ロンドン・オリンピックとDow Chemical

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ロンドン・オリンピック・パラリンピック組織委員会とスポンサー企業であるDow Chemicalは8月4日、2012ロンドン大会のスタジムを環境に優しい素材でラッピングすると発表した。

ダウは2010年7月、International Olympic CommitteeTOPThe Olympic Partnersになる契約を締結した。
スポンサー期間は2010年から2020年まで。条件は明らかにしていないが、1億ドル以上との報道もある。

1業種1社に限定されており、ダウは化学分野で契約した。
TOP
にはそれぞれの分野で、自社製品、技術、サービスの世界的マーケティング活動の独占的な機会が与えられる。

2010/7/31 ダウ、IOCのスポンサーに

ロンドン・オリンピック・スタジアムは一部の競技と開会式、閉会式の会場となる。

ラップは、高さ約25m、幅2.5mの336枚のパネルで構成され、スタジアムを視覚的に盛り上げると同時に、風除けにもなる。

 

 

Dowではこのラップは「Sustainable Olympic Games」という目標に合致するとしている。

このラップにはDowの高性能プラスチック部門が製造する樹脂が使用され、より少ない原料で生産することが可能となる。
また、最大で35%軽量化され、従来の素材に比べて二酸化炭素削減につながる。
さらに、従来のインクに代わって紫外線硬化インクが使用され、印刷工程における排出量が減少し、揮発性有機化合物(VOC)も発生しない。

Dowはオリンピック閉会後にこれを有効利用すべく、現在、使用方法を検討している。

オリンピック委員会は会場での広告を禁止しているが、Dowは開会1か月前まではラップに広告をつけることを認められた。

英国政府が建設予算を11,400千ドルカットし、この案は棚上げになったが、今回、Dowが費用を肩代わりし、実施する。

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これが報道され、インドのBhopal問題が脚光を浴びた。

Bhopal問題ではインド側が犠牲者に対する補償の追加を求めているのに対し、Dow側は既に解決済みであること、Dowは問題解決後にUCCを買収したため無関係であることを主張している。

インドの司法長官はBhopal事故(1984123日発生)の記念日に当たる2010年123日、Dow Chemicalに犠牲者に対する10億ドル以上の支払いをさせるよう求めて、インド最高裁に対して申立を行った。

2010/12/8 インド政府、Bhopal事故補償で13億ドルの追加請求

この記事では1,270百万ドルとしたが、「異なるインフレ指数などにより、請求額は666百万ドルから13億ドルまで、いくつかがある」と付記している。インド司法省の弁護士は政府は500億ルピー(11億ドル)の訴えを最高裁に提出したとしている。

今回の報道はインドの国民を激怒させた。

活動家はインド・オリンピック委員会とSingh首相に対し、ロンドンオリンピックボイコットを訴える手紙を出した。

Bhopal運動のパンフレットは以下の通り述べている。

ダウのオリンピックスポンサーはオリンピック憲章の精神に反している。
オリンピック憲章は人種差別を禁止している。しかしスポンサー企業は人種差別を行っている。
Dowはン米国でUCCの法的債務を引き継いだのに、インドでの責任は拒否している。これは人種差別でないか。

 

英国のベテラン議員のKeith Vaz は、オリンピック委員会がDowの宣伝を載せるラップの費用をDowに支出させる決定をしたことに対し驚きを表明、Dowに対して「Dowはオリンピックに出す金があるなら、11億ドルの賠償を行うべきだ」と伝えた。

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