,400 2 plants
合計    8,750  
建設中
Egypt

Damietta

 1,300
Methanex 60%
エジプト政府機関 33%
Arab Petroleum Investment  7%
再計   10,050  

 

対抗する三菱ガス化学のメタノール事業は以下の通り。(単位:千トン)

場所 現能力  計 画
中国重慶    850
 → 0
MGC 51%/重慶化医49%
2009/10/13 三菱ガス化学、重慶のメタノール計画撤回
ベネズエラ  1,600   2006/12/27 「三菱ガス化学、ベネズエラのメタノール合弁増設 2010年850千トン稼働
ブルネイ 850    2007/4/23 三菱ガス化学、ブルネイのメタノール事業決定 2010年850千トン稼働
サウジ  5,000   2006/3/31 サウジ・メタノール計画 2008年1700千トン稼働
合計  7,450     0 総計 7,450千トン 


ーーー

エジプトでは石油化学の振興のため、2002年1月に法令に基づき Egyptian Petrochemicals Holding Company (ECHEM)が設立された。

ECHEM傘下に以下の企業がある。

  立地 製品
Egyptian Petrochemicals Amreya
(Alexandria近郊)
PVC Resin            80 千トン
PVC Compounds        30 千トン
Caustic Soda (liquid, Flakes)   72 千トン
Sidi Kerir Petrochemicals 同上 Ethylene             300 千トン
                                      (倍増計画あり)
HDPE & LLPE                    225 千トン
Butane -1                                  10 千トン
Amreya Petroleum Refining 同上 Linear Alkyl Benzene (LAB)      50 千トン
Heavy Alkyl Benzene (HAB)        3 千トン
Egyptian Linear Alkyl Benzene El-Max
(Alexandria近郊)
Linear Alkyl Benzene (LAB)     100 千トン
Heavy Alkyl Benzene (HAB)      6.5 千トン
Misr Fertilizers Production Damietta Ammonia                              日量 1200 トン
Urea                                  日量 1925 トン
Urea Granulation             日量 2000トン

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