セシウム回収装置の開発

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1) チッソ、セシウム除去・回収技術の開発に成功

JNC株式会社(チッソ)は12月26日、海水を含むセシウム汚染水を対象としたラボスケールでのセシウム(安定同位体)の除去・回収の技術開発に成功したと発表した。 

JNCは2012年2月20日、ベンチスケールでのセシウムの連続分離に成功したと発表した。

放射能汚染された土壌の洗浄水からセシウムを除去する方法に用いることも考えられるとしている。

セシウム汚染水に水溶性のフェロシアン化物を加えセシウム結合体とし、さらにセシウム結合体に磁性体原料となる塩化鉄を加えて反応させ、アルカリ水溶液を用いて磁性を持つセシウム結合体としたのち、磁石を用いてセシウム結合体を磁気分離することにより、汚染水からセシウムを除去・回収する。

フェロシアン化物はシアン(青酸)化合物の一種。鉄イオンとシアンが強く結びついており、毒性は低い。
フェロシアン化鉄(プルシアンブルー:紺青)が放射性セシウムには最も有効とされている。

本年4月に、東京工業大原子炉工学研究所が、汚染水に紺青を混ぜ、遠心力で分離した後、セシウムとともにフィルターでこし取るシステムを開発したと報じられた。

今回の技術は、磁気分離法を用いるため、迅速な分離操作の実現と密閉環境や遠隔操作による処理が可能となる。

海水を混合したセシウム濃度10ppm 程度の水溶液を用いたラボスケールの試験では、磁性を持つセシウム結合体を生成させる反応時間と磁気分離時間を合わせた処理操作は10分以内で完了し、1回の操作でセシウムが99.5%除去された。

JNCでは、ゼオライト等の固形吸着剤を使用する場合と比較して、短い処理時間で高いセシウムの除去率が得られ、さらに廃棄物量の低減が期待され、工業的に入手が容易で安価な材料のみであり、セシウム除去費用の削減も期待されるとしている。

現在、大量の汚染水処理を目的とした工業的なセシウム除去プロセスの確立を目指し、ベンチスケールの技術開発を進めている。

 

2) 可搬型の放射能汚染水処理システム「SARRY-Aqua」

東芝とIHIは12月22日、可搬型の放射能汚染水処理システム「SARRY-Aqua」を共同開発したと発表した。

福島第一原発で稼働する汚染水処理装置「SARRY」を小型化したもので、低濃度の汚染水をポンプで汲み上げ、吸着材が入った容器の中で汚染水から放射性セシウムを除去する。

処理能力は、汚染水1トンを1時間で処理することができ、処理装置をトラックに積載することにより、移動が可能となり、様々な場所で、放射性セシウムを含んだプール水や農業用水、除染で発生した水等の処理を行う。

 

3) 移動式土壌浄化装置

東芝は12月26日、移動可能な放射能汚染土壌の浄化システムを開発したと発表した。

シュウ酸溶液でセシウムを土から溶かし出し、吸着材が入った容器に通して回収する。処理能力は1日1.7トンで、元の場所に土を戻せる水準まで除染できるという。

 

 

付記 (2012/3/1)

土壌の放射性セシウムを、加熱処理で99.9%除去する技術を太平洋セメントや中央農業総合研究センター(茨城県つくば市)などの研究チームが開発した。

福島県内の農地の汚染土に2種類のカルシウム化合物を加え、1350度まで加熱。セシウムの99.9%が揮発してフィルターで回収できることを確かめた。カルシウム化合物の添加で、土壌の粒子とセシウムの結びつきが弱まるのが今回の技術のポイントという。

 

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