「iPS細胞ストック構築」で赤十字と提携

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京都大の山中伸弥教授は7月17日、日本赤十字社と連携し、「iPS細胞ストック」を構築する意向を明らかにした。


山中教授は2012年5月のフォーラムで、iPS細胞による再生医療について「2020年まで全力疾走で研究を進め、新しい医学を確立させたい」と述べ、iPS細胞をタイプ別に準備する「iPS細胞ストック」の構築事業に今年から取り組む方針も明らかにしている。

2012/5/22 米国で3件目のiPS特許成立、iPS研究の現状

iPS作成には1人当たり1千万円程度がかかり、作製に半年が必要で急場の間に合わない。このため、厳重に品質管理されたiPS細胞ストックを構築するもの。

iPS細胞ストックの利用に際しては拒絶反応対策が必要で、白血球の血液型といえるHLA(ヒト白血球型抗原:Human Leukocyte Antigen)の合致が求められる。

HLAは白血球だけにあるのではなく、ほぼすべての細胞と体液に分布していて、組織適合性抗原(ヒトの免疫に関わる重要な分子)として働いていることが明らかになっている。

HLA抗原はヒトの第6染色体の上にある遺伝子群(DNA)によって決定されるタンパクで、核を持った細胞の表面上に存在する。

タンパクの構造によってクラスⅠ抗原(A、B、C)とクラスⅡ抗原(DR、DQ、DP)に分けられる。

移植には原則としてA座ーB座ーDR座の3座の適合が必要。(父母から各1の組み合わせを引き継ぐため、計6座)

Aは237種類、Bは472種類、DRは304種類で、理論的には34百万の組み合わせとなる。
兄弟姉妹の間では4分の1の確率でHLAが一致する。


父のAa-Bb-DRc(その父から)と Ad-Be-DRf(その母から)のいずれか
母のAg-Bh-DRi(その父から)と Aj-Bk-DRm(その母から)のいずれかの組み合わせ

HLA型は父母ごとに何百種で、合わせて何万もあり、全てのストックは無理だが、HLAホモドナー(父母が同型)のものは、片方が合えば使用できる。

HLA型が例えば [Ax-By-DRz & Ax-By-DRz〕のドナーのものは、片方が[Ax-By-DRz〕の人すべてに移植可能

民族によりHLA型の分布が異なるが、日本人の場合は、ある1名のホモドナーで全体の20%75名のホモドナーで80%をカバーできる。

ホモドナーを探すためにボランティアから血液を提供してもらう選択肢があるが、1例ずつ型を調べると費用が膨大になる。
赤十字との提携で、赤ちゃんのへその緒の臍帯血や骨髄などをバンクに登録する際に調べてあるHLA情報が利用できる。

iPS細胞研究所では、「提供者のプライバシーに配慮したうえで、再来年には臨床研究などで必要な人がいれば提供できるよう準備を進めたい」と話している。

 

 

 

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