オリンパスとテルモ

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1月11日付け朝日新聞は、オリンパスが他社との資本・業務提携によって再建を目指す方針を固め、国内外の5社を軸に提携先の検討を進めており、2月にも提携先を決める考えだと報じた。

候補5社は下記の通り。
 ・ソニー
 ・パナソニック
 ・富士フイルムホールディングス
 ・テルモ
 ・韓国 サムスン電子

ロイターによると、オリンパスはSMBC日興証券、シティグループ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券を財務アドバイザーに選定し、具体的な検討に入っている。

各社は、オリンパスとの資本・業務提携により、オリンパスの内視鏡事業を手に入れ、医療事業への参入、拡大を狙う。

富士フイルムは2011年12月15日、携帯型超音波診断装置の大手企業SonoSite, Inc.をTOBにより友好的に買収することについて合意した。
  2011/12/21 富士フイルム 超音波診断装置の大手 SonoSite, Inc.の買収合意

複数の関係者によると、SonoSiteの買収には、富士フイルムのほかにソニーやパナソニック、テルモなども参戦して いたとされる。

ソニーは新たな成長の柱を求めて医療機器関連会社の買収を積極化している。
医療事業強化のために1月1日付で、吉岡浩副社長(プロフェッショナル事業担当)に、医療関係の全レポートを集める体制に変更したとされる。

現在の扱い製品は、 メディカルモニター、メディカルレコーダー、メディカルカメラ、メディカルプリンターに止まる。

パナソニックも、ヘルスケア事業部門を中心にオリンパスの事業との相乗効果を検討している。

パナソニック ヘルスケアは下記ビジネスユニットを持つ。
 ・バイオ診断BU:独自のバイオセンシング技術を駆使し、体外診断デバイスを展開
 ・画像診断BU:超音波診断装置を中心に、画像診断技術を駆使した機器を展開
 ・補聴器BU:「オーダーメイド耳あな型」、「耳かけ型」、「ポケット型」など、豊富なラインナップ
 ・医療機器・システムBU:高性能で高品質な医療機器・システムの提供

同社はまた、デジタルカメラの光学部品の企画をオリンパスに発注し、両社でデジタル一眼カメラ「ミラーレス」機の交換レンズ仕様を共同策定しており、オリンパスを他社に取られると、デジカメ事業はとん挫しかねないとの危機感もある。

但し、パナソニックの大坪文雄社長は1月10日、米ラスベガスの家電見本市での記者会見で、「(パナソニックが)救済するとの話は推測だ。直接アプローチしたり、されたりということは一切ない」と観測を否定した。

富士フイルムは、メディカル・ライフサイエンス事業を重要な成長分野として位置付け、「予防~診断~治療」の全領域をカバーする総合ヘルスケアカンパニーを目指した事業展開を進めている。
    
2011/12/21 富士フイルム 超音波診断装置の大手 SonoSite, Inc.の買収合意

テルモの事業内容は以下の通りで、オリンパスと医療機器分野で包括的な業務・資本提携を行っており、JVも持っている。

各種使い切り医療機器、医薬品・栄養食品、血液バッグ、人工心肺システム、カテーテルシステム、腹膜透析関連、血糖測定システム、ME機器 ・ 電子体温計など医療用機器の製造・販売

韓国のサムスン電子の関係者は、サムスンはオリンパスのカメラ事業には関心がないが、他の分野での提携を検討する可能性はあるとしていたが、その後、両社の技術や製品ブランドの組み合わせによるシナジー効果が薄いと判断し、結局見送ったことを明らかにした。(ロイター) 

付記

富士フイルムは1月30日の決算会見で、同日付でオリンパスに提案書を提出したことを明らかにした。

オリンパスとの事業シナジーについて「内視鏡事業に知見がある富士フイルムと連携すれば、継続的、安定的に医師や医療施設をサポートできる。さらにオリンパスの内視鏡事業と当社のIT(情報技術)システム、エックス線画像診断装置、超音波診断装置などとの連携でシナジーが期待できる」と強調した。

「独禁法に抵触しないで、なおかつ両社のシナジーを発揮できる場があると考えている」と述べた。

付記

オリンパスは2012年6月8日、Michael C. Woodford元社長が英国労働審判所で申し立てていた労働審判に関し、同日の取締役会で和解合意が承認されたと発表した。
和解金として1000万英ポンドを支払う。

ーーー

テルモとオリンパスは2001年4月25日、医療機器分野における開発、製造、販売等に関し、包括的な業務提携基本契約を締結した。

低侵襲診断・治療機器(内視鏡やカテーテルなど、身体に対する侵襲度が低い医療機器を用いた診断・治療)に関して両社で開発を進め、当面は心臓外科、消化器科、泌尿器科の各領域で使われる先端的な治療機器から共同開発に着手、開発から販売までの関係を強化し、両社合わせ5年後には100億円以上の売上げを目指すとした。

両社は2005年8月、業務提携の強化に合意した。

日本における消化器分野の診断・治療系医療機器リーダーであるオリンパスと、循環器分野の診断・治療系医療機器リーダーであるテルモが、「低侵襲医療の実現」という両社共通の目的に向かって、それぞれのコア技術や幅広いノウハウを持ち寄ることは、両社の国際競争力を大きく強化するものとの認識で一致した。

両社はまた、この業務提携強化を経営レベルで推進するため、その裏付けとして両社間の資本提携を行うこととした。
両社の持ち株は以下の通りで、いずれも金融機関以外では最大株主となっている。

テルモ:オリンパスの6811千株  2.51%  
オリンパス:テルモの4715千株  2.20% 

更に両社は2006年12月に、共同事業に関して合意、2007年4月にオリンパス バイオマテリアルにテルモが参加し、オリンパス テルモ バイオマテリアルとしている。

オリンパスは2004年10月にオリンパス バイオマテリアルを設立した。
オリンパスの生体材料事業を承継するとともに、将来の再生医療事業に向けた研究開発に取り組んだ。

2005年9月に住友大阪セメントが製造し、住友製薬が販売する骨補填材の事業部門の譲渡を受けた。

2007年4月、テルモが参加、オリンパス テルモ バイオマテリアルに改称した。
 事業内容:セラミックス人工骨・コラーゲンなどの生体材料および再生医療に関する研究開発、製造販売
 出資比率:オリンパス66.6%、テルモ33.4%

生体の骨は、主にリン酸カルシウムとコラーゲンから出来ている。
オリンパスがリン酸カルシム、テルモがコラーゲン の製造技術・ノウハウを持つため、両社の技術を融合することで、より生体の骨に近い、新しい人工骨複合材を開発する。

 

 

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