南海トラフの巨大地震で新想定 「浜岡」再稼働は困難に

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内閣府中央防災会議の有識者会議は3月31日、東海から九州沖の「南海トラフ」で起きる地震について、「最大クラス」で津波や震度を予想した。 

「あらゆる可能性を想定した最大クラス」を前提に試算した。

2003年に政府はマグニチュード8.8の想定をしたが、その際は津波は最大17メートルだった。

今回、震源域を約2倍、地震の規模を約3倍のマグニチュード9.1とした。
満潮時の津波は高知県黒潮町の34.4メートルを最大に、各地でこれまでの想定の2~3倍となった。

中部電力浜岡原発のある静岡県御前崎市には21メートルの津波が押し寄せるという。
また、従来の震度6強から震度7になった。

中部電力が浜岡で想定している津波は8.3メートルである。
福島第1原発の津波が15メートル程度であったことを考慮し、緊急安全対策では1400億円をかけて高さ18メートル、長さ1.6キロの防波壁建設、扉の水密化や非常用電源増設などを進めているが、この防波壁を軽々と越える高さである。

原子力安全・保安院は「従来想定していた津波よりはるかに高く、緊急安全対策は結果的に不十分だった」として、中部電力に追加対策の検討を求める。

枝野経産相は3月31日、「これを踏まえて抜本的な安全対策を組み立てていくことになる」と述べ、必要な措置を取る考えを示した。

再稼働の前提となる安全対策が根底から見直しを迫られるのは必至で、巨額の安全対策費と併せ、浜岡原発の再稼働は一段と厳しくなった。 

なお、野田首相は4月3日、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を巡り、関係3閣僚と初の協議を行い、経産省に対し、再稼働の是非を判断するための「暫定安全基準」の整備を指示した。

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菅直人首相(当時)は2011年5月6日、中部電力の浜岡原子力発電所について、定期検査中の3号機のほか稼働中の4、5号機も含めてすべての原子炉を停止するよう要請したと発表した。

期限は、津波対策などで中電が検討している「防波壁の設置など中長期の対策が完成するまでの間」とした。

2011/5/7 菅首相、浜岡原発の全炉の運転停止を要請 

浜岡原電では、東海・東南海・南海地震の3連動の地震を検討し、津波の遡上高を海抜8.3メートルと想定している。

敷地前面にある砂丘堤防は海抜10~15mの高さがあり、地震後においてもこの高さはほぼ維持され、敷地内への津波の浸入を防ぐことができるとしていた。

中部電力では福島第1原発の津波が15メートル程度であったことを考慮し、下記の緊急安全対策(本年12月完工予定)を行っている。

当初、工事費を約1000億円と発表していたが、中部電力は3月21日、約400億円積み増すと発表した。

周辺の地質などを追加調査し、当初計画時点より防波壁の基礎部分を平均で2メートル深く造ることにした。
また、浜岡原発建屋内の防水扉や非常用ガスタービン発電機などを増強する。
今年12月としている工事の完了予定は変更しない。

1) 浸水防止対策

・防波壁設置工事

 海抜18mの防波壁
を新たに設置するとともに、両端部は盛土で約20mにかさ上げをおこなう。

・建屋内への浸水防止
 屋外の海水取水ポンプ浸水に備え、同様の機能を持つポンプを新たに設置する防水構造の建屋の中に設置。
 原子炉建屋外壁の耐圧性・防水性の強化(防水扉から水密扉への取り替えと強化扉の新設による二重化など)

 

2) 冷却機能強化

「海水取水ポンプ」や「非常用電源」などの機能の喪失が発生した場合でも、これに替わり、原子炉を冷やし続けるための「注水」「除熱」「電源供給」の3つの働きを保つための対策を幾重にも備え、一週間程度で確実かつ安全に原子炉を冷温停止に導く。

・注水

  1. 空冷式の熱交換器を設置
  2. 緊急時の注水確保のため電源を必要としない可搬式動力ポンプを配備
  3. 発電所に隣接する新野川から専用ホースなどを用いて淡水を送水
  4. 水源の多様化を目的とした水タンクを高台などに増設

・除熱

  1. 電源喪失時にベント操作をおこなうための窒素ボンベの設置
  2. 中央制御室から直接ベントがおこなえるよう遠隔操作化
  3. 冷温停止に必要な機器の予備品を確保

・電源供給

  1. ガスタービン発電機を高台に設置
  2. 災害対策用発電機の原子炉建屋屋上への設置
  3. 予備蓄電池の確保

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なお四国電力伊方原発の津波の想定は3メートルとされた。
従来の震度5強から6強になった。

保安院は3月26日に四国電力伊方原発3号機の1次評価を妥当とする審査書をまとめ、原子力安全委員会に報告した。
この1次評価では、扉の浸水対策などで14.2メートルの津波にまで耐えられるとしている。

 

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