住友金属鉱山、アラスカ金鉱山で新鉱床を確認

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住友金属鉱山は3月27日、アラスカ州のPogo金鉱山で新たな鉱床を確認したと発表した。

Pogo金鉱山は住友金属鉱山が85%、住友商事が15%出資している鉱山で、追加鉱量を求めて探鉱を進めた結果、2006年から生産しているLiese金鉱床の北側約300メートルのEast Deep地区で新たな鉱床を確認した。

新鉱床では40 トンの埋蔵金量が見込まれ、この結果、Pogo金鉱山の埋蔵鉱量は12,332千トン、平均金品位12.5g/t、埋蔵金量は155トンとなる。

今後の探鉱によりさらなる鉱量獲得が期待できることから、2012年も探鉱を集中的に進める。
生産金量については、当面年産10~11トンを維持していく。

 

この金鉱山は石油天然ガス・金属鉱物資源機構が、海外地質構造調査の一環で発見した。

海外地質構造調査は日本企業等が海外で探鉱を行う際に探鉱初期段階のリスクを軽減し、海外探鉱開発を促進するための制度で1968年に創設された。

調査は東西140キロ、南北100キロの広大な範囲で1994年から2001年にかけて行われた。
Pogo地区では地質調査、地化学探査、物理探査の結果、抽出された有望地区にボーリング調査を行い、高品位金鉱脈を発見した。

その後、住友金属鉱山などによる企業探鉱に引き継がれ、坑道探鉱などで金量152トンが確認された。
1997年にアラスカで鉱山経営の経験豊富な地元企業Teck Resources Ltd を操業パートナーとし、2000年に環境許認可申請を提出し、2004年に認可を受け、鉱山開発が始まった。(出資比率は住友金属鉱山51%、住友商事9%、Tech 40%であった。)

地表の景観をできるだけ変えないで開発するため、露天掘り採掘ではなく坑内掘り(地下採掘)を採用し、鉱石を処理した後の廃石やスライムを採掘跡に埋め戻す工法や、坑内から出た水を循環して使う工法が採用された。
採掘後、選鉱→青化浸出→電解採取を経てドーレ(金品位約94%、銀品位約6%)として回収している。

その後、2009年7月にTeck Resourcesの持株を245百万米ドルで買収し、住友金属鉱山 85%、住友商事 15%の出資比率となった。

住友金属鉱山はTeckに代わり、オペレーターとなった。

同社は"非鉄メジャークラス入り"を戦略的な目標としており、この権益取得はその一環で、Pogo金鉱山は、自らが運営・操業する初の海外鉱山となった。

参考 2009/8/22 住友金属鉱山、比最大手ニッケル鉱山会社の株式を取得

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Teck Resources はカナダの資源大手で、石炭・銅・鉛・亜鉛・モリブデン・金を扱っており、亜鉛では世界最大級、原料炭の海上輸送シェアは世界2位。

同社は1913年に金鉱山生産のため設立されたTeck-Hughes Gold Mines と、銀・亜鉛・鉛鉱山開発を主体とした1906年設立のComincoが2001年に合併してできた。(当初名はTeck Cominco)

2008年には石炭事業のJVパートナーである
Fording Canadian Coal Trustを98億ドルで買収して石炭資産を拡大した。

Teck のFording Canadian Coal 買収後、コモディティの価格は暴落し、カナダ経済も不況に陥った。

Teck は2009年初めには借入金の一部の支払猶予を受けたが、借入金返済のため、資産売却、コストカットを行った。

この一環として金資産のJV権益の売却を進め、カナダの金鉱山の権益を2008年にJV相手のBarrick Goldに売却、2009年にPogo鉱山の権益を売却した。

直接的には第三者からPogo鉱山の権益を取得したいとのオファがあったとしている。

中国投資有限責任公司(CIC) は2009年7月、100%子会社の Fullbloom Investment Corporation を通じて、資金難のTeck Resources の株17.2%を現金15億米ドルで購入することで合意したと発表した。
CIC
への株式売却収入15億米ドルは主に借入金返済に回された。

2009/7/14 中国政府系ファンドCIC、カナダの資源大手に出資

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