韓国のイラク・クルド地区の石油開発は失敗

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韓国石油公社などが参加する韓国コンソーシアムは2008年2月、イラクの北部クルド自治区内の油田4つの鉱区Sangaw North、Sangaw South、Qush Tappa、Hawler)の開発とインフラ建設を並行して進める内容の覚書をクルド自治政府と締結した。

これに先立ち、コンソーシアムは2007年11月にクルド自治政府との間で5億バレル程度の原油埋蔵が予想されBazian 陸上探査鉱区の生産物分配契約を締結している。

コンソーシアムは石油公社 38%、SKエナジー 19%、デソン産業、三千里(サムチョンリ)ボムア資源開発(各 9.5%)、GSホールディングス、マジュコ通商(各 4.75%)、ユーアイエナジー(5%)などが構成している。

油田探査とは別に、双龍建設、斗山建設、極東建設などで構成された建設コンソーシアムは、2兆ウォン規模の4車線高速道路(450km)を建設する一方、上下水道施設、石油化学プラントなど、10兆ウォン規模の社会基盤施設建設にも参加する予定。

 2008/2/20 韓国エネルギーコンソーシアム、イラク油田開発

イラク政府は2009年に37年ぶりに油田権益を外資企業に開放したが、この中で、韓国の韓国石油公社とSKエナジーが除外された。

イラクのシャハリスタニ石油相は、イラク駐在の韓国大使に、「韓国石油公社やSKエナジーなどの韓国企業がクルド自治政府と締結した油田開発事業は、中央政府との協議を経ずに行われた違法なものだ。そのため両社は今後、イラクでの油田開発に関する入札に参加できない」と通知した。

2009/4/7 イラクの油田開放、クルド人自治政府と契約の韓国企業を除外

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試掘を開始した当時、これらの鉱区で期待されていた原油埋蔵量は合計72億2300万バレルで、韓国企業が入手できると見込んでいた持ち分は19億8500万バレルだった。

韓国石油公社は契約調印時にクルド自治政府に211.4百万ドルを支払い、掘削に188.68百万ドルを支出している。

しかし、今年8月までに行われた探査試掘の結果、これらの鉱区では原油が発見されておらず、発見されたとしても当初の推定埋蔵量を大幅に下回っているという。

 

  期待埋蔵量
 百万バレル
韓国取り分
 百万バレル
ボーリング 結果
Sangaw North 786 157 終了 水と少量の天然ガスのみ
Sangaw South 320 192 作業中
(地下3000‐4500m)
原油発見の可能性少ない
Qush Tappa 1,008 806 終了 事業性なし
Hawler 3,837 576 未実施 事業性なし
Bazian 1,272 254 終了 事業性なし(日量200バレル)


契約では、探査に成功した場合、韓国側は5つある鉱区から19.85億バレルの原油を受け取り、その見返りとして21億ドルとされるクルド地域での社会基盤整備を行うというものだった。

韓国石油公社はクルド地域の社会基盤整備に向け、現代建設や双竜建設など7社のゼネコンと共同でコンソーシアムを立ち上げたが、ゼネコン7社は2008年10月に、2兆ウォン(約1400億円)の資金を調達する方法がないという理由でコンソーシアムから脱退した。

その結果、石油公社は社会基盤整備を単独で行うことになったが、ノウハウも技術もないため、資金調達計画も取りまとめられることなく、事業は一向に進んでいない。

韓国石油公社は2008年の契約当時、5つの鉱区全てで原油が発見されなかった場合、6500万バレルの原油を見返りとして受け取るという条項を入れた。

しかしクルド自治政府は社会基盤整備事業が進展していないことを口実に譲渡する原油を2000万バレルにまで減らし、さらに社会基盤整備に関しても事業規模を7億ドルにまで縮小する代わりに、12億ドルの現金を支払うという内容へと契約の変更を求めてきたという。

石油公社は今年7月末から8月初めに行われたイラク政府による油田開発事業入札資格の事前審査で脱落していたことも分かった。

韓国の国会議員は以下のように批判している。

原油探査の失敗、社会基盤整備事業の縮小、イラク政府とのギクシャクした関係など、石油公社は数千億ウォンもの巨額を投じながら何一つ手にしていない。

今回の原油開発で政府と石油公社は、事業の妥当性を確認する前から、資源外交の成果を誇示することばかりに力を入れた。今回の失敗は、このような性急さがもたらした、まさに典型的なケースだ。

(ソース:朝鮮日報)

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