オバマ政権、Keystone XL オイルパイプライン計画を凍結

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米国務省は11月10日、カナダ・アルバータ州の原油を米南部テキサス州などの製油所に運ぶパイプライン計画 Keystone XL を2012年の大統領選挙後まで凍結すると発表した。 

付記

オバマ大統領は2012年1月18日、これを認可しないと発表した。
安全性や環境保全などが完全には保証できないとの見解を示した。


オバマ大統領は3月22日、CushingからGulf Coastまでのパイプラインの建設の推進を決め、関係する役所にすみやかに認可するよう指示した。
 共和党の
ベイナー下院議長は「大統領の認可さえ必要としないパイプラインの部分で功績を上げようとしている」と批判した。

中西部ネブラスカ州の水源地帯を経由することなどから環境団体が計画中止を要求しており、オバマ政権はSand Hills地域を避ける新ルート検討も進める。

今後の計画は2013年以降に決定される。大統領は「米国民の健康や安全、環境への影響に懸念があり、疑問に答える時間が必要だ」とした声明を発表した。

大統領はこのパイプライン計画で、石油の安定的なソースと数千人の雇用を求める声と、大統領がこれを認めた場合には来年の大統領選では支持しないとする環境保護団体のおどしの挟み撃ちとなった。

オバマ大統領は大統領選の争点となりそうな問題を多数、凍結している。

・スモッグの基準のレビューを2013年まで
・北極海の深海油田のリースを少なくとも2015年まで
・発電所の石炭灰の新基準を取りやめ

TransCanada 社が建設計画中のKeystone XL パイプラインは、カナダのオイルサンドを採掘・処理した合成原油の輸入拡大を目指す取組みで、既に操業中のKeystone パイプライン(Phase 1-2)が、カナダ産合成原油を米国中西部製油所に輸送するのに対し、現在検討中のKeystone XL パイプライン(Phase 3-4)はメキシコ湾岸製油所まで輸送する。

このうち、Phase 4が問題となっている。

ネブラスカ州の1/4を占めるSand Hills 地域は湿原地帯で、Ogallala Aquifer (帯水層)の上にある。

ネブラスカ州の責任者や住民はSand Hills 地域への懸念に加え、Great Plains 諸州の飲用水のソースであるOgallala 帯水層を横切ることに懸念を表していた。

 

オイルサンドについては 2011/4/14 「岐路に立つタールサンド開発」

TransCanada は国務省と共同で新ルートを探すが、遅延の結果、計画が中止となり、数万人の建設従業員その他の仕事がなくなり、数十億ドルの税収入がなくなるかもしれないとし、その場合、大量の石油を輸入せざるを得なくなると述べた。

 

なお、TransCanadaは、Cushingから メキシコ湾岸に延長するKeystone XL Phase Ⅲについて、政府の認可次第で来年初めには建設できるとの見通しを示している。

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カナダのEnbridge Energy Partners もカナダの石油をシカゴ経由でCushingまでパイプラインで運んでいる。


同社はConocoPhillipsから米テキサス州とオクラホマ州を結ぶ Seaway Oil Pipelineの権益の50%を1,150百万ドル取得した。

残り50%の権益を持つ同業の米Enterprise Products Partners LP と共同で同パイプラインの運営にあたることになるが、輸入原油をFreeport, TXからCushing に輸送していたSeaway Pipelineを2012年第2四半期までに逆向けにし、WTI原油を受け渡し場所のCushingから製油所の集まるメキシコ湾岸に輸送する。

2011/11/17 WTI原油価格急騰

 

 

 

 

 

 

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