Moodys、信越化学のAa3格付けを据え置き

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Moodys Japanは8月29日、信越化学のAa3 の長期発行体格付を据え置いたことを発表した。

2011年5月に日本政府と邦銀の格付が引き下げ方向で見直しとされたことに伴って、同社も引き下げ方向での見直しとされていた。

Moodysは8月24日に日本政府の格付をAa2 からAa3 に格下げ、ほとんどの邦銀の格付を平均で1ノッチ格下げした。
政府については、東日本大震災で政府支出の増加が見込まれるなか、財政赤字削減の具体策が見えないと指摘。債務返済の可能性が低下したと判断した。

今回、信越化学の格付を据え置いた理由は、日本政府や邦銀の格付は格下げされたものの、同社の単独の信用力はAa3 の格付水準を維持するのに十分高いと考えられたため。

Moodysでは、信越化学は、リーマンショック後の景気低迷期を含む過去数年間の収益性に示されているように、強固な財務体質を維持してきており、景気後退期における同社の抵抗力の高さを証明しているとしており、今後も景気サイクルを通して優れた財務内容を維持していくであろうとみている。

更に信越化学は、強靭なバランスシートや優れた流動性を備えており、海外事業からの利益貢献も大きく、国内の減速傾向にあるマイナスの影響を軽減することができるであろうとした。

今後については、 PVC、半導体シリコン、シリコーンといったコア事業における市場地位と、景気循環を通じてさらに高い収益性と収益の安定性が見込める場合、ポジティブな格付アクションが検討される可能性が出てくる。

逆に、PVC や半導体シリコン事業の市場変動をうまくコントロールすることができず、収益とキャッシュフローが大幅に落ち込んだ場合や、流動性の悪化が見られた場合などは、ネガティブな格付アクションが検討される可能性があるとしている。

 

Moodysの2011年8月末の発行体(長期)格付けは以下の通り。 *は引下げの方向での見直し中。

Aaa  
Aa1 武田薬品*
Aa2  
Aa3 日本政府(8/24 引下げ)、日本たばこ、信越化学、アステラス製薬、富士フィルム
A1 クラレ、第一三共
A2 旭化成、キリン*
A3 帝人、住友化学*、エーザイ
Baa1 JXホールディングス
Baa2  
Baa3 コスモ石油、日本板硝子、DIC

引下げ検討:

 武田薬品   スイス製薬大手  ナイコメッドの買収で6千億~7千億円程度を借り入れることにより、財務の健全性が低下。
 キリン   ブラジルの飲料会社スキンカリオールの50.45%を取得、資金の一部を借り入れのため信用力を弱める。
 住友化学   設備投資水準は引き続き高水準にあり、積極的なM&Aを進めており、財務の柔軟性が低下。

 

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