韓国、幹細胞強国を目指す

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李明博大統領は9月19日、「政府は来年、幹細胞(Stem Cell) 関連研究に1000億ウォン(約70億円)ほど投資する計画で、グローバルスタンダードに合うよう各種臨床・許可手続きを簡素化する制度をつくる」と述べた。
大統領は、「国家幹細胞バンク」の設立を推進していることを明らかにした。

大統領は「10年ほど前まで韓国は米国とともに世界の幹細胞研究をリードしたが、残念な事件(黄禹錫博士の論文ねつ造事件)で打撃が避けられなかった」とし「最近、心筋梗塞治療剤が公式許可され、世界で初めて幹細胞治療剤の商業化に成功した」と述べ、「幹細胞強国として再起しなければいけない」と強調した。

黄禹錫元ソウル大獣医部教授はヒトの胚性幹細胞(ES細胞)の研究を世界に先駆け成功させたと報じられ、韓国人で自然科学部門では初のノーベル賞を期待され、「韓国の誇り」と称された。

しかし、教授は2004-05年に、サイエンス誌に胚性幹細胞(ES細胞)研究過程で実用化の可能性を膨らませた捏造論文を発表し、企業から約28億ウォン(約2億円)の研究費を受け取り、卵子を不法に売買した容疑で2006年5月に在宅起訴された。

控訴審は2010年12月に被告に対し、懲役1年6月、執行猶予2年を言い渡した。

大統領が述べたのは、倫理上と拒絶反応の問題のある胚性幹細胞(ES細胞)ではなく、成人の臍帯・骨髄・脂肪・口内粘膜などから幹細胞を抽出して治療剤とするもので、本年7月に韓国のFCB-Pharmicellの心筋梗塞幹細胞治療剤(Hearicellgram-AMI)が世界で初めて市販許可を受けた。

同社では、「今月に入って病院が10件を処方し、患者の骨髄から幹細胞を分離して培養している。2週間後に初めて患者の心臓筋肉に注入する予定」と説明した。1回の投与費用は1800万ウォンとされる。

FCB-Pharmicellはこの他にも幹細胞を利用した急性脳梗塞、慢性脊髄損傷の治療剤の開発を進めている。

韓国では現在、バイオ関連の5社が幹細胞を利用した14種の治療剤の開発を進めている。


FCB-Pharmicellは2002年に設立された。

同社の事業は3つ。
①幹細胞治療

以下を開発中

②幹細胞バンク
   
   ・成人幹細胞バンク
  ・
臍帯血バンク
   ・脂質細胞バンク(Lipocyte bank)

③その他(研究サービス・コンサルタント、製造受託、その他)

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韓国の新聞の社説には以下のものもある。

世界の幹細胞を巡る研究方向は、遺伝子を組み替え、すでに分化した体細胞から幹細胞を誘導する誘導万能幹細胞(iPS)に変わっているが、我々はいまだ、倫理を巡る議論の余地のある胚性幹細胞や市場の限られた成体幹細胞の研究に止まっている。

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