ギリシャ、連立政権発足

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ギリシャ議会の総選挙は5月6日に投票が実施されたが、EU/IMFの支援を受けるために数々の緊縮策を打ち出してきた連立与党の新民主主義党と全ギリシャ社会主義運動の2党が300議席中149議席で、過半数を獲得できなかった。

このため、第一党から第三党までが順次、連立政権造りを模索したが、失敗に終わった。

2012/5/15   ギリシャ、再び混迷

この結果、6月17日に再選挙が行われた。

選挙結果は以下の通りで、新民主主義党が79議席を獲得し、強硬な反緊縮を唱えて人気の上がっていた急進左翼連合を8議席差で抜いて第一党となった。
なお、総議席数は300だが、250が選挙で選ばれ、第一党に50議席のボーナス議席が与えられる。

  選挙前 2012/5 2012/6   
全ギリシャ社会主義運動(PASOK) 160
(50+110)
41 33 緊縮推進

EUとの合意支持

新民主主義党(ND) 82 108
(50+58)
129
(50+79)
(連立与党) (242) (149) (162)
民主的左翼 0 19 17

緊縮策の2017年までの
段階的撤回を主張

(連立与党)     (179)  
急進左翼連合(SYRIZA) 13 52 71 反緊縮

EUとの合意反対

 

独立ギリシャ人 0 33 20
ギリシャ共産党 21 26 12
黄金の夜明け 0 21 18
正教民衆集会 15 0 0
合計 291 300 300  

  SYRIZAは共産党から分裂した左派小集団が2004年に選挙対策で寄り集まったもの。
   独立ギリシャ人:新民主主義党(ND)の議員が『反緊縮財政策』を掲げて2012年2月に立ち上げた。

ボーナス議席を加え129議席を獲得した新民主主義党による組閣作業は18日に始まった。

以前の連立与党の全ギリシャ社会主義運動と合わせると162議席となり、過半数を超えるが、親欧州派で17議席を持つ民主的左翼を連立に加え、179議席とした。
過去に政権を担ってきた両党への国内の反発は強く、反緊縮派を取り込み、政権基盤を安定化させるのが狙い。

民主的左翼は緊縮策の2017年までの段階的撤回を主張している。

6月21日に新政権の閣僚による就任宣誓式が行われ、3党連立政権が正式に発足した。

新たに発足した内閣は、外相、国防相などは新民主主義党が占める。他の2党は閣外協力となったが、両党はそれぞれが推薦する人物を入閣させた。
財務相には国内大手ナショナル銀行のラパノス取締役会議長が決まったが、6月25日病気のため辞退した。

 付記 財務相には経済学者のストゥルナラス氏が決まった。


連立与党3党は6月23日、新政権の政策合意書を発表した。
EU側が応じる可能性のない主張が多数盛り込まれている。
今後の政権の運営は難航すると思われる。

財政緊縮策(GDPに占める財政赤字の割合を2011年の9.3%から2.1%に引き下げ)の達成期限を2014年から2016年まで2年延長する。再延長も可能。
給与・年金削減、新たな課税の中止
(大幅に制約された)労働交渉権を以前の状態に復帰、労働者の給与・雇用を保障
既に減額された年金や諸手当を改め、不公平をなくす
納税は収入の25%まで。支払い不能分は年2回の分割払い
EUからの失業手当を1年延長し、自由業者にも支給
(引き上げられた)間接税額の低減
法人税率の据え置き、高所得者への課税強化は当面見送り
社会保険の追加措置

 

 

ギリシャは2月にユーロ圏とIMFから1300億ユーロの支援策を受けることで合意した。
  2012/2/23 ギリシャ第二次支援決定 

しかし、2度にわたる総選挙で、支援の条件となる改革が停滞しており、来月にも手元資金が枯渇する。

支援を受けるには、欧州委員会、欧州中央銀行(ECB)、IMFの合同調査団「トロイカ」の承認が必要で、「トロイカ」は7月2日以降にアテネを訪問し、ギリシャが進めている改革について進展状況を点検する。

 

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