米加を排除した「中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)」発足

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米国とカナダを除く米州33カ国の首脳らが12月2日、「中南米カリブ海諸国共同体Community of Latin American and Caribbean Nations:CELAC」設立のためベネズエラの首都カラカスで会合を開いた。

米国の影響力が強大で、「中南米支配」の象徴とみられている米州機構(Organization of American States:OAS)に対抗した組織で、米国とカナダを排除し、この地域の諸国の自決権を促し、経済、政治、社会の結束を図る。

反米左派のベネズエラのチャベス大統領は演説で「植民地化され、500年以上、搾取され耐えてきた。我々で団結し、貧困や格差を無くし、平和と民主主義を守るために協力しあおう」などと語った。
キューバのカストロ国家評議会議長は「うまくいけばラテンアメリカ諸国の独立後200年で、最も大切で歴史的な出来事だ」と語った。

一方、米国との関係悪化を望まない穏健路線の首脳たちは「米国抜き」を強調することを避けている。メキシコのカルデロン大統領は、「調和と繁栄を目指そう」と述べるにとどまった。

2008年12月にブラジルに33カ国の代表が集まり、米国の支配から自立した平和の地域統合をめざす「サルバドル宣言」が採択された。

2010年2月に首脳会議を準備する外相会議がメキシコ南東部で開催された。
会議では、メキシコの外相が米国・カナダを除く自主的地域新機構の創設は歴史をつくるものだと挨拶した。

2011年7月にベネズエラで第三回会合を開催。チャベス大統領は「独立200年に当たるこの年には機構発足の合意にこぎつけたい」とコメントした。 

首脳会議は3日、「カラカス宣言」を採択し、CELACが正式に発足した。

ブラジルのルセフ大統領は、「我々が最も懸念すべきことは、経済、金融危機だ」と指摘し、「ラテンアメリカ諸国が経済成長を続けるためには、近隣諸国とより密接な関係を結ぶことが重要だ」と強調した。

カラカス宣言は、独立200年を迎えるラテンアメリカの国々が、政治、経済、社会、文化の統合を目指し、経済格差を減らすため South-South economic cooperation を進めるという目標を打ち出した。地域間の経済協力を深めることや、バイオ燃料など環境面で協力するなどの具体的な計画も示した。

22のコミュニケの中には、
・キューバに対する米国の経済・商業・金融封鎖の中止の必要性
・アルゼンチンのフォークランド諸島への権利の承認
に関するものがある。

ーーー 

この地域には現在、以下の組織がある。

1)南米南部共同市場 (Mercosur)

   加盟国
    (1)正式加盟国:アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、ベネズエラ
    (2)準加盟国:ボリビア,チリ,コロンビア,エクアドル,ペルー

   目的
    (1) 域内の関税及び非関税障壁の撤廃等による財、サービス、生産要素の自由な流通
    (2) 対外共通関税の創設、共通貿易政策の採択及び地域的、国際的経済・貿易面での立場の協調
    (3) マクロ経済政策の協調及び対外貿易、農業、工業、財政・金融、外国為替・資本、サービス、税関、
        交通・通信などのセクター別経済政策の協調
   (4)
統合過程強化のための関連分野における法制度の調和

2)ラテンアメリカ統合連合(Latin American Integration Association:ALADI)
  GATTに正式に承認された地域経済統合体
 
  加盟国(13カ国)
   アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、キューバ、エクアドル、メキシコ、ニカラグア、パラグアイ、
   ペルー、ウルグアイ、ベネズエラ 
   (パナマが加盟手続き中) 

  目的
   1)域内特恵関税の設定、
   2)全域協定(全加盟国が参加する協定)、
   3)域内部分協定(域内の一部の国のみが参加する協定)、
   の3点を通じた経済的特恵地域の設置により、漸進的かつ段階的にラテンアメリカ共同市場を達成

3)ラテンアメリカ経済機構(Latin American Economic System:SELA)

  加盟国 27か国

  目的
   共通の経済問題を協議し、全世界的な視野で経済戦略を検討し、資源開発を効果的に行う

4)中米統合機構(Sistema de la Integracion Centroamericana:SICA) 

  加盟国:グアテマラ、エルサルバドル、コスタリカ、ニカラグア、ホンジュラス、パナマ、ベリ-ズ
  準加盟国:ドミニカ共和国
  域内オブザーバー:メキシコ、チリ、ブラジル、アルゼンチン、ペルー
  域外オブザーバー:台湾、スペイン、ドイツ、イタリア、日本、オーストラリア、韓国

  目的
   地域の経済社会統合を図り,和平・自由・民主主義・開発を達成

5)カリブ共同体(Carribbean Community:CARICOM)

  加盟国:15か国
  準加盟国:5か国

    目的
    1) 加盟国間の経済及び貿易関係の調整と法制度の強化、持続的発展と経済的統合の継続及びそれらの利益の公平な分配、加盟国の経済的自立等を目的とした共同市場制度の設立により、加盟国の経済統合を目指す。
    2) 加盟国間の外交政策の調整
    3) 国民の利益となる共通のサービスや事業の効果的実施や、国民間の理解と、社会的・文化的・技術的発展の促進等を含む機能的な協力


6) 
米州機構(Organization of American States:OAS

  加盟国 35か国(日本を含む59カ国とEUが常任オブザーバー
      うち、キューバは1962年除名、2009年に
除名決議無効を決定
          但し、キューバは復帰を拒否
      ホンジュラスは2009年に軍事クーデターで構成国資格停止

   目的
  南北アメリカの国々の平和と安全保障・紛争の平和解決や加盟諸国の相互躍進

7) 北米自由貿易協定(NAFTA)

  米国、カナダ、メキシコ3国間の自由貿易協定

 

各組織の参加国は以下の通り。

    CELAC Mercosur ALADI SELA SICA CARICOM OAS NAFTA
北米 Canada            
USA            
中米 Belize      
Costa Rica        
El Salvador        
Guatemala        
Honduras       ○*  
Mexico    
Nicaragua      
Panama      
カリブ Anguilla              
Antigua and Barbuda          
Bahamas          
Barbados        
Bermuda              
British Virgin Islands              
Cayman Islands              
Cuba        
Dominica          
Dominican Republic        
Grenada        
Haiti        
Jamaica        
Montserrat              
Saint Lucia          
Saint Kitts and Nevis          
Saint Vincent and the Grenadines          
Trinidad & Tobago        
Turks and Caicos Islands              
南米 Argentina    
Bolivia △→○      
Brazil    
Colombia      
Chile    
Ecuador      
Guyana        
Paraguay      
Peru    
Suriname        
Uruguay      
Venezuela        
 
合計 加盟国 33 5→6 13+1 27 7 15 35 3
準加盟国   △ 5→4     △ 1 # 5    
オブザーバー         * 5      

 


 

 

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