IMF資金増強、4300億ドル超に

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20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、4月20日午後に共同声明を採択して閉幕した。

焦点だったIMFの融資能力の強化については4300億ドル超の調達にメドを付けた。

本日我々は、IMFCとともに、危機の予防と解決のためにIMFの資金基盤を拡大するとの合意に達した。これは、多数の国々を含む、幅広い国際協調のための努力の成果である。2010年改革における増資に加えて、IMFの利用可能資金を増加させるという確実なコミットメントは4300億ドルを上回っている。この資金はIMFの全ての加盟国に利用可能であり、いかなる特定の地域にも限定されるものではない。

IMFのChristine Lagarde専務理事は、メンバー各国がIMFの資金を4300億ドル以上拡大し、融資能力をほぼ倍増することを約束したことを歓迎、拠出を約束した各国に感謝を表すとともに、拠出の意向を示した各国に感謝するとし、特に、中国、ロシア、ブラジル、インド、インドネシア、マレーシア、タイの名前を挙げた。

米国はIMF強化の方針自体には賛同したものの、共和党の賛同を得られないため、資金拠出は見送った。
カナダも
「現時点では」その用意はないとしている。

現在の拠出の内訳は以下の通り。

  億米ドル 現地通貨建て  
ユーロ圏 2,000 1500億ユーロ  
英国 150    
スウェーデン 100   今後、+47の増額用意
ポーランド 80 62.7億ユーロ  
デンマーク国立銀行 70  53億ユーロ  
チェコ 20 15億ユーロ  
(EU合計) (2,420)    
日本 600    
韓国 150    
サウジアラビア 150    
スイス 100    
ノルウェー 93 60億SDR  
オーストラリア 70    
シンガポール 40    
米国 0    
カナダ 0    
その他 (677)   中国、ロシア、ブラジル、
インド、インドネシア、
マレーシア、タイ、その他
合計

4,300
 以上

   

ラジルのマンテガ財務相は4月19日、「一部の国はIMF改革にあまり熱心ではない。出資割り当て問題の進展よりも資金集めの方に熱心だ」と述べ、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)は具体的な拠出額提示の用意はないと述べた。
これら諸国は
、IMFの政策決定への投票権拡大が伴うべきと主張している。

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欧州の金融危機への対応で、2011年11月のG20首脳会合では、IMFが十分な資金を持つ必要で一致した。
IMFは欧州への支援を念頭に最大5000億ドルの財源調達を目指した。(うちEUが2600億ドル規模を拠出)

しかし、国際的な支援増強の前に「欧州の自助努力が必要」との条件が出され、EUの対応待ちとなった。

2012/3/7 欧州金融危機への今後の対応

EU27カ国は3月30日、コペンハーゲンでユーロ圏財務相会合を開き、債務危機に対応するための安全網全体の規模(2013年7月以降)を現在の案の5,000億ユーロから8,000億ユーロ(約88兆円)に拡大することで合意した。

  2012年7月ESM発足以降
当初案 目標 決定
欧州基金 ESM   5000億ユーロ 統合、上限撤廃
    7500億ユーロ
     (約1兆ドル)
8000億ユーロ
 ESM 5000億
 ギリシャ一次支援 529億
 EFSF 1917億
 EFSM 485億
EFSFの残 打ち切り 
    (2500億ユーロ)
IMF資金枠 現行   約 4000億ドル     +5000億ドル
 (うちEU 2600億ドル)
ユーロ圏EU 1500億ユーロ
      (2000億ドル)
合計       1兆9000億ドル  


2012/4/2 ユーロ圏、金融安全網 8,000億ユーロに拡大で合意

IMFは当初5000億ドルの増強を考えていた。

しかし、米国が「欧州は債務問題対応であらゆる必要な措置をとるべきだ」として追加供与する積りはないとするなど消極的な動きがあることから、「昨年想定していた世界経済へのリスクが現実のものにならなかった」ことを理由に、追加的に必要な資金の見通しを 4000億ドル超に引き下げていた。

日本は4月17日、IMFに600億ドルを拠出する考えを正式に発表した。
スウェーデンは、100億ドルを即時拠出し、後に147億ドルに増額する用意があると表明。デンマークも70億ドルの拠出を発表した。

IMFのLagarde専務理事は声明で「こららの諸国は、今週末の春季会合までに決定的な前進ができる基盤を作った」と歓迎の意を示した。

安住財務相は4月20日記者会見し、IMFの資金基盤強化で合意したことについて「日本は大きな貢献を果たせた」と述べ、ユーロ圏以外で口火を切って日本が600億ドルの拠出を表明したことで「予想以上の成果を挙げることができた」と自賛した。

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日本はこの600億ドル拠出に2012年3月末に1兆2887億ドルに達した外貨準備高を利用する。

Lehmanショック直後の2009年にIMFに外貨準備から1000億ドルを拠出したが、500億ドルが年内にも返済される見込み 。
これに外貨準備から100億ドルを上積みする。

2009年2月に日本政府がIMFに最大1000億ドルを拠出する取り決めに正式に署名した。
2008年11月のG20金融サミットで、当時の麻生首相が表明したもの。

加盟国支援が必要になった場合、要請を受けた日本が外貨準備からIMF貸し付ける形で拠出するもので、加盟国による資金提供としては過去最大、ストロスカーン専務理事は「人類の歴史上、最大の貢献だ」と謝意を表明 した。

外貨準備高は、円高を阻止するための為替介入の結果の外貨資産(米国債など)。
政府は国債の一種である政府短期証券を発行し金融市場から円資金を借りて外国為替市場でドルを買う。

このため、外貨資産に対応して、政府短期証券のかたちの円建て債務が生じている。
(2011年12月末の政府短期証券残高は、
123兆7889億円となっている。 円高で多額の為替差損が出ている。

2002年に政府は円売り・ドル買い介入を行い、その結果、2002年10月末残高4607億ドルが、2003年度末(2004年3月末)に8266億ドルに激増した。

2011年10月-11月の介入で残高は増加している。

 


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